CSI: 科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation (シーズン9) http://www.tv-tokyo.co.jp/csi9/ http://www.watch-csi.jp/csi/csi9episode.php

第6話 K・ドラゴンの息子 Say Uncle

脚本／Dustin Lee Abraham
監督／Richard J. Lewis
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コリアタウンで野外でパーティーをしていた所、突然発砲音が
鳴り響く。集まっていたゲストたちはパニックを起こしてその
場から逃げ回る中で、二人の人物が銃弾に倒れて亡くなる。
カバリエ刑事はすぐに現場で聞き込みするも、韓国語が話せず
なかなか聞き込みもうまくいかない。

殺害された男性には三発の銃弾、女性には二発の銃弾が撃ち込
まれて亡くなってて居た。男性のポケットから免許証が出て
くる。パン・ソンという名前で、ジーン刑務所から飲酒運転で
捕まり出所したばかりの人物だった。しかし女性の方には身元
を示すIDなど所持品が何もなかった。
ライリーは容疑者は同じ韓国人だろうとし、別の民族ならば
すぐに容疑者の事を目撃者が話すはずだという。
現場には血しぶきを浴びたような子供用のサングラスが発見
されている事から、子供が間近で事件を見ていて、それで容疑者
にさらわれた可能性があるという。

一人一人、現場にいた目撃者から話を聞く中で、チャンという
チンピラ風の男性から話を聞く。しかし彼は証言はしないとして
他人の事には決して首は突っ込まないと語る。

遺体を調べていたロビンス検死官は、亡くなった二人の遺体から
検出された銃弾を見る限り、別の銃から発せられたものである
事を指摘する。容疑者は二人居るのか。男性の被害者の弾道は
水平であるが、女性の被害者の体を貫いた弾道は角度が有り
下から撃たれたものだと判明する。女性には注射痕が有り、
麻薬常習者である事を匂わせる。両まぶたには二重まぶたに
整形した跡が見つかった事から、売春組織が彼女に西洋風の女性
に見せるために施術させたのではないかという。

被害者のパン・ソンが刑務所から出てからの行動を辿るキャサ
リン。刑務所から出所して殺されるまで、「ゴッドファーザー」
の上映時間よりも短いことを指摘する。彼は現場に行く前に
デンプシーデパートで買い物をしている事が分かる。

一方整形医から聞き込みをしていくと、被害者の女性に施術した
とする医師が見つかる。自分は銃を突きつけられて女性に整形
した事を告げ、犯人はKドラゴンという新勢力のギャング団だと
いう。特別にギャングらしい事をするのではなく、一般生活に
溶け込む中で強請りをしている人物で、ターゲットは韓国人同胞
だという。自分の診療所には防犯カメラの設置が義務づけられる
ようになってから強請に来なくなったとのことだった。

そんな中、デンプシーデパートの防犯カメラから被害者の当時の
映像が見つかったとの連絡が入る。ここは治安の悪いエリアな
ので、警察並みのセキュリティが必要だとして、CSIも真っ青の
監視設備が整っていた。アーティやミンディが調査しており、
そこではAFISなどを使って万引き犯の指紋さえも検出することが
有るのだという。VTRにはバン・ソンと一緒に子供が一緒に写って
いた。子供の指紋を調べると、児童保護局の職員・チンから、
子供はバン・パクで、被害者の女性はパクの母親シル・コーラ
だと分かる。そして被害者の男性・バン・ソンは叔父に当たる
人物だとの事だった。パクの父親はラスベガスと韓国で有名な
ギャング団のボスであるが、HIVで3年前に他界しており、母親
も子供もHIVの陽性患者だと判明する。女性も過去売春の容疑で
三ヶ月服役していたことがあるのだという。
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コリアンタウンで起きた発砲事件。
二人の人物が殺害され、容疑者としてこの界隈で暗躍している
Kドラゴンという名のギャング団の存在が浮かび上がる。

ユーモアなのか実情を反映したドラマなのか、世代交代を意図
しているのか不思議な感じの内容が描かれた。

ユーモアという面では、CSIと同じような組織がデパートに防犯
設備として存在していて、マンディとアーチーをパクったような
職員が働いている姿が有ったし、二週にわたってホッジスが現場
に嫌々やってきたかと思えば、ものの数分で重要な証拠を見つけ
てしまうとする神がかり的な捜査手法を見せた。

近年韓国系の発砲事件が世間を賑わせていることや、アメリカで
活躍する売春組織が多い事、そして整形している現実を指摘
する辺り、如何にも現在の韓国の象徴するイメージを挿入して
描いたような内容となった。

現場でデビッドからセクハラとばかりに、男性被害者のポケット
がもっこりしています!と語ってみたり、被害者の出所から
殺害に至るまでの短い命を指さし、「ゴッドファーザー」の放映
時間よりも短い時間で殺害されたと主張。事件自体がギャング
の仕業かと思われていただけ有って、韓国人の短気な性格を
加味して、速攻で殺されたと皮肉ったのかも知れないけど、
なんとも悲しい事件だった。

取り調べ室で韓国語の通訳をしていたのが、「HEROES」の
アンドー君こと、James Kysonだった。逃げ惑う人たちを
見ると、何処かで見た事が有る様な日系人俳優にも見えたけど
ここはコリアタウンでの出来事。冒頭では中国系の音楽が
流れていたので、なんだか不思議な感じがしたな。

また今回、ギルとライリーの事件に於ける見解の違いが面白い
様描かれた。ギルは少年からの証言で二人を殺害したのはKドラ
ゴンの男だとするが、彼が女性を殺害するには動機としては
物足りないものが有る。
ライリーはこの一件で、最初に子供を連れ去ったバン・ソンを
撃ち、バンが反撃する形でシル・コーラを撃ち殺したのではな
いか?と疑う。しかし銃弾の角度からして、子供が母親を殺害
した可能性も俄に信憑性を帯びてきたということで、なんとも
複雑なものが有ったね。

子供が事件にかかわったことで益々ギルにとってはCSIにかかわる
事への違和感を覚えていくようになるのかな。