コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.tv-tokyo.co.jp/coldcase3/




 

Dec. 3, 2006
第10話 相棒 Forever Blue

脚本/Tom Pettit 監督/Jeannot Szwarc
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1968年7月7日。
アイリーンジミークープことショーン・クーパーがやって
くるのを待っていた。
今日はアイリーンとジミーの息子の洗礼式を教会で行われよう
としていたのである。クープの父・ブローガンは一時間前に
電話したが連絡が取れない事を告げる中、マック神父もなかなか
こない参列者にあきれ顔。そんな中、クープがやってくる。
クープとジミーは警察官であり、相棒でも有った。
そんな中クープは洗礼式の数日後に橋の下で警察車両に乗った
まま二発の銃弾を撃たれて死亡する。

2006年。
スティルマンはリリーと共に刑務所にいく。
クロールという年配の囚人が68年に起きたクーパー巡査殺人
事件に於いて話したいことがあるのだとして取引を持ち出して
来たのだという。当時スティルマンは12分署の新人警察官だ
ったという。ジミーはアカデミーの先輩で、規則に縛られない
カウボーイタイプの警察官だったという。クロールは膵臓がん
を宣告され、余命4ヶ月の身であり、最期を娘の家で過ごしたい
として取引を持ちかけてきたのだという。

二人はクロールと会う。
被害者の刑事の遺体を一番最初に見つけたのは俺だという
クロール。フロントシートにヘロインの塊が有ったのだと
いう。そのヘロインを自分が持ち去ったのだとし、遺体は
無線機を握り、目を開いていたのだという。ヘロインには
黒いハープのスタンプがついていたとのこと。テディ・バーク
が率いる組織のヘロインだという。当時あの地区の麻薬売買
を牛耳っていた人物だという。まさかジミーは不正警察官だ
ったのか。

署に戻ると刑務所で聞いてきた話をみんなに語る。
コールドケースと化した案件に関して、警察官のケースだけは
倉庫には入れられず箱は解決するまでは保管されることはない
のだという。当時ジミーは治安の悪いエリアを担当している
ことからギャングによる復讐か男女関係に於ける縺れで殺された
のではないかとされていたという事件だった。スティルマンによる
と当時は警察官による暴行・恐喝は普通だったのだという。
巡回には相棒のジミー・ブルーノが搭乗している筈なのに彼は
どうしていたのか?と問うと、資料には当日は新人の訓練と書かれて
いるという。警察官は当時人手不足だったとし、ベトナムの帰還兵
が採用されたという。マーフィー巡査が現場に一番最初に
訪れているとのことだった。

クープの父・ブローガンがやってくる。
ジミーに麻薬取引に関与の疑いがかかっている事を知って、
あり得ない事を告げ、再捜査されること自体屈辱だという。
息子の名を汚すような捜査はやめろとスティルマンに圧力を
かけるが、警察官も当時とは変わったのだと語る。

ミラーとジェフはマーフィーの元に行き、テディの事を訪ねる。
クーパーは麻薬取引に関与していたのかどうか。
しかしマーフィーによると寧ろテディのことを憎んでいた事を
告げ手を組んでいるなんて事はあり得ないという。彼は何事から
も逃げず、法に忠実だったという。

68年当時。
ジミーとクープはテディが町で麻薬取引している現場を目撃して
逮捕していた。
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68年に殺害された一人の正義感溢れる警察官のクープ。
警察署内でも不正が横行する時代に、彼は金や力に屈すること
なく、ジョン・ウェインの様な力強さで不正に立ち向かい、
一部では女ったらしだと噂が出ているが・・・

事件よりも恋愛に無縁だったヴェラにいよいよ恋愛の相手
が登場するというところが嬉しいエピソードだったかな。
意外なところで人って出会い、そして恋愛関係に発展する
ものだなと改めて思わされる。
隣人だけど普段は滅多に顔を合わせることもなく、初の
出会いは最悪な形だったけど、そんな二人を出会わせたのが
生意気な息子・アンドレのバスケットボールだったという
ところがまた、皮肉なものである。その後は警察官と看護師
という社会に奉仕するもの同士、苦悩を語り合うことで共感を
持ったようだ。

