ハリーズ・ロー 裏通り弁護士
Harry's Law (アメリカNBC 2011年〜)

http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/060574/





Jan. 17, 2011
第1話 とんだ始まり Pilot

脚本/David E. Kelley 監督/Bill D'Elia
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オハイオ州・シンシナティ
ハリーはロバートの弁護士事務所で働いていた。
特許法弁護士
としてはアメリカでも最高の弁護士だったが、32年間その身を
捧げてきた特許の弁護士も結論としては
"ホカホカの犬の糞を
入れたボウルみたいに退屈"
だと告げた事でロバートからは
解雇されてしまう。

ハリーはやる気もなく街を歩いていると突然上から黒人・マル
コム
が落ちて来てハリーにぶつかる。ハリーは意識を失うが
救急病院に連れて行くと脳震盪も起こして居らず、湿布程度の
治療で済んでしまうという幸運に恵まれる。ハリーのアシスタ
ントをしているジェナは心配して様子を見に来る。
マルコムは
エクストリームスポーツをしていただけだとするが、
ハリーは6階建てのビルから日よけのバンドに当たり落ちてきた
のにスポーツは無いとして、
貴方は自殺しようとしていたので
しょ
と問うがマルコムは否定する。

ハリーは退院して再び町中を歩いていた。
こんな世界ならば自殺した方が良いのかも知れないと、退屈な
世界にハリー自身もウンザリしている中で、通りの向かい側に
テナント募集の張り紙を見つける。ハリーは道を渡ろうとする
と、突然メルセデス車にぶつかり凄い勢いで吹き飛ぶ。
運転していたのは弁護士のアダムだった。
すぐに救急病院に運ばれるが、幸いにも運搬用のクッションの
上に落ちた為にハリーはかすり傷程度の怪我しか負わずに済んだ
のである。肉がクッションになったんだと笑われる中で、アダム
はハリーの事を目にした事が有った。
ファイアストーンの特許の
裁判で争ったことがある
という。審理の併合を求めた際に、
私は貴方に
"傲慢なハナタレ小僧"だと呼ばれたと告げると、
ハリーも思い出す。もしかして裁判に負けたからわざとハネた
のか?と問うがアダムは否定する。

ハリーはテナントを借りる。
すると以前このテナントでは靴屋をやっていたようで、商品が
そのまんま残されていた。ジェナはプラダにジコーチュウ、
白のサテンのスティレットサンダルクリスタルストラップ付き
の商品が転がっているとして感動する。ゴールドレザーのウイッ
カー、ウェッジヒール、ピープトウのパテントレザーがあると
いうジェナ。

ハリーたちは事務所立ち上げのために室内を整理する中で、
先ほどハリーの頭上から振ってきたマルコムがやってくる。
実は自殺をしようとしていた事を告げ、麻薬で逮捕され刑務所
行きになりそうだという。コカイン中毒で3度目の逮捕。
死のうとしたが貴方の上に落ちたことで、死ぬなと掲示された
のではないかと思ったという。ハリーに自分の弁護をして欲しい
と頼む。しかしハリーは刑事裁判はやらないと断ろうとする。
しかしこれも運命だとすると、ハリーは死にかけると人は目が
冷めるものなのだと語る。

一方ハリーは大手の弁護士事務所で働いていた。
一体ハリーはあの辺で何をしていたのかと秘書と話し合う。

ハリーはマルコムから話を聞くと、おとり捜査官・テイトから
麻薬を買ってしまったのだという。現在大学一年生で家族の中で
初めて大学に入った事を告げ、
実刑になれば退学させられてしま
うという。ハリーはとりあえず
司法取引が出来るか担当検事の
ペイトンに聞いて見ると告げるが・・・
そんな中、ハリーの元に車でひき殺しかけたアダムがやってくる。
アダムは突然事務所を手伝うと言いだし、僕らは相性が良いの
だと語る。二週間だけ事務所が軌道に乗るまで手伝いたいのだ
と告げる中で、突然事務所にはデミエン・ウィンズローという
男性が入ってくる。

