デスパレートな妻たち
(Desperate Housewives・シーズン7)

原案・製作総指揮/マーク・チェリー
制作/チェリー・プロダクションズ/タッチストーン・テレビジョ

出演/テリー・ハッチャー、フェリシティ・ハフマン、マーシア・
フロマ、エヴァ・ロンゴリア、ブレンダ・ストロング

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/dh7/index.html




第20話 緩やかな毒 I'll Swallow Poison on Sunday

脚本/Jason Ganzel 監督/David Warren
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勝ち組となったトム。フェリシアはポールと表向き和解。
ポールに手をさしのべたスーザン。選択したギャビーはブリー
の家に身を寄せる。

闖入者は容赦なく退治する。
たたきつぶしたり、毒を振りかけたり、射殺したり・・・
しかしブリーの家にやってきた闖入者であるホワニータやセリ
アを殺す訳にはいかない。

二人は泥の付いた靴のまま家に入ってきて床を汚していく。
ギャビーに対していつ共同生活に戻るのか?と問うと、カルロス
も二、三日広い家に一人で入れば必ず泣きついてくるハズなの
でそれまでの辛抱だという。ブリーは
ギャビーの子育てがあまり
に杜撰
なことに驚く。ホワニータはセリアがぶったとして騒い
でいるのを見ると、ギャビーは仕返ししなさいと告げる。
ブリーはお菓子で二人の行動を制御しようとして、良い子にし
ないとクッキーをあげないと言うが、テーブルの上に置いてあ
るニダース分のクッキーは既にホワニータたちの腹の中だった。
ギャビーはクマ避けのように吊しておかないと食べてしまうと
忠告する。ブリーはそんなギャビーに、
家出している間に
せめて躾をしたらどうか?
と告げる。

人が良い事をする動機はいつも純粋であるとは限らない。
異性にアピールする為、後ろめたさの為、見返りを期待する為。
中には何の下心もなくやる人も居る。


スーザンはポールが元気なく荒んだ生活をしている事を見かね
て、声を掛ける。今後は
ポール・ヤング第二章と称して、新たな
生き方を探っていかないか?告げる。ウィステリア通りの破壊
活動は失敗に終わったのだから、過去ではなく今後は前を向いて
行こうという。そんな中でフェリシアがポールの家に居る事に
驚く。フェリシアが釈放されているとは知らなかっただけで
なく、フェリシアはポールに罪を着せるために指を切断した
女性である。スーザンは目の前の事実に理解する事が出来ず
椅子に座って話を聞くと、二人は折り合いをつけたのだという。
更にベスがフェリシアの娘だった事を聞いて、スーザンは
混乱してしまう。

スーザンはすぐにみんなを集めてその事実を伝える。
またこの通りにサイコな住民が増えたのかとウンザリする
仲間達。スーザンはポールは二人の妻を自殺で亡くして可愛そ
うなので世話をしている事を告げるが、リネットたちは腎臓を
もらったからといって負い目を感じることはないとし、自殺
した妻達には同情しても、ポールに同情することは絶対にない
という。

リネットとレネは、
内装デザインの仕事を手がけ、ようやく
デラニー邸のバスルームの改装を終えると二人で、ダンペリニ
ヨンで乾杯する。そんな中突然トムが書類を取りに一時帰宅。
二人が仕事を終えて乾杯している事を聞くと、トムは自分の
オフィスの改装も手がけてくれないか?と頼む。会社からは2万
ドルの予算が出る事を聞くと、レネは喜び、ついでに気にくわ
ない部下も殴ってあげると告げる。

ブリーとギャビー。
ギャビーが白いバラを飾っているのを目にするとブリーは
不思議そうに声を掛ける。ホワニータたちが鏡を割ったお詫び
だとすると、ブリーは怒りを抑えるために再び教会にいくと
言い出す。家の花壇のバラを無造作に切り取って飾っただけの
みまだった。
家から出て行こうとすると家の前に見知らぬ人の車が駐車
してある事を知る。ブリーはその車のドアの鍵が開いている
のを知ると、中に入ってクラクションを鳴らして持ち主を
呼び出す。するとチャック・バンスがやってくる。
ウチの出入り口に止めるなんて違法だとするが、チャックは
勝手に他人の車に入る事こそ違法だとし、自分は警察官で
有る事を語る。フェリシアが仮釈放なので定期的に訪問して
監視しているのだという。ブリーは無礼をわびつつ、今日は
心身共にボロボロだとし、友達の子供達が家に居候している
事に対して銃でも借りたいとブラックなジョークを飛ばす。
チャックはブリーに名刺を手渡し、フェリシアの件で何か
有れば電話して欲しいと告げる。

