いやぁなかなか面白いですね。
マンガから始まって映画が好評だった故に作られたドラマ版
って感じなのかな?
ドラマ版は木曜・9時／2002年7月4日〜9月12日までの枠で
放送されたもので、今回オダギリ・ジョー主演のドラマ
「時効警察」が始まる前の番宣と言うことで年末4日間集中
で再放送されたものを今回初めて見てみました。

普通脚本として考えるならば、読心術の様に相手の考えを
顔の表情一つで読み取ってしまう人をクローズアップさせる
ものだと思うのに、これは逆に自分で思ったことが口に
出さなくても周囲にサトラレてしまう不思議な能力が備わった
人間を扱ったドラマ。

この中の設定を考えればもの凄い膨大なものになるだろうし、
普通はそんな膨大さに挫折してしまうものではないかな。

アイディアとしてかなり奇抜な物だけど、このアイディアを
出した時点で勝ち組って感じです。

このドラマ、相手に心の中をさらけ出している為に、過激な
感性を持つ人間は当然に扱えない。そしてあまり人間の心理に
対してリアル過ぎても嫌みな人間に映るし、複雑すぎても面白く
なくなる訳で、ドラマとしてサトラレの考え方にはかなり
デフォルメ化されたシンプル且つ純粋で嫌みのない人間像を
描く必要が有った。

そこで作ったのが今回の主人公のような子供っぽい感性を
持つ純粋な人間だと思うのだけど、主演のオダギリ・ジョーは
そんな人間像を上手く演じたのではないかな。

奇抜な能力を持つが故の主人公の孤独が終始一貫しており、
何故かそんな孤独感に共鳴している神田うのの存在の面白さ
が特にドラマの中では目立った。

サトラレの警護に就いている神田うのや杉本哲太というのは
母親以上に彼の心を理解しているのだから、感情移入してしまう
のは仕方がないこと。勿論移入する先にいる人間性が良くない
ことには始まらないのですが、そんなキャラクターの心情なんか
も上手く描き出したかな。

鶴田真由との関係もかなり控えめな表現だったけど、これ以上
進展したら耐えられないくらい過激に映ってしまいますからね。
子供っぽいくらいがちょうど良かったと思います。

評価：★★★★☆