シャーロック
SHERLOCK (イギリスBBC、2010年)

製作総指揮:スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス
ベリル・バーチュー ほか

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/sherlock2/index.html





第2話 バスカヴィルの犬(ハウンド)The Hounds of Baskerville

原作/Sir Arthur Conan Doyle
脚本/Mark Gatiss 監督/Paul McGuigan
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若い頃のヘンリーは森の中で怪獣に追いかけられて逃げる。

ホームズは禁煙を約束していたためにイライラしていた。
ジョンに対して何か気の引くような事件はないのか?と尋ねると、
ジョンはインターネットサイトに寄せられる解決して欲しいとする
メールを読んでいく。自分の飼っている
ブルーベルというウサギ
が光りを放った後に居なくなった
として捜して欲しいなど
ろくなメールが届いていなかった。
ハドソンがやってくるが、ホームズは彼女の身なりを見て、
恋人には他に女が居るような事を言って傷つけてしまう。

そんな中、ホームズたちの元に客がやってくる。
ヘンリー・ナイトという男性は、
グリムペンに住んでおり、
ダートムアと呼ばれる所が観光地として有名な場所だという。
神話と伝説が息づいており、ここは国の最高機密の施設が
有り、
生物化学兵器研究センターが有る場所でもあるという。
第二次世界大戦後の
バスカピルの実験については今でも語り
継がれていた。その実験とは、戦闘用の動物を開発するために
遺伝子の変異を研究していた施設だった。

ヘンリーは20年前、その場所で父親が真っ黒な毛をして赤い
目をした巨大な怪物によって殺害された
のだという。
"デュアー"のくぼ地と呼ばれる場所で、かつては悪魔をそう
呼んだのだという。自分はその悪魔を見たのだという。
父親はその怪物によってかぶりつかれて真っ二つになったとの
事。その事をみんなに話したが笑われるだけで誰にも取り合っ
てもらえなかったという。
ホームズはヘンリーがここまでやってくるまでに何が起きたのか
を言い当てていた。そして彼が喫煙者であることを知って、
落ち着くためにも吸ったらどうかと告げる。ホームズは彼の
吸うタバコの煙を吸ってニコチン切れを紛らわす。
ヘンリーが7歳の頃に見た光景なので話を作ってしまっている
のではないか?と疑う。現在ヘンリーはルイーズ・オーティマー
というカウンセラーの元に通って治療を受けている事を知る。
最近にもくぼ地で、足跡を見た事を告げ、それは
巨大なハウンド
の足跡だった
という。その言葉を聞いてホームズは今一度
聞き直すと、見込みのある事件だとして、この件の捜査を担当
する事に決める。

ホームズたちは
パディントン駅に行くと、早速ダートムアへと
向かう。
見晴らしの良い場所で地理的に確認するために、地図と場所
を照らし合わせる。そこから見える光景は、バスガドル
グリンペン村、デュアーのくぼ地、そしてバスカビルの陸軍基地
が存在していた。基地の警備はとても厳重なものがあった。

滞在するホテルが有るグリンペン村で情報活動をする。
ツアー客も賑わう中で、二人は
ベシタリアンの店が有る事を
知って中に入る。

一方ヘンリーはいつものようにカウンセリングを受けていた。
ルイーズ先生との会話の中で、ヘンリーはいつも頭の中に
思い浮かぶ文字が有るという。それは
"リバティ・イン"という
文字だった。しかしそれにはどんな意味が有るのか全く想像
出来なかった。

二人は店でチェックインする中で、ジョンはベジタリアンの
店であるにもかかわらず
大漁の肉の注文を取っていることを
知りその伝票を隙を突いて懐に入れる。
店のオーナーのゲーリーやスタッフのビリーから色々と情報
を聞いて回る。グリムペンに有る地雷原の事、そしてバスカビル
の実験場の事。施設が出来て80年も経過するが、中で何を
しているのかは誰も知らないのだという。そんな中、ガイドを
しているフレッチャーが怪物を見たと言っている事を聞く。
ホームズはフレッチャーが競馬新聞を持っていたことから
賭博好きである事を見抜いて、賭けと称して色々と情報を
引き出す。本当にハウンドを見たのか?と問うと、その証拠も
あるとして犬の写真を見せる。またフレッチャーには施設で
働く国防省の友人が居るが、釣りの約束をしたハズが約束の
場所に来ず、顔面が蒼白だった事が有ったと告げる。彼も変な
生き物を見たと言っていたとし、彼は軍の機密施設の勤務
だったという。恐らくポートンタウンかバスカビアのラボ
の勤務゛たったと。そこで犬の大きさのネズミを見たり、馬く
らいの犬を見たと言っていたのだという。

ホームズとジョンは研究施設を見るためにやってくる。
施設に入るには特別なIDが必要だが、マイクロフトが所持して
いたフリーパスを手にしていた。英国政府を背負っているだけ
有って秘密施設も入り放題だった。施設に行くとライアンズ伍長
の案内で、施設内を歩く。フランクランド博士は、ヘンリーの
父親とは知り合いだったという。スタプルトン博士は遺伝子
研究を担当していた。彼女が研究しているすがたをみると、
先日ホームページの方で依頼のあった"ブルーベル"の件は、
彼女の仕業である事を察する。そんな中、一人だけ地下室を
厳しく守るバリモア少佐の姿が有った。しかもホームズたちが
所持していたIDが不認証となった事を知り、捕まえに来るが、
フランクランド博士によって助けられるのだった。

