BONES - 骨は語る -
シーズン4




 

Apr. 20, 2009
第22話 ライリー家の秘密 Double Death of the Dearly Departed

脚本/Craig Silverstein
監督/Milan Cheylov
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ジェファソニアンのエジプト学の50歳の博士・ハンクが先天性
の疾患により心不全で突然亡くなる。
ブースも含めて全員で弔問に行くことになるが、その道中に
ブースはブレナンに対して、普通のことを言うんだぞと予め
釘を刺す。ブレナンは相変わらずただ死亡者がウチの職員だった
というだけなのに何で行くのかという。その人を悼む儀式に
一日付き合う慣習に慣れていないのだという。死亡者なんて
言うなと告げる。カムは娘・ミシェルの事で博士に相談して
いた事を告げ、喫煙するミシェルの件で困っているという。
法定後見人になって一ヶ月なのに・・・と。ブレナンはハンク
博士ってブロンドの巻き毛で青い目をしたメガネの人か?
と問うと、ブースは髪の毛は茶色で薄いという。
ホッジンズは20ドル借りたままだった事を告げ返せなかったと
嘆く。ブースは逆に20ドルを貸したまま逝かれてしまった
事をつぶやく。

ハンクの家は豪邸だった。
ハンクの助手のエイミー・バレスカがブースたちの前で悲しんで
いるのを目にする。悲しみに対処する方法を説こうとするスイー
ツに対して、ブースはその為に酒があるんだと語る。
ハンクの母・アンはクリーニング業で財を築いた人物だという。
ハンクの兄・バーニーは弔問にブレナンがいるのを見て感激する。
私も推理小説を執筆しているというバーニー。
葬儀社のフランクリン・タンは現場を取り仕切り、一通り故人
への挨拶が済んだら奥で飲み物を用意していると誘導する。
ホッジンズはハンクの棺桶に20ドルを返却し、ブースはその
20ドルを回収する。
ハンクの正妻のヘレンはハンクの助手のエイミーが棺桶にバラの
花を供えるのを見てものすごい形相でにらみつける。
一方ブレナンはハンクの棺桶を見ると、バラが落ちそうになって
いるのを見て故人に触れる。すると体の肋骨が不自然に折れて
いるのを知る。それを知ったブレナンはブースに対して、
死因は心疾患ではない事を告げる。ブースは殺人というのは
ちょっとこの場では不味いとし、これからは"変換"と呼ぼうと
告げる。ブースはブレナンだけがハンクのことを知らなかった
ので、引け目を感じて変換だと感じたのではないかとするが、
バラが落ちているのを見て体に触れた際に異変に気がついた
のだという。ブースは体に触れたのかと呆れるが、死体なんて
いつも触れていることだというブレナン。肋骨の第二から第四
が折れていたというと、ブースはブレナンに酒を飲めとつげ、
君は酔いつぶれて欲しいと懇願する。変換ならば検死官が
気がついたハズだろうとするとブレナンも確かにその通りだと
認める。ブースは明日検視した奴を見つけて話を聞こうと言うが
今日の午後に火葬されてしまうので、今すぐ差し止め命令を
判事からもらってくれという。ブースは判事の下に連絡するので
ブレナンは献杯しろと告げ、悲しそうな顔をするんだと告げる。

ヘレンは弔問客の前で夫のハンクとの思い出話をする。
毎朝ハンクの好きな紅茶を入れるのが私の日課だったことを
告げこれからは寂しくなるという。ジョウナ・アマヨ博士
ハンクとはジェファソニアンの同期で、彼はエジプト学で
私はカリブ部門を担当していた事を告げる。

そんな中ブースが戻ってくると、ブレナンに差し止め命令は
却下された事を語る。救命士と検死官が共に心不全だとして
いるものであり、さらには利用されるのはゴメンだと思って
いるらしい事を告げる。判事はブレナンを三文ミステリー小説
家だと思っている事を告げるとブレナンは憤怒し、絶対に必要
な証拠を見つけるとつぶやく。カムもやってくる中で、
ブレナンはカムに遺体のアザの写真を見せて、この件は自然死
ではなく、検視の後に出来たアザが有ることを語る。
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人間の行う冠婚葬祭に関して無意味な行動だとするブレナン
は、顔を合わせたかどうかも知らず同じ職場の人間だという
だけで弔問に訪れることに納得が行かずにいた。
ブースからはブレナンに下手なことは言わず大人しくして
いてくれと釘を刺す中で、個人は自然死ではなく殺人で亡く
なったという事を知りブースの令状を取るよう要求する。
しかし救命士と検死官は共に心不全による自然死であることを
報告したために判事は令状の許可を下ろさない。そればかりか
ブレナンの功績を語っても利用しようとしている三文の小説家
だと一蹴されたことでブレナンは遺体を密かにラボに
運んで調べようと言うことになる。

相変わらず堅物で自分の信念を曲げようとしないロボットのような
ブレナン先生に色々と現代の世の中の常識というものを教えていく
作業が楽しいドラマ。

殺人の動機には財閥に於ける遺産相続問題、愛人、正妻、後妻、
ママ父の子などの黄金パターンによって引き起こされたこの手の
殺人ミステリーとしてはあり得るパターンの物語だったけど、
そのどの流れが加害的動機としてつながっていくのかがドラマ
として興味深いところ。

