シャーロック
SHERLOCK (イギリスBBC、2010年)

製作総指揮:スティーブン・モファット、マーク・ゲイティス
ベリル・バーチュー ほか

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/





1 January 2014
第3話 最後の誓い His Last Vow

原作/Sir Arthur Conan Doyle
脚本/Steven Moffat 監督/Nick Hurran
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イギリスの議員たちは公聴会の場でチャールズ・マグヌセン
質問する。メディア王である彼のイギリスの政治に於ける影響
力に関して疑問符が投げかけられていたのである。特に最近
になって7度もダウニング街首相と逢っている証拠が有り、
単なる新聞社のオーナーで公人でもない外国人が首相にそんな
にも逢うのは不自然だというものだった。ジョン・カーヴィー
下院議員
エリザベス・スモールウッド議員はマグヌセンの
力を懸念していた。

エリザベスは帰宅すると、マグヌセンが屋敷にいる事を知る。
このような場で個人的に接触することは固く禁じられている
ことを告げるが、マグヌセンは突然エリザベスの夫について
言及する。1982年にあなたの夫はヘレン・ドリスコルと文通
していること。エリザベスは私と夫が会う前のことだとする
が、ヘレンの存在は知っていたのかと問う。ヘレンは15歳
の少女であり彼には写真も送っていることに対して、不適切
な関係だったのではないかというもの。文通したのは一度きり
でその事実が分かったときには文通は辞めていることを語る。
事実なんてマスコミの前では無意味なものだというマグヌセン
はエリザベスの手を握ると、それを払いのけようとする。
誰か警備を呼ぶというが、マグヌセンは私はその手紙を
持っている事を告げ所有権があるのだという。あなたは私の
ものだというとエリザベスは脅迫だとつげ決して言いなりには
ならないとするが、彼は彼女を弄ぶように彼女の顔を舐める。
私を止められるものなど一人も居ないという。それを知った
エリザベスは急いでベイカー通りに車を走らせる。

ワトソンはメアリーと結婚後、彼女の隣で寝ている中、
戦争で負傷した時の夢を見る。
そんな中、寝室にはワトソンが担当する患者・アイザック
母・ケイトがやってくる。アイザックがまたドラッグに
手を出し、みんなが屯している場所に行ったまま帰ってこない
のだという。その場所は崩れそうな廃墟の場所だとすると、
ワトソンは自分がアイザックを連れ戻してくると語る。
するとメアリーも身重な体で一緒に付いてくると言って聞か
なかった。
いざ現場に着くとワトソンはタイヤレンチを手にして一人
廃墟へと入っていく。メアリーには危険だと分かったらすぐ
にこの場から離れるよう告げる。

廃墟には一人のドラッグ中毒の男が居るとワトソンに対して
出て行くよう告げる。ワトソンはアイザックの居場所を
聞き出そうとするがナイフを持って襲ってきそうだった
為に護身術を使って彼を一瞬にたたきのめす。
そしてアイザックの居場所を尋ねると、二階にいることを
告げられる。いざ二階に行くとジャンキーが屯している中
アイザックだけでなくなんとそこにはホームズの姿も有った。

ホームズはあくまで潜入調査をしているのだという。
ワトソン急いでモリーの病院に連れて行くと尿検査を
受けさせる。モリーはホームズがドラッグをしていることを
知って何度も彼を殴り飛ばす。あなたは才能を無駄にして
いるという。
ホームズと共に廃墟でドラッグをしてワトソンに押さえ込ま
れた男性ビル・ウィギンズはとても観察眼が鋭いことを
知りホームズは使える人物だと語る。

ホームズが麻薬依存の状態であることがニュースに掲載される。
しかしホームズはこれでゲームの始まりである事を語る。
ワトソンに対してマグヌセンとのことは知っているだろう
とし、彼のことを暴くための依頼なんだという。ホームズ
の協力者としてアンダーソンローラの姿も有った。

麻薬中毒になったという事を受けてマイフロクトもホームズ
の前に現れる。オクラホマの両親には無しをしなければいけな
いことを語る中、マイフロフトはホームズと二人きりにして
欲しいという。そこでマイクロフトからは意外な事実を
聞かされる。マグヌセンには手を出すなということ。彼は
私の保護下にあるとし、彼に楯を突くと言うことは私に楯を
付くことと同意だという。
ホームズは寝室を見せたがらない中、なんと寝室にはジャニー
ンの姿がありホームズと付き合っていた事を知る。ワトソン
はそれを見ると彼に恋人が出来たのかと問う。
ホームズはマグヌセンという男はこれまでに見た中でも
吐き気を催す程の人物だと語る。

マグヌセンは3年前から西洋諸国などで弱みを握り
その情報をアップルドームという施設にため込んでいること。
まるで秘密やスキャンダルのアレクサンドリア図書館のように
なっているのだという。大事な情報なのでパソコンでは
管理しておらず、書類をこの施設の中に蓄えているとのこと
だった。

そんな中、食事をしているホームズの前にボディガードが
二人とマグヌセンがやってくる。
ホームズは議員の夫の手紙の件で依頼を受けた事を告げ手紙を
返すよう告げる。そして僕のことを夫人の代理人として認める
様認める。
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メディア王のマグヌセンは、頻繁にイギリス首相と面会して
いることで、議員の間からは、メディアの持つ影響力を懸念
して都合よく国を動かしているのではないかとの疑いを
もたれる。そんな中、スモールウッド議員もマグヌセンを
疑う一人だったが、公聴会の有った夜に彼が脅迫とも取れる
行動を起こしていたことで、彼の手口を察すると共にホームズ
に頼んで資料の回収を目論むが・・・

