ダウントン・アビー 〜貴族とメイドと相続人〜
Downton Abbey

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17 October 2010
第7話 運命のいたずら

監督/Brian Percival 脚本/Julian Fellowes
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オスマン帝国・ケマル外交官がグランサム卿のダウントン・ア
ビーに滞在中、メアリーと一夜の恋に落ち関係を持とうとして
いたところで亡くなる。その事実を次女イーディスは駐英
オスマン帝国大使閣下宛に手紙を書いて送ってしまう。
下僕のトーマスが酒を盗んだ犯人だと知ったベイツだが、自ら
の過去の負い目から告白せず、寧ろベイツはここを出る決意を
する。以前の私は酒に溺れ窃盗罪で投獄されたこともあると
してカーソンに話し辞職をするという。
一方女性の自立に興味を持つシビルは政治集会に参加する中
暴動によって負傷しそれをマシューが助けたことで、メアリー
はマシューのことを見直し、ついにはマシューはメアリーに
求婚することになる

シビルの社交界デビューの為にロンドンに行くクローリー家。
戻ってくるまでの間、ヒューズを中心として急いで掃除する。
同行していたカーソンはロンドンから一足早く帰宅すると、荷物を解いて
起くことを語る。
ウィリアムは母の死に立ち会って来た事を告げる傷心の中、
またダウントンアビーに戻って来ていた。

1914年7月
コーラとロバートはダウントンアビーに帰宅する。
やはり我が家が良いというロバートに対して、社交界では随分
と弾けていたとしてコーラはその言葉の信憑性を疑う。
メアリーは二週間ほど、バイオレットの娘であるロザムンド
ところに滞在することになっていた。

一方ロバートはオーストリア大公が殺害されたということを
知り社会情勢が不安定である事を嘆く。
ヒューズは病院の為のガーデンパーティーの件を相談したいと
考えていた。
コーラはシビルに対してロンドンでは大成功だったことを誉める。
イーディスの役割りも大助かりだったと語る。

ヒューズはカーソンに対してパットモアの視力の件で相談する。
そろそろ処遇を考えないといけない時に着ているという。
またベイツの件でも処遇の事を尋ねる。現在ロバートがベイツ
から事実関係を聞こうとしている事を告げる。

メアリーは、ロザムンド・ペインズウィックの元にいた。
イギリスの夏は別格だというロザムンドに対して、冬には勝て
ないと語るメアリー。メアリーが社交界デビューしてから4年目
が経過し、デビュー時と違って男性からの声がかからなくなって
いる事実を知る。ケマルの件での噂さえなければまだ十分に
声がかかるというが・・・ロザムンドはマシューへの返事は
決めたのかと問う。戻った時に返事することを伝えてあるという。

オブライエンとトーマスは使用人部屋から出て行く。
また子分と一緒に悪巧みかというウィリアム。アンナはウィリアム
の為に喪章を作って渡す。

クラークソン医師はコーラに呼ばれて屋敷へとやってくる。
なんと妊娠したというのである。
ロバートは最後に出産したのは18年も前の事だとすると信じ
られないという。コーラは嬉しいでしょと告げる。

その頃、オブライエンはベイツが過去に罪を犯したとする証拠
の手紙を持ってトーマスにそれを見せる。今度こそアイツは
言い逃れ出来ないハズだと語る。

クーラクソンによるととても稀なケースで、女性には更年期が
有るが、その時期を迎える時に妊娠しやすくなる時が有るのだと
いう。あくまで異例のことで診断も容易ではなかった。恐らく
4ヶ月目辺りだという。

ヒューズがロバートの元にやってくると、パットモアの件で
そろそろ決断を下すべき状態である事を告げる。
一方トーマスとオブライエンはカーソンの元にベイツの罪が
書かれた手紙を持っていく。カーソンはまた姑息なマネを
しているのかとウザったらしく感じるが、罰するべきは私たち
ではなくベイツであるとオブライエンは語る。彼には前科が
あるのだと。