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■謎の犬・ハウンドの謎に迫る

ネタ的にはすぐに分かるものが有ったので、話を組み立て方を
どうしていくのかに有ったのかな。

どうしてもイギリスというとアメリカの影響力が強い様で
このドラマでもアメリカのCIA絡みの話となっている。
どの国にも政府主導の謎の施設というものが存在しているけど、
マイクロフトの存在の大きさというものを改めて感じる流れ
が有ったかな。

■ホームズとワトソンの関係が揺らぐ

今回ホームズがワトソンに対して、友人ではないとした事で
一気に二人の雰囲気が悪くなった。
それ以上にホームズが今回ハウンドを目にして、かなりナー
バスになる姿が有ったり、冒頭からニコチンが切れてホームズ
の性格が破綻しているような感じにも見えた。
もの凄く神経質っぽいキャラクターなので、なんだか心配して
しまうものがあるんだよね。

■モールス信号

ホームズが多少ナーバスになる中で、今回はワトソンが
キーマンとなる所も多かった。モールス信号に関しては完全に
ダミーだったけどね。UMQRAという信号を発していたけど、
これで検索するとイギリスのYAHOOのANSWERSが検索最上部に
ヒットする。

しかしベジタリアンの店で肉を注文している矛盾点から事件
解決への打開点を見いだしたところは流石。

■惨いホームズ

クスリによって幻覚作用を引き起こされているのではないか
と知ってホームズは、ジョンに対して人体実験する。
砂糖の中に麻薬でも入っているのではないか?と疑い、コーヒー
を入れてくるホームズ。普段は取らないような行動を取った時
には要注意が必要なんだよね。ホームズの様な人がそれをした
場合には、明らかに意図が存在すると疑ってかかるべきものが
あるのかも。

■天才と凡人

ホームズの天才っぷりは分かるけど、ジョンを凡人扱いする
辺りが如何にもホームズっぽい。

今回はジョンが軍人としての階級を利用して、案内係のライア
ンズ伍長に査察を要求していく姿も有ったけど、初めて階級を
利用して人を使ったとして、複雑な気分を味わっていたようだ。

■HOUND

HOUND DOGといえば、大友康平さん率いるロックバンドを思い
浮かべるけど、HOUND=犬の化け物ではなく、今回は単なる
CIAが実験していたハウンド計画に参加した人物の頭文字の事
だったようだ。
レオナルド・ハンセン、ジャック・オハラ、マリー・ウスロス
キー、リック・ナドラー、エイレン・ダイソンの名前の頭文字
から来たもの。

■ヘンリーの中の潜在記憶

リバティ・インという単語が徐々に浮かび上がってくるヘンリー。
結果的にはインディアナ州のリバティでハウンド計画が行われて
いたみたいだ。犯人がヘンリーの記憶を入れ替えていた事が
分かる。

■Abbot & Costello

一番怪しいと思っていたバリモア少佐に対して、ホームズが
真実を知る為にも施設を捜査させろと迫ったときの会話の流れ
で出てきた言葉。少佐は宇宙人でも捜しているのか?として、
60年代にここにも宇宙人が不時着したような事を口にし、オチ
としてアボット&コステロと一緒に来たんだと昭和ギャグっぽ
く締めくくっていた。
Bud AbbottとLou Costelloのコンビが40年代から60年代にかけ
て活躍していたコメディアンたちの事。

■マインド・パレスに出かける

ホームズが一人瞑想状態に入り、今回の真相を探求していく。

少佐が使っているパスワードを探り当てていたけど、
チャーチル好き、サッチャーの伝記が室内に有り、その流れから
サッチャーの名前、マーガレットの相性"マギー"がパスワード
ではないかと見抜いていく。流石に強引だったけどね。

ホームズが人の服装などを見て行動を瞬時に分析する能力は
面白いんだけどね。

シャーロック・ホームズ (Benedict Cumberbatch) コンサルタント
Dr.ジョン・ワトソン (Martin Freeman) 軍医
レストレード (Rupert Graves) スコットランド・ヤード・警部
Mrs.ハドソン (Una Stubbs) 大家
マイクロフト・ホームズ (Mark Gatiss) 兄、英国政府に関与?
モリー・フーパー (Loo Brealey) 研究室の女性、口紅
サリー・ドノバン (Vinette Robinson) 巡査部長
ジム・モリアティ (Andrew Scott) ゲイ、モリーの彼氏? IT部門

ヘンリー・ナイト (Russell Tovey) 父親を7歳の時に失う。
カースティ・スタプリトン (Amelia Bullmore) カウンセラー
ボブ・フランクランド (Clive Mantle) 博士、ヘンリーの父を知っている
バリモア (Simon Paisley Day) 少佐、とても厳格で昔気質の人
ルイーズ・モーティマー (Sasha Behar) 博士、遺伝子の研究員
ライアンズ (Will Sharpe) 伍長
フレッチャー (Stephen Wight) 怪物を目撃
ゲーリー (Gordon Kennedy) ベジタリアンの店のオーナー
ビリー (Kevin Trainor) ゲーリーの店の従業員
グレース (Rosalind Knight)
若い頃のヘンリー (Sam Jones)
--- (Chipo Chung) Presenter

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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