シャーロック SHERLOCK (イギリスBBC、2010年) 製作総指揮：スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス ベリル・バーチュー　ほか http://www9.nhk.or.jp/kaigai/ 1 January 2014 第1話 空（から）の霊柩車 The Empty Hearse 原作／Sir Arthur Conan Doyle 脚本／Mark Gatiss 監督／Jeremy Lovering -------------------------------------------------------- ホームズは強敵・モリアーティを殺害した後、ビルの屋上から 飛び降り自殺を図る。その姿を駆けつけた親友のワトソンが 目にする。ホームズが跳び下りる直前に彼と電話で会話し、 この電話が書き置きになると語っていた。 しかしホームズは飛び降りたように見せかけ実は死んではいな かった。ワトソンに死を信じさせる為に自転車で偶然を装いぶ つかった協力者。 ワトソンが意識をもうろうとしている間に、ホームズはロープ によって繋がれ、窓を破って助かっていたのである。 そして死んだモリアーティをホームズに見立ててホームズが 実際死んだと見せかけたのでだった。 モリーが安置したのでワトソンは信じていた。 2年後・・・ アンダーソンはそんなワトソンに対してホームズは死んで いないと訴える一人だった。あれはマスクを被ったモリアーティ の遺体ですり替えられたものだという。しかし2年も経ってまだ そんな馬鹿な事を行っているのかとし、君とドノヴァンが 彼を詐欺師呼ばわりしたことで、自殺に追い込んだのだとして 責めるのだった。 マスコミでもホームズにかけられていた詐欺師としての嫌疑は 晴れたとして報道する姿が有った。そして警察が事件を意図的 に大きくしたのではないかとして非難する報道も有った。 ワトソンはホームズの墓の前に立ちつくすが、2年の空白の間 に彼を支えてくれた看護師のメアリーとは良い感じの関係に なっていた。 ホームズはマイクロフトたちによってセルビアで捕まえている所を 見つける。 モリアーティの犯罪組織の壊滅の為に最後はセルビアに設置 されていた組織を内部から壊したのである。 マイクロフトはホームズに対して、現在のロンドンでは地下 テロ組織の活動家が活発になっているので戻って欲しいという。 大規模な攻撃の危険性が迫っているのだという。ベーカー通り の自宅に戻れと言われる。 ホームズはなんでもっと早くにモリアーティの組織を壊滅させ なかったのかとして憤る。本当は楽しんでいるのだろうという。 一方ワトソンはホームズの死から2年が経過してようやく ホームズが住んでいたベーカー街に足を踏み入れることが出来た。 彼が住んでいたアパートへと足を運ぶと、管理人のハドソンか らは一体何をしていたのかと責められ、電話一本するくらいは 出来たでしょと責められる。 ホームズはマイクロフトに対してワトソンは現在何をしている のか尋ねる。毎週金曜日には一緒にフィッシュ&チップスで 遭っているとジョークを語るが、遠くから監視していただけだ った。ホームズは彼を巻き込むことは出来ないとして、接触 しなくても良いのではないかという。 ハドソンもまた居なくなったホームズの死を受け入れられず 室内の掃除さえもしていない状況だった。ワトソンは自分は ここから引っ越しすることを告げ、この二年の間に出会いが 遭ったことを語る。結婚するのだというと、ハドソンは男性と 結婚するのかと勘違いするが、僕はゲイではないと否定する。 ワトソンがメリルボーンロードでディナーの予約をしていること を知る。ホームズはワトソンがプロポーズしようとして店 にいることを知らず、久しぶりの再会をどう演出すべきか 困り、取りあえずウェイターのフリをして近づく。自分の存在 を遠巻きに思い出させようとして近づくがワトソンはまるで 気が付きもしなかった。メアリーがやってくるとワトソンは 彼女に頼み事があるとして、指輪を渡そうとする。 なかなかプロポーズの言葉を言えず、なんとか振り絞ろうとする する姿。 そんな中、ホームズはワトソンの前に現れるのだった。 実は死んでいないのだと告げ、飛び降りたというのはウソだ ったことを語る。ワトソンはこの2年苦しんだことがなんだった のかとしてあまりの憤り感と喜びの間に戸惑う。なんでこんな 酷い仕打ちをすることが出来るのかとしてホームズに食い下がる と、説明するのは難しいがモリアーティを止める為には仕方 がなかったことを語る。 -------------------------------------------------------- ホームズとモリアーティとの壮絶な頭脳戦が終わった後、 容疑のかかったホームズは病院の屋上から飛び降りて死亡する。 2年が経過した後、ホームズにかけられた容疑は全て潔白である ことが報道される中、容疑をかけていたアンダーソンと ドノバンを中心として、ホームズが生きていることを唱え、 そして"空の霊柩車"という名のディスカッションの場を設けて いることが分かる。 久しぶりのシャーロックなのでこの物語の雰囲気の流れに付いて いくのに時間がかかった。 