コールドケース 迷宮事件簿 Cold Case (シーズン4) 製作総指揮：ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ ン 、メレディス・スティーム http://www.tv-tokyo.co.jp/coldcase3/

Jan. 7, 2007
第12話 ファイトクラブ Knuckle Up

脚本／Greg Plageman 監督／David Barrett
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2005年11月18日。ジェームズは名門・ハンフォード学園に通う
優等生。メリット奨学金の準資格を持ち全米優等生協会会員
だった。父・ダリルは彼になんとしてでも大学に行かせたいと
考えて、息子のジェームズに応募の為に自分をアピールする
訓練をしていた。ハンフォード学園ではオールA成績で、課外
活動のことなども話すよう告げる。妹のアレクサも兄が地球イチ
のガリベンだと小馬鹿にするも、大学に行くのを一緒に応援して
いた。小論文には「情熱とは何か」を問われるので答えを考え
ておくべきことを言われる。何かに一生懸命取り組むこと。
何に情熱を捧げるのかによって差がつくのだという。
アレクサはまだ17歳だとして、大学にいくまでにはまだ時間が
あるので一緒にテレビ「裸のシェフ」を見ようと告げる。
ダリルはここで頑張って乗り切れば、好きなことが出来る様に
なるのだという。
しかしそんな後日彼はドラマ缶の中で遺体として殺害されて
いるのを発見される。

ミラーはリリーに対して女子高生のアレクサ・ホフマンが
兄・ジェームズの失踪に関して何か話があるのだと言ってきて
いる事を語る。ナーバースに住んでいるので管轄としては
メインライン署だという。アレクサはネットか何かで兄の痕跡
を見つけたのだという。
署に来ているアレクサに逢って話を聞くと、ビデオ投稿サイト
を見ていたら、兄が暴行を受けている映像を見つけたのだと
いう。それを見ると確かに多くの人に囲まれて、手首にタトゥー
をしている男によって殴り飛ばされている姿が有った。
投稿した人物のハンドルはローフォドッグだという。
リリーたちはアレクサに、ジェームズは何かトラブルを抱えて
いなかったのか尋ね、ドラッグなどをしていた事はないのかと
問う。兄はガリ勉でそんな事は絶対にしないという。しかし
リリーたちは貴方の知らないトラブルが有ったのかもしれない
事を告げる。しかしアレクサによると、ママが家を出て行って
から兄とは何でも話し合う仲だったと語る。
ミラーは動画の背景から、ボトム地区のビール工場跡で、マン
チェアにあるのだという。そこは麻薬の温床で裏町だという。
一体ガリ勉の彼がそんなところで何をしていたのか。

ボトム地区付近を調べていると、遺体が発見される。
また身元は確定していないというフラニー検死官。
ドラム缶の底に壊れた携帯とリュックが入っていたとのこと。
頭蓋骨には複数の損傷が見られるという。
とりあえず被害者の爪を調べるというフラニー。
家を出た後に携帯の発着信は一切確認されていなかった。

ジェフリーズは映像が投稿されたのがハンフォード学園内に
あるパソコンからだと知ると、早速話を聞きに行こうという。
スティルマンがジェームズの父と妹にこの事実を伝えると語る。

リリーとスコッティはハンフォード学園へ。
高校なのに女性が居ないなんて・・・とスコッティ。
警察の殺人課が学園に来たと知って校長のエメリックは急いで
駆けつけてくる。来るならば連絡して欲しいという校長に対して
ジェームズが殺害された当時の映像かも知れないものが発見された
事を告げ、その動画はこの学園のパソコンルームからのものだと
いう。通信履歴を見せて欲しいと語る中、スコッティはその会話
を聞いて一人の生徒・ルーカスが突然逃げ出すのを目にする。
急いで追いかけて話を聞くと、ルーカスはジェームズとは昔
友達だった事を語る。以前の彼とはよくパソコンルームで一緒に
ランチを取る仲だったが、少しずつ彼の様子が変になり、成績や
生活自体が乱れて来ていたのだという。そしてついには怒りっぽく
なり喋らなくなったとの事だった。今から2ヶ月前のことだという。

