CSI:科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation (シーズン10) http://www.tv-tokyo.co.jp/csi10/ http://www.watch-csi.jp/csi/csi10episode.php

第19話 憎悪の連鎖 World's End

脚本／Evan Dunsky
監督／Alec Smight
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雨の日のラスベガス。
水はけが悪いラスベガスでは雨が降ると排水溝から水が流れ
出て道路が水浸しになる事も珍しくなかった。
マンホールの下の下水路で男が流されていく。

一方その頃、キャサリンの娘が通っているジェファーソン校
の演劇部では、"キャバレー"の全体練習が行われていた。
そんな中部員の一人が劇場の外で大変な事になっているとして
みんなを呼びに来る。警察の車両が多数集まっているのを目に
する。

ミッチェル巡査と共に格子に引っかかった男性の遺体を目にす
るニックは、上手い事遺体が下流に流れることなく水が満水
になった為に格子に引っかかっている事を告げ、流される前に
手錠で遺体を格子に縛り付ける。たまたまキャサリンが通りかか
ると、高校生くらいの男性遺体が発見された事を説明。
リンゼイが通う高校・ジェファーソン校の校長・フィル・アン
ダーソンと問い合わせれば被害者のことが分かるかも知れない
事を告げる。ニックは遺体の手に刺青が有るのを目にしていた。
ミュージカルのリハーサルを中断して見に来たリンゼイに対し
て被害者を知っているか訪ねると、ショーン・ベッカーである
とし、彼が亡くなったとしても誰も悲しまない生徒だという。

水が引いた後、デビッドとキャサリン、そしてコリンズ巡査
は排水路を調べる。グレッグによるとラスベガスには560kmも
の排水路が地下に埋まっているとし、そこにはホームレスも
1000人くらい住んでいるという。
排水路の上流を調べていくと、ショーンのタトゥーと同じ
マークが壁に描かれているのを見る。学校をサボってここで
ヤクでもしていた所に、増水で流されたのか?と考えるニック。
しかしクー・クラックスクランの集会所である可能性が高い
とグレッグは語る。

遺体を見たラングストンは、体中にすり傷が有り、タトゥーは
白人至上主義者を現す物だという。拳を使い慣れている事から
日頃からケンカに明け暮れていたであろう事が伺える。
ポケットの中からは2人の黒人女性の写真が見つかる。
次の標的にしようとしていたものなのか。

キャサリンは高校に行き、フィルから話を聞く。
ショーンは荒れている生徒だが、家庭環境が悪かったせいである
事を聞く。父親は虐待し、蒸発を繰り返した挙げ句、ゲイだと
カミングアウトしたことで、母親は精神を病んで入院した
のだという。それ以降ショーンは怒りの矛先を、黒人、ユダヤ
人、ゲイに向ける様になったという。ショーンには、一緒に
連んでいる仲間、ダリル・ジョンソンとカール・ハートが居る
事が分かる。２ヶ月前にビリー・ティンカーがひき逃げされた
事故があり、彼はゲイだった事からショーンが殺害したのでは
ないかとする噂が立っていたとの事だった。それ以降、ゲイと
レズが防衛同盟を組んで、ショーンたちと激しくやりあって
いた事から、現在自己抑制週間を設けて啓蒙活動中だと聞かさ
れる。

サラとブラスはベッカー家に、ショーンの死の知らせにいく。
祖母・ベッカーが対応に出るが、アルツハイマーである事を
知る。サラはショーンの部屋を調べると、排水溝に有った
絵をショーンが描いていたであろう形跡を発見する。
ハイデッガー、ニーチェなどを好んでいた様子から、噂とは
逆にインテリだったという。
一方ラボで遺体を調べていたラングストンたちは、骨折したまま
被害者が治療せず放置していたこと、そして薬物検査では
陰性である事が分かる。アルは、死因は溺死ではなく、刺し
傷が肺の一部に達している事による事で、傷口から恐らく
プラスのドライバーで差されたのだろうと告げる。

マンホールを一つずつ調べていたニックとグレッグは、マンホ
ールの一部からショーンの着ていた服の繊維痕を発見。
更に排水溝からはプラスのドライバーが流れずに網に引っかか
っているのを見つける。ニックはツイていると言うが、
問題はこれだけの雨でDNAや指紋が検出されるかどうかだと呟く。

ラングストンは傷口から、最近被害者に付着した傷は、ヒザ
の転位骨折だと判明。胴体や顔面にも打撲痕が有り、約3日前
についたものだろうと推察する。学校の懲戒記録から、三日
前にイアン・ウェントワースとケンカしている事が判明する。
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■被害者は高校生

キャサリンの娘・リンゼイが通っている高校の生徒・ショーン
が被害者。生前の彼の印象は相当悪く、白人至上主義者で
度々暴力沙汰を起こしていた事を知る。

そんな彼が下水道で流れているのを偶然発見される。
今回は偶然の繋がりがテーマとして存在しているのか。

■被害者の人間関係と、足取り調査

今回の捜査は有る意味ではオーソドックスなものが有った。
被害者の人間関係と、当日の足取り、怪我をした時の因果関係
を調べていくというもの。

■神がかった偶然の連鎖と憎悪の連鎖

遺体が排水溝に引っかかっていたこと。
プラスのドライバーが見つかったこと。
被害者と用務員の出会い。
更生させようとしていた用務員と更生したがっていた二人の
皮肉な関係。

人の素行のイメージは一度ついてしまうとなかなか取れないね。

■イアンとかモリーとか

この二人の言動は私から見るとちょっぴりあり得ない感じがす
る。
イアンは劇場で"キャバレー"のリハーサルを見ていたショーン
を殴り飛ばすけれど、正直、白人至上主義で変な奴らと連んで
いる人物と敢えてケンカしようとするだろうか。

モリーはそんなショーンと付き合っていたのだという。
悪に憧れる女子高生って感じなのだろうか。
どう見ても気味が悪いので付き合うとは思えないのだが・・・

■意外性のあるショーンのキャラクター

調べていくごとに彼に関して不思議な人物像だという事が
浮かび上がってくる。ハイデッガー、ニーチェを好んで見て
いたであろう形跡、世界が終わる数日の出来事を表現している
"キャバレー"の演劇に魅了されていた形跡。
ルワンダの虐殺に遭ったというローランとの関係。
キャサリンの娘・リンゼイに対して指紋の調べ方を聞いていた
という事実。

■償いたいにも程がある

人生いくつになってもやり直せるという事が主張される事が
多いけど、それもこれまでの間に、どれだけ酷い事をしてきた
のかに依るんだろうな。ルワンダ虐殺の首謀者だったという
ローラン(マシュー・ババシデ)はフツ至上主義を先導していた
人物だと知る。
時々アメリカのドラマでは、紛争地域に於ける首謀者が
やり直そうとしてアメリカ社会に溶け込んでいるというネタ
が扱われるね。
ローランの家族は、何処まで父親のことを知っていたのだろう
か。

キャサリンがこれまで自分が扱ってきた遺体よりも多い人物を
殺してきたと告げていたね。

■ラボ職員たちお休み

前回はラボ職員の物語だったけど、今回はウェンディも
ホッジスもマンディもヘンリーも出てこなかった。

■サラ・サイドルに対するジムの視線

サラサイドルならば当然排水溝を調べて、遺族の元に死を
告げにいく役割などしないと思っていたというジム。
サラは汚いのが好きだっただろうってジムが語る姿が有った。