コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.dlife.jp/lineup/drama/coldcase_s4/




 

Feb. 18, 2007
第15話 爆弾 Blood on the Tracks

脚本/Gavin Harris 監督/Kevin Bray
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"戦争反対"、"汝殺すなかれ"、"平和を広めよう"
1981年6月5日(金)ジャックジョハナペンシルベニア大学
で同級生だったサラ、ポーター、ジンマーマン(Z)を家に招待
すると、12年前の反戦活動をしていた時のスライドを見て
当時を懐かしむ。Zは何処のパーティーでも脱いでいたとして
笑い逢う中、セクシーショットが紛れ込んでいるのを目にする。
ジャックは妻・ジョハナだと勘違いするが、サラだという。
二人はとても似ていてよく間違えられたと。あの頃に戻りたい
と一同しみじみと語り、みんなと出会った自由な大学時代を
思い出すと語る。あの頃は時間も有って、常に一緒に居られた
こと。今は仕事に追われ、通勤と"レーガン"だと嘆く。
そんな中スライドにはマクブライドとサラの写真が紛れ込んで
いた。サラはそれを見て気を落とす中、スライドを用意した
ジャックは手違いだとして謝罪する。サラの恋人だったマクブ
ライドは反戦活動中に亡くなっていたのである。
深夜、ジャックは寝ていると隣にジョハナが居ないことに気がつ
く。下からヤカンが沸騰している音が聞こえた為に妻が一階に
いるのかと思い下りていく。ヤカンの沸騰を止める為にガスを
ひねると、家は突然爆発するのだった。
当時の警察はガス管破裂事故として処理する。

2007年。リリーは現場に行くとスティルマンが既に来ていた。
鑑識のルイも現場に来ていた為にリリーは久しぶりだと声を
かける。
話を聞くと、この家は81年にジャックとジョハナのキンボール
夫妻が所持していた家だが当時ガス爆発で亡くなったのだと
いう。ガスコンロの火で爆発したものでキッチンの床が抜けて
地下室へと粉々に落ちたという。しかし今回内装工事を手がけ
る作業員が、パイプキャップの破片と溶けた電池を発見し、
ガス爆発ではなく爆弾によって殺されたであろうことを指摘する
のだった。
エリート夫妻が爆発によって一瞬にして夢が吹き飛んだのだと
語る。

ジェフリーズは当時の報告書を見るが、書類は一枚しか無かった。
遺体も粉々に吹っ飛んだこと、そして特に新しい証拠が見つかった
というものもないという。
二人はペンシルベニア大で知り合い、73年に結婚。ジャックは
コピーライター、ジョハナは企業弁護士をしていたという。仕事
一筋の家庭で若くして高級住宅街の家を構えているという。
サラ・ローウェルとその友人が葬儀費用を払っているという。

そんな中オフィスには、スティルマンとリタ娘・ジェイニー
とその息子・ショーン(4歳)がやってくる。ジェイニーは母は
フロリダに出かけているので二日間程ショーンを預かって欲しい
と父・スティルマンに語る。夫・カールとは家庭内別居状態なの
でこの際ゆっくり話し合いたいのだと語る。スティルマンは
自分も離婚した手前偉いことは言えないが、良い事も悪い事
もすべて話し合うのだと語る。

スコッティとリリーはサラの元に行き話を聞く。
サラの家にはカトレアの花が飾られていた。リリーは花のこと
を尋ねるとカトレアは"家族の絆の象徴"なのだという。
キンボール家の事を恨んでいた人はいるのかと尋ねると、
居ないという。最後に逢ったのはいつなのかと問うと、爆発事故
が起きたのが日曜日だ二日前の金曜日に大学時代の友人が集まっ
て、同窓会をしたのだという。みんなで飲んで土曜日に解散し
たとの事だった。みんな夜中まで飲んでいたが、私だけは
当時まだヒッピー時代を引きずり、欲望の時代に溶け込めて
いなかったのだという。あの二人は当時ねっからの活動家だっ
たと告げ、横暴な帝国主義国家と化したアメリカに反対して
いたのだという。71年当時はまだ資本主義は敵だったのだとし、
81年に迎合していったのだという。
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ガス管からガスが漏れてコンロの火で引火・爆発したと
思われていたキンボール家。しかし2007年になりその家が
改装工事が行われると、事故だと思われていた爆発は実は
意図的に爆弾を使ったものだと判明し、捜査を開始していく。

