続ハリーズ・ロー 裏通り法律事務所
Harry's Law (アメリカNBC 2011年〜) シーズン2

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Nov. 9, 2011
第7話 自由の国 American Girl

脚本/David E. Kelley、Lawrence Broch
監督/Ron Underwood
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ハリーは休暇をもらいハンティングに出かける
事務所はキャシー、アダム、トミーたちに任せるとして、
ハリーは猟銃を用意し、ドイツ製SUVのレンタルカーを借りて
出発しようとすると、そこにチュンホアたちが事務所に入って
くる。ハリーはアダムに任せて休暇へ。

チュンホアはアダムに対して、彼女たちは北京から来たチェン
夫妻で夫のジャンと妻のイエンだと紹介し、力を貸して欲しい
と頼む。話を聞くと二人の娘・ミンを盗まれたのだという。
ミンは二人目の子どもで、一人っ子政策のある中国なので
二人目を産むと地元の役所が勝手につれていき施設に入れてしま
うものだという。するとその施設から海外に養子に出されてり
売られたりするものだという。ミンは2歳の時に施設から海外へ
と養子に出され、4年間かけてオハイオ州の夫妻に引き取られて
いる事を突き止めたとの事だった。取り戻す手助けをして欲しい
と語る。

ハリーは大好きな音楽を大音量で流し、自らも口ずさみながら
車を運転する。すると突然後ろからパトカーがやってきて、
止められる。コールドウェル巡査は、免許と登録証の提示を
求めると、ハリーは速度は守っていた事を告げる。
しかしハリーはラングフォード町条例に違反している事を
指摘される。その条例とは一体何なのかと尋ねると、「アメリカ
製品購買条例」であり、外国製の車を走らせたり購入するのは
この町では禁止なのだという。車を押収するというとハリーは
自分は弁護士であり、白人でリッチで共和党支持者だとして、
あんたなんか簡単につぶせると語る。
オリーとトミーはハリーが留置所に入れられている事を知って
現場へと向かおうとする。オリーが行くと告げ、ハリーは警察を
銃で撃つと脅したらしい事を告げる。

アダムとキャシーはチェン夫妻にこれからミンを取り戻すに
際して留意点を語る。ミンは既にこの町で4年間も過ごしている
こと。子どもにとって一番の利益が何かを法廷では尊重される
事を告げる。相手の夫婦は合法的に養子をとったと思っている
筈であり、法廷でも必ずしも勝てる訳ではない事を語る。
ヴィニーはアダムたちの元にミンの母親がフェイスブックをして
子どもの写真を掲載している事を語る。3万ドルを支払い合法的に
養子として受け取っていると調査内容は話す。写真を見たチェン
夫妻は確かにうちの子だと語る。

ハリーに対してオリーは千ドル支払ってこの町から出た方が良い
事を語るが、罰金など決して払わないという。
すると町の代理人だとする23歳のコナー・バートナムがやって
くる。叔父のフランクリン・チェコリーが町長をしている関係で
自分が弁護することになったが、裁判は初めてなので出来れば
訴えずに罰金を払って欲しいことを訴える。しかしハリーはそんな
馬鹿な条例に払う義理もないし、そんな条例を定めた町長も
馬鹿なのではないかと語る。

アダムとキャシーはトーマス家を尋ねる。
妻・ジェニファー夫・コリンという黒人夫婦で、長女のダーリー
ンと、次女のリーの4人家族だった。リーが養子としてやってきた
ミンである事を知る。姉妹でケンカしている中、トーマス夫婦
は何のために来たのかと問うと、生みの親が子どもを取り戻す
為に中国からアメリカに来ている事を語る。明日地方裁判所で
訴えを起こすことになると告げる。

ハリーの元に町長のフランクリンがやってくる。
町長はハリーが威勢が良く強い女性である事を知って、この町
の女性たちも昔から強くて夫と共に銃を持ち先住民と戦ったの
だという。現在不景気の中にいる事を告げ、我々は外国の雇用
ではなく町の人の仕事を増やすためにも条例を定めていることを
語る。
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    ●産みの親 vs 育ての親

罪状・親権
担当・アダム、ジェシカ

中国の行う一人っ子政策に関して、二人目の子を産んだ
チェン夫妻は強引に北京の行政によって子供を施設送りに
させられ、それを探した上で親権を取り戻す為に裁判を
行う。

もの凄く複雑なシチュエーションを用意した感じ。
まず養子のやりとりに於いて受け取った側は合法、そして
奪われた側は、二人目の子はある意味奪われるということが
分かっていること。もちろん中国の場合、二人目も産んで
育てる事は出来る。その為には高い保証金が必要で、または
家系に少数民族の血が流れている場合に限り、一人っ子
政策には該当しないという事情が存在する。

