シャーロック
SHERLOCK (イギリスBBC、2010年)

製作総指揮:スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス
ベリル・バーチュー ほか

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/sherlock2/index.html





第3話 ライヘンバッハ・ヒーロー The Reichenbach Fall

原作/Sir Arthur Conan Doyle
脚本/Steve Thompson 監督/Toby Haynes
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ジョンはカウンセラーの元を尋ねる。
最後に来た時から18ヶ月も経っているが何故今になってきたの
か?と問われると、ジョンはテレビや新聞を見ているのならば
気がついているハズだという。ホームズが死んだからだと。

3ヶ月前、ホームズの活躍によって、ターナーの名作
ライヘン
バッハの滝
の絵画が博物館に戻ってくる。館長からは取り戻せた
お礼としてダイヤのカフスを譲り受けるも、自分はボタン派だ
という。新聞ではスコットランドヤードが手がかりを見過ごし
たことを非難し、ホームズの活躍を称える。また
銀行の頭取
の子息が誘拐
された件でも、ホームズのお陰で無事救出すること
に成功。タイピンをもらうも、自分はネクタイはしないと不機嫌
なホームズ。また1982年以降国際警察・インターポールでも
追跡していた容疑者・ピーター・リコレッティについても、
ホームズのお陰で逮捕したとして、マスコミはこぞってアマチ
ュア探偵のホームズの活躍を大々的に取り上げる。帽子をプレ
ゼントされ、マスコミではホームズの事を
不思議博士と称して
称えていた。ジョンはマスコミはそのような愛称をつけたがる
ものだとし、スーザン・ボイルは「スボ」、ニック・ベイトマン
は、「ナスティコック」と言われているという。ジョンに
関しては、
「バチュラー・ジョン・ワトソン」と書かれていた。
一体どういう意味が有るんだと頭を抱える。

ジョンは今やホームズは注目の的だとし、言動には気をつけろ
という。既に君は個人としての私立探偵では居られなくなって
いるのだと。マスコミが飽きて取れ上げなくなるのであれば
良いが、そのウチ攻撃的に騒ぎ立てる可能性も否定出来なかった。
とりあえず目立たないように行動すべきだと語る。

その頃モリアーティ
ロンドン塔へと観光者に紛れ込んで
訪れていた。
時間は朝11時。
ホームズは、ヘンリー・フィッツガードの事件に関して、彼が
自殺ではないとする証拠を何とか掴もうとしていた。
モリアーティはロンドン塔に飾られている王冠の前に立つと
突然音楽を聴き始める。そして時間が来るとどうじに、
突然モリアーティは行動を起こす。持っていた
スマホのアプリ
を起動
すると、英国最高のセキュリティを誇るロンドン塔、
英国銀行ペントヴィル刑務所
セキュリティが一斉に解除され
防弾ガラス内に納められている王冠をダイヤを使ってガラスを
割り、中から取り出す。しかし警備が来ると、モリアーティ
は盗むこともなく、王様の格好をして、中で留まっていた。

監視カメラの映像を調べていくと、割れる防犯ガラスには
"シャーロックを捕まえろ"と書かれていた。ホームズを挑発
する意図は何なのか。ホームズは後日専門的証人として、
モリアーティ事件の証人として召喚される。

世紀の裁判だとして、マスコミも注目の的だった。
ホームズは法廷前にトイレに立っていると、突然ファンだと
する女性が現れる。しかしホームズは彼女の身なりを見て、
彼女が自分のファンなどではなく、ジャーナリストである事を
瞬時に見抜く。どうせ帽子の下の姿を暴こうとするつもりだろ
と告げる。しかし女性・キティ・ライリーは、
真実を伝える
人間が必要になる
として、名刺を手渡す。ホームズはあまりに
無礼な女性にムカツクと言葉を残して去っていく。

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■冒頭から意味ありげな映像

ジムがカウンセリングを受けているもの。
ホームズが亡くなったであろう事を示唆する物で、ドラマとし
てはありがちなプロローグ。時計は3ヶ月前に戻ると、ホームズ
が数々の事件解決に手を貸していて、相変わらずマスコミは
ホームズをもてはやす姿。
ホームズは変な帽子を被っている姿が、1話だか2話目に描かれ
ていた気がするけど、その辺の時間軸とリンクしている部分が
有るのかな。

■モリアーティの謎の行動

朝11時のタイミングを見計らい突然、ロンドン塔、英国銀行、
ペントビル刑務所のセキュリティを一瞬にして解除してしまっ
たモリアーティ。ただ逃げる事もなく、素直に捕まる姿の中
には一体どんな意図が隠されているのか?

モリアーティはタワーヒルで一緒に遊ぼうとメールをしてくる。

■世紀の裁判

ホームズが専門家的な立場の証言人として出廷することになる。
トイレでホームズに近づいてくる、ジャーナリストの女性・
キティ・ライリーとは何者なのか。真実をそのまま伝える人間
が必要だという意味ありげな言葉を投げかけてきた彼女。

裁判では、モリアーティの事を、爆発物の製造を請け負ったり
暗殺を請け負っていると証言し、ジムが人間ではないと語った。
会ったのは僅か2回でしかも5分だけという事から、裁判官は
寧ろホームズに疑惑を向けていく。

裁判の判決は無罪だった。

■ホームズとジムの接触

釈放後にまさかのホームズの家で接触することになる。
ジムはホームズにとって僕が居なければ君の存在感はあり得ない
とし、ジムがヒール役、ホームズが天使役としての立場を伝える。
一方ジムは何をしたいのか。