ホワニータとセリアは家の中で追いかけっこしていた。
まるで躾をしようともしないギャビーに対して、もっと厳しく
すべきなのではないか?と問うが、言っても無駄だという。
そのウチ一人の足を引っかけて転ばして黙らせるからと告げる。
二人を教育しようとしても無駄であり、以前子犬を飼わせて
もしも言うことを聞かねば子犬を殺すと脅したが、まるで効果
が無かったという。ブリーはそれを聞いて他にも教育する方法
は有るとし、自分に一任させてほしいと告げる。そしてブリー
は二人の子供達の前で、人の家にはそれぞれ守るべきルールが
有るのだとし、ウチに来た限りではウチのルールに従うべきだ
と告げる。全く聞こうとしない二人に対して、ブリーは子育て
は粘り強さだと呟く。

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■スーザンの場合

今回はポールの為に、なんとか元気づけようとして食事を
届ける。そこでフェリシアがこの町に来ている事を知り、二人
の蟠りも解けている事を知る。
スーザンは彼のために毎日献身的に食事を届けるとポールは
スーザンに心を開くも一向に元気にならない。
なんと恐ろしい事にフェリシアが不凍液を少しずつ料理に
混ぜて、悪寒、嘔吐から始まり、代謝性アシドーシス、心血管
障害に持ち込み最終的には急性腎不全に陥らせようとしている
事が判明。
しかしフェリシアに食事の試食をさせる辺りの展開は面白く
出来ていた。たった一口でもあんなに吐いている姿が有ったの
に、ポールは毎食そんなに毒入りの食べ物を食べて大丈夫なの
か。
気になるのは表面上スーザンが食料を届けている事になって
いる事だよね。

また借金の流れは、スーザンの運が付いている際にポーカー
で大金を手にして、ついに完済し黒字になった事を知る。

■リネットの場合

トムが重役になり、ドナルド・トランプの様なオフィスに
したいと言い出す。リネットは自分は20年以上トムと付き添って
いるので好みは分かっているとし、宇宙の支配者の娯楽室のよ
うな内装ではなく、ソフトウッド系が良いはずだという。
レネはドナルドとは夫を介して知り合っており、すぐに
ドナルド好みの内装を用意できるとするが、リネットがなかな
か認めようとしない。レネがドナルドをドナ様と呼んだ事に
対して、リネットはトムがトム様と呼ばれたいのではないか?
と考える辺り笑えるけど、リネットが夫を虚勢して自分に都合
の良い人間のままで居させようとする辺り、相変わらずリネット
の嫌な一面が描かれた。
どうしてもリネットの場合、母親が飲んだくれで家庭環境に
問題が有ったからなのか、自分で家族を掌握しようとしている
姿ばかりが有り、夫の事など二の次って感じがしてしまう。
リネットが働いていた時には随分力になってもらっていたのに
内助の功とは逆の道を進んでいる感じだね。

■ブリーの場合

ホワニータとセリアの無節操なまでの暴れっぷりに頭を
抱える中、カルロスのアシストも有って、ホワニータたちが
ブリーを恐怖の眼差しで見るところが笑えた。
夜の寝室に枕を手にしたブリーが入ってきた際には、枕で
窒息させられると思ったのだろうか。
警察官まで呼び出す事態に発展。
今回の新キャラクターの警察官・チャックとブリーが良い関係
になりそうだけど、この人、本当に警察官なのか。
チャックはシーズン8でも登場するので暫くはつきあいが有り
そうだね。

