コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case (シーズン4)

製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマ

、メレディス・スティーム

http://www.dlife.jp/lineup/drama/coldcase_s4/




 

Mar. 25, 2007
第19話 自転車 Offender

脚本/Greg Plageman 監督/David Barrett
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1987年5月9日
ハサウェイ家は幸せな生活を送っていた。
郊外にはマイホーム。夫のミッチ、妻のタラ、そして一人息子
で6歳のクレイトンは父から自転車の乗り方を教わる。友達の
中で補助輪をつけて走っているのは彼だけになっていたので
息子から父に練習を手伝って欲しいと頼んだのである。クレイ
トンは後ろで自転車を支えてくれる父に絶対に離さないでと
語るが、スピードが出るとミッチはその手を離す。クレイトン
はスピードが出ると思わず恐怖で自転車から横転する。
母のタラは心配して駆けつけるが、ミッチは心配はないとし、
歩いていればその位の傷は治るものだと語る。しかしそんな家族
もクレイトンが殺害されたことによって一気に崩壊する。

2007年。
夕べ飛び降り自殺が有ったとして、スコッティとリリーは現場
へと呼び出される。スティルマンからは飛び降りた人物は
ハロルド・ディクソン(55歳)で有り、後ろでに両手を縛られて
ビルの屋上から突き落とされたものだという。性犯罪の登録者
で、被害者のポケットからは犯人からのメッセージだと思われ
るメモが入っていたのだという。メッセージには毎日一人ずつ
"ゴミ"を片付けるのだとし、クレイトン・ハサウェイ殺しが
解決するまでは続くと書かれていた。スコッティは"ゴミ"が
殺害されるのだから寧ろ歓迎だとして、問題発言をする。
スティルマンによるとクレイトンは87年当時、乗っていた自転車
と共に消えた少年で、レイプし絞殺されたのだという。
失踪し2日後に発見されたが、父のミッチが最後に被害者を見た
人物で、彼が請け負っていた工事現場で遺体が発見されたもの
だという。被害者の体から精液と血液が検出され、父親のもの
と一致したことと、妻のタラからは夫が無罪だとする擁護が
一切無かったことも有って判決は終身刑だったという。

そんな現場にトマス検事補がやってくると、この件に関して
補足して説明する。有罪判決を受けていたミッチ側から度重なる
控訴要求の為に証拠を調べた結果汚染された精液だと判明した
のだという。一ヶ月前に釈放になっているということ。現在
トマスたちは訴追できるかどうかを検討中だという。ディクソン
はクレイトンと同年代の子をレイプしていた性犯罪だとし、
恐らくインターネットを使って性犯罪者を調べているのだろうと
語る。スコッティは世間の役に立っているのにミッチを掴まえる
のかと皮肉と、逝かれた処刑人を野放しには出来ないというトマス。
ミッチの元妻から話を聞くようスティルマンは指示する。
現場に行こうとする中、突然スコッティの元に電話が鳴り対応に
出ると、なんとミッチ本人からの電話だった。ミッチはスコッティ
の兄・マイクが通っていたボクシングジムのコーチ・フィッツパ
トリックの事件の事は知っている事を告げ、俺は決して悪人では
ないとしてスコッティに同意を求める。被害者たちは自業自得だ
とするミッチは、スコッティに対して頼みがある事を告げ、
俺は絶対に息子を殺していないので真犯人を捜して欲しいと頼む。

ミラーとジェフリーズはタラから話を聞く。
ミッチが釈放されてから連絡は取っていないという。刑務所から
はこれまでに千通近く手紙が届いていたが、最初の一通だけを
読んで後は捨てていたという。自分は無罪だと書かれているもの
だったという。この事件は私には辛すぎたので、直視出来なかった
事を語る。ミラーたちはミッチが釈放された後、小児性愛者を
殺害した事を語る。何か覚えていることはないかと尋ねると、
タラは最大の悪夢が現実になったのだと語る。

--- 1987年 ---
日曜日、クレイトンが居なくなったとして顔色を変えたタラは、
車を清掃している夫のミッチに話をする。ミッチは親友のジョニー
とそこら辺で自転車に乗っているのだろうと語る。ミッチたち
は隣人のリンダやその夫のバレルから息子を見ていないか話を
聞く。彼らも捜索を手伝ってくれたが結局見つからず。
遺体が見つかったのはその二日後だった。
タラはその日郵便配達員の姿を見た事を証言しているが、日曜日
に配達するのは不自然ではないかと疑う。

当時郵便局員だったアーニー・グラバウスキーから話を聞く。
すると日曜日に配達することはよくある事だったという。
なんとアーニーも小児性愛者として犯罪歴があり疑いの目を持つ
が、アーニーは自分にとってクレイトンは好みではないという。
自分は金髪で8歳から12歳が好きなのだという。しかしそれも昔
のことでカウンセリングによって衝動は抑えていると語る。社会
へ貢献しているし、子供を殺すことなどあり得ないと語る。
子供を殺すのはド素人のすることで、子供は手なずけることが
出来れば誰にも喋らないし合意していれるのだという。
寧ろ俺を疑うよりもハサウェイ家のシッター・トリッシュを調べ
た方が良い事を告げ、彼女は誰も家主がいない時には彼氏の
アダムを連れて込んでいたという。そして事件の前にクレイトン
の血の付いた下着を洗っているのを見たと語る。
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息子のクリフを失い家族が崩壊したハサウェイ家。
支え合うべき夫婦は何故裁判に於いて、妻は夫のミッチの
無罪を主張しなかったのか。

