大奥〜華の乱〜 スペシャル
(2005年12月30日放送)

企画:保原賢一郎
プロデュース:林徹・手塚治・樋口徹・金丸哲也
脚本:浅野妙子・尾崎将也
演出:林徹
音楽:石田勝範


SP版 悲恋の果てに
--------------------------------------------------------
安子と音羽は出家する。
法要に出ていた音羽は、柳沢からの手紙を預かっていると告げる。
現在柳沢は重い病で伏せており、一度安子に逢って話がしたい
のだという。
安子は夫の成住を殺し、女性を踏み台にした柳沢とは会いたく
ないとするが、音羽から人は死ねば仏になり、存念を聞いて
見るのも良いのではないかと告げる。
二人は神田橋にある柳沢邸を訪れる。
病床に伏せていた柳沢は既に視力が無く、安子が来ると分かると
里久の名前を口にする。安子は誰のことなのかと尋ねると、かつ
て夫婦の約束を交わしていた人だという。

五代将軍・綱吉がまだ館林藩主の頃の話だという。
柳沢は当時保明と言われ650万石のお小納戸役だったという。
綱吉は教養を重んじ、保明らと共に学問をしていた。
人の貴賤は教養と心映えだという綱吉に、保明は彼を崇拝し、
綱吉もまた保明に信任を得ていた。何をするときも二人は一緒。
二人は主従関係と言うよりも兄弟みたいな関係だった。

藩邸の奥向きに勤めていた里久。里久から弁当を受ける保明は
箸包みに書かれた彼女からのメッセージに喜びを覚える。
二人は互いに愛し合っていた。
保明は里久の実家に行き、彼女の母・信乃の為に高麗人参を
届ける。年明けには結納の日を決めたという保明。
里久の父親・清之進は謀反の罪に問われ、島流しにされた罪人
だった。母・信乃は罪人の娘などを嫁にしても大丈夫かと
保明の事を心配する。ウチの藩主は人の貴賤を家柄で見る人
ではないと告げる。

その頃、館林藩主の元に正室の信子が嫁いでくる。
信子は京の公家・鷹司家の娘で大切に扱われる。
そんな信子にも初めてのお勤めの日が来る。付き人からただ
目を瞑ってじっとしていれば良いと言われる。
信子は綱吉や桂昌院が自分のことを気に入ってくれているのか
心配になるが、桂昌院も京の人なので話題に出して見たらどうか
とアドバイスされる。
見事お勤めを果たした後、桂昌院のご機嫌を取ろうと京の打ち
掛け屋の話をしてコミュニケーションを取るが、逆に不機嫌に
させてしまう。元々商家出身の桂昌院は過去を偽り生きてきた
ので触れられたくない事の一つだった。桂昌院は信子は常に
京の話を持ち出し、江戸風を蔑んでいるとして、彼女を目の敵
にしていくことになる。

--------------------------------------------------------

安子に対するそれぞれの思い

綱吉は随分連ドラ版の中で安子に純愛のような視線を持って
いたし、柳沢はどんな目で彼女を見ていたのか。
安子とそっくりの女性・里久の存在によって、安子に対する
思いと言うよりも、それぞれ里久の事を引きずっているので
はないかと思わせる部分が描かれた。

時は綱吉が江戸城に住む前の事

信子との出会い、そしてお伝との出会いが描かれた事で
随分ドラマも厚くなった感じだ。
お伝が自らの体をかけてのし上がろうとする事が、実家の様子
からも見て取れるし、体を洗う彼女のシーンがとても印象に
残った。

綱吉の見境無さによって、無二の親友・柳沢に恨まれる

二人はとても良い関係だったのに、お伝との関係を持つ際に
里久がアシスタントをした事で、殿との出会いが持たれてし
まった。とても皮肉なことだけど、色んな思惑が絡んでいて
面白いシーンの一つだった。

桂昌院は神頼み

隆光から南から吉兆、西より災いの影だと言われて、西から
来る里久の事を始末していくことになる。
殺し方がまた惨いというか、こんなにあからさまに殺害しても
良いのでしょうかという感じだったな。

それぞれの傷

もっと早くに互いの傷や寂しさについて分かり合っていれば
人の死も避けられたかも知れないとの事。
まぁ話し合ってどうにか出来る様な時代でもないし、分かり
合うなんて難しい事だったのだろうね。


安子(綱吉側室、牧野成貞の娘):内山理名
徳川綱吉(第5代将軍):谷原章介
お伝の方(綱吉側室):小池栄子
阿久里(安子の母):萬田久子
牧野成貞(綱吉側用人、安子の父):平泉成
隆光(僧侶):火野正平
小谷権太郎(お伝の兄):木下ほうか
音羽(桂昌院付中臈)・ナレーション:余貴美子
桂昌院(家光側室、綱吉生母):江波杏子
信子(綱吉正室):藤原紀香

里久(保明の恋人・舘林藩邸女中のちの綱吉側室):内山理名
柳沢保明(のちの柳沢吉保):北村一輝
おとみ(お伝と対決する舘林藩邸女中):佐藤仁美
お葛(のちの葛原):鷲尾真知子
お美代(のちの美吉野):山口香緒里
お秀(のちの秀尾):久保田磨希
信乃(里久の母):朝加真由美
小谷権兵衛(お伝の父):笹野高史
奥平(舘林藩邸家来・桂昌院付家来):徳井優
内藤若狭守(老中):藤田宗久
堀田正俊(老中):本田博太郎
館林藩邸女中・信子付女中:佐藤友紀
徳川家綱(家光長男・第4代将軍・綱吉の兄):清家三彦
滝川(桂昌院付女中):鈴川法子


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system