ハンテッド Hunted
(イギリス・BBC)

サム役のメリッサ・ジョージ代表作





Nov. 22, 2012
第8話 雪娘 Snow Maiden

監督/Daniel Percival 脚本/Frank Spotnitz
--------------------------------------------------------
昔々夫を亡くした兵士の妻がいた。妻は雪で娘の像を作ると
ため息混じりに本物の娘ならば良かったのに・・・と呟く。
すると氷の女王は人間にすると約束する。ただしその娘は
氷の心臓を持つことになるという。森の外に出るとツララは
溶けて娘は死ぬことになると。長い間妻子として仲良く森の中
で暮らすが、母親が亡くなると傷心のまま森をさまよい歩く。
いると村の少年が迷子になって森の中で涙していた。娘は
森の入り口まで子どもを連れて行く。これ以上森の外に出れば
溶けてしまうことは分かっていた。しかし少年の顔を見た彼女
は両親の元まで届けようと決意する。家まで届けると娘の心臓
は溶けて亡くなってしまう。・・・「雪娘」より

サムはランニングの為に外に出るが、少しずつ過去の記憶の断片が
繋がっていくのを感じる。ジャックが酒の中に入れた薬のせい
なのか。しかし体調が悪くなりその場で嘔吐してしまう。
サムはその足でエイダンに逢うと、彼から任務の変更を言い渡さ
れる。エディの誕生日パーティーの後、車には決して乗るな
と告げ、ジャックの車に爆弾を仕掛けて殺害することを語る。
ジャックに同情するか?と問いエディと別れたくないのではない
かとするが、それを否定。カバンは実行後すぐに回収するよう
告げる。カメラが3台も設置してあったのに見つけられなかった
なんて何をしていたのかと問うが、エイダンは今日で任務は
終わると語る。それよりも昔のことを早く思い出すよう告げる。
サムは妊娠して自分が母親になると分かった時に、封印してきた
ものがよみがえることに違和感が有った事を告げ、思い出せば
傷つくことになると語る。しかしエイダンは過去の事を思い出せば
前に進める事を告げ、怯える必要もなくなるのだと語る。

ゾーイはアンドリューとベッドにいた。
アンドリューはゾーイが何か悩みを抱えていることを知っていた
が、彼女はそれを誤魔化すようにしてアンドリューとの体の関係
を求める。しかしアンドリューはちゃっと話合おうと告げ、
君はセックスで誤魔化そうとしていると語る。ゾーイは大きな
仕事を控えているからだとすると、昨日来た君の友達(オーラ)
と関係が有るのかと問う。俺は足は動かないが目は見えるのだ
とし、悩んでいることくらいは分かると語る。しかし仕事の話
が出来ないのだから聞かないで欲しいと語る。

サムのことを監視するターナー家の向かいの女性の姿が有った。
エイダンとジャックは、今後サムに関しては、本人に分からせ
ない程度に薬を飲ませて判断を鈍くするのだと語る。
スームロとの契約が済むまでの事だと語る。

サムはスティーブンと顔を合わす。
サムはスティーブンが昨夜一緒に家を出ようと言ったのに
それを実行しなかったことと、更には今朝から一切目を合わせよう
としない事に違和感を唱える。父親と何か有ったのか?と問うが、
スティーブンは適当に誤魔化す。

ターナー家はエディの誕生日会の為に友達を招いて港の近くに
あるゴーカートのレース場にいく。エディはゴーカートで
楽しむ中、それを見守るサムたち。外では「ビザンチウム」
実行犯たちが待機していた。隙を見てジャックの車に爆弾を仕掛け
彼を殺害しようとしていたのである。
一方のサムはビンガムから次々と薬入りの飲料を飲まされて、
少しずつ体調が悪化していく。
ゾーイはディーコンらの指示で、ジャックの車の下に爆弾を
しかけるよう告げると隙を突いて潜り込み、下にリモート式の
爆弾を設置。

一方ジャックとスティーブンはサムに関して話合っていた。
パーティーを終えると、プレゼントを手に車に乗り込む。
ジャックはエディに対して一緒に私の車で帰ろうと告げる。
サムは必死に止めようとするがスティーブンが許可した為に
エディはジャックの車に歩み寄る。このままだとエディも
爆発に巻き込まれてしまうと考えて、サムはエディに駆け寄る
と途中で足をくじいて倒れるフリを見せる。するとエディは
真っ先にサムの元に近づいてくる。するとジャックが最も
車に近い状態に有り、急いで起爆のスイッチを押す。
すると爆発するが、ジャックは爆風で飛ばされ傷を追うが
致命傷には至らなかった。
--------------------------------------------------------
    いよいよ最終話。果たして砂時計の謎は解明するのか。

