ダウントン・アビー 〜貴族とメイドと相続人〜
Downton Abbey

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18 Oct. 2011
第3話 欲望の代償
ハンサムな異国の外交官…心揺れるメアリー!

監督/Ben Bolt 脚本/ Julian Fellowes
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20世紀初頭のイギリスでは限嗣相続制によって男性だけに財産
などの相続の権利が有ったことを受けて、当主のロバートには
男児が恵まれなかったことも有り、その権利はロバートとは
遠縁に有り、貴族でもない一般市民であり、一度も顔を合わせた
ことのないマシューに権利がある事を知る。マシューをメアリ
ーと結婚させようとするクローリー家だが、メアリーは
イブリン・ネイピア閣下と交流を持ち、なんとかマシューよりも
上位に当たる継承権を得ようとする

ベイツはこの日郵便局に郵便物を取りに行く中、グエンと鉢合
わせする。ベイツは言ってくれれば私が一緒に運んできたと
いうがグエンは自分で出したかったのだと語る。
帰宅するとアンナはグエンの荷物を調べていた。戸棚の上に
有る重たい箱の中身を調べようとしていたのである。グエンに
対してこれは何なのかと問う。

一方コーラはメアリーに声を掛けると、イブリンから手紙が
届いている事を告げる。コーラは誰からの手紙なのかと問うと
母も昨年ドンカスター競馬所で逢っているイブリン・ネイピア
だと語る。ブラングサム子爵のご子息だとすると、来週友人と
共に狩りのためにダウントンアビーに立ち寄りたいと言って
来たのだという。それを聞いたコーラは泊まってもらったらどう
かとし、狩りならばこの領地内でも出来るという。しかしメア
リーはそれをしたらこちら側の魂胆がバレると告げる。彼の母
は私の友人だとすると、既に彼の母は他界している事を告げる。
コーラはそれならばなおのこと来てもらうべきだと語る。

グエンはアンナに対して貯金を全額使ってタイプライターを
購入したのだという。タイプと速記の通信教育を受けていたのだ
とし、これまで送られて来ていた封筒はそのやりとりだったと
いう。成績は良いと言われているとのこと。そこにオブライエン
がやってくると、二人はタイプライターを隠す。メアリーの
履かなくなった黄褐色のスカートを探しているとし、シビル様
用に仕立て直したいのだという。グエンは働き口を見つけるま
ではこの件は誰にも話したくないと語る。

コーラは夫のロバートに対してメアリーのことを後押ししよう
と語る。しかしロバートはイブリンはとてもつまらん男で
競馬の話しかしないような男だと語る。しかしメアリーは
マシューを受け入れようとしていないので華が有るウチに
縁談を進めた方が良いと語る。古い家柄で家系や財産は十分だ
という。ロバートは女性たちのしていることを止めはしなかっ
た。自分は5時からクリップスに逢うと語る。
コーラはバイオレットがイマイチ乗り気では無いことを知って
理由を尋ねる。すると彼女はロバートが限嗣相続制と戦うのを
辞めて欲しくないのだという。コーラはマシューのことは嫌い
じゃないことを語る。

マシューはイーディスに逢う。
イーディスはイザベルからマシューが教会巡りをしている
いうことを聞いたと話す。マシューはこの村のことをもっと
知りたい事を告げると、イーディスは自分が案内したいことを
告げ土曜日にどうかという。マシューはそれを受け入れると、
リンチに馬車を用意させると告げる。

メイドや下僕らダウントンで働くものたちは、グエンの部屋に
有ったタイプライターの件で話合っていた。カーソンは何事
なのかと問うと、グエンの部屋にこれが有った事を告げる。
ヒューズがやってくるとグエンは私の監督下だとして口出し
されたくないと語る。
そんな中部屋にグエンがやってくると、自分が買ったタイプラ
イターが公にされていることを知る。誰が私の部屋に入った
のかとしてそんな権利はないハズだと語る。ヒューズは部屋
は借りているに過ぎない事を告げ、生活を管理している私には
メイドたちに対するあらゆる権利があるのだと語る。何故
タイプの件を秘密にしているのかというカーソンに対して、
通信教育で速記コースを受けたのだと語る。自分はメイドを
辞めて秘書の仕事をしたいのだという。決してメイドの仕事
が悪いと思わないし仕事に良い悪いはないが、私がやりたい
事とは違うのだという。それを聞いたカーソンはここで働き
たいとするメイドは五万といる事を告げるが、この話はまた別
の機会に話そうと語る。

イーディスはマシューをどの教会に連れて行こうかと楽しそう
に考えていた。カービーイージングウォルドの教会が良い
という。メアリーはそんなイーディスに対して下心が丸出し
ではないかと告げる。そんな事は姉に言われたくないという
イーディス。そんな中メアリーの元にネイピアからの返信が
来ており、友達を連れてくることが決まった事を語る。
友達とはオスマン帝国の外交官・ケマル・パムークで大臣の
息子だという。アルバニアの件で開かれる会談の為にイギリス
に来ており、アルバニアの独立を承認させるものだという。その
為ネイピアはパムークの息抜きをさせるため狩りをさせよう
としている事を知る。ここに泊まってもらおうとすると、コーラ
はメアリーも狩りに同行しなさいと語る。

ベイツは矯正具の広告を見てやってきたとして店にやってくる。
足を矯正するものだとすると、ベイツは実物を見せて欲しい
と頼む。一日中つけておくとまっすぐに治るのだという。

イザベルとマシューの元に土曜日のディナーの招待状がグラン
サム伯爵たちから来ている事を告げる。二人が泊まりに来る
ようだと告げると、恐らくメアリーの結婚させるために猛烈に
アタックさせるのではないかという。