一応テレビ回線を使って陪審員の弱点を突いて無罪に導いたこと
を話していたけどね。

■ジムの持つセキュリティ突破のプログラム

ジムがイギリスの中でもセキュリティの厳しい場所の施錠を
外したのは、自分がどんな場所の鍵でも開けられると言うことを
世界中の犯罪者に誇示しようとしたのか。

■ホームズ邸付近に4人の暗殺者の影があり

マイクロフトからの情報。ジムの仕業ではないか?とするが、
一体何の目的があるのか。

■駐米大使館の子供達が誘拐される

サリー州・オルデートに有る金持ちが通う寄宿舎学校に
大使の二人の子供が通っていて、誘拐されていることを知る。
その中でもマックス少年は頭の切れる子で、亜麻仁油を
使って犯人の靴跡を上手く残して置いてくれていたことが分か
る。7歳の子では無理が無いか?って感じもするけど・・・

■アドルストンの閉鎖された工場に居るはずだ!!

容疑者の靴跡から、チョーク、アスファルト、煉瓦の粉、
植物、グリセリン分子(PGPR)が検出される。また女の子の
箱に入っていた封筒の封蝋はジョンの元に届いていた封筒と
同じ物で、中にはパン屑が入っていた。ヘンゼルとグレーテル
の様にパンクズを使って、核心に迫るまでの道筋を犯人自身が
形跡として残していることが分かる。

■行きすぎたホームズの行動

あまりにホームズが少ない情報を元に事件を解決することで、
疑うべきものが現れてくる。しかも業績を奪われているロンドン警察
のものたちからそんな声を挙がりつつ有り、逮捕される事になる。
物証はないのに逮捕するとは強引だったけど、ホームズと一緒に
手錠をされたまま逃げるワトソンの姿は笑える所があった。

■ホームズの周りに殺し屋が近づいている訳

全てはモリアーティが仕掛けたゲームであり、ホームズの家に、
モリアーティが使用した、セキュリティを解除するプログラムの為の
キーコードがある事が判明。ロンドン塔のガラスに書かれていた
文字には、殺し屋・クライアントたちへのメッセージが込められて
いたようだ。ホームズの推論も強引だが、モリアーティのやり方も
あまりに強引過ぎてついて行けない所も多いな。

■ホームズの兄がジョンに接触していた理由

正直マイクロフトくらいの組織力があれば、モリアーティも恐れるに足る
ものが有るかと思うのだけど、マイクロフト自身がホームズに関する
情報をモリアーティにうっかりと話してしまっていたようで、ジョンに
ホームズを影ながら守って欲しいと頼んでいたようだ。

■ホームズvsモリアーティ

結局モリアーティは、ホームズによって操られていたと訴え、自分は
リチャード・ブルックとして別の顔があるという事を示唆していく。
マスコミのキティと手を組んで居たようで、簡単に世論を誘導して、
ホームズを不利な状況に追い込んでいくモリアーティ。
勝敗の行方を死に設定する辺りが興味深く描かれているけれど、
まぁ最後の方は、イギリスドラマっぽく説明っぽい部分が多くて、
テンポはあんまり良くない。ホームズやモリアーティの論理に関しても
テンポの早さで視聴者に考える隙を与えない間に、完成させて納得
させてしまうという所を考えると、最後は、なんだかよく分からない所に
繋がった感じ。
ああいうオチになると、どうしても何でも有り感が出てきて、逆に緊迫感
を失う。どうせどっちも死んでないんでしょみたいな流れだったね。

シャーロック・ホームズ (Benedict Cumberbatch) コンサルタント
Dr.ジョン・ワトソン (Martin Freeman) 軍医
レストレード (Rupert Graves) スコットランド・ヤード・警部
Mrs.ハドソン (Una Stubbs) 大家
マイクロフト・ホームズ (Mark Gatiss) 兄、英国政府に関与?
モリー・フーパー (Loo Brealey) 研究室の女性、口紅
サリー・ドノバン (Vinette Robinson) 巡査部長
ジム・モリアティ (Andrew Scott) ゲイ、モリーの彼氏? IT部門

キティ・ライリー (Katherine Parkinson) ジャーナリスト
サリー・ドノヴァン (Vinette Robinson) 刑事、ホームズを疑う
アンダーソン (Jonathan Aris)
エラ (Tanya Moodie)
--- (Tony Pitts) Chief Superintendant
--- (Jaye Griffiths) Prosecuting Barrister
--- (Ian Hallard) Defence Barrister
--- (Malcolm Rennie) Judge
クラウディ・ブロー (Sydney Wade) 9歳、ルーファス駐米大使の娘
マックス・ブロー (Edward Holtom) 7歳、ルーファス駐米大使の息子
--- (Paul Leonard) Bank Director
--- (Christopher Hunter) Prison Governor
--- (Tony Way) Prison Warder
Missマッケンジー (Lorraine Hilton) 寄宿学校の寮長
--- (Samantha-Holly Bennett) Reporter
--- (Peter Basham) Reporter
--- (Rebecca Noble) Reporter
--- (Robert Benfield) Gallery Director
--- (Ifan Huw Dafydd) Clerk of the Court
--- (Michael Muller) Father
--- (Pano Masti) Assassin
--- (Douglas Wilmer) Diogenes Gent
--- (Gillian Steventon) Nurse
--- (Sy Turner) Paparazzi Photographer

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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