続ハリーズ・ロー 裏通り法律事務所 Harry's Law (アメリカNBC 2011年〜) シーズン2 http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/060574/ 7 Jan. 2013 第12話 命の切り札 New Kidney on the Block 脚本／David E. Kelley、Susan Dickes 監督／Mike Listo -------------------------------------------------------- ハリーはトミーらと共にポーカー賭博をしていた。 そこには見慣れない若者・ジミーの姿もあり、ハリーたちに 対して挑発する。ジミーは挑発するが度胸が据わっているのか 次々と掛け金を引き上げると、ハリー以外の人たちを黙らせて しまう。最後に残ったハリーはオールインするとジミーもまた オールインする。ハリーが提示した手は9が4枚のフォーカード だったことで、アイスホッケーの伝説"ウェイン・グレツキー" の名前を出すが、ジミーは突然自分の手はOESFDだと語る。 オープンエンドからのストレートフラッシュドロー・・・ つまりジミーが勝利し、ハリーから大金をせしめたのである。 トミーの元にある依頼が舞い込んでくる。 トミーはその件を3P殺人だと語るとオリーに協力しないか?と 問う。3人の内の一人が亡くなり、二人が殺人罪として起訴 された案件で、判事はその容疑者の二人に別々の弁護士を 告げるよう勧めたのだという。これは明らかに美味しい事件で あり、被告人は双子なのだという。オリーに対してタッグを組 んで裁判を戦おうと語る。 ハリーのオフィスに昨晩のポーカー賭博の若者・ジミーがやって くる。俺が勝利した金を返しに来たというジミーは、老人から 搾取するのは悪いだの、その金で外反母趾を治せだり、年寄り バアちゃんと言いたい放題だった。ハリーは胸くそが悪いとして 今すぐにオフィスから出るよう告げるが、突然ジミーは俺は 死ぬのだと告げ、現在急性腎不全で余命6ヶ月の状態だという。 移植用の腎臓はもうあるのだが、手術してくれる病院がないの だという。ポーカーで勝利した金7万ドルを使って、腎臓を売って くれる人を見つけたのだという。ハリーは臓器売買は違法だと するが、それはジミーも理解しており、なんとかハリーと接近 する為に悪態をついてポーカーに忍び込んだ事を告げ、ハリーに 法律を変えて欲しいと頼む。それも6ヶ月以内であること。 トミーとオリーは被告人であるレイラとニコールと逢う。 事件はレイラと結婚していたウェイドが経営するオフィスで 殺害されたものだが、レイラとニコールは双子であり常に二人 でいることが多く、ウェイドも含めて3人で絆を祝う儀式を行い 歪な関係だが、三人で一夫多妻の形で生活していたのだという。 ただベッドで3人で寝るということはしていなかった事を告げ、 私たちもそれ程異常ではないという。双子で育った環境故に 好みが似ていて同じ男を愛したのだという。 しかし問題はウェイドが資産家で60歳代の男性という事だった。 世間的に見れば誰が見ても金目的の結婚である。陪審員たちは 蔑むべき関係と判断する可能性が高く、検察側はあのレミック が相手だという。 レイラも私もあの夜は外出していないと告げ私たちはウェイド を殺していないと語るニコール。 ハリーはアダムとキャシーを呼び、今回のジミーの一件を相談 する。どうやって法を変えれば良いのか。アダムは絶対に臓器 売買の法を変えるのは無理だと語る。キャシーは修正第14条の 救命治療を受ける権利をなんとか使えないかと提案する。 ハリーはそんな会話をしている中でもジミーがあまりにふざけた 態度を取っていることが気になっていた。本人がふざけている のではやる気も起こらないし検事は認めないことを語る。 ジミーは取りあえずドナーのフィリップスを連れてくるという。 ウェイド殺害事件で裁判が始まる。 冒頭陳述が行われる中、レミックの主張に対して、トミーは 検察側は殺害したとする証拠を何一つ提示していないと語り、 レミックが主張していることは全て、双子が堕落した姉妹で あることを印象づけていると非難する。被告人はウェイドを 愛していたことに間違いはなく、オフィスで撃たれて死んだ ことだけで、犯人だと示す証拠はないと語る。 -------------------------------------------------------- ●臓器売買の合法化 罪状・腎臓の売買 担当・ハリーとアダムとキャシー 金を持つ若者は7万ドルで腎臓を売ってくれるという人物と 出会う。移植ドナーのフィリップも子持ちで仕事が無く 無用な臓器の一つだとして一つ無くなっても問題は無く 寧ろ金がない方が現在に於いては逼迫した状況であると考えて 居る人物だった。 余命6ヶ月のジミーは互いに求めるものがそこには有り 商談として成立しているものの、それを移植する医師は 断固として拒否しており、当然それを行えば医師免許は法律 的に剥奪されるところに繋がっている。 臓器売買は既にブラックマーケットでは行われていること。 