「世にも奇妙な物語・秋の特別編…眠れなくなるかもしれない今宵
極上の奇妙にご用心」

ストーリーテラー:タモリ
編成企画:成田一樹、水野綾子、加藤達也
音楽:`島邦明

脚本:
演出:佐藤源太

老婆 …… 森康子
若者 …… 上野直人

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/kimyo/index.html





◆『心霊アプリ』
(脚本:寺田敏雄 演出:松木創)
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学習塾で事務員として働く立花さおり(大島優子)は、学生の
間で流行っているという「心霊アプリ」をスマートフォンにダ
ウンロードする。このアプリケーションで写真を撮ると、背後
に心霊の画像が合成されるというもの。友人の驚いた顔に満足
気なさおり。そしてある日、さおりの心霊アプリに「バージョ
ンアップしますか?」「バージョンアップ後はご自分で撮った
人物を霊のサンプル画像として取り込むことが出来ます」と、
メッセージが表示される。すっかり「心霊アプリ」にハマって
いたさおりは、ためらうことなくバージョンアップ。しかしそ
の後、予期せぬ不幸が彼女に降りかかる。

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スマホの普及によりアプリも多種多様なものが出ているけど、
有りそうでなさそうな心霊アプリ。
恐い物見たさが生み出した産物なのだろうけど、霊を軽視して
いたり、説明書も読まない現代人の習性、そして出所不明の
アプリの危険性など様々な要素が意味合いとして含まれて
いた。
最近は写真のデコレートも容易に出来るので、捜せばこういう
アプリもホントに有りそう。

立花さおり …… 大島優子 (派遣、学習塾勤務)
伊藤和人 …… 大東駿介 (さおりの彼)
竹本良雄 …… 菊池均也 (さおりの上司)
水田裕子 …… 佐藤みゆき (さおりの同僚)
川口敦美 …… 秋月三佳 (生徒)
本橋美加 …… 藤井武美 (生徒)
相沢萌 …… 戸井智恵美 (生徒)
粕谷洋祐 …… 柾木玲弥 (生徒・存在感が薄い、自殺)
弁当屋のおばちゃん …… 澤純子
女性職員 …… 中村朝佳
客1 …… 酒井啓全
客2 …… 桝本圭作
講師 …… 服部一貴

◆来世不動産
(脚本:バカリズム 演出:岩田和行)
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バカリズム原作・脚本で送る、奇妙な世界で繰り広げられる男
2人の会話劇。
倒れている1人の男(高橋克実)が目を覚まし立ち上がると、
そこは草原だった。辺りには何も無い。しかし、目を凝らして
もう一度辺りを見回すと、ぽつんと1軒の建物が見える。男が
その建物のドアを開くと、中には1人の不動産屋(バカリズム)
の姿があった。「いらっしゃいませ」。男がたどりついたの
は…。

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輪廻転生の概念を現代的ポイント制によって、その後の人生
を自分で選ぶ事が出来るというシステムとして確立したと
いうもの。

セミの五月蠅さを快楽の叫びに転換する発想の素晴らしさが
有ったかな。

個人的に悪徳不動産によってその後の人生を追い込まれていく
のではないか?と思う物が有ってセミにさせられた悲劇が描か
れていくものだと思った。

数字が何を意味しているのか、そして内見と称してどの動物
を見ていくのか、その辺のチョイスのセンスが全てだろうね。

男 …… 高橋克実
不動産屋 …… バカリズム
妻 …… 笹山ゆき乃
少年時代の男 …… 五味佳晃
老人 …… 山浦栄
老人の妻 …… 菊地佐玖子

◆蛇口
(脚本:北川亜矢子 演出:佐藤源太)
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妻が一酸化炭素中毒で危険な状態であると、病院からの電話を
受ける浅村雄一(伊藤英明)。振り返ると、庭のガーデンテー
ブルからにょっきりと蛇口が生えている。雄一は、その蛇口に
見覚えがある。自分の母親が死んだとき、友人や、上司が生死
の境をさまよったときなど、身近な人間に死の危険がせまった
とき、その蛇口は急にあらわれる。そして今回も、目前に蛇口
が現れた。
果たして、この蛇口は一体誰の生死を暗示しているものなのか
…。雄一は、娘の美咲を連れて、妻が救急搬送された病院へと
向かう。

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近しい人の生死の境目に有る際に、その後の生死の流れを
蛇口をひねると分かるという男の物語。
特殊能力とは言え、凄く不要な能力だな。

蛇口をひねる際に出てくる微妙な音。
そして何故か蛇口があればひねりたくなってしまうという心理。
その辺の巧みさが光るものがあったかな。

自分の運命さえも蛇口によって見えてしまうという皮肉混じり
の物語。浮気して居た貴子は助かってしまうところもまた皮肉
に富んでいて良かったのかな。人は金の有る方が家庭に於いても
イニシアチブを持てるものなのかな。

