クリミナル・マインド FBI行動分析課
Criminal Minds (2005年米CBS〜) シーズン3

製作総指揮: マーク・ゴードン

http://www.dlife.jp/lineup/drama/criminalminds_s3/




 

May 14, 2008
第19話 記憶を失くした殺人犯 Tabula Rasa

脚本/Dan Dworkin、Jay Beattie 監督/Steve Boyum
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2004年、バージニア州・ロアノーク
FBIは
ブルーリッジの絞殺魔の容疑者・ブライアン・マトロフ
を逮捕するために静かにアパートに向かう。FBIの捜査官だっ
たモーガンとホッチは部屋に踏み込むと、部屋に容疑者は
いない。しかし窓から非常階段を使って屋上に逃げた事が
分かるとモーガンが追いかける。マトロフは追ってくるのが
分かると向かいのビルに飛び移ろうとするが、向かいのビル
に届かず、辛うじて手で支えている状態だった。モーガンは
向かいのビルに飛び移ると手をさしのべて助けようとするが
その前に
マトロフは力尽きて下に落下してしまう。刑事の
ジャーヴィスはこの高さから落ちたらもう助からないだろうと
告げるが・・・

現在のバージニア州・クワンティコ
リードとガルシアはある一枚の写真について議論していた。
「2001年宇宙の旅」のモリノス並みの不可解なファッション
だという。当時は社会的に許されていたのかというリード。
プレンティスは何の写真なのかとのぞき込むと、プレンティス
のハイスクール時代(1989年)のアルバムの写真だった。
Siouxsie & the Bansheesを真似たようなパンク姿。
プレンティスはPHOTO SHOPで加工したものだとするが、ガルシ
アはハッキングして入手した写真だという。まるで解離性の
病気なのではないかとからかう。まるで別の人生って感じだと
プレンティスも今思うと不思議な感じだと語る。

そんな中、ブルーリッジの絞殺魔の裁判が始まるかも知れない
事が伝わる。
ブルーリッジパークウェイで3人を殺害した
マトロフの意識が戻ったというのである。検察のシシ・ヒレン
ブランド
は起訴する為の準備を進める。

ロアノーク療養所に集まるシシとホッチ。
シシは起訴はまだ有効だとするが、事件が風化している事が
気になり証拠能力にも問題があるという。リップ・ヴァン・
ウィンクルを口にすると、今度こそ自白させると告げる。
しかしいざ医師に遭うと、マトロフは
逆行性健忘症であること
を知り自分の名前さえも覚えていないのだという。
更に
被害者は全員若いブルネットの女性で、早朝に公園内を
ランニングしていた女性
だったが、唯一の重要証人のレオポル
ドが亡くなっているのだという。元々ジャンキーだった証人だ
ったが、三人目の被害者とマトロフが一緒に居るところを見た
唯一の人物だった。
第232巡回裁判(スピード裁判)で勝つのは難しいとし、BAUで
担当する事になる。

2004年、ジャービスの元に新人のFBI職員リードがやってくる
と彼を紹介する。リードを見て若いとするが、リードは能力に
は問題がない事を口にする。遺体が発見された現場に来たリード
は前の二人と同じくベルトで殺害されているとし、時計を
奪っているのは戦利品の為だろうという。遺体がうつ伏せに
されているのは後悔の表れがあるのだろうという。
そんな現場に、三人目の被害者・ダーシ父・コーベット
やってくると、リードはコーベットに対して、遺体は見ない
方が良い事を告げ、悪い記憶は残すべきではないと語る。

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2004年に発生した三人の若い女性が殺害された連続殺人事件。
当時容疑者を追い詰めた際にビルから落下して意識不明の重体に
なっていたが、この程意識を取り戻した為に改めて被告を第一級
殺人で起訴するために準備を進める。しかし事件が風化されて
いることや本人が記憶を失っているということで、事件は起訴
出来るのかどうかでぶつかり合う。