事件は刑事が殺害されたということで、普通ならば刑事が殺
されたら署員全員で解決のために動くというのがアメリカの
刑事ドラマのスタイルだと思うが、当時は今と違うところが
多いらしい。特に信頼関係よりも、完全に腐敗仕切った世界の
中で、一人孤独に正義感を貫くところは、まさにジョン・ウェ
インとか、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウ
ッドが演じた主人公像を彷彿とさせる。

スティルマンがまだ新人だった頃のエピソードであり、
時代性を考慮したり、差別的ネタに於いては黒人刑事の
ジェフリーズが使われることが多いのだけど、今回は
スティルマンが引き合いに出されていた。
スティルマンは不正の存在を否定していたけど、実際にはどうだっ
たのかは未知数だな。

ミラーとジェフリーズが冒頭でマーフィー巡査に会った際に、
ミラーのことをレズビアン扱いしていたので、その辺から既に
同姓愛的伏線は張られていたのかなと思うけど、軍隊・警察官が
ゲイだという事実は、今の時代でもその価値観は追いついていない
ので、なかなか難しいところ。彼の評判を考えると、男らしい、
女ったらしいみたいな流言はカモフラージュする為の意図的な
ものだったところがあるのだろうね。
名前からしてクープというあだ名自体が既に女性っぽいところが
あるなと思っていた。The O.C.の ミーシャ・バートン演じる
マリッサ・クーパーも略称のクープと呼ばれていたので、余計に
そういう響きに思えた。

このドラマの過去の映像表現に関しては毎回楽しみにしているところ
が有るけど、今回はモノクロームな映像だった。黒い映像の中にも
鮮明な赤い色とキャンドルの火の色だけは、カラーで表現されていた。
主人公の心を表していたのか、それとも汚職が蔓延する暗黒の時代
を反映していたのか。

ゲイのことを病気だと思われていた時代で、クリスチャンだった
ことや警察官一家だったということも有って、父親もそんな息子が
許せなかったのだろう。ただ本気で死を望んでいたとは思えない
ところも有るけどね。マクリー刑事が最終的には犯人だったけど、
あれだけ大きなショットガンを持っていれば、まず即死だろうね。
無線での最期の言葉の中に、「幸せ者なんだ俺たち」と語る以外の
メッセージ性が含まれていると良かったんだろうけどね。

■使用された曲

・The MonkeesのDaydream Believer
・The DoorsのLove Me Two Times
・Status QuoのPictures of Matchstick Men
・Clarence CarterのSlip Away
・CreamのWhite Room
・The ByrdsのMy Back Pages

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

アンドレ・ハルステッド (Oren Williams) バスケ少年
トニ・ハルステッド (Sonja Sohn) 看護師、アンドレの母
セブ・クロール (Hans Howes) 末期がんの囚人

2006年
ジミー・ブルーノ (Chad Everett)
ブローガン・クーパー (Nicolas Coster)
トム・マクリー (William Lucking)
オーウェン・マーフィー (Leon Russom)
アイリーン・ブルーノ (Toni Sawyer) ジミーとは離婚

1968年
ジミー・ブルーノ (Brian Hallisay) アイリーンの夫、警察官、クープの相棒
ショーン・クーパー (Shane Johnson) 'Coop'、ベトナム帰還兵、真面目
トム・マクリー (Charles Mesure) 警部補、上司
ブローガン・クーパー (Conor O'Farrell) クープの父、警察官
アイリーン・ブルーノ (Kristi Clainos) ジミーの妻
--- (Dennis Mooney) Priest
オーウェン・マーフィー (Rob Swanson) 巡査、第一発見者
テディ・バーク (Christian Keiber) 麻薬組織の男


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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