CSI: 科学捜査班
CSI: Crime Scene Investigation
(シーズン9)

http://www.tv-tokyo.co.jp/csi9/
http://www.watch-csi.jp/csi/csi9episode.php





第21話 時の過ぎゆくままに If I Had a Hammer...

脚本/Daniel Steck
監督/Brad Tanenbaum
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ジェレミー・ケント18年前(1991年)トーマス・ハロット(9
1歳)を殺害し、第一級殺人の罪で服役していた。
イーストクラーク郡の拘置所に収監され弁明の余地もなく刑務
所へ。2000年に仮釈放の申請をするも却下され、ケントは無実
の罪で捕まっている事を訴えるために自ら法律を学ぶ。

当時公選弁護人のベンジャミン・トリップの助言に従い行動して
いたケントだったが、ケントと拘置所で同房だった囚人が、
司法取引によって、ケントが殺害を犯したという話をしていたと
嘘の証言をしていた事が判明。しかもその囚人は、トリップ弁
護士の助言を受けていた事を知り、利益相反の疑いが有った。

1991年の事件が有った夜は、
ランパードホテルで火災が起きた
日だった。当時ラスベガス署に所属していたキャサリンがこの
強盗事件の調査を単独で行った。

一人暮らしの被害者・ハロットは、その日、何者かが侵入した
として
911に通報。頭部を鈍器で殴られ死亡する。
犯人は石で窓ガラスを割って侵入し、留守宅だと思って入った
ハズが家主のハロットと出くわしたことで、カナヅチの様なモノ
で殴って殺害したのではないかとされるも、凶器は発見されず、
侵入したときに使った
石に付着していた指紋がケント(当時16歳)
のものだと分かり逮捕したものだった。
同じ日に近所で2件の空き巣事件が発生しており、3件目に入っ
た家で殺害したのではないかとされる。

事件当時、現場の隣家の
センサーライトが付いたという証言が
あり、また1km離れた
クロスフォード通りの目撃証言によって
陪審員は有罪だとされた。
現場近くに残されていた
靴跡は、ケントと同じサイズのものだ
が、彼の所持していた靴とは底が一致せず。

ケントは再審の要求を裁判所に提出。
そして公判前に協議を求めてくる。エクリーはキャサリンの元
を尋ねてその事実を語る。

一方当時の911に通報された録音データを調べるアーチー
グレッグ。音響分析は当時よりかなり進んでいる事も有って、
録音されているデータの中から、現場の前の道に車が停車され
ていた事が判明する。ケントが当時乗っていた車は、GMが製造
していた
84年型のポンティアック6000だった。その音が容疑者
の所有していた車のエンジン音なのかどうかを調べる様頼む。

当時の検視記録を調べる。
当時の検死官・サム・バーナードは98年に亡くなっていたが、
あまりに杜撰な調査だった。頭蓋骨をカナヅチのようなもので
殴られて陥没骨折しているが、被害者は左右の肋骨も骨折
しており、それを骨粗鬆症だと見ていた。誰が見ても容疑者と
争ったときについたもので、老人といえども転倒だけで左右の
肋骨が折れるとは考えづらく、殴られたものであろう事は
明らかだった。

ケントはキャサリンに面会すると、自分が学んだ法律知識など
を駆使して色々と質問する。キャサリンがラスベガス警察署に
赴任して一年半での単独捜査だった事も有って、能力を疑って
みたり、当時キャサリンがエディ・ウィロウズで出会い妊娠
していた事を理由に、判断ミスや使用した薬品に関して疑問点
をぶつけてみる。

ライリーウェンディは当時の現場のカーペットを調べる。
当時は
ALSライトが無かったので、より詳しく調べられるだろう
と考えていた。すると凶器が落ちていたであろう痕跡が見つかり
それがカナヅチである事も明らかになる。

一方ケントはキャサリンに次々と疑問点をぶつける。
そして当時の起訴出来た物証が、現場に落ちていた石の指紋だ
けだと知り、
ASCLDが定める2009年の鑑識基準に満たしていない
のではないかと告げ、石を証拠から除外する様申請するという。

それを受けてキャサリンは改めて石の指紋を調べると、指紋が
ケントのものである事を改めて証明する。
一方足跡を調べていたラングストンは、キャサリンと共に現場
にいき、当時の犯人の行動を推察する。何故隣家のセンサー
ライトが付いたのか。何かしらの行動を取ったのは明らかな
ハズでそれを考える。するとキャサリンはグリッソムがかつて
語っていた言葉を思い出す。
"人は上を見ない"という事。
屋根の上を調べると、なんと
木の幹の一部と化しているカナヅチ
が発見される。

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■18年前の事件の再調査

ケントが無罪を訴え理論武装してきた今回のシナリオ。
アメリカの刑務所は、色々と本を読んだり出来るようだけど、
日本の刑務所ではどうなのだろうか。

それよりも事件の証拠品というのは、どれだけの期間残して
置くモノなのだろうか?カーペットが残されていたり、石が
残されていたりする辺りは、スペース的にも保存するのが
難しそう。

現場の家は壊されているし、果たして真相にたどり着くことが
出来るのか?

