シャーロック
SHERLOCK (イギリスBBC、2010年)

製作総指揮:スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス
ベリル・バーチュー ほか

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/





1 January 2014
第2話 三の兆候 The Sign of Three

原作/Sir Arthur Conan Doyle
脚本/Steve Thompson 監督/Colm McCarthy
--------------------------------------------------------
世間ではウォーターズ一味による銀行強盗事件が繰り返し行わ
れていた。三人組のピエロをした格好の人物が1年半前からから
姿を見せ、警察が情報を掴んで踏み込むも何故かレストレード
サリーたちの前から強盗は予め警察の動きを察知している
ような手際の良さで交わしていってしまっう。一年前、半年前、
三ヶ月前とまるで捕まらずに犯行を繰り返す強盗にグレッグ
も頭に来て車のタイヤをゲシゲシ蹴り始める。
しかしそれでもいよいよシステムをハッキングし、警報をオフ
にしている犯罪組織を洗い出し、目の前で起きている強盗を
ついに逮捕する時が来ていた。サリーはなんと言っても苦労
してきたボスが逮捕してこその事件解決だと語る。
閉店後の銀行で屋上にも通りの道にも警察官のデイビス
ウィロー、クリスティなどを配置して、いざ逮捕に向かう。
すると突然グレッグの元にホームズから助けて欲しいとの
メールが送られてくる。ベイカー街今すぐ来て欲しいという。
サリーはジョーンズに手柄を奪われるとしてグレッグを
引き留めるが、ホームズの助けと有って仲間にも連絡し、
ベイカー街に緊急招集をかける。
しかしいざホームズのいる部屋に入ると、そこで結婚式の
スピーチを考えているホームズの姿が合った。

翌朝ホームズの元にハドソンが紅茶を届ける。
いつも私が運んでいたというハドソンに対して自動的に
運ばれてくるものだと思っていたというホームズ。ハドソンは
室内からバイオリンの音色がした為にホームズが弾いている
ものとばかり思っていたが彼は作曲中であり、そして式での
ダンスの練習をしていた。ハドソンはジョンのメアリーの
結婚式が楽しみだとつげ、結婚は人を変えるものだという。
結婚していないホームズには分からないだろうとするが、
夫が2人の人を殺して死刑になった妻の話など参考には成らない
と一蹴する。結婚によって新しい人生が始まると人間関係
も大きく変わり、過去に一緒にブライズメイドをした
マーガレットとは今では逢っていないのだと語る。

一方結婚式が有ると聞いてワトソンのかつての上官である
ショルト少佐は軍服を着て出発する準備を整えていた。

いよいよ結婚式前に写真を撮る。
関係者は少しずつ集まってきており、ベストマンを勤める
ホームズとブライズメイドを勤めるアドラーは初めて対面する。
噂を聞いていただけあってアドラーはホームズに好感を持つ。
またデビッドがメアリーに対して結婚の祝いの為にやってくる。
ホームズとは事前に逢っていた。ホームズはデビッドのことを
調べメアリーとは過去2年間付き合っており、今でも未練が
有ってネットで彼女の行動を追跡していることを見抜いていた。
二度と近づくようなマネをしてら許さないとして、ホームズは
住所などは熟知しているのでお前のことは監視していると
語る。それを聞いたデビッドは君こそ異常者だとするが
私は高機能社会不適応者だと語る。
また少年のアーチーも結婚式にやってくると、アーチーは
新郎新婦に挨拶した後、何故かホームズにハグする。
この子は落ち着きのない子で人見知りも激しいのに何で
ホームズにはなれているのか母には不思議だった。
アーチーのことを予め呼び出して、彼が興味としている
死体の写真などを体よくしていればプレゼントすると約束
していたのだった。

残念ながらワトソンの姉は結婚式には来ない中、ジェームズ
ショルト少佐が来てくれたことに驚く。更に驚くべき事に
ホームズは少佐のことについてワトソンは話してくれなかっ
たのにメアリーには少佐のことをよく話していた事を知る。
少佐はワトソンを見ると普通の生活に慣れたようだなと
語る。今でもカウンセリングには通っているがそれで随分
とよくなった事を語る。少佐は人嫌いでなかなか戦場での
負傷帰還後は人と会うことも避けた生活をしていた。

