少しは、恩返しができたかな

脚本/山崎淳也
出演/二宮和也、池脇千鶴、勝地涼、勝村政信、小木茂光
高橋一生、谷啓、金田明夫、村田雄浩、大竹しのぶ

http://www.tbs.co.jp/sukosi-ongaesi/

肉腫が発覚してから1年10ヶ月の間。
主人公が周りに支えられながら高校を卒業し、見事受験に合格
する様子を描いた作品。

難病を患っているにもかかわらず、家族の前では不安な顔一つ
せずに逆に恩返しする事を考えている。
病人の役を演じた二宮和也の周りに集まる友達の多さや先生から
信頼を受けている事を見ても明らかだが、彼の性格の良さ
だったり人間性の良さは伝わってくるのだけど、やっぱり内心で
は死の恐怖と戦っている姿を見ると、その中に人間の強さだっ
たり弱さだったりが垣間見られて、何処か親近感が沸いてくる
感じだった。

ドラマとして良かったところは、そんな難病の患者が、一方的に
周りの者達から施しを受けるばかりでなく、周りの者にも多大な
影響を与えているという現実だ。

相手の頑張りが自分の力になり、逆に自分の頑張りもまた相手に
伝わる事。互いに向上心が生まれる良い環境に恵まれ、それだ
からこそ、東大にも合格出来たのだと思う。


受験に合格することを目標に、目標さえあれば頑張る事が出来る
といった1つのメッセージが込められていたが、ドラマでは達成
する事への願いと同時に、願いが叶った後の喪失感に痛々しさを
感じたのも事実だった。

その辺の心情が友人らとのメールのやりとりの中で吐露されている
部分があり、寂しさを感じさせる演出だった。

評価:★★★☆☆

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