CSI : NY8
(CSI:ニューヨーク / シーズン8)

制作総指揮/ジェリー・ブラッカイマー

http://www.tv-tokyo.co.jp/csi-ny8/





September 23, 2011
第1話 9月11日の記憶 Indelible

脚本/Zachary Reiter、John Dove
監督/Fred Toye
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マックは朝洗面台の鏡に向かうと、2001年の9月11日のことを
思い出す。
思わず剃刀であごを傷つけてしまったのを見た妻のクレア
911に電話し、私の夫が自分を傷つけるパフォーマンスをして
いると告げ、5人組の歌手の影響を受けて居るというのである。
今夜面通しに行かせるというが、マックは妻に対して今夜は
オペラにいくので行けないのだと語る。強盗課のジョンと一緒
にいくのだとすると、クレアはそれを聞いた途端激怒する。
私と一緒にいくと言っていたのに・・・と。マックは綿棒を
取って欲しいと告げる中、クレアは渋々と綿棒の蓋を開ける。
するとその中にチケットが二枚入っていた。元々クレアといく
つもりだったのである。

マックはラジオを耳にしていた。
2011年9月11日、午前7:30、曇り空の日曜日で気温20度。
アメリカ同時多発テロ事件から10年が経過し、半旗掲げられる
8時46分に黙祷が捧げられると語られる。決して忘れられない
ものだった。

マックの居なくなったNYPDのCSIでは、ボスのオフィスには
ジョーが居た。アダムはジョーに対してボスのサインが欲しい
とするが、ジョーはあくまで私はマックの後任が決まるまで
の臨時のボスだと告げる。しかしアダムはもう4ヶ月もボスの
空白が続いているという。
そんな中、巡査部長として制服警官に転身したダニーはジョー
に電話し、事件が発生した事を報告。場所は9丁目ランガンズバ
ーの前で発砲されたというもの。被害者はバーの用心棒の
ショーン・ピーターソンだという。
犯人は手袋をしていなかったらしいことを知る。

一方ドンはバーのオーナーであるラニガンから話を聞く。
営業時間外に起きた事件だったが、ドンは殺人事件の捜査なので
それ以外の違法営業については言及しないことを告げる。
すると週2、3日は閉店後に常連たちの間でビリヤードをしていた
のだとし、そんな状況の中二人組の強盗が銃を手にして入って
来たのだという。犯人が金を取って逃げる際にはまだショーン
は生きていたとし、何故犯人が金を持って逃げた後に射殺した
のか分からないという。盗まれた金は大体2500ドル程度で、
デヴォンがチップを持っていった後の出来事だと語る。

マックはハイパーラボのDNA室でこの4ヶ月は働いていた
バスに乗っている中、目の前の女性の姿を見て、クレアと共に
911の時に通勤する時の事を思い出す。

リンジーとホークスは現場の写真を撮影していた。

ドンはラヴォンから話を聞く。
すると彼女は強盗事件が発生する5分前に店を出たか通り向かい
の角に二人の人物がいた事を告げ、警告のために一度戻れば
良かったと語る。二人組はポケットに両手を突っ込んでいた
とし、白人と黒人だったという。2人とも180cmで黒人は赤い
スウェット、白人はグレイのパーカーを着ていたという。
落ち着かない状況でファスナーを上げ下げしていたという。
普段はショーンが店の鍵を持っているので開け閉めしている
が、何故彼は外に出たのかと問うと、多分タバコを吸う為に
出たのだろうという。

パイパーラボではマックはDNAの検査をしていた。
同じラボで働いている女性スタッフのハンナから声を掛けられる。
マックはチラチラ見てくるハンナに何か聞きたい事でもあるの
ではないかと問うと、ハンナはマックは奥さんが亡くなった
のでしょと問い身元の確認は出来たのかと問う。DNA検査を
すべきではないかとするが、犠牲者には名前があるのだとして
名前はクレアだと思わず声を荒げてしまう。すぐに冷静になる
マックは君の責任ではないのにゴメンと語る。それで警察を
辞めたのかと問われるが、なんとか遺族の為にも身元の解明
を助けたいという。1121名が未だに判明していないこと。
君は何故このラボに来たのかと問われると、去年の一月から
ここに在籍しているが、判明したのはたったの一名たと語る。
それを聞くとマックは決して空しい作業ではないと慰めるのだ
った。
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シーズン7のラスエピを読み返してみると9年前の事件の再捜査
をしている姿が有り、その過程でマックが危うく死にかける
事件を通して、マックがラボから立ち去る姿というものが有っ
た様だ。

シーズン8の最初のエピソードは更に遡って10年前の回想シーン
をメインとした構成だった。
そもそもシーズン7のラスエピからは4ヶ月が経過しているという
設定だった。

ダニーが昇進試験を受けていたとする事実がすっかり記憶から
抜け落ちていた為に、制服警官として働いている姿にちょっと
戸惑いつつ、最初の登場シーンでジョーからは巡査部長と呼ばれ
る姿が有った。

