キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き
Castle (2009年・アメリカABC)

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/castle/
http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/950





Apr. 27, 2009
第8話 浴槽に沈む謎の死体 Ghosts

脚本/Moira Kirland
監督/Bryan Spicer
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NY市警12分署のメンバーたちは、リックの自宅でポーカー賭博
をして楽しむ。マーサの得意は野球拳ポーカーだという中、
リックはダントツで強さを発揮。ケイトも強気で攻めるとして
リックとの勝負に下りず真っ向から勝負をする。オールイン
で金を掛ける中、リックはハッタリを噛ますが、負けたとして
途中で下りてしまう。

そんな中、ヘンリー通りで殺人事件が起きたとの連絡が入る。
現場に行くと既にラニが検視していて、被害者は
モーターオイル
の入った浴槽
で死んでいる事を報告する。空の容器がクローゼットから
発見されており、何らかのメッセージ性の有る殺し方だと
告げる。
ホテルの管理人のビルから話を聞くが、客が部屋で何をして
いるかなんて知らないという。被害者は金曜日にチェックイン
して、5泊分の宿泊費を現金で支払っていったという。チェック
アウトは今日だったので、部屋を見に行ったら遺体が有った
との事だった。ここは安宿なので怪しい人物は多数居るだろう
との事。言っている傍から、ゲイのジャスミンが通りかかる。

被害者は40歳代前半。結婚指輪をしているが、イニシャルは
入っていなかった。後頭部に打撲痕が有り、溺死したものだ
という。被害者の衣服の中には列車の切符の半券が入っていて
昨日の朝に
ウエストチェスターから来た事が分かる。
またワイングラスからは
レミアンという睡眠薬が検出される。
以上の結果、これは
衝動的な殺人ではなく、計画的殺人だろう
との事
だった。

そんな中、失踪者届が出ている事が判明する。
届を出したのは郊外に住むマイケル・ゴールドマンで、妻の
アリソンが行方不明だというもの。
マイケルから直接事情を聞くと、自分たちはとても幸せに
暮らしていた事を主張する。隠し事をする間柄でもないとし、
自分が失業中なので彼女がパートとして働いていたという。
失業後に郊外に引っ越してきたが、彼女は都会が良いとして
数ヶ月前からマンハッタンのブティックで週三日働いていた
という。72丁目に有る
ルヘインズという店だとのことだった。

アリソンの死ぬ直前の足取りを調べると、アリソンはその店
で働いていた形跡はないことが判明。週三日何処に行って
いたのか。そして週400ドルを何処で手にしていたのか。
リックとエスポジートライアンは三人で謎のアリソンの行動
を想像する。売春して稼いでいたのか、それとも謎の恋人が
居て、その彼氏に殺されたのではないかと。
そんな中、マイケルが警察署にやってくる。
妻の死の件で保険関係の事を調べていると、弁護士が社会保障
の事務局に電話した所、死亡証明書はアリソン・ポーター
して送り返されてきたという。ポーターは妻の旧姓だという。
しかも調べていくと1963年に生後三ヶ月で死亡した事になって
いた。

リックは帰宅すると、娘のアレクシスやマーサに今回の事件の
概要を説明する。20年間偽名を使って生きてきた人物が被害者
だとすると、マーサはまるでフランスの女スパイ、マタハリ
みたいだという。マーサはリックに対してポーカーの時、
ケイトにわざと勝たせたのでしょうと指摘される。仲間の前で
恥をかかせる訳にはいかなかった事を告げると、ケイトは
強さを持つ女性であり本物の女に手ぬるい扱いは不要だと言わ
れる。

アリソンの使用していたパソコンのメールから何者かと連絡
を取っていた事が分かる。名前はリー・ワックス
"火曜日に
いつもの場所で"
と書かれたメールが出てくる。リーは
ノンフ
ィクションの作家
で、過去に
"くるぶしソックスの血"、"チア
リーダーを襲った悲劇"、"即席殺人"
などの著書を出して
いた。全米を恐怖に陥れた隠された真実のストーリーという
うたい文句で小説を売り出していた事が分かる。他人の事件
に飽きて自分自身が殺人に及んだものなのか。