事件そのものよりも、ホッチナーとモーガンがFBI捜査官として
バリバリの現役時代に、リードが新人として迎え入れられた
り、ガルシアが初めてモーガンに「そこのベイビー」と声を
かけられて、二人の関係が始まった事が描かれたところに
興味が詰まっていた。
また妊娠が発覚したJJが登場する度に、大きくなっていくお腹
の方に視線が向けられてしまうところが有るかも。

物証がないのに起訴するというのはちょっと苦しさを通り越して
あり得ない度が高かった。
でもまだ4年前の事件なので風化という意味ではまだまだ鮮明
なものが有りそうな気がするけどね。

人間の心理状況というものが面白い形が描かれて、分かりやすい
形でシグナルとして現れていたね。
マトロフは産みの母が証言台に立つのを見て涙していたし、
マトロフに殺害された娘の父親は、未だに傷が癒えることなど
無い事を示すかのようにして、嵐の前の静けさを演じていた。

気になるのはやはり記憶を無くした人物は殺人者で有って殺人者
ではないのかどうか。
記憶が消えても殺した証拠が有れば記憶など関係無いとする
ロッシに対して、プレンティスは反論していた。
アイデンティティとは何か。西洋哲学に於ける因果的依存という
概念によって、過去との心理的繋がりで人となりが決まると
するリードの主張が興味深く描かれていた。

結果的に犯罪に駆り立てたストレス要因が母親にあったこと。
殺した人物から奪い取った物品を母親に贈っていたとする
心理はどこにあるのか。

またプロファイル捜査をバカにされた際にホッチナーが弁護し
に対して反論すべく実演してみせるところが爽快感が有ったね。
そしてホッチナーが最後に犯人にネゴシエートして説く姿なり
リードが遺族の為に労力を惜しまず親身になっている姿が
とても興味深かったと思う。

■使用された曲



■過去の事件

アイオア州対テリー・ハリントン裁判

プロファイル捜査に於ける是非が問われる際に引用された事件。
連邦証拠法702条やタクバート基準にも定義があるとして引き合い
に出された。

デビッド・カーペンター

今回のマトロフの犯行がこの犯人の手口・傾向と似ているので
はないかとして引き合いに出された。

アトランタオリンピック公園爆破事件

リチャード・ジュエルがプロファイルによって疑われたが無罪。
またエリック・ルドルフ、バトンルージュキラーなども
プロファイル捜査でミスを犯した一例だとして、被告側弁護士
はプロファイル捜査を無効としていた。


■偉人の言葉

アナトール・フランス
いかに待ち望まれたものであろうと、変化には悲しみがつきまとう
。自分の一部をそこへ置いていくことになるからだ。人は一度死な
ない限り、新しい人生は始められない

ウィリアム・ワーズワース
あの草原の輝きや、草花の栄光が還らなくても嘆くのはよそう、残
されたものの中に力を見出すのだ

デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 広報官
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
エミリー・プレンティス (Paget Brewster) FBI歴10年

レスター・サーリング (Steven Culp) 弁護士
シーシー・ヒレンブランド (Amy Carlson) 検察官
ブライアン・マトロフ (Eric Lange) ブルーリッジの絞殺魔
Mr.コルベット (James Eckhouse) ダーシの父
ニーナ・ムーア (Anne Betancourt) ブライアンの産みの親
リディア (Roxana Brusso) 刑務官
ジャービス (James Sharpe) 刑事
--- (F. William Parker) Judge
--- (Beau Dremann) Sergeant
--- (Loreni Delgado) Technician
--- (Dick Herlan) Husband
--- (Bob Gebert) Doctor
--- (Sarah Jane MacKay) Nurse
--- (John Pirruccello) Resident Jogger
--- (Jenny Powers) Woman
--- (Jon Barton) Swat Leader
エイプリル・サザーランド (Heather Belling) 被害者
--- (Brett Hunt) News 6 Cameraman
ダーシ・コルベット (Jenn Marie Jones) 3人目の被害者
セレスト・フォラミ () 被害者

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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