CSI:科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation (シーズン2) http://www.watch-csi.jp/csi/

Oct. 4, 2001
第2話 偶然の失踪 Chaos Theory

脚本／Eli Talbert、Josh Berman
監督／Kenneth Fink
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ウエスタンラスベガス大の学生寮。
バスタオル姿の女性が廊下を歩くのを見つめる生徒たち。
410号室では殺風景な部屋に一人の女性が荷物をまとめて窓から
雨が降る外を眺めていた。
ペイジ・ライコフは電話に出ると今すぐ出て行くと告げる。
外ではタクシーが待っていたのだった。

そんな中、ペイジが大学を一年で退学しボールダーの故郷に
帰ろうとしている中で行方不明になったとして、警察に知らせ
が入る。既に行方不明になってから4日が経過したというブラス
に誘拐事件は24時間が重要だとしてギルは呟く。
ギルはペイジが住んでいた学生寮を調べる為にやってくると、
捜査官たちに部屋から出て行ってくれるよう頼む。
荷物がまとめてある事から出かける寸前だったことは明らか。
帰郷しようとしていたが予定を変えたのか、それとも変えさせら
れたのかとブラスは語る。現場を見る限りでは特に争った
形跡はなく、荷物も整然とされていた。
ドアは自動ロックがかかるようになっていて、荷物には鍵が
無いことから本人が持っている事は明らか。戻れるハズなのに
戻っていないという。

ウォリックは学生寮のセキュリティを調べていた。
入り口でも厳しいセキュリティ検査が有り、寮は8階建てで
各階に防犯カメラは4台ずつ設置してあるという。
サラは警察犬を導入してペイジの行方を捜すと語る。
寮生は合計400名住んでいる為に、警察官12名が一人ずつ調べた
ら一体何日かかるのかと嘆く。ギルはニックに対して、まずは
最初に防犯カメラ映像を調べるよう指示する。キャサリンは
もう遺体になっている可能性が高いだろうと呟く。

寮長に荷物は実家に送るよう手配しており、敷金の返却分の
小切手も受け取っているという。壁に付着する傷を調べるギル
はミント味がすることに気がつく。サラによると歯磨き粉など
を使って壁に掛けられた穴などの補修材に使うのだとし、
敷金を全額返却してもらう為に行うのだという。500ドル全額
返却されれば学生には大きいものだという。

ペイジのルームメイトはジェニファー・リッグスだったが、
大学入学の半月後に退学している事が分かる。

現場を調べていたギルは床の色が違うことに気がつく。
敷物が敷いてあったのではないかというサラ。もしかして遺体
をくるんで運んだのではないかと疑う。

ニックは学生寮を管理している警備のM・ブレイズ(アーチーだっ
(笑))に防犯カメラ映像を見せてもらう。午後8時から9時まで
の映像を調べるよう告げると、誰かがカメラに布をかぶせて見え
ないようにしている事が分かる。手が写っているのが見えると
ニックは壁に手を突いているのでそこから指紋が採れるハズだ
とかたる。

キャサリンは廊下に設置してあるダストシューターの中に入って
いく。しかし特に問題は無いとして、一緒に捜査しているウォリ
ックに告げる。ゴミ収集は毎朝行われているとのこと。

サラは室内をライトで調べて血痕や精液、それ以外の痕跡が
無いかを調べる。ベッドのマットレスにはシミが付いていること
が分かる。DNA検査で精液が検出されたとつげる。

そんな中ペイジの両親が学生寮までやってきて捜査官たちに
現在の捜査状況を尋ねる。自分もたちも何か手伝いたいという
両親にギルは部下たちが全力で捜査しているので任せて欲しいと
訴える。
ラボに戻るギルはダストシューターに入ったキャサリンが
シャワーに入ってきた事を悟る。一緒に防犯カメラの映像を
見ると誰かが何かを担いでいる姿が映っていた。
ペイジの部屋から絨毯を盗んでいることは明らかだったが、
それを見ていると、ニックから防犯カメラの布をかぶせた人物
が指紋から割り出された事を告げる。
ヘンリーという学生会"オメガ・ゼータ・パイ"の生徒で、
盗んで売っていた事を認める。4階・5階・7階には特に良い物
があると分かっていた為で、4階を選んだのは一番運びやすいから
だという。ペイジの事は経済学で一緒だったし、デートには2回
程度行ったが、それ以上の事は知らないと語る。ペイジは誰か
大人の男と付き合っていた様だと語る。
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■大学で起きた女子生徒失踪事件

今回の事件はこの一件だけだった。
シーズン1の頃には複数に分かれていることも多かったけど、
ここ最近は一つの事件をみんなで分担作業することが多い
ね。

一番あり得ないのは、キャサリンが初動捜査の段階でダストシュ
ートを探したのに、ゴミ箱自体を調べなかったこと。ゴミに対する
着眼点は比較的早い段階に訪れていたのに、何故ゴミ箱を調べなか
ったのか謎で、事件をかなり感じ。

容疑者らしきものを見つけては、嫌疑を一つずつ外していくという
刑事ドラマとしてはごくありふれた光景なのだろうけど、
正直偶然がもたらした事件故にこの犯行を理論的に証明するのは
難しいし、ネタとしては相当胡散臭いものとなった。

今週見た「BONES」(s4 #24)も全く同様に大学のソロリティの問題が
取り上げられているし、「ヴェロニカ・マーズ」のシーズン3は
常にこのソロリティの問題が引き合いに出されている。

ペイジの捜査の過程で明らかになったのは、ルームメイトの
レイプ事件。ロヒプノールという薬物を使用したもので、マットレ
スの検査からそれらが検出された。ただ1ヶ月半も前の証拠が出てくる
ものなのかとか考えるとやや違和感は有るし、そういう膣液・精液
まみれのマットレスに次の入居者が入っていることを考えると、
ちょっと気持ちが悪いものが有るね。
DNA検査官のグレッグはギルを呼び出す際に、フリートリッヒミーツォ
だと呼び、1000年前にDNAを発見したとする人の名前だと豆知識を
披露。

また学生会による強盗事件もドラマではタイミングが良いのか
悪いのか発覚した。大学生のノリでも有るのだろうけど、ここ
まで来ると殆ど窃盗団だよね。

そして駐車場をぐるぐると回っていた不審車両は哲学教授の
ロバートのものだと判明。
教授の部屋に不自然に落ちていた陶器の欠片を見つけたギルは
「状況証拠も時に確証になる場合がある」とした際には、
「畑で泳ぎ回る鱒だ」としてヘンリー・ソローの言葉を引用して
いた。
また「人が隠したがる情報こそ捜査に必要なもの」だとして、
ロバートを疑うも、アリバイがあり、寧ろ浮気を疑っていたシャロン
に容疑の目が向けられたが、結果として三人の子がいて住宅ローン
が有り、これまでにも数々の夫の浮気を見逃していた妻が
殺すはずもないというところなのか。
本気で殺そうとするならば、浮気相手ではなく寧ろ夫に刃を向ける
とは思うけどね。

そして仕上げはメンケンの言葉を引用した
「簡単に導き出せる回答は巧妙でもっともらしく間違っている」
とのこと。これは「カオス理論」「直線思考からは離れろ」と語って
いたように、当日のペイジの行動を彼女の心情に従ってトレース
した結果、難しい結論を導き出した。

学校の警備員がなんと後のCSIの分析官の一人、アーチー
だった。名前は違ったみたいだけど、アーチーがアーチーと
して登場するのはシーズン2の7話からの様だ。

・PortisheadのGlory Box