ダウントン・アビー 〜貴族とメイドと相続人〜
Downton Abbey

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18 Oct. 2011
第1話 嵐の予感

監督/Brian Percival 脚本/ Julian Fellowes
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電報を受け取った郵便局・・・すぐにジミーに届けさせるという。

1912年4月
ダウントン・アビーでは朝を迎える。
デイジーは6時になるとグエンアンナを起こしに行く。
一生に一度で良いので自然に目覚めるまで寝ていたいという
アンナ。パットモアは厨房からデイジーに指示し、部屋中の
暖炉に火をつけて来なさいと指示する。
メイドたちは伯爵家が起きるまで全ての自分の役割りを
こなしていく。
電気が開通するが、デイジーは未だに電気というものを信用
していなかった。ヒューズはメイドたちに対して、今日は
食堂を念入りに掃除するよう告げる。必ず伯爵達が起きる前
に厨房に戻るよう指示する。

長女のメアリーは部屋からベルを鳴らす。
新聞を取りに出る第二下僕のウィリアムは新聞配達員に対して
いつもよりも配達が遅いことにクレームを出す。遅れたのに
は訳があるのだとし、記事を見てみれば分かると語る。
タイムズ誌は伯爵・ロバートへ、伯爵夫人のコーラにはスケッ
チ誌を持っていくよう告げる。その前にダウントン・アビーで
働く者たちは新聞にアイロンをかける。こうすることでインク
を乾かすのだとし、伯爵の手が汚れないようにする為だという。
ウィリアムは記事の内容を知ると、急いで執事のカーソン
知らせに行く。
まさかそんな事が起きるなんて・・一寸先は闇だと語る。

ロバートは起きてくると執事のカーソンに挨拶する。
沈まないとされていた豪華客船タイタニック号が沈んでしま
ったいう衝撃的なニュースだった。女性客は救助されたらしい
とするが、ロバートは助かったのは上流社会のものたちだけ
で未来を夢に見ていたものたちの死に対して嘆く。
イーディスとメアリーも起きてくると、アンナから豪華客船
が沈んだという報告を受けており、それが本当のことなのか
を確かめる。乗客に知り合いはいたのかと父・ロバートに尋ね
ると、母の知り合いのアスターが乗っていたこと。ルーシー
とは先月食事をしたという。
三女のシビルも起きてくると電報が送られてきたとして
ロバートに手渡す。それを読んだ後、急いで妻のコーラの
寝室へと向かう。

コーラはベッドの中でいつものようにデイリー・スケッチ紙
をチェックしていた。ルーシー・ロセスが乗船していたこと
を知りあんなに乗船するのを楽しみにしていたのに残念だという。
ロバートは弁護士のジョージ・マレーから電報が届いたことを
告げると、船にはジェームズとその息子のパトリックが乗船し
ていた事を語る。コーラはニューヨークにいくのは5月の予定
ではなかったのかとし、助かったのかと問うが、救助はされ
なかったようだという。パトリックは長女・メアリーの婚約者
だった為に、コーラはロバートから娘に伝えて欲しいと語る。

ジェームズは伯爵の従兄弟で爵位の継承者だった。
そしてその息子のパトリックは彼の一人息子でジェームズが
亡き後には彼が爵位を継承する予定であり、メアリーと結婚
することで爵位などは守られるハズだったのである。

そんな中、突然屋敷には杖をついたベイツという男がやってく
ると、私は新しい従者だと告げ、明日着く予定だったが、貨物
列車に乗ってやってきた事を語る。メイド長のアンナやコーラ
の侍女のオブライエン、そしてこのダウントン・アビーの執事を
しているカーソンと面会する。その脚で大丈夫なのか?と問う
がベイツは大丈夫だという。トーマスが第一下僕で、現在は
従者のワトソンが辞めた為に変わりにトーマスが従者の変わり
にロバートの面倒を見ていたのだという。しかしベイツが
変わりにきたことで、トーマスは再び第一下僕の座へと戻る。

カーソンはトーマスに対してベイツを部屋に案内して職場へ
連れて行くよう指示。オブライエンはあの脚では長くは持たない
のではないかと告げる。

メアリーはロバートからパトリックが亡くなったことを聞かさ
れるが私も喪に服する必要があるのかと問う。私の従兄弟と
その息子が亡くなったのだとし、みんなが喪に服すのだという。
パトリックと婚約者として悼みたくないというのであれば
それは構わないとし、家族しか結婚のことはまだ知らなかった
事実だと語る。判断はメアリーに任せるという。

トーマスはベイツを部屋に案内すると、一通りロバートの服
や装飾品についての説明を受ける。室内には海賊の宝が多数
ある事を知り、宝に囲まれて暮らしているのに自分のものて
はないなんて変な感じだなという。