さて10年前のエピソードとは、サブタイトルにも有るように
2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件のことだった。
ということでドラマの中の現在は時刻は2011年9月11日という
設定である。
なんといっても気になるのは、マックが今何をしているのか
ということ。
冒頭でのジョーとアダムの会話から、CSIではマックの後任を
探しているようだし、ジョーがボスの代理として働いている
様子が描かれた。
マックはDNA解析ラボのような形で、ワールドトレードビルの
遺族の痕跡を探るという仕事を手伝っている様だった。
マック自身、妻のクレアを911で失っている過去が有り、
なかなか次の世界に足を踏み出せずにいることがこれまでにも
描かれているので、当時の映像によって益々マックというキャラ
クターに対する掘り下げを行い深みの有るキャラクター像に
仕上げた感じ。
クレアと行くはずだったオペラのチケット。
最後に空しく海岸からそのチケットを流すということで、一応
10年という区切りでクレアとのことにも決着を付けられたのか。

なんといってもドラマとしては現行での犯罪を描きつつ、
フラッシュバックの形で、10年前のラボ職員のそれぞれに
迫ったことだった。

急場の応急室でシドとホークスが一緒に働いていたり、
ダニーとドンが粉塵の激しい現場で逢っていたり、
FBI捜査官をしていたジョーはテロを目の当たりにして、母に
対して子供を預かって欲しいとの電話をしている姿が有った。
そして肝心のマックは取調中に起きた騒々しい出来事に
外を覗くと飛行機がビルに突っ込む姿を目撃する。
マックはクレアと会話中にその場から離れろというマック
の台詞も空しく、突然連絡が途絶えてしまった背景には、崩れ
落ちるビルに巻き込まれてしまった感じだけど、少なくとも
ビル内にいたような感じには見えなかったね。

アダムとリンジーは10年前当時何をしていたのか。
アダムがちょっぴり自信なさげな性格をしているのは、911の
ことが罪悪感として備わっている為なのだろうか。
彼は当時大学生で夜中まで遊んでいたので、911が起きた午前9時
頃にはずっと寝ていたとのこと。リンジーはモンタナにいた
けど、何かをせずには居られないということでトラックに同乗
してニューヨークにボランティアとして働きに来ていた様だ。
アダムが罪悪感に駆られているとする反面、911の過去を忘れて
しまっているような現在の犯罪者に対して、ジョーが憤りを感じ
て思わず、「今日という日にふさわしいわ。理由もなく殺される
罪のない人間の顔が一生心に刻まれる」と語るシーンも印象深かっ
たけど、ジャンキーは無敵で、こんな言葉の意味さえも分からない
のだろうって感じが切ない。

アダムがラボ内で、マックの後任探しをしているジョーと面接して
いる人物のやりとりを見て吹き替えの如くやりとりを真似ている
シーンが面白かった。
"あんなピーウィーハーマンのようなメガネをしたような男じゃ
マックの後任として務まらない"。それを思わずリンジーに聞かれて
しまうというのもまたアダムとしては気まずいけど、マックの後任は
居ないと考える一人としては共感出来る内容だったのかも。

ジョーがマックに対して、あなたのオフィスにちょっと私の小物
を於いたら、まるでジョー・ディマジオのロッカーでも
乗っ取られたような顔をされたとして、マックに戻ってくる様
告げる。取りあえずは4ヶ月は有休を取っている状況の中、
マックはプルックリンの上述したDNAラボで働いており、みんな
とは一切顔を合わせないような暮らしをしていたようだ。

強盗事件に関しては、目撃証言と現場の証拠の矛盾性から
現場を再現し、上手いことジョーが飛沫血痕の特徴から
状況を推察したようだ。

マックが遺族の一人で息子のジミーを失ったというジョー・ビンセ
ントという消防士のオヤジと不器用性格同士、会話するシーン
もまた、震災を経験した日本ならば、こういう出会いも逢った
であろうことは伝わってくるものが有るね。

10年目の追悼式、ブルックリン・ウォールを前にして、式典が
行われた。
ダニーが正装してラボにやってきた際に、リンジーとアダムを
称して、"アダムと・・・あのなんて言った子だっけ?"と語る姿
は面白かった。

・Here Comes the Sun
・The WhoのBaba O'Riley
・The Boxer RebellionのLocked in the Basement


マック・テイラー (Gary Sinise) NY市警CSI:主任
ダニー・メッサー (Carmine Giovinazzo) CSI、下町育ち
シェルドン・ホークス (Hill Harper) 検死局
ドン・フラック (Eddie Cahill) 殺人課
ジョー・ダンヴィル (Sela Ward) CSI、バージニアから転属
リンジー・モンロー・メッサー (Anna Belknap) CSI、S2#3から
シド・ハマーバック (Robert Joy) 検視官、S2#5から
アダム・ロス (A.J. Buckley) CSIラボ研究員、S2#8から
--- (Julie McKinnon) A / V Lab Tech

ジョー・ヴィンセント (Robert Forster) 消防士
クレア・テイラー (Jaime Ray Newman) マックの妻、9.11で亡くなる
ハンナ・マックレイ (Valorie Curry) パイパーラボの職員
マイク・ホワイト (Brandon Fobbs) 強盗
マイク・ブラック (Bug Hall) 強盗
カイル・ラニガン (Josh Wingate) バーの店主
ショーン・ピーターソン (Edward Finlay) バーの用心棒
--- (Haley Strode) Injured Woman
--- (Noshir Dalal) Officer
デヴォン・ハーグローブ (Cassidy Freeman) バーテンダー、目撃証言
--- (Jennifer Hammond) Business Woman
--- (Julie McKinnon) A / V Lab Tech
--- (Taylor Spill) Girl In Crowd
--- (Cory Kirk) Interrogation Room Officer
--- (Devanny Pinn) Goth Girl
--- (Devin Toft) Tower Businessman



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