アンナはグエンが室内で涙しているのを知り理由を尋ねる。
更にベイツもまたグエンが涙しているのを知って部屋にやって
くる。するとグエンは先ほどメイドたちが語っていたように
私には秘書にはなれないこと。60才になってもここで働いている
のがオチだと語る。みんなが言っていることが正しいことで
私は所詮農家の娘で、私の人生には何の価値もなく一生を過ごす
のだという。しかしベイツは君の人生は君次第である事を告げ、
人生は変えられるのだと語る。
そんな中ベイツは矯正具の為に足を痛めていた。
それに気が付いたヒューズは顔が真っ青だと指摘すると、
自分の母はアイルランド人なので元々こういう色をしている
のだと語る。

いよいよイブリンたちがやってくる日。
パットナムを中心とした料理人たちは屋敷で振る舞う料理を
急いで作っていた。
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限嗣相続制によってグランサム伯爵の財産が見ず知らずの
親戚の手に渡る事を阻止する為に、メアリーはイブリンとの
関係を求める。しかしいざイブリンがやってくると彼が
息抜きさせる為に連れてきたオスマン・トルコの外交官
ケマル・パムークに恋をする。狩りに出かける中、メアリー
からの積極的な誘いにパムークもそれを知って近づいていく。

アメリカや日本のドラマだと悪人は悪人って感じで、金持ち
故に教養も忘れて、馬鹿王子や馬鹿王女が多数出て来ては
勘違いも甚だしい行動を取ったりするものだけど、腐っても
貴族の家で起きている為に一定の気品さやマナーを兼ね備えて
いるためだろうか。一部を除いて部をわきまえた行動を取って
いる人たちに意外とスッと入り込むことが出来るし、その
造形にはとても好感が持てる人が多い。

お堅く何時も気むずかしそうな顔をしているメアリー嬢も
今回は男性陣に囲まれご満悦というところだろうか。
単純に相続だけの問題ならば外国人を相手にせず、イブリン
にまっしぐらとなると思ったが、今回は自分の正直な気持ち
を優先した行動を取っていく。

貴族と言えば狩りをたしなむものなのか。
そんなシーンを見ると映画「愛と哀しみの果て」での
メリル・ストリープとロバート・レッドフォードの姿を
思い出させる。舞台はアフリカだったけど、生きていく為に
貴族と結婚。そこでも女性が社会に於いて認められる為には
男性との関係は欠かせないものが有り、女性故の不便さを
感じる所が有った。このドラマに於いてもそもそもの限嗣相
続制は男性に都合の良い法律であって、女性の権利そのもの
の地位が完全に軽視されている。

当初パムークは悪人かと思った。
メアリーも逢う直前に想像していたパムーク像は、
にやけた顔したポマード頭のおかしな外国人だと想像して
いたが、とても紳士的で、堅実だがつまらない男・イブリン
との差はありありと見えた。ただ彼は立場を利用して、
メアリーの事を数ある女性の一人に過ぎないと感じていた
のか。本物のデラ・フランチェスカの絵なのかと問う際
には、この家の財産を狙っているとさえ思った。

トーマスがまさかの出過ぎた行動。
首にしてくれればいいものの、都合良く利用していく。
メアリーを夜這いする為に起こした行動だとすると、本当に
愛が有ったのかは謎だけど、少なくとも本人は嫌よ嫌よも
好きのうちって感じの対応を見せていた。

腹上死によって死亡する。
男性にとってはある意味では理想的な死なんじゃないのか(笑)
ただ遺体を運ばれている様は流石に情けない。
それを見ていたのはなんと言ってもデイジーだった。
「水を飲んでも良いと言ったけどナイル川まで行くのは
ダメだ」というパットナムジョークを聞かされた格好だった
けど、こういう流れは何処かで回収されていくのかな。

上述したように女性の権利は弱い時代だ。
三女のシビルは前衛的で上昇志向を持つメイドのグエンに
エールを送っていた。今後は女性が好きに社会進出する為
に後押ししていく流れがあるのかも。

またベイツは怪我して仕事が出来ないことに苛立ちがある
部分が多いのだろうか。太ももに食い込むほどに矯正器具
を設置するところなど、現状を少しでも良くしたいとする
ものたちが多いこと。
グエンは仕事を得ていくのかな。

次女のイーディスはマシューに好意を寄せた様子。
ただまるで眼中に無く、マシューがメアリーに恋をしていく
というのは意外か。
マシュー役のDan Stevensを見ていると、ブラックパック
世代のアンジリュー・マッカーシーのようなかわいさ・愛嬌
があるな。


・The Chamber Orchestra of LondonのDownton Abbey - The Suite


ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
シビル・クローリー (Jessica Brown Findlay) 三女
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
マシュー・クローリー (Dan Stevens) ロバートの遠縁
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母

Mr.カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
サラ・オブライエン (Siobhan Finneran) 侍女
アンナ・スミス (Joanne Froggatt) メイド長

ウィリアム・メイソン (Thomas Howes) 第二下僕
デイジー・メイソン (Sophie McShera) メイド・新人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 第一下僕
グウェン・ドーソン (Rose Leslie) メイド
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) 家政婦長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長
テイラー (Lionel Guyett) 運転手

ケマル・パムーク (Theo James) オスマン帝国の外交官
--- (Roger Morlidge) Artificial Limbs Man
イブリン・ネイピア (Brendan Patricks) ブランクサム子爵の息子
--- (Helen Sheals) Postmistress
リンチ (Andrew Westfield) 馬車の管理
--- (Peter Brown) Villager



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