のだめカンタービレinヨーロッパ

脚本/衛藤凛
出演/上野樹里玉木宏瑛太水川あさみ、小出恵介
遠藤雄弥、伊武雅刀、竹中直人、近藤公園、坂本真、松岡璃奈子
松岡恵望子、山中崇、小林きな子、深田あき、小嶌天天
木村了、橋爪遼、波岡一喜、桜井千寿、向井理
ジリ・ヴァンソン、ズデネク・マカル、三浦涼介、出口緒美子
マイク・ジーバグ、パヴェル・エレット、福士誠治
吉瀬美智子、ウエンツ瑛士、ロザンナ、ベッキー、温水洋一
山口紗弥加、石井正則

http://wwwz.fujitv.co.jp/nodame/index.html

第一夜 恋も音楽も新章突入変態&俺様!
夢の指揮コンクール大決戦!!

2007年春。
大学の卒業と同時に野田恵(のだめ)と千秋真一はフランスの
パリへと飛び立つ。のだめはパリ国立高等音楽院へのピアノ
留学。千秋はプラティニ国際指揮者コンクールに出場する為
のものだった。

2006年の秋クール(10月期)のフジTV月9ドラマとして放送した
「のだめカンタービレ」のスペシャル版。ドラマの時からの
続きで、卒業後に欧州へ行くところを描いた物だ。

舞台はフランスのパリとチェコのプラハ。
フランスは千秋の母方のアパルトマンが有り、のだめの拠点と
なるべき場所。学友であり同じアパートに住む住人との出会い
がある。
チェコのプラハは千秋が出場するプラティニ国際指揮者コンク
ールの舞台であり、幼き頃出会った恩師でもある指揮者の
ヴィエラ先生がいる場所だ。

今回のドラマに有って懸案となるべき事は二つ有った。
一つ目は千秋とのだめの二人は別々の国の舞台へ旅立つこと
であり、どの様にして二人を一つのフレームに収めるのかと
いう事。そしてもう一つは外国篇という事で言語の問題が
発生する。

今回は取りあえずのだめの学校が始まる前の期間と言うことで
一緒にいることが出来たが、学校が始まる第二夜ではそれが
どういう扱いになるのか気になるところだ。

言語の問題については思い切って断り書きを入れて日本語で
進行するなどなかなか良い措置だったと思う。

今回のスペシャル版で新たなキャラクターの登場。
フランス人のアニメオタク・フランクをウエンツ瑛士が演じて
おり、ロシア人ギャル女・ターニャをベッキーが演じている。
外国人が下手に絡むとドラマのテンポが乱れて痛々しくなる
ものだが、この二人は上手い選出だと思う。
ただこの二人、それぞれ千秋とのだめを誘惑して互いに嫉妬
させようとする意図が有るのかも知れないが、流石に二人の
間に割って入るほどのキャラクターではなかった。

ドラマの大部分はコンクールの様子を千秋視点で描いたもの
だった。
のだめにしても千秋にしても二人の性格を遺憾なく発揮して
おり、特に千秋の性格がマスターとオーケストラの間で歪みを
生む部分などは良くできていたと思う。レギュラーシーズンの
時にも彼の我の強さが仲間との衝突を生む場面が有ったが、
今回はコンクール特有の緊張感と千秋の価値観を揺るがすほどの
力を持ったライバルを挿入することにより、千秋に試練を与える
展開で良くできていたと思う。

またドラマの中で出てくる表現も独特で、音が眩しいとか、
手から音がこぼれ落ちるなど、説明的になりすぎず上手く分析
する言葉を使ったなという気がした。

最後に千秋にとってのだめとはどんな存在なのかを描いた事も
ドラマを上手く締めたと思う。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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