死の偽装、モリアーティの件でのあの場面での解決には13通りの 抜け方が有ったとして、物語の進行と共にその13通りの全てが 描かれたのかどうかは分からないが、冒頭では一番無謀なホームズと モリアーティの遺体の交換劇の一つが描かれた格好だった。 結果的にモリアーティを泳がせ、そして相手を有利にさせて情報 を流す変わりにこちらも情報を掴んでいたこと。 モリアーティの組織が何処まで地下に及んでいるのかを調査する 名目が有ったようで、随分と面倒臭い流れが有ったように思う。 モリアーティからは、ホームズに対して脅迫があり、大事な人を 狙うとしていたことも有るので、仕方なしに屋上に行って死を 偽装せざるを得なかったのだろうけど、ワトソンにはそのことを 話せなかったという辺りは、彼自身の性格にも起因していて、 一番正直な人物で言動に出てしまうからなんだろうね。 ホームズが利用したのはモリーだったけれど、彼女のホームズ に対する恋心を利用しているようでなんかちょっとエグいという か可愛そうな感じもした。 ワトソンを巻き込まないようにして行動を起こしていたのに、 結局ロンドンに戻ってホームズが生きているとした際には早速 狙われてしまうという非情さ。 ホームズとしてはなんとかワトソンから許して欲しいとする流れ と共に人の気持ちを理解し切れていないのではないかとする 流れが同居しているので、この二人の関係も危ういものである。 ワトソンがホームズに対して2年間の鬱積した気持ちが少しずつ 露わになり、何かのタイミングでスイッチが入ってホームズ の首を絞め、そして頭突きをしていく辺りが笑えたな。 ワトソンによるホームズに対して不信感から、本当の患者に対して 変装だろうと疑ってみたり、最後の爆弾が仕掛けられていた 地下鉄のトリックに於いても君の仕掛けたジョークだろう?とした 際に、どう見てもジョークだと分かりながらもあの場面でなかなか ジョークをジョークと見抜くには難しいものが有ったのだろうね。 ワトソンの本音を引き出す為にまたしても身の縮まる思いをさせ たホームズの罪深きこと。 しかし本音を出せたことでまた元の関係にも戻れるのかな。 そしてなんといっても2年間の間、ホームズが亡くなったと 思っていた人が多かったので、それらに責任を感じている人や 悲しみに暮れている人に対して、「サプラ〜イズ」とばかり にドノヴァン、ハドソン、レストレード、アンダーソンなど に有っていくリアクション劇場と化したものが有ったけど、 やっぱりワトソンとの再会シーンが面白かったので、それ以外は あんまり記憶にない(笑) 地下鉄のトリックはそう難しくなさそうだった。 日本の地下鉄でも新橋駅は使われていない。ブラタモリの中でも タモさんがぷらぷらしていたね。 シャーロック・ホームズ (Benedict Cumberbatch) コンサルタント Dr.ジョン・ワトソン (Martin Freeman) 軍医 グレッグ・レストレード (Rupert Graves) スコットランド・ヤード・警部 Mrs.ハドソン (Una Stubbs) ベーカー街２２１Ｂのアパートの持ち主 マイクロフト・ホームズ (Mark Gatiss) 兄、英国政府に関与? モリー・フーパー (Loo Brealey) セント・バーソロミュー病院勤務 サリー・ドノバン (Vinette Robinson) 巡査部長 ジム・モリアティ (Andrew Scott) ゲイ、モリーの彼氏? IT部門 メアリー・モースタン (Amanda Abbington) ワトソンの婚約者 アンダーソン (Jonathan Aris) スコットランド・ヤードの元鑑識官 ホワード・シルコット (David Fynn) 帽子の持ち主 ローラ (Sharon Rooney) "空の霊柩車"メンバー --- (Tomi May) Torturer --- (Rick Warden) Bonfire Dad ゾーイ (Trixiebell Harrowell) 教会で火を見る少女 --- (Lovelace Akpojaro) Reporter --- (Jim Conway) Reporter --- (Nicole Arumugam) Reporter Mr.シコーラ (David Gant) Mr.ハーコート (Robin Sebastian) トム (Ed Birch) アンテア (Lisa McAllister) デレン (Derren Brown) --- (Lasco Atkins) Undercover Police --- (Timothy Carlton) Sherlock's Father --- (Paul Dawkins) Diner --- (Hugh Holman) Diner チャールズ・アウグストゥス・マグヌセン (Lars Mikkelsen) 新聞社の外国人オーナー --- (Adam Prickett) Bonfire Attendee サリー・ドノヴァン (Vinette Robinson) 刑事、ホームズを疑う --- (Gillian Steventon) Nurse --- (Susannah Todd) Pushy Reporter --- (Wanda Ventham) Sherlock's Mother クラウディア・ブルール (Sydney Wade) --- (Paul Warren) Homeless Spy