コールドケース 迷宮事件簿 Cold Case (シーズン4) 製作総指揮：ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ ン 、メレディス・スティーム http://www.tv-tokyo.co.jp/coldcase3/

Nov. 19, 2006
第9話 デート・サービス Lonely Hearts

脚本／Liz W. Garcia 監督／John Peters
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1989年1月5日。
マーサ・パック(33歳)はデートサービス"ラブチャンス"で男性
との出会いを求めて、プロフィールをビデオ撮影する。
フィラデルフィアを出たいこと。仕事は葬儀場のアシスタント
をしていること。恋愛って白黒の人生をカラーに変えてくれる
ものだとして、とてもロマンチストでまじめな女性だった。
しかし受付嬢からは心が美しいだけでは駄目だと言われる。
そんなマーサは1989年4月ピザ店の裏路地で射殺されて発見される。

2006年。
ラモン・デルガードはカード詐欺で摘発されていたが、
潜伏していたアパートで拳銃によって自殺して発見される。
スティルマンはリリーたちを現場へと連れてくる。
自殺だと思われるが遺書はなく、自分の写真を部屋に飾っている
事からナルシストだと思われた。スティルマンは彼の捜査
ではなく、1989年に殺害されたマーサ・パックの事件の捜査だ
という。45口径で撃たれて殺害された被害者。
ラモーンは自殺する直前に、デートサービスで撮影された
マーサのVTRを見ていたのだという。ラモンとの関係は一体
何なのか。死ぬ間際に見ていたのであれば愛していたのかも
しれないとリリーは告げるが、ラモンは遊び人タイプでマーサは
ぽっちゃりとしている事も有って、どうみても世界が違うと
スコッティは語る。

マーサの当時の捜査資料を見る。
33歳の彼女はピザレストランの裏のゴミ捨て場で死体として
発見されたもので、サイフがなく小銭が散乱していたことから
強盗致死として処理されたという。幼い頃に両親を失い
天涯孤独だったことも有って事件はそうそうに集結したとの
事だった。ルームメイトだってステファニー・レヴィンも
当時証言で、敵もいなければ友達もいないまじめな子だった
とし、ラモンとつながりがあるとは思えないと言っていたの
だという。ミラーは何とかフェチじゃないのか?と告げる。

ヴェラとスコッティはステファニーの職場に行くまでの間
雑談する。ヴェラはモーテルからアパートに引っ越ししたの
だという。モーテルだと女性を誘いづらいとのこと。でも
一人は苦手なのでアパートにしたとのこと。

ステファニーはブライダル店で働いていた。
マーサのことについて改めて尋ね、写真の男性・ラモンの事を
知っているか?と問うとビデオで見たという。私はマーサの
事をデートサービスのラブチャンスに入会させたのだとし、
マーサは変にロマンチストだったので生の男性を求めさせた
のだという。ロマンス小説ばかり読んでいた子だったとの事。

1989年。
ラモンはマーサの事を気に入り、マーサにビデオメッセージ
の返信をする。他の子は気取りやばかりだが、君は違うとし、
自分は平凡な男性だが会ってくれないかというものだった。

ステファニーはそれを見てマーサが本気になっていたが、
騙そうとしている男性だと思って止めたという。マーサは
私みたいな人物がタイプなのではないかと告げるが、初めて
のビデオで理想の相手など見つかるハズはないと語る。こう
いう人は女性を食い物にするのだとし、傲慢なゲス野郎から
彼女を守ろうとした事を語る。ステファニーはマーサの私物
が未だに残っているので引き取ってくれないかと頼む。
相手が見つからないからと行ってその人がおかしいという
訳ではないという。

二人の出会いはデートクラブだったのかとして、マーサの
私物を見ながら会話するリリーたち。ヴェラは私物の中に
ある「ミルクメードの恋」というロマンス小説を目にする。
リリーは一冊は小説のブックカバーのついた日記になって
いると告げる。日記を見ると男性に飢えていたであろう事が
明らかで、ラモンとの関係に妄想していたことが見て取れる。