デミエンは自分は
ウィンズローセキュリティ(株)のCEOであり、
この界隈の商店の警備を担当しているという。シンシナティの
警察署は全く役に立たないとし、特に貧困街で守るものなど
居ないとの事。一月200ドル払うだけで安全が保障されるという。
しかしハリーは私たちはパスすると語る。
俺たちの警備がないと事務所は窃盗、破壊の被害が起きるし、
剽窃被害を受けると語る。しかしハリーは警備は万全だと語り、
私には知り合いに探偵も検事も警察官も居る事を告げ、中には
卑怯な手を使う物がいることを語る。何か有れば貴方や貴方の
家族もただでは済まさないと語る。しかしもしもこの先何も
起きないのであれば、あんたを
無料で弁護してあげるという。
いつ逮捕されるか分からないでしょと。

マルコムの件で法廷へ。
ハリーは実刑無しを求めるが、検事のペイトンは
三度目の薬物
使用なので最低刑期は一年であり罪は償うべき
だと語る。
実刑になれば退学になる事を告げるが、取引は無理だと言われる。
しかしハリーは裁判は弁護士のどちらが陪審員に好かれるのか
どうかで判決が決まる事が多いと指摘する。

ハリーは事務所に戻るとジェナが客・デラを相手に売れ残りの
靴を販売していた。この事務所を暫く、
ハリーズロー&ファイン
シューズ店
としてやっていこうという。ハリーはすぐに靴を
処分する様告げるが・・・
そんな中、デミエンが人を撃ったとする連絡が入る。
中国人のファン・ラウがやっているクリーニング店で彼が発砲
したのだと聞くと、ハリーはこの件はアダムに任せると語る。

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Dlifeで2013年2月から放送するという事で一話だけ新年に
先行放送していたこのドラマ。
実はWOWOWで放送されたものをDVDにして持っているので、
Dlifeで見なくても良いんだけど、DVD化しておくと見ないんだ
よね。ということでDlifeの放送と一緒に見ていこうかなと
思っている次第です。

このドラマの設定、どこか私はラブ・リーガルに似ている。
見た目が冴えないジェーンとハリー、おしゃれ番長のステイシー
とジェナ。
一話で事故での奇跡を体験して、弁護士としての方向転換をして
いくという設定もまた職業を変えるという程ではないにせよ、
ラブリーガルっぽさが有るなぁと。

ただハリーたちが居るシンシナティが思いの外治安が悪いので
ロケーション設定としてはちょっと怖い気がする。
今回もいきなり所場代寄こせ的ギャング風の男・デミエンが
やってくるけど、こんな事が日常的に有りそうで怖い。
デミエンは全然悪い人ではなかったけどね。その分依頼人も多い
のかな。

さて一話では二つの事件を扱った。

ハリーが扱った事件は麻薬のおとり捜査に引っかかった大学生
のマルコムの案件。
特許弁護士が民事・刑事裁判でも力を発揮できるのかは興味深い
点かも。医療界に於ける研究医が突然診察医・外科・内科に
鞍替えするみたいに容易に転向できる物なのかという疑問は
有るにせよ、優秀な弁護士という事は、それだけどんな事にも
器用にこなしてしまうんだろうね。
ただ特許弁護は機械的な一面が有って無機質っぽい一面が有り
そうだけど、刑事弁護となると人間の人生が関わってくるので
また違った一面があぶり出されそう。ハリー自身も特許弁護の
そんな無機質性に嫌気がさしている感じだしね。

ハリーは色々と工作しようとするも裁判官にすぐに見破られて
しまう。もう打つ手はないのか?と思われたけど、上手い形で
正義の本質とは人間愛だと主張した事で、面白い形でに説得力
が出たような気がする。

