めぞん一刻・完結編 脚本／岡田惠和 〜お金はないが愛はある!貧乏な就職浪人生と美しい管理人 さんとの笑って泣ける“格差恋愛”!!2500万超ベストセラー完結 【 めぞん一刻 第1弾 】

昭和60年・夏。
大学に合格した五代裕作は、昼過ぎに目が覚める。
大学でも行くかなと、たいそうな身分を満喫。
するといつの間にか隣部屋の四谷が五代の部屋でコーヒーを、
朱美も朝食を狙いにやってくる。更に浪人と声を掛けるのは
一の瀬。管理人さんは既に着飾ってデートに出掛けたのに、
裕作は駄目な奴だという一刻館の住民達。響子の相手は
一流大を出て、テニスも全国的に名を馳せた三鷹である。
何一つ裕作に勝てるモノはないと、五代の悪口を肴に酒を飲む
住民たち。
大学に行くと黒木小夜子から、学園祭"緑葉祭"で行う人形劇
の脚本を手渡される。ベンチで寝そべっている五代に声を
かけるのは親友の坂本。彼は手に入れた2枚の映画のチケットで
一緒に映画鑑賞に行こうと声を掛けたのだが、裕作はくれた
ものだと勘違い。そのチケットを使って管理人さんを誘おうと
企む。

超有名漫画のドラマ化、第2弾。
大学に合格した後の話で、自分の将来の進路に苦悩しつつ、
響子さんを巡って三鷹との激しい争いやこずえとの出会いなど
盛りだくさんの内容。

原作を知っている人ならば、殆どダイジェスト版を見ている
ような感覚になる事必至といった感じ。

めぞん一刻といえば、就職活動時代のエピソードも面白いのだが
就職浪人時代のやりとりがまた濃厚で駆け引きが面白いのだが、
その辺はバッサリとカットされていた。
当然ながら千草家との交流も無く、キャバレー時代の話しも
無い。
しかしポイントは上手く掴んで構成したような感じだ。

やはりドラマで面白い所と言えば、五代裕作の人間性とは逆に
上手く行かない人生の路線であったり、管理人さんの鈍感ぶり
と、裕作がこずえと出会うことで響子さんの心を揺さぶり、
嫉妬させるシーンの数々だと思う。

脱サラのアイディアを元に実家の店のことについて
話し合うために帰郷する場面も一刻館のメンバーに思わせぶり
なことを吹き込まれて、プロポーズを了承してもらいにいくと
勘違いしている響子さんとのやりとりはとても好きなシーン
の一つ。母親役が浅野温子さんだった事に驚き。

あの竹ぼうきを折り曲げて、顔を引きつらせながら"古くなって
いたのかしら"みたいなセリフを語るシーンが面白かったのに、
ただ折り曲げただけというのはちょっと残念。

学園祭での人形劇も原作ではとても印象的なシーンだったが、
こずえを登場させることで少し意味合いが変わってしまった。

ドラマとして気になる所は、どのようにこずえや三鷹を処理して
いくかだと思う。

こずえにはハッキリと事実を語ってしまったり、三鷹には就職が
決まることで自然に身を引かせてしまうなど、原作とは扱いが
違う。特に三鷹とはライバルの関係という感じがせず、単なる
犬嫌いのエピソードを繋げただけといった印象が残ったかな。

就職試験の前日とか酒を飲んで帰ってきて、響子さんに
泣きながら怒られるシーンとか好きだったのだけど、随分あっ
さりと五代君にイニシアチブを持たれて言いくるめられてしま
った。

ドラマは前作以上に濃厚になったが、一刻館のメンバーたち
や坂本の存在が随分と小さくなった感じも受ける。

最後の惣一郎の墓の前で"あなたを引っくるめて響子さんを
もらいます"シーンが有ったり、ばーちゃんが死んだふりして、
"孫見るまで死ぬわけ無いだろ、葬式代もないしな"が有ったのは
良かった。

ただ贅沢言えばプロボーズのシーンを綺麗にまとめて欲しかっ
た。原作では、酔いつぶれたお父さんを背負いながら、"残りの
人生をください"っていうんだけどね。それが、茶々丸だったと
いうのは残念。
二人の関係をまとめるために一刻館のメンバーが最後は随分
と強引な行動を取る事になるのも、悪魔のような一刻館
メンバーを良い人たちにしてしまった印象だ。

響子と裕作、二人が関係をもった後、それがバレてしまう時の
リアルな顔の四谷さん"良かったじゃないですか"シーンが無か
ったのも残念。

しかし伊東美咲の管理人さん役は「電車男」のエルメス役と
同様に適役だった。

五代裕作………中村大樹
音無響子………伊東美咲
四谷………岸部一徳
一の瀬花江………岸本加世子
六本木朱美………高橋由美子
一の瀬の夫………志賀廣太郎
一の瀬賢太郎………新堀蓮、松川真之介

三鷹瞬………沢村一樹
七尾こずえ………南明奈
黒木小夜子………前田愛
坂本………橋爪遼
五代ゆかり………菅井きん
五代の父………宇崎竜童
五代の母………浅野温子
五代の姉………石橋奈美
五代の義兄………山本浩司

大学の職員………蛭子能収
就職………デビット伊東
就職………徳井優
キャバレー店長………藤原喜明
ホステス1………山田真由子
ホステス2………大坂麻実
ホステス3………新澤恵美
ホステス4………吉川麻美
受付………小谷早弥花

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)