浅村雄一 …… 伊藤英明 (夫)
浅村貴子 …… 森口瑤子 (妻、夫より稼ぎ良し。実家から相続)
浅村美咲 …… 宮武祭 (娘)
少年時代の雄一 …… 馬渕誉
雄一の母 …… 樋口文乃 (夫の借金で自殺)
高校時代の雄一 …… 一条龍之介
男性教師 …… 石田ヨウスケ
亀山 …… 栗原大司 (高校時代・雄一の親友)
上司 …… 加藤忠可
部下 …… 山下真美子
幼少期の美咲 …… 小林実由
医者 …… 骨川道夫
若い男 …… 山本栄司 (妻が浮気)


◆相席の恋人
(脚本:和田清人 演出:高丸雅隆)
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運命の人との結婚を夢見るOL・山田スズ(倉科カナ)。高校時
代からの恋人、今藤良樹(佐野和真)と同棲中だが、すれ違い
の日々が続いている。そんな中、ひとり夕食を食べる為に入っ
た喫茶店で、スズはめまいに襲われる。そして気が付くと、見
知らぬ老人(宇津井健)がスズのテーブルに相席をしていた。
「久しぶりだね」と親しげに声をかけてくる相席の男に不信感
が拭えないスズ。男が「…僕は君の恋人なんだ」と、照れ臭そ
うに笑うと、スズは再びめまいに襲われ……気が付くと男の姿
は消えていた。その不思議な体験が気になって、スズは再び喫
茶店を訪れるが…

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山田スズが運命の相手だと思っていた良樹は結婚のプレッシャ
ーから逃れる為なのか彼女に対する態度が冷たい。
そんな中、いつも会社帰りに立ち寄る喫茶店"ピルグリム"で
不思議な出会いが有る。老人はスズのことを恋人だと告げ、
スズの事をよく知っていた。

時計、未来、運命というキーワードがすり込まれた内容だった。
ホントの運命の相手とは誰なのか。
良樹が運命の相手だと信じたい心とは逆に、彼氏の冷たい態度
によって、その辺の不安な心理が面白く現れていた。

老人の態度、癖から運命の相手に対する想像を喚起して、
落ち込んでいる彼女を一瞬にして希望を持たせるという意味
で凄く面白く出来た内容だった。

理想的な家庭像が未来にあると保証に近い形で分かれば、
それだけで生きている事が楽しくなるだろうね。

山田スズ …… 倉科カナ (25歳、OL)
今藤良樹 …… 佐野和真 (スズとは高校時代からの彼)
見知らぬ老人 …… 宇津井健 (相席の男)
ウェイターX …… 窪寺昭
ウェイターA …… 大竹浩一
由美 …… 松山愛里 (スズの友人、良樹とも知人)
若い女 …… 江奈さやか (良樹と浮気)
広瀬タカシ …… 庄野崎謙 (スズの運命の相手)

◆ヘイトウイルス
(脚本:黒岩勉 演出:落合正幸)
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わずか半世紀ほど前、人類は愚かな戦争を繰り返していた。終
わることのない憎しみと暴力の連鎖…。憎悪の原因はあるウイ
ルスの感染によるものとし、そのウイルスは「ヘイトウイルス」
と名付けられた。そして研究者たちは「ヘイトウイルス」を
死滅させるワクチンの開発に成功。地球上からあらゆる争いが
なくなり、人類は「ユートピア」を手に入れた。
ある日、ユートピア保全機構のサエキマコト(草なぎ剛)は、
いつものように「ヘイトウイルス」に侵された患者へのワクチ
ン投与やウイルス除去チェックを行っていた。そこに新たな
「ヘイトウイルス」感染者による殺人事件発生の一報が入る。
被害者はサエキの妻。そして感染者はクリタハジメ(森廉)。
クリタはかつてサエキの娘を殺した犯人であった。サエキによ
るワクチン投与を希望してやってきたクリタを目前に、はたし
てサエキは…。

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感情の中でも人を傷つけ合う怒りの感情を抑え込むことで
世界を平和にしようというもの。人類に対する冒涜ではないの
かとする展開が皮肉にも面白く描かれた内容だった。

ヘイトウィルスの開発過程を映像として一瞬で紹介してしまう
辺りのVTRの作りは「LOST」っぽさが有って、皮肉な感じが
面白く出ていた。

人類の歴史の中で、人が如何に愚かしいことをしているのか。
怒りの感情の連鎖によって絶える事のない負の感情の行き着く
先は破滅である事を描いたもの。

破滅に導く事が分かったとしても、そう簡単に感情は封じ込める
訳ではないだろうし、社会に於いて、個の感情だけを押し殺し
ても相手の居る事なので如何に無意味な事なのか。

サエキに声を掛ける研究者の女性の心ない言葉がなんとも
腹が立つものが有ったね。

サエキマコト …… 草なぎ剛 (妻と娘をクリタに殺される)
クリタハジメ …… 森廉 (サエキに復讐で母を殺される)
シミズハヤコ …… 藤本泉
セキネタダシ …… 土屋裕一
ワタナベヒロシ …… 大関真
クリタの母 …… 原千果子
サエキヨウコ …… 近藤玲奈
ドクターS …… ChristobherBattin
所長 …… 品川徹
ナレーション …… 泉龍太

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)



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