■ギャビーの場合

今回はブリーとワンセットという感じだったけど、カルロス
の怒りは決して解けそうもなく、最終的にはブリーとの別れ
を決意させられるものだった。ギャビーはもし自分がブリー
の立場ならば自分も子供を守るために同じ事をしたとし、
家族の絆を訴えるも、カルロスはそれならば何故オレを選ばず
ブリーの元に来ているのかと問われ、何も言えなくなってしま
った。
それにしてもギャビーのホワニータを扱うときの生き生きとした
皮肉な台詞がなんとも言えないものがあるね。

■気になる要素

●ポール倒れる

スーザンがさり気なくベスの思い出がある家から離れるべき
ではないか?と告げると、ポールはスーザンが家から追い出す
為に取り入ってきたのではないかと疑い、再び警戒心を持たれ
る。スーザンにしてみれば凄い気の毒な流れだったね。

●フェリシアの行動

少しずつ毒を飲ませて殺すという作戦。
試食の際に毒入りのケーキを食べさせられて、バックの中に
吐くも、その中に車の鍵が一緒に入っていたとする辺りの
お茶目な一面も描かれた。

しかしこの人、笑っているのか怒っているのか分からない
表情がとても不気味だよね。

●リネットとトムの距離感

どうする事が一番幸せなんだろうね。
金はなくても家庭を顧みてくれる旦那様を求めたい気持ちは
分かるけど、リネットの場合、自分がトムに出世を願って
潜り込ませたのに、また自分勝手に右に左にトムを操作しよう
としている感じが本当に腹の立つ仕業に思えてくる。

スーザン・メイヤー (Teri Hatcher) 美術の講師
リネット・スカーボ (Felicity Huffman) 子沢山
ブリー・バン・デ・カンプ (Marcia Cross) 潔癖性、ケータリング
ガブリエル・ソリス (Eva Longoria) 元モデル。プライド高い
メアリー・アリス・ヤング (Brenda Strong) 自殺してしまった主婦

カルロス・ソリス (Ricardo Chavira) 投資会社
トム・スカーボ (Doug Savant) 夫
オーソン・ホッジス (Kyle MacLachlan) 潔癖性。医者
マイク・デルフィーノ (James Denton) 配管工

アンドリュー・バン・デ・カンプ (Shawn Pyfrom) 息子
ダニエル・バン・デ・カンプ (Joy Lauren) 娘
プレストン・スカーボ (Max Carver) 双子
ポーター・スカーボ (Charles Carver) 双子
パーカー・スカーボ (Joshua Logan Moore) 息子
ペニー・スカーボ (Darcy Rose Byrnes) 娘
ホワニータ・ソリス (Madison De La Garza) ギャビーの娘・長女
MJ・デルフィーノ (Mason Vale Cotton) スーザンの息子
ベンジャミン・カッツ (Jake Soldera) ダニエルの娘
セリア・ソリス (Daniella Baltodano) 娘・次女

ポール・ヤング (Mark Moses) メアリーアリスの元夫・殺人容疑
カレン・マクラスキー (Kathryn Joosten) 隣人
リー・マクダーモット (Kevin Rahm) ゲイ、不動産業
ボブ・ハンター (Tuc Watkins) ゲイ、弁護士

レネ・ペリー (Vanessa Williams) MLBのダグ・ペリーの妻
フェリシア・ティルマン (Harriet Sansom Harris) 姉をポールに
マーサ・フーバー (Christine Estabrook) 元、近隣住民、殺害される。
ベス・ヤング (Emily Bergl) ポールの妻、自殺
ロイ・ベンダー (Orson Bean) マクラスキーの恋人
ミッツィ・キンスキー (Mindy Sterling) 近隣住民・メガネ

ザック・ヤング (Cody Kasch) 花を届ける
ハリソン (Derek Webster) 刑事
フォスター (Matthew Glave) 刑事
ステラ・ウィングフィールド (Polly Bergen) リネットの母
フランク・カミンスキー (Larry Hagman) ステラの再婚相手
ジェニー・ハンター・マクダーモット (Isabella Acres) 養子
リップマン (Alison Martin) 医師
チャック・バンス (Jonathan Cake) フェアバンク署警察官
フィリス () トムの秘書

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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