古畑任三郎

演出:河野圭太


第40話 今、甦る死

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東京都外にある鬼切村。
堀部パンを経営する伍平が熊に襲われ死亡する。
すぐに長男の大吉は、明日役員会議を開くと告げる。しかし
次男の音弥は遺体の顔の色が不自然だったことを口にして、兄
の顔色をうかがう。
大吉は音弥に副社長になってもらうが、これまで通りお前の
好きなようにしていて構わないという。大吉は先祖が残した
裏山の件で電話し、レジャーランド建設の為に売ることを計画
していた。会社を続けるためには仕方がないとすると、音弥は
良いときにおじさんが死んでくれて良かったですねと告げる。

音弥は天馬の元へ。例の一件では先生の睨んだ通りだったと
告げ、自分が必ず止めることを口にする。天馬はこの一件で
最も心配しているのは兄弟が不仲になることだとして、二人が
対立をしないよう言い聞かせる。
天馬は自分の勤める郷土資料館に音弥と訪れる。天馬は、大吉
もかつては自分の教え子なので、裏山を売らないよう説得する
という。
そんな中、郷土資料館には学校から引き取ってきたという学生
達の自由研究の資料がダンボール箱一杯に入っていた。天馬は
音弥に自分の研究ノートが有れば持って行きなさいと告げる。
その中には音弥が小学生時代に書いた"完全犯罪の全て"に関する
ノートが入っていた。

天馬は大吉の勤める堀部パンに説得に行く。
大吉は社長室に有った鎧兜を実家へと運ぶ。社長室の模様替え
をするために家に持って帰ってきたとの事。

夜天馬は、堀部の母親である珠代に面会に訪れ、裏山の件
で大吉を説得してくれないかと頼むが、彼女は大吉が決めたこと
ならば仕方がないという。
音弥は大吉の居る部屋へ。すると音弥は会社は自分が引き継ぐ
事を告げ、僕には才覚と素養が有ることを訴える。兄さんは僕
の事を何もみておらず、僕はただの出来損ないの次男坊では
無いことを訴え、大吉の後頭部を殴打して殺害する。
大吉を引きずっていき、納戸の有る部屋へと引きずっていき、
つっかえ棒と角砂糖を使って、上手く時限式の仕掛けを作り
時間が来ると鎧兜が倒れてくる仕掛けを作るのだった。
そして自らはアリバイ工作のために、天馬と珠代の居る客間に
行き時が来るのを待つ。暫くすると二階の納戸の部屋から物音が
聞こえ、大吉の上に重い荷物が降り掛かり死んでいる事が
発見される。
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二重のトリック

計画の実行犯と裏でその計画を操るモノの二重的なシナリオが
用意されている。

タクシーで現場に訪れる古畑

因みに2万5060円の支払いだった。
携帯電話の電波も圏外になっていたが、これはどうやらこの土地
の磁場が関係しているようだ。

次々と堀部家に不幸が訪れる。

不幸が祟りだと称して今泉がパニックになる所が面白かった。
やっぱり今泉をいじらないと、ドラマが盛り上がらないよね。
コケシの頭をもいでしまった古畑がそれを彼に擦り付ける辺り
の関係が実にこのドラマっぽい関係を描いていて笑えた。

向島巡査の引退。

友人のホテルの警備を行うらしい。

ドラマとしては三つの構成

「鎧殺人事件」「雪の密室殺人事件」「わらべ歌殺人事件」

鎧のトリックが一番面白いものでは有ったが、何故現場に訪れた
時に砂糖水を拭き取らなかったのだろうね。

わらべ歌殺人事件では、先代の幾三が15年前に行方不明。
その弟の伍平は熊に襲われる。そして大吉は鎧に押しつぶされ
る。ただ熊に襲われたというのは偶然だったのか?

ちょっと事件の真相はウソっぽいつくり

天馬が音弥を上手く操っていたというのは俄に信じられない。
どうしてもそんなことで誘導されるかという気がする。
ただ小学時代から完全犯罪の研究をしていてそれを注意しない
大人というのもどうかと思う。

最後の真相は全て古畑任三郎の語りで処理される

なんだか随分説明っぽい展開だったな。
特に推察の部分で、社長室に有った鎧を何らかの方法で大吉に
天馬が持ち帰らせたとか、大吉殺害に於いて音弥があのタイミ
ングで兄を殺していていると断定して行動をしている所とか
かなり胡散臭い。

ドラマ禁断の解決法が用意されているのかと思った。

一番最後で古畑は推論と証拠を結びつけることは出来無かった
けれど、犯人は自供はしていたので、レコーダーにその自供
内容を録音しているという事で解決に導くのかと思っていた。

しかし音弥が殺人の方法をテープに録音していたというオチは
正直苦しい物がある。例え散弾銃の火薬の量が3.5gから8.5gに
替えていたとしても、それが直接犯罪者を特定する物ではない
しね。

古畑任三郎 - 田村正和
今泉慎太郎 - 西村雅彦
西園寺守 - 石井正則
向島巡査 - 小林隆

堀部大吉 …… 千葉哲也 (長男)
堀部音弥 …… 藤原竜也 (次男)
天馬恭介 …… 石坂浩二 (元校長、郷土資料館・館長)
堀部珠代 …… 立石涼子 (妻)
堀部ウメ …… 吉田日出子 (祖母)

佳田玲奈、中平良夫、山口みよ子、松本匡視、藁科みき
山本直輝、吉澤宙彦、恵有一、西本健太郎


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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