闇医者、そして暴力や金によって一つの市場は生まれている が明らかに不健全な市場である。 合法化することでそれらを駆逐して救える患者を増やそう とする意気込みは伝わってくる。 人間の臓器以外には売買されているし、赤ちゃんでさえ アメリカでは売買の対象になっている。イラクに派兵され 命を落とした兵士は貧民であり、医療保険に入れなかったり 飢える人たちもまた全て貧民が被害を受ける世の中である。 その最も弱者であるのが余命を宣告されたジミーではある が、皮肉な事に弱者でもあり購入することで勝者的立場の 人間へと転換してしまうところがある。 ハリーが語る以前に移植医療に携わるものがかなりの部分、 移植臓器売買の必要性を唱えていたので、これだけでかなり の説得力はあった。 判事とハリーのやりとりに於いても実直なやりとりが 行われたと思う。判事はハリーたちにこの件で裁く私の身に なってくださいと語ったように相当難しい立場だっただろう。 判事は最後にハリーに問いかけた。 困っている人から臓器を買うことは道徳に反していないこと かどうか。 ハリーは道徳には2種類有って、 1) 功利主義的道徳 2) 人道的道徳 を解いていた。 救える命があるのに少ないとするのは、未必の故意にも 抵触しそうな案件だけども、判事が語る様に、臓器売買の合 法化が貧民に利益にならないとはいえないが、寧ろ利益を より得るのは富裕層の人。いずれ金の有無で生死が決まる日 が来るかも知れないが、それは今日ではないと一蹴した。 また厳密に言えばいまでも既に命の選択は金の有る無しで 決まることの方が多いんだけどね。判事が合法化したときの 懸念すべき事項を全て述べる辺りもまた全てに於いて納得 するものがあった。アメリカは自由だとしても認められない ものの境目っていうのはあるのだろう。 ただジミーが助かる手は幾らでもある。 本人たちがやりとりの中で語っている様に、この世には ブラックマーケットが存在しているのである。闇医者だって 居る訳だから、それを探すというのも一つの手になっている 感じだね。 ●一夫多妻、双子の資産家の夫殺害事件 罪状・第一級殺人事件 担当・トミーとオリー この事件はホント司法の限界を感じるところだったな。 レイラを除いた全ての人が互いのエゴが全面に出すぎて、弁護士 や検事の嫌な一面ばかりを見せられた気がする。そもそも今回の 事件を起訴できたというのも凄かったと思うけど、あの写真が 有ったのは流石に決定打だったかな。 オリーは検察側の異様な感じは掴んでいたのに、それを見誤った こと。トミーは最悪の賭けに出てしまった。 双子のニコールはホントにビッチな女性だ。 姉妹なので似ているみたいな主張も空しいものがあった。 レミックはニコールが殺人犯である事を知りつつ、レイラ にも敢えて罪をなすりつけようとしているのであれば 相当劣悪なものを感じるし、弁護士・検事としてではなく 人間として相当間違えている。推定無罪を利用した トミーとオリーの小ずるさも目立っていたし、どうみても "合法的疑いは無罪"だとするには難しい状況だった。 ■その他 ・ ■使用された曲 ・ ■検索用キーワード ・ ハリエット・“ハリー”・コーン (Kathy Bates) 特許法弁護士 アダム・ブランチ (Nathan Corddry) 若手弁護士 キャシー・レイノルズ (Karen Olivo) 新人弁護士・元検事 トミー・ジェファーソン (Christopher McDonald) ハリーと共同 オリバー・リチャード (Mark Valley) ハリーを認める弁護士 ジョシュ・ペイトン (Paul McCrane) 検事から弁護士へ チュンホア・ラオ (Irene Keng) アダムの元恋人 ファン・ラオ (Kaidy Kuna) クリーニング店 リサ・スワーツ (Dana Sorman) トミーのアシスタント ヴィニー・デルガド (Frank Renzulli) 探偵 ロザンナ・レミック (Jean Smart) 地方検事補 パトリック・シーブロック (Marianne Jean-Baptiste) 判事 レイモンド・ギロット (Dan Lauria) 判事 レイラ・ウェイランド / ニコール・ウェイランド (Jessie O'Donohue) Mr.ケネディ (Steven Culp) オハイオ州検事 ジミー・コーマック (Finn Wittrock) 臓器を求めるギャンブラー ランドリー (John Rubinstein) 判事 --- (Dana Sorman) クリストファー・フィリップス (Christopher Darga) 臓器ドナー --- (Kent Faulcon) Police Detective Ms.ベッツ (Mary Wickliffe) 隣人 --- (David A. Kimball) Doctor --- (Ayumi Iizuka) Jury Forewoman --- (Tiffany Connor) Lawyer --- (Dingani Beza) Loft Assistant 評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)