世の中性犯罪者が多すぎるだろうとばかりに、地図
に記された赤いピンが全て性犯罪者を示しているとした際
には、ぞっとするものがあり、仲良くしている隣人でさえも
決して安心出来ないとするところがまた怖いくらいに
人間不信を誘発させるところに繋がっている。
アメリカでは過剰に親が子供を守るところが有るのではないか
と思うところも有ったけど、今回の展開を見ていると大人が
子供から目を離せないのも有る意味納得だなという感じだった。

ドラマの中でもメーガン法(性犯罪者情報公開法)によって、
性犯罪者が公開されていたり、GPSを使って監視しているのだけど、
それでも性犯罪の再犯率を考えるとこれが効果的なのかどうかも
疑問なところ。性犯罪がとりわけ多いとされる韓国では
性犯罪者の中でも小児性愛者に関しては科学的な去勢を施す
ことを認めていて、実際にそれが行われる時代になっている
ところが凄い。

シーズン4はなんと言ってもスコッティの家庭の事情が描かれ、
兄のマイクの件でずっと暗い過去を引きずっていたので、
スコッティが今回の被害者であり加害者であるミッチに共感し
ていく流れというのは、ある程度理解出来るし、警察官として
不用意な発言にも目をつぶってあげて欲しいという感じが
してくるものがあった。

今回の被害者家族を見ると、子供と過ごす家族の時間はホントに
理想を絵に描いたような姿だっただけに、その後のミッチやタラ、
そして当時あの一帯に住んでいたものたちの現状を見ると
とても寂しさに包まれてくる。これぞ、コールドケースって感じ
のビフォーアフター具合だったな。

テーマとしては家族の絆とか、親と子の関係、親友関係、兄弟関係
などが浮かび上がってくるものだった。

埋められていた自転車とかナイフなどを見ると、近所に心の傷
を抱えている子供がいるのに誰もフォローしていないところに
ちょっぴり現代社会の世知辛さを感じつつも、ミスリードの牽引
役として最後までこの男性の怪しさが描かれた。
スケアクロウと呼ばれている少年で、そのまま案山子という意味
で、アメリカのホラー映画や都市伝説などには必ずスケアクロウ
が出てくる。このドラマの中ではバッドマンのキャラクター
として引き合いに出されていたけど、私はスケアクロウという
と、カナダで制作された13日の金曜日s1 #11「チャーリーの
かかし」を思い出すな。

タラが今でもミッチを愛しているとしたり、必要だとしていたけど、
その辺りはちょっと違和感が有ったかも。
こういうケースって結局ミッチはどういう扱いになってしまう
のだろうか?

ミッチの現代版を演じたMitch Pileggiは、「X-FILE」で主人公の
上司のFBI捜査官・ウォルター・スキナー役、スーパーナチュラル
ではサミュエル・キャンベル役で出演している。
つい数日前にみたドラマだとザ・ファインダー2話でエディ・
ロス役として出演していた。この役でも死刑執行直前に無罪になる
みたいな役だったのでちょっと驚いた。

■使用された曲

・New OrderのBizarre Love Triangle
・Johnny Hates JazzのShattered Dreams
・Fleetwood MacのLittle Lies
・The CureのForest
・Melissa EtheridgeのPrecious Pain
・Corey HartのNever Surrender

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

アンドレ・ハルステッド (Oren Williams) バスケ少年
トニ・ハルステッド (Sonja Sohn) 看護師、アンドレの母
フラニー・チン (Susan Chuang) 検死官

2007年
タラ・マクラフリン (Jordan Baker) 元ミッチの妻
アーネスト・ウェイン・グラバウスキー (Tom McCleister) 郵便配達員
ミッチ・ハサウェイ (Mitch Pileggi) 元死刑囚
アレクサンドラ・トマス (Bonnie Root) 地方検事補
ジョニー・バレル (Travis Aaron Wade) クレイトンの元親友
クリフ・バレル (Kale Browne) 父
アダム・マードック (Robert Farrior) トリッシュの元彼氏
デーモン・チルドレス (Sean Whalen) コミック店、自転車を盗んだ
--- (Devon Read) SWAT Sniper

1987年
クレイトン・ハサウェイ (Gattlin Griffith) 6歳、被害者少年
ミッチ・ハサウェイ (Rick Ravanello) 父
タラ・ハサウェイ (Amy Stewart) 母
クリフ・バレル (Dylan Kussman) 隣人
アダム・マードック (Nick Ballard) トリッシュの彼
トリッシュ (Lauren Champey) ハサウェイ家のシッター
リンダ・バレル (Stephanie Manglaras) クリフの妻、タラの友人
デーモン・チルドレス (Colton Parsons) ネグレストの少年、スケアクロ

ジョニー・バレル (Conner Rayburn) クレイトンの友人
アーネスト・グラバウスキー (Bob Rusch) 郵便配達員・小児性愛


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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