2ヶ月前、ルーカスとジェームズは大学の奨学金について会話
していると、タナー・レノックスという男性がジェームズの
論文を取り上げ挑発してきたという。彼の手首にはタトゥーが
あるとのこと。タナーの父親は理数科の校舎を寄付する程の
大物だという。
タナーから話を聞こうと署に同行を求めると、そこにタナーの
父・アーサーがやってきて弁護士が来るまでは何も話すなと
語る。しかしリリーたちは彼がジェームズを襲っている映像が
有ることを告げ、その上で近くで遺体が発見されていることを
語る。タナーは確かに殴りはしたが殺害はしていないことを
告げ、あれはファイトクラブの映像だと語る。
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優等生のジェームズが突然失踪する。
名門私立大でも成績優秀だったジェームズは、父親や妹に
見守られつつ、共に大学進学を目指していたが、失踪する
二ヶ月前くらいから態度が急変したという。そんな状況の
中で妹がインターネットで見つけた映像から、失踪者事件
は動き始める。

今回は僅か一年前の事件ということで、コールドケースというには
ちょっぴり違うものがあった。記憶に新しい分、まだ亡くなっている
かどうかも分からない状況の中、遺体が発見された際には、被害者
家族がそんな事実に直面することに対するダメージの大きさは
計り知れないものがあるであろうことを考える、スティルマンが対応
をしたというのは有る意味意義深いものが有るのかな。


17歳という多感な時期に、どんな人物と出会うかによって
その先の運命が代わってきてしまうことが描かれたエピソード
で、それを思うと他人を見る目ゃ養うのは大切だし、人は他人
によって容易に影響を受けやすく、自分というものが確立して
いない時に妙な価値観を吹き込まれると途端に、こういう
人生・結末を歩んでしまうことになるのかなと思うとちょっ
と怖いものが有る感じだった。

ルーカスが最後に合格通知をもらって喜ぶ姿を見ると、
行き違った運命に切なさばかりが残り、自らの生の実感という
ものが家族の愛情や期待以上に大切な物なのかというものを
問うようなところに繋がっていく。

ジェームズが父親に対してつまらない人生だと吐き捨てた
けれど、結果として見ると父親のしてくれたことは正しかった。
決して父親は息子に対して無理強いしているような感じには
見えなかったし、妹との関係などを見ると、とても良い感じ
の家族に見えたけど、そんな状況の中にも心の傷として存在して
いるのは母親が出て行ったとする過去が存在することなのだろう。

ダリルの父親としての存在は比較的何処にでもあるような
家族の形に思えるけど、父親が息子の将来なり決断なりを
あまりに押しつけることで、息苦しくなるというのは当然
理解出来る。

殺害した親子以上に腹が立つのはこの世界に引き込んだアレスと
いう名の最上級生の姿だった。痛みによって生を実感する
というのは女性に於ける自傷行為みたいなところと同義なところ
が有るのだろうか。

ヴェラとトニがちょっぴり関係が前進した。
スコッティが後押しするようにして、お前がアプローチしない
ならば俺が声を掛けるぞと告げていたけど、殺伐としたドラマ
の中でも微笑ましい一場面。ただこのドラマに於いては恋愛は
上手く行かないことが殆どなので、このケースも上手く行かない
のかな。ただヴェラが恋の魔法のお陰で、微妙に嗅覚が鋭く
なり、動画の投稿者名を見てゴッド・オブ・ウォーの逆さでリーダー
はギリシャ神話の戦争の神だろうとする辺り、久しぶりにヴェラの
冴えのあるところが見られたのが良かったのかも。
ミラーからは安月給のデブ白人に興味はないと言われてシオシオ
だったけど・・・。この二人、ようやく互いに言い合えるキャラに
なってきたね。当初ヴェラがものすごく牽制していたけどね。


■使用された曲

・Gavin DeGrawのChariot
・WeezerのBeverly Hills
・Drive-By ArgumentのSex Lines Are Expensive Comedy
・The Postal ServiceのSuch Great Heights
・Bloc PartyのPlans
・FuelのFalls on Me
・The FrayのHow to Save a Life