ホームズはワトソンの式に出席するかどうか尋ねる。
返事がないとして電話で確認すると、私は出席しないとし
今日がその日だったのかと告げる。また私とお前の会う機会
が増えることになるなとするとこれからスピーチになんだろう
とつげ、あまり深入りはするなと言われる。
--------------------------------------------------------

いよいよホームズの親友であるワトソンとメアリーの結婚式が
開かれる。他人を寄せ付けないホームズにとっては無二の存在
故に、ワトソンが自分以外のパートナーとの共同の生活に
無関心を装いながらも、周りの人たちからは生活が一変するの
と共に人間関係も終わることがあると言われ、兄からはあまり
深く関わるべきではないことを告げられる。
そんな中、絶対に生涯なと思っていた結婚式でのベストマンを
任されたホームズはネットで色々と調べながらも、結婚式の
準備を機械的に調べていく。そんな状況の中、ついには結婚式が
始まる。

1話目の演出やストーリーの印象からすると随分と毛色が変わった
感じのするエピソード。
ホームズの性格を誇示しながらも、ワトソンと出会ったことで、
変わった一面があること。
事件以外の彼の生活・生活面での砕けた一面を見せられるという
エピソードであり、結婚に対する形式的な儀式や愛に対する自分の
見解を述べつつも、ワトソンの為に必死になってスピーチして式を
盛り上げようとする彼の姿が有った。

冠婚葬祭は人となりの人生というものを見せられるものだなと
改めて感じさせると共に、二人の出会いの中からの面白エピソード
や彼を辱めるエピソードを通して、客人達には彼の人格・性格を
知らせて、走馬燈のように人生に起きた出来事を振り返るというもの
だった。
日本ならばそれらはスライドとか動画を使って過去の写真を
体の良いBGMと共に流していくことになるけど、ある意味では
ホームズらしさというものを演出し、最終的には自分にとっての
ワトソンの存在とはどういうものなのかということを示した。

事件については正直どうでも良いものが多いかなと思ったけど、
ツボをついた流れが存在し、主には二つの事件を通して最終的には
現在起きている事件の一つを解決して見せる。
ホームズでも容易には解決出来ない事件があるのかと思うと、
ちょっぴり人間らしさというものを見せられた感じがするし、
結婚式前の形式という名のベストマンとしてのバチュラーパーティー
での演出に対して、完全な計画のもので進行していると思いきや、
酒による影響力まではホームズの中でも計算出来ないところが
有ったようだ。
メスシリンダと時計を使って完全に計算していたけど、ホームズ
にしてもワトソンにしても自らのアルコール耐性のなさという
ものがアダとなったようだ。実際には、ワトソンが何か計算を
狂わすように酒を飲ませていた感じだったけどね。

過去はワトソンを構成する一つであり、背くことの出来ない事実
の一つである。過去に関わった人物の中でも特にシーズン1の頃
のワトソンと同様に戦争による心の傷を背負っている上官の
ショルトー少佐のエピソードを通して、事件を引き寄せてしまった
感じだった。

近衛兵が襲われる謎のストーカー事件。
それとは対象的に付き合い始めたかと思えば、消えてしまうという
男性のエピソード。
ドラマでは「かげろう男」としてタイトルづけられていたけど、
「愛はかげろう」とか幻だと言われる中で、それを象徴している
ような存在だった。
元々の事件のとっかかりが、二人の男性陣は結婚式の用意には
不向きであり寧ろ使えないと思った為にメアリーによって二人
が追いやられるところから始まったものだったけど、適当に
セレクトしたであろう興味深い事件が実際には一つの流れとして
繋がっていくところは面白く出来ていたかな。

ホームズの脳裏には時々マイクロフトが登場する。
電話の中では、昔飼っていた犬の赤ヒゲのことを指摘され、深入り
すると亡くした時の大きさというものを通して、心の傷を負わない
が為の自衛の策としている感じにも思え、彼らの性格が見て取れる。
ただ失うことの恐怖というのは大抵両親や家族を失ってこそのもの
だと思うけど、ホームズの両親ってまだ1話を見た限りでは健在の
ようだし、なんでそこまで他人と壁を作る性格になったのかな。