この界隈では麻薬が横行している現実があり、ハリーが法廷で
投げかけたのは暴論にも近い麻薬の合法化による主張。
元々これを唱えたのは共和党の保守派だとしたけど、麻薬による
ギャングの資金源を絶つための奇抜だけど興味深い主張では
有るなと思わせる。
多くの逮捕者を作ることだけが法律のすべき事ではない事が
上手く伝わってきたし、法律を作るのは所詮人間なので、
麻薬を求める人の多い現実を見ると上手く付き合う方法論を
模索していくしかないんだろうね。

余談だけど韓国でも似たような議論が有った。
日本とアメリカのアダルトビデオ会社が韓国人数万人を相手に
訴えを起こしたのだが、あまりに膨大すぎる人数故に結局
法を犯しているにもかかわらず訴えを棄却する事件が有った。
犯罪もみんなでやれば怖くないという典型的事案では有るけど、
それだけ多くの人が犯している犯罪に対して、法をどう適用
していくのかは課題なのかも知れないね。

一方アダムが担当したのはデミエンだった。
所場代払え的ギャングの男かと思ったけど、非合法では有る
けどホントに命がけで契約している店を守っているという辺り、
ここでもまた法律とは何かを考えさせる作りになっている。
傍聴席にいる人がみんな証人であり味方であり、アダムが
罪状認否の手続きの場であるにもかかわらず、いきなり暴走
したかのようにして、貧乏を楯に一気に解決を図ろうとする
辺り、型破りな人物だなという感じだった。
デミエンとの繋がりが出来たようだし、今後とも目が離せないね。

地域に密着した町ベンになってくのかな。


■使用された曲

・Ray Charlesの"Hit the Road Jack"

■検索用キーワード

・ラッシュ・リンボー 政治家
・法は正義ではない
・被告本人に証言させる Law & Orderでもやらない リスク
・若者が捜査の道具にされている
・捜査のターゲットは非暴力的な使用者ではなくディーラーだ
・教訓は物語のおしまいに得られる
・メリッサ・ゴーブ マルティナ・サンチェス ライリー・エイブラムズ
・有罪判決 第二級犯罪 州刑務所2年の懲役

ハリエット・“ハリー”・コーン (Kathy Bates) (特許法弁護士)
アダム・ブランチ (Nathan Corddry) (若手弁護士)
ジェナ・バックストローム (Brittany Snow) (ハリーのアシ、靴屋)
マルコム・デーヴィーズ (Aml Ameen) 大学生・麻薬中毒

キャシー・レイノルズ / カレン・オリーヴァ (新人弁護士・元検事)
トミー・ジェファーソン / クリストファー・マクドナルド (ハリーと共同)
オリバー・リチャード / マーク・ヴァレー (ハリーを認める弁護士)
ジョシュ・ペイトン (Paul McCrane) (検事から弁護士へ)
チュンホア・ラオ / アイリーン・ケン (アダムの元恋人)

ロナルド・ウィンストン (John Beasley) マルコム事件判事
ヴァージニア・イーデン (Christine Dunford) デミエン事件判事
ティファニー (Sarayu Rao)
デミアン・ウィンスロー (Johnny Ray Gill) ウィンズローセキュリティ
デーナ・スティーブンス (Wendy Braun) 検事
ロバード (Ivar Brogger) 法律事務所
マックス・リチャーズ (Sunkrish Bala)

--- (Edwin H. Bravo) Man
--- (Jeremy Fultz) Wounded Man
デラ (Janie Haddad Tompkins) 靴の客
バイロン・テイト (Asante Jones) 麻薬のおとり捜査官
--- (Ameenah Kaplan) Forewoman
ファン・ラウ (Kaidy Kuna) クリーニング店・中国系
ミッチェル (Brian Oblak) 捜査官
エバンス (Neil Schwary)
キャシー・デイビス (Del Hunter-White)
--- (Elizabeth Bradshaw) Shoe Store Customer
--- (Zack Kennedy) Defendant


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