世にも奇妙な物語・SMAPの特別編
7年前の伝説再び

語り手・タモリ

世にも奇妙な物語 全エピソード

エキストラ
脚本/中村樹基

売れない俳優の只野一郎は仕事を求めて事務所を訪れる。
エキストラの仕事が有るとして出された一枚の紙。
そこにはセリフが書かれていたが、どんな仕事なのか
一切教えてもらえなかった。カメラも無いという現場。
ただ茶色の服をきた人物が語りかけてきたらそのセリフを
述べよとだけ言われる。


人生はドラマみたいなものだけど、決まったセリフだけしか
許されず、人生も決められているとするならばどうするのか。
どんな場面に於いても自分の意思や感情は抜きにして、
決められたレールを進むだけの毎日。まるで資本主義の社会
を否定し、社会主義の世界の中に閉じこめられたような気持ち
が体感できるのかも知れない。未来が決まっている世の中は
消極的な人には良いのかも。安心感は有るし、飢餓で苦しむ
事もない。とても面白い話しだった。

香取慎吾、矢田亜希子、陰山泰、岡田義徳、佐藤誓、田中要次
宮下今日子、宮崎吐夢、田村たがめ、林光樹、斎藤あきら
窪園純一、安藤整治、日高哲也、新堀真澄、翁和輝、平野靖幸
高山麻美、杉山奈美枝、Shelly Sweeney、高橋かずみ
河原さぶ



13番目の客 草なぎ剛 大杉漣
脚本/深谷仁一、落合正幸

ディスカウントショップの社長・本田謙一郎。
この日も携帯で部下に指示しながら、車で向かう先は、
付き合いで仕方なく出席する政治家息子の結婚式。
髭や髪の毛が伸びているのに気がつき、理髪店に立ち寄る事に
するのだが...。


とても奥の深い話しだった。
全く違う世界に飛び込んだ人がその世界独特の秩序を学んで
いく過程を描く。人間の行動心理学を上手い形で見せられて
いるかの様な話しだ。
主人公の男は当然反発したり、すぐに飛び出そうとするが、
それが出来ないと分かると一時は落ち込むが、やがて空腹で
有る自分に気がつき、その世界に上手く馴染んで行こうとする。
秩序を乱すまいとして、人々が上手く衝突を避けようとする様
など人間が与え持った行動力学なんだろうね。
いざその世界の秩序を修得するも、別の世界ではそんな秩序
が何の意味も持たない所など、とてもシュールな作りがよく
出来た内容だ。

草なぎ剛、佐々木和也、戸田昌宏、江良潤、田鍋謙一郎
並樹史朗、大河内浩、二瓶鮫一、河野洋一郎
青木吉良、棚橋ナッツ、伊藤大起、浜幸一朗、大西武志
澤山雄次、岡島博、法福法彦、渓太、みやづ康彦、大杉漣



BLACK ROOM
脚本/石井克人

ナオキは3年ぶりに留学先アメリカから帰国する。
両親を驚かせようとして連絡もなく帰国するが、町の様子
が一変していて違和感を覚える。町の中心は煌々とした灯り
によって栄えているものの、自分が住んでいた住宅地は
灯り一つ無く暗闇なのである。家も全く変わっていて、
久しぶりに面会した両親もどこか余所余所しかった。


一つの空間の中で展開する様は、三谷幸喜の「12人の優しい
日本人」みたいな物語。
ドラマとして上手いのは、周りを暗闇にして視界を遮り、
音などの効果音で色々と想像力を働かせるような作りに
なっている点だ。あらゆる五感を研ぎ澄まして、この物語
の全貌を掴もうとする視聴者をあざ笑うかのような展開は
実に巧みであるし、ある意味バカバカしさの中にセンスを
感じる。
ナオキのアメリカの恋人は本当にブスなのか。この家は
どういう構造になっているのか。両親が突然告白した妹の
存在など、会話のやりとりのはぐらかし方がとても巧みで、
まるで無理問答しているかのようだ。
オチの壮大さも凄すぎて超越している。

木村拓哉、樹木希林、志賀廣太郎、我修院達也、松井蘭丸
長澤瞳



僕は旅をする
脚本/佐藤嗣麻子

踏切で事故死した姉・ひとみ。
警察からそう連絡を受けて遺体と面会する父親と息子。
しかしその遺体には顔が無く、本当に姉なのか確認のしようが
無かった。

黒いカバンを持っていたはずなのにそのカバンが見つかって
いない。飯田とも子という女性から電話が鳴ると、姉は
彼女の家に行っていたことが分かる。間違いである可能性も
有るとして、息子のかつやは金沢に向かう。

ドラマを見たとき、亡くなっているのは姉ではなく息子である
というオチなのかと思ってみていたのだが、全然違った。
イマイチ要領を掴むことが出来なかったのだが、どの辺で
カツヤは姉の死を受け止めたのだろうね。

稲垣吾郎、桜井幸子、田島令子、銀粉蝶、塩屋俊、木村翠
弘中麻紀、古郡雅浩、泉澤祐希、寉岡瑞希、寺田農



オトナ受験
脚本/大野敏哉

相良洋二は彼女である南由香と映画館に行く。
チケットを購入するときに窓口で免許の提示を求められ、
自動車の免許を出すが、それではないという。必要なのは
"オトナ免許"。それを持っていないというとすぐに警備の者
が来て彼を特別訓練所に連れて行く。


オトナになりきれない人が多い今日、上手い形で社会の皮肉
を描いた作品になった。
資格ブームである風潮も上手く風刺しているのでしょうか。
なんだか訳の分からない資格が多いからね。
マニュアルだけで全てではないと主張が上手く通る形だった
が、永久子供というオチも見てみたかった。
しかしつり革を両手で掴んではいけないものなのか?
痴漢に間違われないように両手で掴む事って有るんじゃない
かなと。

中居正広、広末涼子、近藤芳正、山田明郷、六角精児
宍戸美和公、野仲功、広岡由里子、伊藤正之、問田憲輔
田代直子、平岩紙、横山尚之、重見成人、みほこ、八嶋麻実
水谷悦子、松村奈緒、二木静美

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