随分と前からマグヌセンに対する伏線が張られているようで、
シーズン3の一話の頃に彼の姿が映っていたところを見ると、
このシーズンに於ける柱としての存在感を改めて感じさせる
ところだった。

しかしまぁある程度人気が高くなったので、スケール感を大きく
するのは良いとしても、ちょっとホームズの生死を使った
トリックみたいなネタが多いような気がするし、身近にいる人物
の意外な過去を利用するみたいな展開は、正直ありきたりで面白味
にかける。

過去に日本の漫画でも政財界・スポーツ界を牛耳る謎の組織が
あり、その組織によって親や妻が殺されてしまったとする
モンテ・クリスト伯の小説をベースとして「傷負い人」が有ったけど、
あの作品でも情報を追いかけるが、最後に戦った兵士との間で
その情報の有無が取りざたされていたけど、結局情報は幻で存在
せず消されてしまっていた後だったとする流れを思い出す。
このドラマでも、「CHUCK」同様に機密情報は頭の中に全て
たたき込んでいるというもので、ホームズとはまた違った
別の形での天才の姿をみた格好だった。

このドラマの特徴でもあるのが、時系列をいじった特殊な演出
だ。時間を意識しているシーンが予想以上に多いことに気が付く。
時間の流れの中で、過去に引き戻されたり、またホームズ
が頭の中で考えていることは、現実社会に於いては一瞬の出来事
で有っても、ホームズの脳内では非常に多くの情報がやりとり
されているということを表す為のシーンがこのドラマの面白さでも
ある。

鋭い洞察力が表しているのも彼の中にある知識をベースとした
計算高いものが有るのだけど、それとは対象的にマグヌセン
の中でも集めた情報が頭の記憶回路の中に封印されているという
厄介なものだった。
ホームズはメガネを使って情報を彼が所有する情報センター
から引き出していると考えているようだけど、その一方で、
情報センターではハッキングされないように書面で保存している
のではないかとする疑惑を持っている辺りの矛盾点も気になる
ところでは有った。

サプライズとして登場したのはメアリーの過去に於ける経歴だ
った。USBメモリーに全ての情報が記録されているみたいだけど、
マグヌセンとは対象的に形有るものの中に情報を詰め込んで
持ち歩いている人物。そしてホームズの兄であるマイクロフト
が持ち歩いているパソコンのデータも今回は取引材料として
利用されており、データがこの世の中を支配するものだという
ことを改めて描いた格好だった。

潜入捜査はホームズには似合わない気がするし、家族の存在
などもちょっと唐突過ぎてホームズの家庭の事情を堀りさげる
エピソードはあまり要らない気がした。神秘性を保った方が
ホームズは良い味が出るとは思うんだけどね。

またワトソンは危険なことに首を突っ込むことに刺激を求めている
ようだ。2話での少佐とのやりとりの中で、まだカウンセリングには
通っているとしていたけど、彼の中には意外と熱いところが有った
のね。ワトソンがそういう性格なら、メアリーがCIAにきたことを隠す
必要もなく、3人でチームを作って戦ったらどうか?

・Opening Titles
・Hark! The Herald Angels Sing


シャーロック・ホームズ (Benedict Cumberbatch) コンサルタント
Dr.ジョン・ワトソン (Martin Freeman) 軍医
グレッグ・レストレード (Rupert Graves) スコットランド・ヤード・警部
Mrs.ハドソン (Una Stubbs) ベーカー街221Bのアパートの持ち主
マイクロフト・ホームズ (Mark Gatiss) 兄、英国政府に関与?
モリー・フーパー (Loo Brealey) セント・バーソロミュー病院勤務
サリー・ドノバン (Vinette Robinson) 巡査部長
ジム・モリアーティ (Andrew Scott) ゲイ、モリーの彼氏? IT部門

メアリー・モースタン (Amanda Abbington) ワトソンの婚約者
アンダーソン (Jonathan Aris) スコットランド・ヤードの元鑑識官

エリザベス・スモールウッド (Lindsay Duncan) 議員
ジャニン (Yasmine Akram) マグヌセンの秘書、ホームズの彼女
ビル・ウィギンズ (Tom Brooke) ホームズの助手的役割
--- (Wanda Ventham) Mum
--- (Timothy Carlton) Dad
アイザック・ホイットニー (Calvin Demba) ケイトの息子・薬物中毒
ケイト・ホイットニー (Brigid Zengeni) アイザックの母
ジョン・ガーヴィー (Tim Wallers) 下院議員
--- (Glen Davies) Chauffeur /運転手
--- (Matthew Wilson) Security Man
--- (Louis Oliver) Little Sherlock /幼少期のシャーロット
--- (David Newman) Medic
Sirエドウィン (Simon Kunz)
ベンジー (Katherine Jakeways)
--- (Will Ashcroft) Club Waiter
--- (Ged Forrest) Security Guard
--- (Jamie Jarvis) Surgeon
チャールズ・アウグストゥス・マグヌセン (Lars Mikkelsen) 新聞社の外国人オーナー
--- (Alan Bond) Assistant Coroner
--- (Tom So) Magnussen's Butler
--- (Tom Whitecross) Magnussen's Security Guard



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