プリズナーNO.6 (the Prisoner、2009年) 製作総指揮・脚本ビル・ギャラガー 監督ニック・ハラン 出演ジム・カヴィーゼル，イアン・マッケラン，ジェイミー・キ ャンベル・バウアー

第5話 分裂 Schizoid
--------------------------------------------------------
スマコア社は人を辞めさせることは無いが、"昇進させる"と
言ってその人物を消してしまう。"別の世界"が有り、そこに
送られるのだとし、スマコア社には近付かないよう、ルーシー
はマイケルに告げる。
マイケルが外出した後、部屋にいたルーシーは爆風に巻き込ま
れて亡くなってしまう。スマコア社の仕業だと感じるマイケル
は急いで会社に行き、"目的部"を目指す。

(6)は(2)の豪邸の前に行くと、人の心をズタズタにした事に
激怒し、今度はお前の番だとつぶやく。

(2)はストリップクラブに行くと、息子の(11-12)に遭う。
息子に対して(2)は私を傷付けたいのか?と問うと、逆に息子
からは僕を傷付ける為に嘘ばかりついているだろうという。
(2)は自分にだって良心が有ることを告げ、別の世界に興味を
持つ息子に対して、"村"の存在は内面に有る事を告げ、
意識(内面)の中ならば何でも可能なのだと告げる。お前の母は
自ら望んで万能の意識を手に入れているのだという。
そんなに真実が知りたいのであれば、一緒に過ごしてみろと
告げると、(2)は息子にキャビネットの鍵を渡す。そこには
母親が飲んでいる薬が有り、その中で母は夢を見ているのだと
告げる。

(6)はクリニックの女医(313)の元に行く。
(6)は彼女に、目の前で(4-15)が穴の中に入って消えてしまった
事を告げ、彼女は何処に消えたのか?と問う。まるで悪夢ばかり
が起こると言うと、(313)は突然激怒し始め、夕べのことも悪夢
だと思っているのか?と問う。(6)は夕べのこととは何のことな
のか心当たりがなかった。

タクシー運転手(147)に近付く(6)だが、突然彼は(6)の姿を見る
と喧嘩はゴメンだとして彼のことを避けていく。(6)はまたして
も心当たりがなかった。

(6)は心当たりの無いレシートを持っていたので、商店にいき
このレシートがなんなのかと問う。店主はナイフは売らないと
し、武器を売っているのはデマである事を訴える。(6)は一体
何のことなのか分からなかった。

(147)に再度出会う(6)。喧嘩とは何のことなのか尋ねると、
昨晩(6)が噛みついてきたのだという。しかしその時(6)は
自分の姿とソックリの(6)が村の中に居ることを知り追いかけ
る。今までしてきた事は全て(6)とソックリな男であると確信
を持つ。ビルへと追い込むと、(6)は血痕が床にしたたり落ちて
いる事を知る。血文字で(2)を殺せと書かれていた。
--------------------------------------------------------

(6)は、村の中に自分とソックリの(6')が居ることに気がつく。
(6')は、(2)の事を殺そうとしている事を知るが、そんな(2)と
ソックリの(2')が村に存在しているとの話が出回る。これは
(2)に対する反逆行為であるとし、その男は村の脅威であると
言うが・・・

徐々に虚構の世界がはげ落ちてきて真実が見え始めた感じ。

穴は、そんな虚構の世界が崩れ落ちている姿を象徴していて、
砂の城のように、少しずつその存在が喪失しようとしている
事を示唆している。

ドラマとして面白いのは、やはり(11-12)の存在だ。
この存在のせいで、ドラマでは混乱するような状況に陥って
しまう。(11-12)の存在は、あくまで両親が生み出した夢に
描く息子の存在であって、実態が存在しないような感じであ
る。
偽物が偽物であることを認識せぬまま、本物として活動して
いるような、不思議な感覚を覚えるものだった。

そしてマイケルが追求しようとしているものとは、もしかする
とマイケル自身が作り出した虚構の世界であるという疑惑も
描かれ、まさに何が何やら難しい精神世界へと誘っている。

これまでこの世界の創造主を(2)だと見立てていたし、色んな
人が何らかの理由で引き寄せられた人物とか思念だと思って
いたけど、どの人物にも同じ様な世界観の下で、虚構の世界を
認識していたりするのだろうか。

別の世界にいくとが出来るのは、別の世界から来た人物だけ
だと語る母親の姿で、多くの整合性を合わせた感じだね。

来週は最終回。どんなオチを用意するのか。