ブレナンを見ているだけでとても幸せになれるドラマだ。
ヘレンと葬儀社のフランクリンがセックスしているのを目撃して
しまった際には、ブレナンがブースにジェスチャーでHしている
と伝えるシーンとか、葬式が形式ばっていて、意味のないものだ
と思っているブレナンに悲しいリアクションをしろよとして、
笑顔のブレナンを悲しい表情にさせようとするブースの姿をみると
ラストでブレナンが墓の前でブースに主張する台詞が妙にしっくり
と来る。殺人を変換に置き換えて発言しろというブースとの掛け合い
もうまく出来ていて、真剣に変換・変換語っているところが
面白かったな。

スイーツ先生が折角悲しみを癒すことの難しさを説こうとしている
のに、その為に酒があるんだろとバッサリ切り捨てていくブース
の主張は直線的且つ、意外にも視聴者にもっとも共感を得るような
簡潔さが有って笑えるんだよね。

葬式にブレナンを呼んだら不味いだろうって感じの不安なエピソード
だったけど、ブレナンは常識的人間なのか常識外れの人間なのか
分からない中で、ブレナンが居なければ自然死で処理された案件だっ
ただけにその価値には揺るぎないものがあった。

流れとしては正妻が殺すのが自然な流れだと思わせるものが有った
けど、結果的には毒を使って自分の連れ子であるアンの息子にも
遺産が正当に分配されるように仕向けるために殺害したもののようだ。
よく分からないのはアン自身、クリーニング業で相当成功を収めた
人なのでそれなりに息子にも遺産を残せるのではないのかと思うところ
も有ったけど、その辺の金の流れや人間関係がよく分からないのが
金持ち一家の宿命のようなものか。

殺害に使用された毒は心臓病・不整脈の治療に使われるテトロドキシン
だった。フグの毒にも使用されるということで、寿司料理店・フグの
毒が疑われたけど、ホッジンズやブレナンならば、酸素吸入器を持って
歩いているアンがそういった病を患っていて、薬を処方されていること
くらいはすぐに導き出しそうなものが有るけどね。

そんな毒からゾンビネタ、ブードゥーやサングリアネタにつながり、
頭ごなしにゾンビ否定して敵を作るブレナンの主張が面白かったし、
ブースは女性・エリンをナンパして一族の問題を探ろうとしたり、
ブレナンは男性・バーニーが出版したがっていることを知って、
それを利用して近づくところなど面白く出来ていた。

結局体に付着していた胸の骨の骨折はなんだったんだ?って感じにも
思えるけどね。

犯人捜しをする流れとカミールの娘(養女・ミシェル)の喫煙問題を
一緒くたに扱い、ブレナンが「古代南インドでは凶作は悪霊に取り憑かれた
人のせいだと信じられていた事、彼らは悪霊にだけ効くという毒を回し
飲みして毒を飲むことを拒んだものが取り憑かれたものだとして解決した」
という、トリビア的流れを示してうまく解決する流れだったけど、そんな
話をするならば、少しはハイチのブードゥー研究にも敬意を払ってあげて
くれって感じだったね。カムはゾンビ論に理解を示しているところも
笑えた。深夜にモルグにいると死体が動くことがあると言っていた。

余命幾ばくもないアンが、ロバートが悪いとして墓の前で吐き捨てた
5日後に死亡するとか凄いオチ。

ブースはブレナンに俺が君よりも先に亡くなったら墓に話しかけに来て
くれと約束させる。聞こえない人に話しかけるなんてバカだわとしながらも
傍にいるフリでもしていれば、ブースから見た目で自分を見つめることが
出来る利点があるとばかりに、彼女なりに人間の行動を昇華しようとする
姿がまたいじらしかったかな。

メガネを落としてしまって、サングラスを遺体にかけるとか凄かったね。

そして今回のネタはなんと言っても遺体を運び出すというシーンは欠かせない
ものがある。
このドラマ、TOYOTAプレゼンツなのか、遺体を運ぶ際に、ブースが運転
するセコイアではなく、アンジェラが運転しているマトリックスで
運ぶ姿が有った。どちらもトヨタ車だけど性格の表れる車種を互いに
乗っているのかなって感じだね。


■使用された曲

・the CastのAmazing Grace
・the CastのSwing Low Sweet Chariot


■検索用キーワード


テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) 骨
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) 博士、"カム"
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) 心理学博士
マーカス・ガイアー (David Greenman) FBI捜査官・鑑識

マックス・キーナン (Ryan O'Neal) テンピーの父
ジャレッド・ブース (Brendan Fehr) シーリーの弟、海軍
ペイトン・ペロッタ (Marisa Coughlan) FBI捜査官

フランクリン・タン (Kelvin Yu) 葬儀社
ヘレン・ライリー (Kathryn Meisle) ハンクの妻
アン・ライリー (Ellen Geer) 母親
バーニー・ライリー (Matt Malloy) ハンクの兄・推理小説
エイミー・バレスカ (Mandy Siegfried) ハンクの助手
エリン・ミラー (Ryan Michelle Bathe) 遺産担当弁護士
ジョウナ・アマヨ (Dale Godboldo) ジェファソニアン・カリブ部門
トレイシー・ニシムラ (Kazumi Aihara) 寿司店
ハンク・ライリー (Charles Dougherty) 亡くなった人
--- (Rick Scarry) Priest
ロバート・ライリー () アンの夫
ミシェル () 16歳


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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