日記には1989年1月16日にパフュームローズで彼と待ち合わせ
していた事が分かる。目印は耳に飾った花だった。日記には
私を見て彼がそのまま帰っても傷つかないと誓ったと書かれて
いた。
しかし店で会った二人は意気投合する。
ラモンは10歳の時に親が死に、葬儀の際に棺に入った母が
とても綺麗だったことが心に残っていて、葬儀場に勤めている
マーサのことが目に入ったとのこと。するとマーサも4歳の
時に母親を脳梗塞で失っている事を告げる。
日記によると初デートの夜に二人は寝ていることが分かる。
その日のページには、ラモンが私に惹かれたのは、死んだ母
に似ているからだそうだと書かれていた。しかしリリーは
日記が中途半端なままページが失われていることが分かる。

そんな中、ラモンが1980年から借りていたという倉庫が発見
され、デートサービスのVTRが19本もある事が分かる。
獲物を狙って金を奪い取っていたのだとし、19人中5人は死亡
している事が分かる。
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カード詐欺事件の容疑者・ラモンが自宅で自殺し発見される。
ラモンが死ぬ間際に見ていたビデオを見ると、当時強盗致死
として扱われていた女性・マーサだと分かり、更にラモンが
借りていた倉庫からは彼が犯行を犯したと思われる被害者
女性のVTRや写真・資料などが大量に見つかる。
過去に不審な死を遂げていた5件の事件もラモンによって殺害
されたのではないかと疑い捜査をしていく。

異性にモテない女性が、夢のような出会いを実現しようとする
があまり、相手が犯罪者だと知っても、その後も犯罪を手助け
して関係性を保っていくというもの。

映画「俺たちに明日はない」のボニー&クライドの二人の
ような関係になりたいとでも感じていたのかもしれないけど、
ボニー&クライドと違ってこっちは個人を陥れて、殺していく
という面で殺伐とした雰囲気が有ったね。

人はなかなか見た目では、恋愛に於ける充実度は測れない
ところがある。
特にリリーを見ていればその傾向が見て取れる。
取調室に於いて、容疑者からは住む世界が違うとされていたけど
このドラマに於いて、恋愛が充実している人は誰一人として
居ないよな。ミラーでさえシングルで子供を面倒見ている
ような事を以前のエピソードで聞いた気がするしね。

ドラマを見ていて悲しいことは、女性同士、気持ちが分かるとい
うことを利用し、時に共感を得たりしながら、結局は自分のこと
を優先して考えてしまうということ。
望むものが手に入らないとこうも卑屈になってしまうのが
人間なのかという感じで、ロマンス症候群に陥っているもの
ほど現実を知った時のギャップは人に衝動的にさせる怖さと
勢いがあるってことですね。

犯人は完全にルームメイトの女性かと思って見ていたのだけど、
ルームメイトの心情にもう少し触れられると良かったな。
美人の女性がなぜマーサと居たのか。本当に彼女のためを
思っていたのかどうか。

最後にラモンがマーサのビデオを見ながら自殺したという辺り
も、彼にとっては困ったことに彼女と一緒にパートナー関係を
築いて犯罪を繰り返していた時期が彼の人生の中では一番
充実していたという事なのかな。
結婚するは殺される合図だと思ってしまったマーサとラモンの
気持ちのすれ違いがまたマーサの中の罪悪感によって、相手
の気持ちを読み違えてしまったのだろうけど、自分自身が
分からなくなっていた彼女からしてみれば当然なのかもしれない
ね。



■使用された曲

・HeartのAlone
・Taylor DayneのI'll Always Love You
・RoxetteのThe Look
・The B-52'sのLove Shack
・Cutting Crewの(I Just) Died In Your Arms
・Eric CarmenのHungry Eyes