砂時計ってサムの命が薬の毒によって侵されていく状況を称して
いるのかなとも思えたけど、色んな意味で時間的演出を示唆
していたのかな。

サムが一話の段階で「ロッキー」ばりにリベンジの為の訓練シーン
に於いて潜水の練習をしていた理由がここに繋がったという感じだ
けど、最初からこれを予期して行動していた筈は無いし、思いっきり
後付けだなという感じ。ジャックにバスタブに押しつけられただけ
でなく、最後も川に落ちたので、死を演出する為に潜水の練習が
実を結んだとも言えそうだけど、続編が描かれない限りは、その辺
の事情はよく分からない。

砂時計に関しては結論から言うと何にも明かされなかった。
そしてエイダンに関しても、どんな人物だったのかまるで描かれず、
サムが諜報員になる過程も描かれなかったことで、続編が有れば
その辺を意図して描いていきそうだけど、取りあえず全8話の内容
ではかなり消化不良のまま終わってしまった。

サムが少しずつドラッグを飲まされていく過程で過去の映像がフラッ
シュバックと共に蘇るという寸法は悪くなかったのだけど、それが
意味する内容がこれまで見たフラッシュバックの内容以上のことと
して描かれていない分、効果的な演出だったのかどうかは謎だ。
ただ指のない人物が犯人・黒幕だということなのだろうけどね。

ジャックがダムに拘っていた理由としては決して悪くは無かった。
このドラマに於いては誰もが愛すべき家族を失っているという
設定が多く、スティーブンは妻や友人、ジャックは息子、
サムは母親のように引きずっている過去と、果たすべき使命感とも
拘る理由とも言えるべきものが有ったので、それぞれの正義の元
で動いていたのだろうけど、その辺の価値観の違いというのが
興味深くぶつかり合ったのではないかな。もちろん中途半端な
感じもまた同時に感じるところは、続編を意図してわざと抽象的に
描いたのかも知れないけど、ちょっぴり物足りない。
キールが病気の事実を知った後にもどんな行動を起こしたのか
見えづらいし。

結局注射の男とオーラ・ファンテは、元は同じところで働いていた
というキャラクター設定だったのだろうか。
容易には殺害しないというところがイマイチ理由付けとして弱く
この辺も都合良く作られている感じ。

「水」というキーワードがドラマを繋ぐものとして存在していたのも
明らかで、それに関連してスティーブンの妻の死の真相がここに来て
裏返ったものが有ったり、ジャックがポリヒドラス社に対抗する理由
づけにも金儲けだけではないとする意図が有ったりして、どの流れ
にも水が深く関わっていた。

ただ最後の段階で警戒態勢を取るターナー家に於いて、スティーブン
が向かいの女性になにげに会いに行ってしまうという流れはちょっと
都合が良すぎたな。思わせぶりな女性だったけど、結局はただの
目撃者だったということなのか。

つい先日までDlifeで放送していたコールドケースのシーズン4
の感想を書いていたので、このドラマで使われていた本「雪娘」
と、コールドケースでリリーが母親との思い出に使われていた
「ビロードうさぎ」のエピソードがダブって見えた。


■検索用キーワード



サマンサ"サム"・ハンター (Melissa George) 諜報員
エイダン・マーシュ (Adam Rayner) サムの元彼
ゾーイ・モーガン (Morven Christie) 諜報員
ディーコン・クレイン (Adewale Akinnuoye-Agbaje) 諜報員・黒人
ハサン・モウサ (Uriel Emil Pollack) 諜報員
ルパート・キール (Stephen Dillane) 組織のボス・民間企業
イアン・フォークス (Lex Shrapnel) 諜報員・元特殊部隊・牛乳

ジャック・ターナー (Patrick Malahide) 不動産業で財を築く
スティーブン・ターナー (Stephen Campbell Moore) ジャックの次男
エドワード・ターナー (Oscar Kennedy) "エディ"、息子、母を亡くし。
ビンガム (Tom Beard) ターナー家の防犯
Mrs.シドワ (Souad Faress) ターナー家のお手伝い
キャサリン・モートン (Jane Riley) サムの母親、殺される。
若い頃のサム (Maddy Griffiths)

--- (Scott Handy) Blank-Faced Man / セキュリティ会社
デイブ・レイダー (David Sterne) 犯罪者、ジャックと精通する
タイロン (Doc Brown) ジャックお抱えの殺し屋
オーラ・ファンテ (Juliet Aubrey) セキュリティ会社・ヘクターに雇われ

シムラン・ベインズ (Manjinder Virk) 「ビザンチウム」、エイダンと精通
ナタリー・ソープ (Indira Varma) エイダンの恋人、MI6諜報員
アンドリュー・ヘイデン (James Daffern) ゾーイの彼氏、車椅子
ラヒム・スームロ (Aaron Neil) パキスタン政府大臣・悪人

--- (Eloise Smyth) Teenage Girl
--- (Sarah McCardie) Scottish Woman
--- (Simon DeSilva) Turner Security Personnel

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


inserted by FC2 system