トーマスは下僕から従者になるチャンスを失ったことで
オブライエンからあんたが自分のことを売り込まなかったので
チャンスを失ったのだと聞かされる。

ロバートとコーラは爵位の継承者が亡くなったことを受けて
何もかもが変わってしまうことを告げる。コーラは今こそ
限嗣相続制を壊すときではないのかと語る。しかしロバートは
まだ亡くなったと分かったわけではないという。
そんな中もロバートの母・バイオレットがコーラに遭いにやっ
てくる。
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1912年、グランサム伯爵家が守っている豪邸"ダウントン・ア
ビー"。イギリスの限嗣相続制によって継承者には爵位だけ
でなく、敷地や土地などが一人だけに受け継がれることが
法律によって決まっていた。当主のロバートはコーラとの
間に男児が生まれず、ロバートが亡くなった際には、
第一継承者としてジェームズ、そしてその息子のパトリック
が受け取ることになっていた。ロバートとは従兄弟の関係に
ジェームズは互いの子供たちを結婚させて、財産を一括で
相続させて所領の分割を避けようとしていたが、メアリー
と結婚させるハズのジェームズとパトリックはタイタニック号
の沈没によって亡くなったとする知らせが入る。
爵位を持つ上流社会の独身男性は極めて希少とされる中、
訃報を知った第一下僕のトーマスは許可をもらって村に行き、
電報を打って自分とはロンドンでゲイ関係にあったクロウバラ
卿によって長女のメアリーと関係を結ばせ、トーマスはクロウ
バラの従者にしてもらおうとする。しかしロバートによって
金目的でメアリーに近づいていると指摘されてしまう。

それぞれに言及したいところだけど時間が無い・・
日曜日はあんまり夜更かしが出来ないので、少しずつ
感想を書いていこうと思う。

イギリスの階級社会に於ける表面的には華やかな世界の
中で起きている爵位を巡る争い。
どの国でも金持ちの遺産となれば争奪戦が起こるのは必至
という状況の中、イギリス独特の階級制度を加味した遺産相続
争いを時代背景と共に描いていくもの。
恐らくこの法律が出来た時にはそんな醜い争いが起きない
ようにこの制度を作ったのだろうけど、やっぱり起きて
しまうのが常だね。

城の中でばかり描かれているドラマなので、派手やかな
舞踏会とか、イベント尽くしの社交界的ドラマなのかなと
思っていたけど、思った程に堅苦しいものではなく見やすい
ドラマだった。世界中で人気が有ったというのも頷ける
ものがある。

例え階級制度が存在しても、それぞれの地位にあるものたち
が持つプロ意識が存在したり、物に執着するものたちの姿が
有ったり、家族や人生を犠牲にしてまで守ってきたものが、
脅かされたとなれば、それを守る為に必死になるのもよく
分かる。そして何よりも誰もが存在しているのは、今の生活
以上の役職に就く向上心・野心こそが、生きる糧でも有り、ドラマ
としては憎たらしいけど盛り上げる存在になっている。

まず感心するのは、やはりロバートという人間の人格に
尽きる。この人無くしては語られないであろうものがあり、
爵位が有れど傲慢な態度を取らないその姿勢に好感度の
持てるつくり。当初は彼もこの爵位を得るために、金目的
で今のコーラと結婚したみたいだけど、現在に於いては
幸せな家族を築いているようで、ロバートの本来持つ性格
だったり人徳の成せるものがあるのかな。

メイドの新人のデイジーは眼を細めて見ると若い頃の
まだ誠実・純粋さの有った頃のウィノナ・ライダーを
彷彿とさせるものがあった。昔彼女目立てで見た映画「愛と精霊
の家」を何となく想像させる。時代性を考えると戦争なんかの
陰によって、たちまち爵位を持つ物にも、資金の問題なり地位が
揺るがし兼ねない状況は訪れると思うので、その辺は今後
どうなっていくのか気になる。「風と共に去りぬ」はアメリカ
のドラマだったけど、名家が戦争によって崩壊する中で、
たくましく生きる女性の物語が親切に写ったし、上述した
「愛と精霊の家」ではこれまでの上下関係・主人と従者の関係
が戦争という機会に立場が入れ替わってドロドロとした物語
として存在していた。これは同様に「嵐が丘」でもそんな
一面が存在している。

なかなか他人が信用出来ない時代故に従兄弟同士を結婚
させたりするんだろうね。
継承者が見つからないままにロバートが亡くなった時の
事が怖い感じがするな。

姉妹同士でも火花を散らしている所も有るし、メイドや
下僕の繋がりなども自分たちに有利に働くために、色々と
醜い駆け引きが行われていくのだろうね。

初回の公爵がやってきたエピソード。
確かに金目当ての側面も有ったけど、それだけにあらず、
トーマスの野望を打ち砕くという辺りの流れは面白く出来て
いた。

執事のカーソンが屋敷を守る為、そして変わらぬ屋敷の姿を
守ろうとしてその態度を頑なに誇示していく辺り、映画
「日の名残り」のアンソニー・アプキンスの演技を彷彿とさせる。


ロバート・クロウリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
シビル・クロウリー (Jessica Brown Findlay) 三女
イーディス・クロウリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クロウリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クロウリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クロウリー (Maggie Smith) ロバートの母
マシュー・クロウリー (Dan Stevens) ロバートの遠縁
イサベル・クロウリー (Penelope Wilton) マシューの母

Mr.カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
サラ・オブライエン (Siobhan Finneran) 侍女
アンナ・スミス (Joanne Froggatt) メイド長

ウィリアム・メイソン (Thomas Howes) 第二下僕
デイジー・メイソン (Sophie McShera) メイド・新人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 第一下僕
グウェン・ドーソン (Rose Leslie) メイド
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) 家政婦長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長
クロウバウ (Charlie Cox) 公爵
グレゴリー・マレイ (Jonathan Coy) 弁護士
テイラー (Lionel Guyett)
--- (Jonathan Jaynes) Postmaster
--- (Perry Millward) Paperboy
--- (Helen Sheals) Postmistress
--- (Peter Brown) Villager
--- (Filippo Delaunay) Villager


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