プリズナーNO.6
(the Prisoner、2009年)

製作総指揮・脚本ビル・ギャラガー
監督ニック・ハラン
出演ジム・カヴィーゼル,イアン・マッケラン,ジェイミー・キ
ャンベル・バウアー





第6話 チェックメイト checkmate
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新しい親子がバスにのって村にやってくる。女性は(2)に逢う
事を夢に見ていた。

現実社会では、スマコア社に突入したマイケルの元に44分後に
カーティス氏と面会する為に車を正面に待たせているという。
その女性は、村の中でもバスの中で出会った女性だった。

別世界では"村の拡大"が行われて居た。(6)は郵便屋からクリ
ニックの予約が何故だか届けられる。(6)は仕方なく(313)の
元に行くと彼女から血液検査を指示される。(6)は現在のこの
世界で村の拡大が行われていることに疑問に感じ尋ねる。そし
て新しい住民が村に来るなんて変ではないか?と問う。(313)は
検査の結果を見て、(6)の余命が幾ばくもない事態になってい
る事を知る。

(2)は息子の(11-12)と村の拡大が行われている建設現場に行く。
拡大は膨張している宇宙を意識したモノになるだろうとし、
息子に対して我が家は何代も作っていくのだろうと問う。
そして息子に力まず楽しく生きろと告げる。

(6)は(2)の元を尋ねると、突然死の宣告署だとして手渡される。
村で生きたいであれば死ぬしかない。馴染むか死ぬかしかない
のだと聞かされる。しかし(6)は死ぬ前には必ず脱出すると誓う。
しかし(2)は一息事に死に向かっているのだと語る。
(2)は(313)に逢うと、彼女は(6)助けたい事を告げる。普通人は
死が近付けば人並みに動揺するものだが、(6)は今でも自由を
信じ切っているのだという。逆に(313)は利口であり、払う犠牲
を強いられても考慮したとし、彼女から支配されるなと告げる。

909の墓の前で(11-12)は佇み、そこに(6)が座り込んでいた。
(6)は(11-12)に対して村に疑問が湧かないか?とし、君は俺に
知っていることを話すのだろうとし、全ては脱出のためだと
語る。

(6)の容体は悪化しつづける。このまま黙って死ぬのか。
タクシー運転手の(147)は(6)の痛々しい姿を見て、頼れそうな
知人が居ることを告げ、彼ならば治してくれるのだという。
(147)は(6)に対して、自分は世界を見る目が変わった事を語る。
(147)は何かが近付いていることを告げ、それを待つべきだと
するが、俺たちの意識を支配しているとし、(6)はただ待つ
事は出来ないという。更生すればまた娘に会えるかも知れない
と思っている現実世界の(147)。死んだらその希望もなくなる
という。現実社会の(147)はマイケルの運転手をしており、
昔は荒れていて刑務所に入っていた事を語る。そしてマイケル
の事をカーティスが待つビルへと連れて行く。

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いよいよ(6)は村から出るための道を模索していく。
しかし(6)は同時に病魔に襲われ、脱出する直前に死を目前
としていた。そんな彼の姿を見て(313)は自分を犠牲にしても
助けたいとするが・・・

なんだかよく見ていないと本当に何のことだかよく分からな
そうな物語だった。

現実社会と村の有る別の世界が上手くシンクロしており、
複雑な中でも上手く物語を構成している。

2の現実世界での名前はカーティス。その妻はヘレンだった。
二人は心を研究しており、特に深層心理の世界に於いて、心
に有る意識と無意識の世界の他に有る第三の世界に目を向けた
様で、そこに世界を作っていった様子。

心に傷を負った人や、壊れた人がその世界に行けば、治癒でき
るかも知れないという。単純な喜びを感じるだけで、現実世界
で失った目的を取り戻せるのだと主張する。

それぞれに抱える心の闇がドラマとしてどんなものが有るのか。
その辺の事情に関しても興味深いものがある。

別の世界で正常でいられる人物の殆どが、現実社会に於いては
心に傷を背負っており、特にサラに関しては、なかなか事情
としても難しいところにある。

マイケルの存在が現実社会に於ける、指標とも基準ともなる
中で、マイケルの反抗する姿は、この世界の存在を否定する
そのものであり、強い信念の元で、それらの世界を壊して行っ
た。No.6がNo.1だったとするのも分かる物だしね。

2も147と同様に息子を失う。
ヘレンが作り上げた世界で生まれた子供なのに、その子供に
殺されるという何とも皮肉な感じする展開。
2と147の会話の中で、生きる意味が分からず息も継げない
運転しながらも待ち続けていても心は暗くよどんだまま、
悲しみは募る感じだとする、辺りもこの世の生きづらい世界観
を上手く描いていた感じがする。

目的とは結局更生することなのか。
自分を犠牲にしてまでマイケルを助けたサラの存在。
良い方法が見つかるまで力になりたいとする彼女。

そんな内なる世界観に頼らず、心傷ついたものたちを助けら
れる日は来るのかどうか。

No.6/マイケル (Jim Caviezel) 主人公、NYから突然村へ
No.2/カーティス (Ian McKellen) 首謀者
No.313/サラ (Ruth Wilson) 女医
No.11-12 (Jamie Campbell Bower) No.2の子供
No.147 (Lennie James) タクシー運転手
No.4-15/ルーシー (Hayley Atwell) マイケルに近付く女
M2/ヘレン (Rachael Blake) (2)の妻?
--- (Vincent Regan) Surveillance Target
23-90 (Hanle Barnard)
カーティス'PA (Leila Henriques)
--- (Wolfgang Weissenstein) Butler


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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