二つ目は引き取られたのがアメリカ人であり、更には黒人の
家庭であること。アメリカの中でも民族が入り乱れている
地域であるならば容易に中国人を含めて他文化を容易に
受け入れる可能性はあるが、教会での彼女の姿を見ると
受け入れられてはいるがアジア系の子は一人だった。

そして今回そんな裁判の舵取りをする裁判長が黒人であること。
その判事もまた白人の家庭で育てられたとする特殊な事情
が有り、アイデンティティの問題も含め、どうすることが
子供のためになるのか分からず、判決に対して、誰かが
必ず傷つくという状況になっていることだ。

ハリーの流れでは負け戦だと思われていたものが突然勝ち戦
に変更されたのだが、この件ではアダムが語る最終弁論に於いて、
もしもアメリカ人の産みの親が海外に子供を不本意な形で養子と
してもらわれてしまった場合、どのような行動を取るのか
と指摘した際には相当有利に物事を展開いるかに思えた。
ハーグの国際養子縁組条約に加盟している国なので扱いとして
は対等なものがあるのだろうけど、中国人の産みの親は、
二人目の子を受け取っても中国で暮らしていけるんですかね。

最後は判事の裁量で決まってしまった。
男女の専門医がそれぞれ対象的な主張をしていた事も有って
どちらに動くのか分からなかったけど、判事自身が養子の
経験者という事も有って色んな意味で経験を踏まえた判決を
出せたというところだろうね。

●ハリー vs ラングフォード

罪状・町の条例違反
担当・オリー

ハリーが元企業法・特許法の弁護士だという事を考えれば
こういう案件はハリーにとっては大得意なネタだったのかも。
ただ町の弁護士や町長の主張も上手く現状を示唆していたり
過去の偉人たちの言葉や功績を引用したりとして、上手い事
ハリーに食い下がった感じがする。田舎の人の主張とばかりでは
一概に扱えないくらい、相手もしっかりとした主張が有った。

両者が主張している視点が違い、ハリーはアメリカとしての立場を
訴えるも、町の人たちはそこまで大局的観点で物事を語って
いない。目の前にある現実というものを指摘して、必死に
食い下がる姿が有った。

ただ町の人たちもハリーに指摘されポリシーに矛盾がある
事は理解していた。ある種の分野だけ保護的であり、
それ以外は寛容だというところに落ち度は有る。
ハリーが最後に人種的に差別を幼少期に経験しており、
その不条理さから拘りたい理由として描かれていたけど、
アメリカ人がアメリカだけを賞賛するということをして
いくときりがないよね。そもそもアメリカ人自体が大部分移民で
構成されている。町長は原住民との話を引き合いに出していたので
その辺の意図も加味されているのだろうけど。

しかしアメリカ車以外町を通り抜けることも許されないとしたら
相当問題になる気がするんだけどね。
住民に対する条例ならばともかく外から来た休暇を楽しむ人が
町を通り過ぎる際に外国車で乗り込んだだけで閉め出しを
喰らうとしたら、アメリカからは独立したところで動いている
気がするしね。


■その他



■使用された曲

・Tom Petty & The HeartbreakersのAmerican Girl

■検索用キーワード




ハリエット・“ハリー”・コーン (Kathy Bates) 特許法弁護士
アダム・ブランチ (Nathan Corddry) 若手弁護士
キャシー・レイノルズ (Karen Olivo) 新人弁護士・元検事
トミー・ジェファーソン (Christopher McDonald) ハリーと共同
オリバー・リチャード (Mark Valley) ハリーを認める弁護士
ジョシュ・ペイトン (Paul McCrane) 検事から弁護士へ
チュンホア・ラオ (Irene Keng) アダムの元恋人
ファン・ラオ (Kaidy Kuna) クリーニング店
リサ・スワーツ (Dana Sorman) トミーのアシスタント
ヴィニー・デルガド (Frank Renzulli) 探偵

パトリシア・シーブルック (Marianne Jean-Baptiste) 判事
ニール (Justina Machado) トーマス側の代理人
コナー・バートラム (Jordan Wall) 町長の代理人
コリン・トーマス (Sterling K. Brown) 母親
ジェニファー・トーマス (Ryan Michelle Bathe) 父親
スヌート (Richard McGonagle) 判事、ラングフォードの件の裁判
ジャン・チェン (Alexandre Chen) 父
イエン・チェン (Emily Liu) 母
エミット・ジョーンズ (Rob Nagle) 医師、幼児の専門家
ペイジ (Lisa Thornhill) Specialist、幼児の専門家
デュアン・コールドウェル (Shane Blades) ラングフォードの捜査官
フランクリン・チッコリー (George Wendt) ラングフォードの町長
ミン・チェン / リー・トーマス (Kassi King) 子ども
--- (Dingani Beza) Loft Assistant
ダーリーン・トーマス () 長女

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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