ロザムンドの息子であるイブリン・ネイピアがメアリーの元に
やってくる。叔母さんは出かけた事を告げるメアリーは、
彼に対して結婚の準備は出来ているのかと問う。ネイピアは
解消することになったと語ると、メアリーは残念だとしながらも
貴方は理想が高い人だからと語る。ネイピアはパムークのゴシップ
の件で噂では私が情報を流したような話になっているが決して
外部に話すようなマネをしていない事を語る。大使館の大使と
その奥さんが情報を話しているのだという。そしてその情報を
伝えたのは調べた限りイーディスである事を語る。彼女が手紙
を書いて送った事を告げ、信じがたいことだと語る。
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マシューは相続する事を受け入れる中、メアリーとの関係も
急接近し求婚するに至る。しかしメアリーが懸念すべきもの
として、オスマン帝国とのスキャンダルの問題が有った。
一方ロンドンでは三女のシビルがいよいよ社交界デビー
し、クローリー家は全員でロンドンで過ごす。
メアリーは帰宅すればマシューとの求婚に返事をしなければ
ならず、バイオレットの娘のロザムンドに相談していく
ことになる。

ダウントン・アビーで働くモノの動きが活発になったね。
流石最終話って感じで人々の心の変化と状況を描きつつ、外的要因
でも有る世界の情勢自体も変わりつつある。どういう進路を
取っていくのか。ダウントン・アビーという場所に居心地の良さ
を感じて居る人にとっては、移りたくない思いだろうし、若者たち
の中でも出世欲の強いものは、ここから羽ばたいていこうとする。
ある意味では、シーズン1で見られたこのキャスティングが一斉に
見られる最期の時だったのかなという感じで切ないものがあるの
かも。前日に見た「弱くても勝てる」の野球部員たちが、今日で
このメンバーが部室に全員揃うことは無くなるとしていたけど、
やはり切ない感じだった。

なんと言っても一番の動きはマシューとメアリーとの間の
恋愛・婚約話だった。彼の爵位の有無を抜きにして、彼を
愛する事が出来るのかどうか。
メアリーとしては愛を確信していたけど、ロザムンドからは
あなたに田舎暮らしは出来ないと吹き込まれて、それを否定
出来ないからこそ、答えに躊躇した様だ。マシューは返事を
してくれないことに苛立ち。イザベラはバイオレットによる
横やりが入ったと思ったみたいだけど、肝心のバイオレットが
随分と性格が柔らかになり、寧ろ子供が生まれる前に返事を
すべきことを語る。メアリー自身も男児が生まれることを
待ってからの返信では金・爵位目当てだと思われるとして、
すぐに返事すべきだと考えてはいた。

悪人二人組、トーマスとオブライエンの間でも互いにその後
の去就問題に関して色々と温度差の出る物語となった。
この二人が悪党コンビであることを給仕するものたちはみんな
周知していたのね。大人しかったウィリアムが母の死をきっかけ
にちょっぴり逞しくなっていくというところが何とも言えない。
デイジーは悪い魔法にかかっていたみたいだとして、トーマスから
ウィリアムに思いが変わった感じだけど、今回のデイジーはまた
癖のある使われた方をしたね。

トーマスは機転が利くキャラクターで、首になることを想定し、
既に去就を決めていた様だ。戦地で死ぬことも望まず彼が
選んだのは、クラークソンとの繋がりが有るウチに国防義勇部隊
の病院に志願する。兵士として戦場で働くよりも生きる確率
が高いと思ったのだろう。バードン大将が指揮するリッチモンドの
連隊に胎動することになり、上官はカートライト大佐だと語って
いた。

オブライエンはバイオレットとコーラが侍女の募集をしている
事を知り、自分が首にされると考えた様だ。10年もあの女に
尽くしたんだとのことだけど、コーラはオブライエンのことを
気に入っており、ロバートだけが嫌っていることが後々分かる。
コーラがフロに入る際に、偶然落とした石けんを使って、
コーラを転倒させ、堕胎させてしまうというのだからなんとも
エゲツない話だった。鏡の前で自分自身に私はそんな女じゃないと
語りかけているのはつかの間、その流れを止めることは出来なか
った。