70年代反戦活動の為に特に大学生たちを中心として政府に対して
ベトナム出兵などに断固として反対を示す中で、目的の為に
過激なことをしてでも達成しようとするものたちが居た。
そんな時代も80年代になると様変わりして、資本主義社会
へと本格的に突入する中で、過去の負の遺産を精算したいもの。
それを秘密として墓まで持っていきたいものの間で意見が
割れて事件が引き起こされたものだという事を知る。

古き良き時代の事として思い出として処理出来れば良いのだけ
ど、人の生死が関わってくるとなかなかそうは簡単に忘れられる
ものではないという感じ。

例え当時は気持ちを共有し、スタートラインは似たような所が
有ったとしても、10年後の今、それが差として現れると、
人々の感情の中には当時のことを巡って、忘れがたき思い出
としてよみがえってしまう。

クリミナル・マインドの中で、当時の事件を風化させ
まいとして、毎年遺族が捜査官にカードを送ってきたことに
よって事件を解決することに繋がる案件が有ったけど、これも
ある意味では当時のヒッピー時代の犠牲者の遺族である
マクブライドの父が形は違えど、ノックし続けた結果、
罪悪感を引き出すことに成功したのだろう。しかしその事件
の真相が明かされるまでは幾つかの段階を経る必要が有り、
何よりもマクブライドの父親が生きている間に真相が分かった
というところは良かったのかも知れない。

人はある程度の地位や名声を得れば保守的な心を持って
しまいそうだけど、当時の首謀者だったジャックは正義感
を誤った方法で表現してしまった人物で、周りの人たちに
相当影響を与えて迷惑た上に最後まで迷惑を掛け通しだった
ような感じ。

そんな古き良き時代の友人よりも求めているものが家族を
作るということで、求めるものの違いによってこれ
程非情になれるのかという感じにも思えるし、今まで
入れ替わった人生を通して、よくぞバレずにモチベーション
を保ってきたなという感じにも思える。

今回スティルマン家の事情が描かれ、今回の被疑者である犯人
が求めているものと同様に家庭というものが上手くクローズ
アップされた感じ。

ジェフリーズは当時、戦地から戻り新人警察官として活動
していたとの事だった。

今回の件はそもそもが未解決事件として扱われていた訳では
なかったことも有るので、内装業者が当時の事件を覚えていた
ことが解決への要因だったのだろうね。

しかし似ているというネタフリがまさか入れ替わりという
オチに繋がっていくとは思いもしなかった。カトレアという
花に家族への思いを込めていたようだけど、口は災いの
元というか、孫も居そうな時代に有って刑期を


■使用された曲

・ All Along the Watchtower by Bob Dylan
・ Ballad of a Thin Man by Bob Dylan
・ The Times They Are A-Changin' by Bob Dylan
・ Thunder on the Mountain by Bob Dylan
・ Positively 4th Street by Bob Dylan
・ Knockin' on Heaven's Door by Bob Dylan
・ Simple Twist of Fate by Bob Dylan
・ Like a Rolling Stone by Bob Dylan

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

アンドレ・ハルステッド (Oren Williams) バスケ少年
トニ・ハルステッド (Sonja Sohn) 看護師、アンドレの母
フラニー・チン (Susan Chuang) 検死官

2007年
トム・ジンマーマン (Sam McMurray) "Z"
ポーター・ロウリー (Patrick St. Esprit)
ジェイニー・スティルマン (Melinda Page Hamilton) 娘
サラ・ロウエル (Cindy Pickett) ジョアンナ・キンボール
ルーイエ・アマンテ (Doug Spinuzza) 鑑識
ショーン・スティルマン (Raymond Ochoa) ジェイミーの息子・4歳
ロジャー・マクブライド (William Jackson)  ポールの父
--- (Jennifer Butler) College Student
--- (Clay Mitchell) Fire Marshal
--- (Dan Van Wert) Student on Bike

1981年
トム・ジマーマン (Scott Michael Campbell) "Z"、裸、大学教授
ジョアンナ・キンボール (Kelly Overton) 妻、弁護士
ポーター・ロウリー (Sam Trammell) 軍需産業
サラ・ロウリー (Bess Wohl) 恋人ポールの死で立ち直れず
ジャック・キンボール (Jamie Bamber) 主張が強い、広告業


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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