スペシャルドラマ・海峡

第3話 一人だけの海峡

http://www.nhk.or.jp/drama/kaikyou/

脚本/ジェームス三木

俊二の身を案じて奔走するも連絡する手立てのない朋子は
ただ手紙を書くしかなかった。そんな中、朝鮮時代の職場
で世話になった上司の市岡の好意で仕事を斡旋して貰う。
お世話になった伊藤の家を出て一人働く中、新聞記者の野中
と知り合う。

いやぁ感動しました。
厳しく接してくる人間も多かったけれど、最後は皆いい人達
ばかりで、本当に心が温まる思いだった。
互いに再会できた時には久しぶりに日本のドラマでも涙が出てきた。
僅か3話でこれだけ感情移入できるシナリオの偉大さを感じること
が出来た。

一つの愛を貫くことばかりが相手を思う事に繋がらないという
難しい時代だったなと改めて感じさせる内容だったと思う。

最終回は朝鮮本土の激動の時代で、全く消息が伝わってこ
ない木戸俊二の安否ばかりが気になり、日本での出来事は
有る意味些細な出来事だったと思う。勿論本人にしてみれば
苦しい時代だと思うが、これだけ激しい時代を生きてきた人
ならば、姑の小言など有る意味はじき返すだけのパワーを
もっているのではあるまいか。

義理の娘、そして姑が何故飛び出した朋子に突然態度を軟化
したのかよく分からなかった。言い過ぎたと思って反省した
のかな。

相変わらず朝鮮の母親が良い役目を果たすね。
自分の息子にとって何が大事なのかを考えるというよりも二人
のことをきちんと考えている。前回では息子以上に嫁のことを
第一に考えていたからね。本当に出来た母親だと思う。

更に良くできているのは互いに家庭を持つ身であるが、
嫁や夫が嫉妬心を露わにすることなく、二人が会うことを手引
きしてくれることだろう。それだけ時代が急速に変わている
事を実感させる。

インターネットでは時代考証が違うとか認識が間違っている
ような書き込みを見かけるが、あくまでドラマだし、全く
気になるようなものではなかった。こういうドラマを描いて
行くことが日韓の間には必要なことではなかろうか。

あと長谷川京子さん。
随分ジェームス三木に駄目ダシを貰ってナーバスになったとか
記事に書かれているが、存在感も演技も全く問題なかった。
寧ろ慎ましさや品格を感じられてとても良かったです。

出演
長谷川京子、眞島秀和、辺見えみり、豊原功補、美保純、
キム・テイ、でんでん、月見恭子、田口かるた、斉藤光香
河村麻里愛、ハン・ソヒ、イ・ジス、キム・ヨンラク
染谷千賀子、うみなつこ、柏木麻貴、西田優史、二橋康治
上滝征宏、ショー小菅、犬塚弘、コ・ドゥシム、小山明子
上川隆也、橋爪功

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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