クリミナル・マインド FBI行動分析課 Criminal Minds (2005年米CBS〜) シーズン3 製作総指揮: マーク・ゴードン http://www.dlife.jp/lineup/drama/criminalminds_s3/

Nov. 7, 2007
第7話 地上の王国 Identity

脚本／Oanh Ly 監督／Gwyneth Horder-Payton
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モンタナ州グレートフォールズ。
カーラジオを流しながら車を走らせる男性・フランシス・ゴー
リング。彼が運転する青のホンダ車は盗難車で、警戒し巡回
していた警察官によって見つかる。停車命令を出し、警察官の
一人は運転手のゴーリングに対してラジオを切って両手を窓から
出す様命令する。片手を出すが、ゴーリングはその時手榴弾を
持っており、近づく警察官はそれに気がつきすぐに後退するが
爆風によって巻き込まれる。

この日BAUではリードがモーガンに対して、宇宙物理学者による
超物質反応炉で地球サイズの惑星を破壊する為の理論を語って
いた。ニューエッセンシャルクロノジーに載っていた事だと
して得意げに「スターウォーズ」のネタを語る。
モーガンは呆れて、デビッド・ロッシのオフィスへと
足を運ぶとプレンティスも一緒に来る。ロッシは金には困ってい
ないハズなのに、何故現場に戻って来たのか。オフィスの壁は
灰色で、プレンティスによると孤独・世間から逃避したい事を
示唆しているという。何の賞状もトロフィーも飾り付けていない
部屋から過去に固執するタイプではないのか?という。リード
はチーム内のプロファイリングはタブーだとするが、モーガン
は彼はチームとは思って折らず個人プレイ主義だと語る。
部屋に有る一枚の絵は宗教画なのか?と問うとルネッサンスだと
いうリード。古典を好むのかと。恐らく親はイタリア出身で
厳しいカトリック教徒で罪にはあがなえないと信じているのだ
ろうという。
するとそこにロッシが入って来て、私はイタリア系アメリカ人
歴52年で、家族はそれ程厳しくないと語る。絵は15世紀のオリジ
ナルで相当高価なモノだと。壁の下地は明日塗り替えにくると
語る。

そんな中、JJとホッチナーから今回の事件の概要が語られる。
モンタナ州・グレートフォールズではここ14ヶ月の間に3人の
女性が行方不明になっているという。ミシェル・ローフォード、
ジェニファー・ヒルブリッジ、ダーシー・クランウェル。
どの人物もみんな白人でブルネットだという。そして今朝
4人目のアンジェラ・ミラーが夫と息子と出かけた際に、トイレ
に行く間に居なくなっているのだという。40分後にハイウェイパ
トロールがアンジェラの車を発見して犯人に近づいたところ、
自爆したとのこと。犯人は白人でガッチリ体型、髪は茶色、
ヒゲ、40代前半、左頬に傷が有る人物だという。他の被害者は
まだ発見されていないとのこと。拉致から40分で犯人が死んだ
という事はアンジェラは生きている可能性が有るという。

リードは現地に向かうまでの間、地形図で事件現場に印をつけ、
犯人の行動のアルゴリズムを作成する。
銃を持っていたのに何故犯人は手榴弾を使ったのか。
恐らく人の記憶に残りたい事と、警察官を道連れにしたかった
のだろうという。勝ち目は無いと悟ったためのモノ。
この土地は元々一途で武器を好む人が多く、政府を敵視する
土地柄だという。特にミリシアと呼ばれる民間武装組織が街に
は存在しているとの事だった。
プレンティスとホッチナーはアンジェラの夫・ロバートに逢い、
モーガンは他の誘拐現場を調べ、それ以外の人物は地元警察と
連携して捜査してくれとホッチナーは指示する。

地元の警察官・ウィリアムズと逢う。
犯人の自爆に巻き込まれた警察官は勤続15年の警官だったという。
夫と子がトイレに行く間、妻は車で待っていたとのこと。
恐らく銃を突きつけられて車を乗っ取られたのだろうと
いう。しかしそれならばどうやって犯人は現場まで来たのか。
まさか歩いて来た訳ではあるまいと疑問に感じる。しかし既に
犯人は死んでいるので地元民には安心だという。