■18年の間に進化した科学捜査

一番今回役に立ったと感じるのは、録音された音声データを
分析する能力だったかな。
音を分離する形で上手いこと、現場に車が泊まっていたことを
突き止め、そのエンジン音が、クライスラー社の68年型ダッジ・
スーパービーである事を掴んでいく。マッスルカーであると
いう特徴的な車であるところからも上手く識別しやすいもの
が有ったのだろうね。

そして2ドア仕様のこの車から二人の人物が降りてきたであろう
事も掴んでいく。

■奇跡の新証拠発見

日本でもど根性野菜とかよく言われる現象があるけど、この
ドラマでも木の上に乗っかっていた凶器が、木の中に取り込ま
れて成長していたとする奇跡が有る。そのお陰で証拠自体が
保存されていたとするのだから何とも皮肉だね。

また車種が特定されたことでその車を調査するけど、まだ
市場にその車が残っている辺りが何とも言えない。

■キャサリンの信念を揺るがす犯人の訴え

キャサリンが見つけた証拠が手がかりとなって第一級殺人とし
て服役しているケント。もちろん彼女一人が責任を負うべき
ものではないのだろうけど、もしも無罪の人を18年も服役させ
ていたとしたら、後悔しても仕切れないモノがあるだろう。
ただ犯人の執念も相当なものが有り、本当に無罪で訴えている
のではないか?とする状況が描かれていた。

キャサリンが当時の恋人とのエピソードを披露し、運転中に
人をひき殺しそうになっていたこと。自分の人生がケントと
紙一重の所にあるのではないかとする辺り、相当プレッシャー
が有った事を感じさせる。

ブラス警部のフォローが良かったね。

■ラスベガスの不法侵入

データ的に見て10件中7件は複数犯による犯行らしい。

ケントと共犯者の存在

当時の恋人・サブリナの事を庇っていたケント。
それだけでなく、なんとサブリナのお腹の中に子供が居たと
いうことで、一人で罪を被ったようだ。
ただサブリナのその後の態度を見て、憤慨するものが有ったの
かな。

■最後は罪のなすり付け合い

醜い争いになってしまったけど、若い頃の一度の過ちが一生を
左右してしまうという事でちょっぴり怖さを感じる物が有った。

ただ当時16歳であることや、計画性の無い空き巣狙いの犯行
だった事を考えると、日本の場合第一級殺人や重罪謀殺には
ならないような感じ。日本だったら数年で出所してくるのだろ
うな。

キャサリン・ウィロウズ (マージ・ヘルゲンバーガー) CSI(新主任)
レイモンド・ラングストン (Laurence Fishburne) LV.1捜査官
ニック・ストークス (ジョージ・イーズ) CSI
ジム・ブラス (ポール・ギルフォイル) 刑事、警部
アル・ロビンス (ロバード・デヴィッド・ホール) CSI検死官
グレッグ・サンダース (エリック・スマンダ) CSI研究員
デビッド・ホッジス (Wallace Langham) CSI
コンラッド・エクリー (Marc Vann) CSI上司
デビッド・フィリップス (David Berman) CSI (眼鏡の方) 検死
ソフィア・カーティス (Louise Lombard) CSIから刑事へ
ウェンディ・シムズ (Liz Vassey) CSI (DNAラボ)
マンディ・ウェブスター (Sheeri Rappaport) ラボ
ヴァルタン (Alex Carter) 刑事
ジョー・メトカルフ (Joseph Patrick Kelly) 刑事
ボビー・ドーソン (Gerald McCullouch) CSI、銃弾検査
ヘンリー・アンドリュース (Jon Wellner) CSI
ミッチェル (Larry Mitchell) 刑事
サム・ベガ (Geoffrey Rivas) 刑事
エイカー (Larry Sullivan) 刑事
デブリン (DeLon Howell) 刑事
アーチー・ジョンソン (Archie Kao) CSI (PC分析など)
マンディ・ウェブスター (Sheeri Rappaport) CSI、指紋
ウィリアムズ (Gabriel Casseus) ベガス署の刑事
ライリー・アダムス (Lauren Lee Smith) ラボ新加入

ジェレミー・ケント (Henry Thomas) 第一級殺人・終身刑
サブリナ・オーウェン (Charlotte Ross) 3人の子供の母
サブリナ・リテイ (Brooke Newton) 16歳のサブリナ、ケントの恋人
クリント・オーウェン (Mark Totty) サブリナの夫・弁護士
バンダープール (John Prosky) 地方検事
タイラー・オーウェン (John Bain) 長男、ケントとサブリナの子
--- (Steve Seagren) Middle-Aged Detective
トーマス・ハロット (Adolphus Ward) 92歳、被害者の老人

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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