BONES - 骨は語る -
シーズン5





18 Mar. 2011
第21話 正義の行方 The Boy with the Answer

脚本/Stephen Nathan
監督/Dwight H. Little
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ブレナンは悪夢を見る。
ホッジンズはブレナンに助けを求め、更にはブースも助けを
求めるが溺死するのをただ見守るしかない状況だった。
そんな中、自らも墓の中に閉じ込められる・・・ブレナンたち
を死の淵まで追い込んだヘザー・タフェットによるものだった

ブレナンが悪夢を見始めたのは、そんな墓堀人事件の当事者で
あるヘザー・タフェットの裁判の予備審問が始まろうとしてい
たのである。タフェットは著名な元連邦検事だが同時に連続
殺人事件の容疑者でも有った。
ブレナンたちも殺害され掛けたがなんとか助かった事件でも有
る。しかし依然としてタフェットに誘拐されたとする10歳の少
年のテレンス・ギルロイは発見されていなかった。
3人の被害者は法廷に立つとして、マスコミでは大きくその行方
を取り上げていた。
ブースとブレナンは一緒に法廷へと足を運ぶ。
いよいよ俺たち二人を殺そうとしたヤツと対決する時だという
ブース。また法廷にはブレナンの父・マックスも来ていた。
ブレナンを心配するブースやマックスに対してなんでみんな
私を子供扱いするのよとして、こそばゆい思いをするブレナン。
現在のところ、ギルロイ少年の遺体が発見されていない
ことも有ってあまり分が良くないことも確かだった。

検察側はジュリアン検事、被告側はタフェット自らが弁護する
ことになっていた。それを裁くのはダブリー判事だった。

予備審問が開始され、カミールはタフェットの犯行方法を
説明する。被害者たちに300万ボルトのスタンガンを押し当て
被害者たちには共通してその損傷跡があること。そのスタンガ
ンが容疑者名義の倉庫から発見されたというもの。ホッジンズ
は現場から見つかったゲソ痕からそれがタフェットの靴と一致
していることを証言する。しかしタフェットはそれらの証拠は
全て不正に得た情報による発見だとし、ブース捜査官の弟に
よる情報提供だと反論する。令状のない違法捜査から得た情報
なので倉庫の証拠は無効にして欲しいと判事に告げる。
キャロリンは「急近した危機が有る場合、法執行機関には令状
が無くても捜索権はある」と主張するが、判事は法に従い
タフェット側の主張を認める。
まだ現場の土と脅迫のテープがあるとして公判に持ち込みたい
意向を告げるが、判事は検察側に手札が随分と乏しいがまだ
起訴するのかと問う。キャロリンは傍聴席にいたブレナンたち
の顔を見て、起訴することを主張すると、判事も起訴を認めて
審理を行うと語る。
立ち去る際にタフェットはブレナンに対して、数字には強い
ようなのに見落としているニュアンスの発言をしていく。
ブースはブレナンに対して、彼女は何を話しかけてきたのか
と問うと、「私が証拠を見落としており、私には見つけられない
と言われた」ことを語る。

ブースは逮捕記録とタフェットの検事時代の事件ファイルを調
べることに。アンジェラは様々な事件のデータをコンピュータ上
で特別なアルゴリズムの中、再検査をする。スイーツは
タフェットは全てをゲームとして捉える人物でまた新たな
ステージだとしてブレナンに挑戦したがっている事を語る。

ブースがダイナーに居る所にキャロリンは彼から頼まれていた
タフェットに関する資料を大量に持ってくる。スクインツたち
が必ず何かを見つけてくれるハズだと語る。キャロリンはブレナン
は精神的に大丈夫なのかと問う。

アンジェラは改めて脅迫のテープを解析する。
テープには「指定した口座に8時間以内に入金がないと子供の
命はない」というもので最後の通達だと吹き込まれているものだ
った。声が加工されている為にその声がタフェットのものである
という証拠には至らないが、なんとかその加工を紐解き、本来
の音声データを取り出そうとする。
そんな中ホッジンズがやってくると、現場の土からは新たな証拠は
出てこないとして落ち込む。ホッジンズはみんなにそのことを
話す元気すらないと語り、未だに閉じ込められている感覚が
ある事を語る。タフェットを有罪に導けないことへの怒りと
無力感が押し寄せているという。墓に閉じ込められた時には
アンジェラに二度と会えないと思った事を告げると、彼女は
私たちの愛は誰にも邪魔は出来ないと語る。

ブレナンはタフェットの検事時代の事件のファイルを見ていた。
ブースがやってくると、彼女には負けられないことを語る。
彼女は道徳心はないが頭が良いこと。冷酷な分だけより私よりも
理論的なのかも知れないという。私は沢山の人と付き合うよう
になってから合理性が弱まった気がするとし、他人との関わり
は合理的嗜好を鈍らせるのだと語る。