JJはミリシアの広報担当官に接触しようとするがFBIだと知って
すぐに電話を切られてしまう。
ガルシアからの連絡で、軍の歯科記録から照合したところ、犯人
はフランシス・ゴーリング(42歳)、陸軍に一年居たが、素行不良
で除隊しているという。バーで喧嘩して3人を病院送りにしたとの
事だった。好戦的ミリシアメンバーを捜せば良いとするが、
ミリシアは元々みんな好戦的だという。
彼には別居しているがダイアン・マリー・ゴーリングという
妻が居たとのこと。現在シェルビーに在住だった。

アンジェラの夫・ロバートから話を聞く。
最後に遭ったときの事を教えて欲しいというホッチナーたち。
リードとロッシはゴーリングの部屋を調べる為に管理人に見せて
欲しいと頼むが、FBIだとしってあまりいい顔をされなかった。
リードの事を配水管ブラシと呼ぶ管理人に対して、女性を助けたい
とは思わないのか?と説得して部屋を案内させる。

部屋を調べるとダイレクトメールの山だった。消印は新しいこと
が分かる。本は"中世封建社会の歴史"などを好んで読んでいる
事が分かる。古い写真が有り、妻・ダイアンと共に写っていた。
また引き出しの中からはビデオテープが見つかる。再生してみる
と、マルティン・ルターが唱える地上の王国について演説している
ような内容だった。
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モンタナ州・グレートフォールズという田舎町で起きた事件。

地域柄余所者には厳しいところが有るし、自衛団・自警団のよ
うなミリシアと呼ばれる武装組織が有り、癖のある人物によって
異様な雰囲気が漂っている前での捜査だった。

ガソリンスタンドのオバちゃんが拉致された少女を見てショット
ガンを取り出す姿を見ると、アメリカ銃社会に於ける問題点は
色んなところで感じる。

容疑者の男性もそんな組織の一人だが、流石に反政府的立場の
ミリシアたちも女子供が襲われていると知れば、協力をせざる
を得ないというところか。

一番気の毒だったのは当然被害者の家族だろうけど、ガルシア
がVTRのチェックをする為に虐待ビデオを見たという辺りが
大変そうだったね。現場に慣れている人ならばまだしも、やはり
ダメージは大きそうだ。

なんと言ってもよそ者を嫌うとする土地柄以上に白人至上主義
的な一面が存在していて、民族色の強い内容だった。
その分、モーガンを使って情報を引き出す流れの中で、
黒人が過去に虐げられる立場だった事を計算して送り出す
ロッシ捜査官の手腕が見られたというところなのだろう。

事件自体は冒頭から主犯格の人物が死んでいることと、
防犯カメラに犯人の男が写っていることも有って特定していく
にはそう難しくはないものが有ったのかも知れない。

ロッシ捜査官が抱える過去の事件に関しても、今回は登場
しなかったけど、FBIの権威を低めてしまった事件の存在
などを通して、苦悩する一面が見られたところは興味深かった
のかな。

しかし今回の犯人、なんで女性を殺したのだろうか?
服従させてそれに従わないものを殺すというのならば分かる
けど、拷問する事だけが好きなサディスト型だったのかな。
奥さんと別れた事でストレス要因だったみたいだけど、身から
出た錆だね。

犯人役のゴーリングを演じたMichael Cudlitzは、
「ビバリーヒルズ青春白書」のアメフト部の生徒・トニー役だっ
た人だね。最近では「サウスランド」でクーパー捜査官役で
レギュラー出演している。


■使用された曲

・Stevie Ray Vaughan and Double Troubleの"Pride and Joy"

■過去の事件

・ルビーリッジ事件

リードはロッシの著書の中でこの事件についてあまり触れていな
い事を指摘する。
アイダホ州で起きた事件で、FBIが赤ちゃんを抱いた母親を撃って
しまった事件の様だ。

・テキサス州ウェイコの事件

女子供を含め80人が死んだ事件。
ルビーリッジ事件を引きずり、なかなか銃を撃てずに被害を
拡大してしまったのかな?


■偉人の言葉

・マルティン・ルター

地上の王国は人の不平等なしには存在し得ない。自由な者と縛ら
れる者、支配者と従者がいるのだ。