魔法・石けん繋がりといえば、デイジーとパットモアの関係も
まさに魔女と小間使いのような関係だ。
パットモアが手術で留守にする間に厨房を奪われないようにする
為にデイジーに命令して、料理に毒を盛れと言われる。
勿論毒とは言わなかったけど、デイジーにはそのように聞こえた
様子。毒は石けんだったけど、それを食べてしまった使用人たち
はご愁傷様という感じ。スープに石けんと水、魚用のソース
にはマスタードとアニスの実、更に翌日のシチューにもイチジクの
シロップを入れようとしていた。
「お通じが良くなりそうだな・・」。
しかしバートはアウェイでの職場を熟知しているようで、上手い
こと回避しただけでなく、自分の権利を守る為に、貯蔵庫の管理
は料理人の仕事だとしてヒューズに訴えかけていた。パットモア
はそれを主張するバートに共感していたけど、まさにシーズン2から
は女権とか権利の問題は欠かせない要素として存在していきそう
だ。

技術革新の波は留まることを知らない。
電気が通ったかと思えば、今度は電話機が開通する。
そしてパットモアの白内障に関してもロンドンにあるムーアフィー
ルズの眼科病院で手術することになった。ベルグレーブスクエアに
あるロザムンドの新居に滞在することになり、アンナが同行。
みんな技術革新についてはそれぞれの反応を見せる。
バイオレットはH.Gウェルズの小説の世界みたいだとしていた。
電話に関してカーソンがおそるおそるそれに触れていたことと、
電話の音を聞いて、死を招く妖精の声だとしていたのはパットモア
だった。

地味に展開されていた姉妹対決メアリーとイーディス。
大使宛の手紙を出されたことを知ったメアリーはイーディスと
ストラランの関係を壊すことを吹き込む。折角パーティーで
婚約の運びになるかと思いきや、足の引っ張り合いとなって
しまった。ネイピアが婚約解消したことで、意外とイーディス
との絡みが見られたりするのかなと思う所も有るけどね。

そしてなんといってもベイツの過去についてアンナが調べて
回ることになったこと。
ベイツは母が存命で、彼女によると、ベイツの妻・ヴェラが
手癖の悪い女だということ。ベイツは寧ろ自分が酒で荒れて
彼女に暴言を吐いたせいだとしていたけどね。
アンナを巡り、ベイツとモルズリーの静かな対決も見逃せない
けど、ベイツがヴェラとの婚姻関係がまだ成立しているのであれ
ば、一緒にはなれないね。

最後はイギリスがドイツに宣戦布告したことが語られていた。
いよいよ第一次世界大戦勃発か。

トーマスはダウントンアビーは用済みとばかりに、コーラの子
の死に関して、もの凄い冷たい態度を取っていたな。
「すぐ立ち直りますよ、まだハムスターくらいの大きさだ。」
「気の毒だが人ごとで雇い主は家族じゃない。」

でもそんなトーマスが戦争のようなものを利用してのし上がって
いくタイプなんだろうけどね。

そういえばグエンは電話機業社のブロミッジの会社に雇われる
ことになった。ブロミッジの母もメード出身で、よく働くとの
こと。

マシューはダウントン・アビーを出るとの事だけど、結局
財産の継承はどうなるんでしょうかね。


・The Chamber Orchestra of LondonのDownton Abbey - The Suite


ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
シビル・クローリー (Jessica Brown Findlay) 三女
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
マシュー・クローリー (Dan Stevens) ロバートの遠縁
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母

Mr.カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
サラ・オブライエン (Siobhan Finneran) 侍女
アンナ・スミス (Joanne Froggatt) メイド長

ウィリアム・メイソン (Thomas Howes) 第二下僕
デイジー・メイソン (Sophie McShera) メイド・新人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 第一下僕
グウェン・ドーソン (Rose Leslie) メイド
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) 家政婦長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長

ロザムンド・ペインズウィック (Samantha Bond) 叔母
ジョセフ・モルズリー (Kevin Doyle) マシューの従者
アンソニー・ストララン (Robert Bathurst) 伯爵
--- (Richard Hawley) NCO
--- (Ian Kelly) Doctor at Moorfields Hospital
トム・ブランソン (Allen Leech) 運転手
Mrs.バード (Christine Lohr) マシュー家の料理人
Mr.ブロミッジ (Sean McKenzie) 電話設置業社
エヴリン・ネイピア (Brendan Patricks) ロザムンドの息子
Dr.クラークソン (David Robb) 医者
Mrs.ベイツ (Jane Wenham) ベイツの母
--- (Catherine Balavage) Suffragette
--- (Jefferson King) Gentleman



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