ワックスの部屋に行く中で、ケイトはリックにポーカーが
勝利した金を返金する。貴方はわざと負けたのでしょと告げる
と、リックは改め勝負するか?という。今度警部と市長と判事と
ポーカーするが、その場に来るか?と問う。

ワックスの部屋に到着するとドアが開いている事に不審に感じ
る。室内を覗くと、まるで被害者をストーキングしていた
様な数々の資料と写真が部屋中の壁に貼られていた。そこに
ホックス本人が帰宅するとリックは作家が女性である事に
驚きを見せる。ケイトは警察のバッヂを見せてアリソンの件で
話があると告げると、ワックスは出版者からは警察と話す時
は弁護士を呼ぶよう言われているとして、弁護士を呼んだ方が
良いかと呟く。私は逃亡者を匿ったり、隠匿はしていないと
いう。互いに話が見えなかったが、話を聞くとアリソンは
FBI指名手配犯の
シンシア・ダーンであり、1989年に仲間と
二人で世紀会社のタンカーを爆破させた環境活動家の一人

ある事を知る。

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殺人事件が発生。殺害された人物は20年前に原油流出事件に
抗議する環境活動家の三人の内の一人、シンシアだと分かる。
当時爆弾を製造したジャレットは逮捕され、爆弾を設置した
スーザンとシンシアの内、爆発に巻き込まれてスーザンは
亡くなったとされる事件だったが・・・

犯人像として想定出来るのか・・・
・被害者遺族が犯人なのか。
・それともシンシアの夫が妻の浮気を疑い殺害したのか。
・密告して逮捕された事によるかつての共犯者のジャレッドに
よる犯行なのか。
・そして一番可能性が高いのは、シンシアと精通していた作家
のワックスが執筆した本を売るために殺害したのではないか
と疑っていく。

リックとワックス、作家同士の対決になるのかなと思って
いたけど、特にそういうものでもなかった。
ただワックスが言っているように警察の捜査に自由に介入で
きる事はミステリー作家としてはある意味理想なのかもしれ
ない。そういう意味ではリックもズルい感じはする。

リックとケイトの自尊心の争い。ポーカーを巡る争いとか
正直あんまり要らないような気もするけど、事件解決の流れ
だけだと手持ちぶたさに感じるので、挿入したのかな。

現場であれだけ争っていれば現場を調べている鑑識が何らかの
痕跡を見つけ出しそうだし、大抵ワイングラスは二つ用意
されていて、初動捜査の段階で殺人現場にはもう一人いた筈だ
みたいな流れになるのだと思う。

ミスリードを誘うのに十分な被害者家族のパイク家。
皮肉な事に、加害者からの金を受け取っていたとする辺りが
なんとも切ないし、船長にとっては屈辱的な事なんだろうね。

暴露本を書く際に自分の一番アピール出来る良い一面を
出すのが普通なのに取材メモには、怪我をさせた被害者に対し
て後悔の念から仕送りをしている事実が一切書かれていないこ
とから、シンシアとは別の関係者が居て、暴露本を出版する
のに際してシンシア自身の心情が何処にあるのか、事件当時の
顛末も交えてそれら真相を分からせる辺りの展開は見事だった。

若い頃過ちなのか、環境を守るという名目のために人を
傷つけしまった事への代償はあまりに大きかったね。
ただジャレットもスーザンも反省しているところは救われる
気持ちにさせられる所だった。亡くなったのが欲を出して
反省していない唯一の加害者であるところがまた収まり所がよい
オチだったと思う。

リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
ジーナ・グリフィン (Monet Mazur) 出版社、リックの元妻

リー・ワックス (Joanne Kelly) 作家
マークウェイ (Dan Castellaneta) 判事、ポーカー仲間
ボブ (Joseph C. Phillips) 市長、ポーカー仲間
マイケル・ゴールドマン (Alex Carter) アリソンの夫
アダム・パイク (Fred Koehler) 息子
スーザン・メイラー (Jillian Armenante) 爆破事件犯人
エレノア・パイク (Susan Ruttan) 母
ジャレッド・スワンストロム (Keith Diamond) 爆破事件犯人
--- (Michael Edwin) Night Desk Clerk
--- (Van Epperson) Postal Clerk
サム・パイク (Jack Forbes) 父、石油会社・タンカー船長
シンシア・ダーン () アリソン・ゴールドマン、被害者

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