更に友人とは何かを感じさせるエピソードであり、ドラマの中では
自分には話してくれなかったワトソンの個人的事情をメアリーが
知っている事への違和感というものを覚えて居た。
自分だって話していないことが多い訳だし、責めることなんて
出来ないけど、そういう秘密を話し合える関係こそ単なる友達とは
違うものがあるということを示しているのかも知れないね。

ワトソンのミドルネームのHとか何なのか。
ホームズは気になり、その事を推察してはワトソンに問いかける
シーンが面白かった。そして連想ゲームの如く、アメリカでは
よくドラマの中でも出てくるけど、額に書かれたものが何なのか
を当てるゲームを通して、ホームズという人物はどんな人物なのか
ということを自己分析させるような形で描かれており、泥酔・酩酊
状態のホームズにとっては、ワトソンのことだろうべらんめー
的状態になっているところが有った。

最終的には謎だった近衛兵の密室・殺害方法を通して、上手いこと
狙われているものの存在なり、その凶器の方法というものを
見つけ出していくものだったけど、今回目玉のコーヒーを飲んだり
凶器の料理人の串刺し棒を使った後に人の口に入る料理を作った
のかと思うと意外とグロいところも有った。知らぬが仏というのは
こういう時にこそ感じるのかも。

因みにワトソンのミジルネームはヘイミッシュだった。
犯人はカメラマンの男性で、少佐の部隊で亡くなった弟に対して
逆恨みを覚えて居る人物だったというところかな。

そして何よりもハドソンさんの人生が意外と波瀾万丈だったという
のが驚きかも(笑)夫は、カルテルと組んで相当悪いことをしていた
人物で、2人殺害し終身刑になっているという。人生は変わると
付き合う人も変わっていくという意見は賛同するものがあるけど
ハドソンさんの場合にはまた違った意味で変わっていくものが
あったんだろうね。


・Opening Titles
・Frankie Valli and the Four SeasonsのDecember 1963 (Oh, What A
Night)
・The Blue Danube
・GoldfrappのCrystalline Green
・Calvin Harris feat. RihannaのWe Found Love
・The KillsのFried My Little Brains
・M.I.AのGalang


シャーロック・ホームズ (Benedict Cumberbatch) コンサルタント
Dr.ジョン・ワトソン (Martin Freeman) 軍医
グレッグ・レストレード (Rupert Graves) スコットランド・ヤード・警部
Mrs.ハドソン (Una Stubbs) ベーカー街221Bのアパートの持ち主
マイクロフト・ホームズ (Mark Gatiss) 兄、英国政府に関与?
モリー・フーパー (Loo Brealey) セント・バーソロミュー病院勤務
サリー・ドノバン (Vinette Robinson) 巡査部長
ジム・モリアーティ (Andrew Scott) ゲイ、モリーの彼氏? IT部門

メアリー・モースタン (Amanda Abbington) ワトソンの婚約者
イレーネ・アドラー (Lara Pulver) ホームズのライバル
ジェームズ・ショルトー (Alistair Petrie) 少佐
テッサ (Alice Lowe) 幽霊とデートした
ジャニーン (Yasmine Akram) ブラスドメイド
デビッド (Oliver Lansley) スコットランド・ヤード
トム (Ed Birch) スコットランド・ヤード
--- (Jalaal Hartley) Photographer
--- (Adam Greaves-Neal) Pageboy
--- (Helen Bradbury) Mum
--- (Alfie Enoch) Bainbridge
--- (Tim Chipping)
リード (Will Keen) Major
ゲイル (Ritu Arya) 幽霊とデートした
シャーロット (Georgina Rich) 幽霊とデートした
ロビン (Wendy Wason) 幽霊とデートした
ヴィッキー (Debbie Chazen) 幽霊とデートした
--- (Nicholas Asbury) Landlord
--- (Laura Dale) Beautiful Girl
--- (Katherine Denkinson) Wedding Guest
--- (Georgie Leonard) Bridesmaid
--- (Barrie Martin) Tourist
--- (Adam Prickett) Spectator
--- (Lucy Trotman) Wedding Guest
--- (Yusei) Japanese Tourist



inserted by FC2 system