CSI : NY6 (CSI:ニューヨーク / シーズン6) 制作総指揮／ジェリー・ブラッカイマー http://www.watch-csi.jp/csi_ny/ http://www.tv-tokyo.co.jp/csi-ny6/

16 Dec. 2009
第11話 セカンド・チャンス Second Chances

脚本／John Dove
監督／Eric Laneuville
--------------------------------------------------------
ニューヨークではクリスマスを目前に控えて、町ではクリスマ
スムード一色だった。サックスを吹いてパフォーマンスをする
ものが居たり、サンタの格好をして、献金を求めるもの。
プレゼントを買い歩く人間も多い中で、マックもステラと共に
クリスマスツリーを買いに来ていた。マックによると我が家で
は17年間年中行事だったとし、近所で一番大きいツリーを買う
為にこの時期は色んな店を回ったのだという。ステラもブロン
クスのアパート時代には一人でツリーを室内まで運んでいった
と語る。ツリーは殉職警察官の子供達の為に購入したもので、
マックたちはボランティアに力を貸していた。
ニューヨークのクリスマスはやはり特別なものだという。

クリスマスの日。マックたちは朝6時から出勤だった。
アムステルダムの外れの路地でコートを着ていない男性の遺体
が発見される。男は第三度の熱傷を負っていた。
聞き込みの結果、銃声がしたので路地を覗いたら、被害者が
火に包まれていたという。現場の状況から、恐らくペンキの
缶が熱で爆発した音を銃声と聞き間違えたのだろうという。
全身殴られた様な跡が有り、所持品などは全て奪われていた。
被害者のメガネにはオイルのようなものが付着していて、
口の中の気道は傷ついているという。肋骨が折れており、鈍器
損傷によるものだとホークスは語る。
テルペンチンにミネラルオイルが現場から検出。いわゆる燃料
と促進剤だった。被害者の身体から800ppmのガソリンを検出
している事からガソリンが巻かれて、タバコの火によって
燃やされたのだろうと推察。しかし強盗した末に火をつけて
逃走したという凶悪さから、何度も繰り返し犯罪を犯したもの
の犯行だろうという。

たばこの吸い殻のDNAから容疑者は前科のあるジョー・ロスだ
と判明する。しかし自分は何も知らないとして犯行を否定する。
しかし問い詰められると、路上の偽サンタから金を奪おうと
していた事を認め、その直前に路地から車が出て来て靴を
踏まれたのだと主張する。

被害者は指紋からジェームズ・マニングだと判明する。
過去にドラッグで二度逮捕されていた。
遺体の状況から現場で動けなくなっていたか、気絶させられ
ていたのだろうという。ヘロインが体内から検出されるが
左手の注射痕は癒えていた。太ももに新しい注射痕があること
からそこから体内に注入したものなのか。
全ての遺体の傷跡の状況から、ステラはクラッシュ症候群で
有る事を指摘する。恐らく被害者は車に轢かれて亡くなった
のだろうとの事。ホークスは車で轢かれたとすると、恐らく
10km程度のスピードでゆっくり踏んだであろうと推定する。
また火が付いたのは、車の燃料漏れが原因で、凶器は車だと
特定する。

ステラは被害者の手の傷跡を見て、過去に一度見ていた事が
有った。資料からレックス通りで物乞いをしていた男性で、
時々一ドルを渡して社会復帰を促していたという。路上生活
やドラッグから縁を切るべきだと説得していたが、有る時突然
居なくなったという。

リンジーは被害者の身体から車に引かれた跡を検出。
更にジョー・ロスの靴からもタイヤ痕が判明する。

レストランの料理の取り仕切っているグレース・チャンドラー
の元に行くフラッグは、夫が遺体として発見されたので確認
に来て欲しいと頼む。
グレースから話を聞くと昨日レストランから戻ってくると、
サイフと携帯が家に置いて有ったので、ジョギングに出ている
ものだと思っていたという。失踪者として届出るには24時間が
経過しないと受理されない事情もあるという。マニングの人間
関係について尋ねると、自分以外に親しく付き合っていたもの
はいないのではないかと告げる。半年前に彼とは婚約しており
二年前に出会ったという。喧嘩したことなどは一度もないと
告げる。グレースの乗っている車種を尋ねると、2009年製の
レクサスIS350だと判明する。彼がヘロインを摂取していた事
を尋ねると、そんな事は絶対にないとし、先日薬物を辞めた
二年目の祝いをしたばかりだという。マックはグレースに指紋
とDNAの採種を求める。

そんな中、車種が限定される。
被害者を轢いたのは1997年製トーラスワゴンだという。同じ型の
車を交通課がレッカー移動しているとの事で、ステラとダニー
は調べに行く。
--------------------------------------------------------

クリスマスの寒い日に男性の遺体が発見される。ステラとは
顔なじみの元ホームレスで薬物中毒だったマニングだと判明
する。彼の体に付着したタイヤ痕から車種を割り出し、乗り
捨てられている車から、マニングを殺害した車だと判明するが
車の持ち主であるサムは犯行を否定する。そんな中で、被害者
には多額の保険金がかけられている事が分かっていく。

クリスマスという和やかな雰囲気をぶちこわすような、この世
に善人など居ないのかと思わせる切ないエピソード。
まぁステラやマックのしている行動を見れば、そんな気持ちも
吹き飛ぶのは明らかだけど、ボランティアだと称して人を
助けているかと思えば、ホームレスを動物や虫けら扱いして
いる一面が有り、人間不信に陥りそうなものが有った。

捜査線上に上がる人物。
被害者の妻・グレースと、マニングをひき殺した車の所有者
サム。そしてサムの婚約者であるデビー。
三人の接点を探していく中でなかなか証拠が見つからないもの
の結果としてクレジットカードの使用歴から足が付いてしまう
というマヌケな所が何とも言えない。しかも人を殺してまで
得た金を整形に使っているのだから凄いね。
生体検査用のサンプルが貴重な証拠として、ホークスに慎重を
期して調べる様に告げるけど、言葉で言うほど難しそうな
検査ではなかった気がする。

共通するものとして浮かび上がってくる、クイーン・オブ・
マーシー病院。身寄りのないホームレスで薬物中毒患者に
保険金が掛けられていること。いつも不思議に思うのだが、
金のない人ほど薬物にハマる姿が有るけど、どうやって金を
捻出しているのだろうか。

"ボン"禁止例がリンジーから出てしまったダニー。
でも相変わらず止めどなく"ボン"コールは生まれていた。
娘・ルーシーもボンを継承していく事になるのか。

冒頭のサンタのパフォーマンスで金を集めている人物を見て
詐欺だとする一面も有ったけど、なんだかクリスマスなのに
やたらと現実的だったな。ステラの語るニューヨークのクリス
マスは特別だとする流れも、CSIをしていると特別な物に見えなく
なっていきそうだ。

ラストのマックのセリフも格好良かった。
"人の心を何処で置き忘れたのか"。"正義は私の財産だ"。

更に現実を知ってサムがショックを受ける中でサラが引用した
セリフは、"誘惑はドアベルを流し続ける、でもチャンスは
たった一度しかノックしない"との事。