そんな中、タフェットが拘置所から電話した一本の電話が
ソルトレイクシティーである事を知る。電話してみると
ラリーズピザという場所だった。しかしピザ屋とタフェットとの
繋がりはまるでなく、電話も僅か10秒程度のものだった。
しかしブレナンはこの電話番号はGPS座標を意味しているのだと
して、電話番号を座標に当てはめるとバージニア州ノットウェイ
郡だと判明する。その位置を捜索すると、冷蔵庫の中に少年の
遺体が発見されるのだった。
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S2-9 「届かぬ地中の叫び」
で、ブレナンとジャックが墓の中に埋められてしまい、
S4-14 「英雄の過去」
で、ブースが軍艦によっと閉じ込められて沈められそうになった
墓堀人的エピソードの流れ。

いよいよと世間を賑わせ調査していたジャファソニアンの職員
たちにも死の恐怖・心の恐怖を味わせてきた墓堀人こと
タフェットの裁判が始まることになる。

Season 6, Episode 11にまたもう一度タフェットがクレジット
されているので、今回の裁判が有罪に終わろうともまだまだ
クセのある展開が続きそうだ。

ドラマとしては、「DR.HOUSE」のハウス先生が抱えている悩みと
同様のことがブレナンにも当てはまるものがあるな。
人と接していくウチに自分が持っている法人類学者としての
アドバンテージを失っていくのではないかとする疑問。
研究者であるならば本来こういう事件現場の最前線で捜査する
なんてことはあり得ないだろうし、他人の価値感を自分の中で
交わることでの自主性を失い、絶対的な自信が揺らぎ始めている
という点に於いては、興味深いものがあるのかも。
以前のブレナンであれば、この事件を経験しても案外平然として
居られた気がするし、そもそも事件に巻き込まれていなかったの
かも知れない。

さて今回は過去にタフェットを捉えた時の証拠を強引に封印させ
新たにまたチーム・ブレナンとの対決の構図というものを作るが
あまり、ブレナン、ホッジンズ、ブースが襲われた件は不問に処す
という起訴取り下げという凄い状況設定から始まった。
そもそもタフェットは被告人自らが弁護を行うということで、
まさに直接対決の構図を作ったという形なのだろう。

数々の物証が見つかるも、アンジェラ絡みの音声解析に関しては
確かに加工されたものを加工し返すという形なので、アルゴリズム
や周波の僅かな違いによってはこういう事もあり得るので、
正直直接的証拠にはなり得ないなと思えた。

ホッジンズが現場から採取した土の件で新たな証拠が見つけられず
みんなに合わす顔がないとする状況の中で、ブレナンからは
自分たちで証拠を追うためにも利益相反の立場での捜査を回避
する必要性があることをいわれ、起訴を取り下げるとした際の
憤る感じは良く分かる。

法律は一貫性が有る一つの指標となるべきものだけど、陪審員は
人間が関与する感情に幾らでも流されるべき余地があるので、
法廷でのアピールタイムに於ける、ブレナンとタフェットの差
というのが人間力の差として現れてしまうところが切なかった。
経験と知的能力こそ人からの信頼を得られるものだと考えていた
ブレナンにとってはその価値感がもろくも崩れさる瞬間だったの
だろうし、今まで本人が嘲け笑っていた"人間の感情"に対して
実際には自分も多くの面でその感情によって支配されているであろう
ことを実感したことで、彼女にとっては大きな転換点だったのかも
知れないな。

被害者少年に付着していたチリダニが有益な利益をもたらすと
知った時のホッジンズの態度。チリダニ様扱いしているところ
とか面白かった。

しかしそんなDNA鑑定も微量の検出しか出来ず、再度裏付け捜査
することは出来ないとして、タフェットから指摘されてしまう
ところは辛いところだった。「CSI:科学捜査班」でもそういう
エピソードが有ったな。
キャロリン検事は「カリフォルニア州対トロンペッタ裁判」
於けるDNA検査による悪意無き証拠の破壊が認められていることを
示していたけど、ジェファソニアン全体が私を敵視していると
する主張の方が、正直公正に見ると正しいような感じにも見えた。

陰謀論者とトラウマに苦しむ人類学者が行ったことだとして
最終弁論ではつけいる隙を与えてしまうところは、ちょっと
辛いところだったね。

■アンジェラの経歴

・テキサス大で美術学士号、副専攻はコンピューター科学
・アメリカン大で生物医学イラストレーション・音響技術の学位取得

■使用された曲

・DryerのSeen Enough

■検索用キーワード

・元FBIグレアム・スティール
ペンシルベニア大・法聴覚分析学博士号
・他の事件と違う点が有れば裁判では合理的疑いがあると認められて
しまう。
・ロックランド 目撃
・犯人像 162cm 57kg〜62kg
・私ほど豊かな経験を持ち、高い評価を受けている法人類学者は居ない



テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) 骨
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) 博士、"カム"
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) 心理学博士
マーカス・ガイアー (David Greenman) FBI捜査官・鑑識

マックス・キーナン (Ryan O'Neal) ブレナンの父
ヘザー・タフェット (Deirdre Lovejoy) "墓堀人"、元連邦検事
ダフリー (H. Richard Greene) 判事
--- (Dave Allen Clark) Newscaster
--- (Joe Davis) Security Guard


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