LAW & ORDER
(LAW & ORDER) シーズン17





February 2, 2007
第17話 神の怒り Good Faith

監督/Sam Weisman 脚本/David Slack
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安モーテルでアルコール中毒のポールは妻に対してケンカは
辞めようと告げ、娘のケイティと電話で話をさせて欲しいと
頼む。ポールはあの子と話すのは最後にすると約束する。受話器
を持つ手の反対には、銃を手にしており自殺を考えていた。
しかし電話をしながら向かいの教会が激しく燃えているのを目に
する。

またしても教会が放火の被害に遭う。
エドとニーナは捜査する中、今週で5件目の教会放火事件だと
告げる。消防署員のウッズ捜査官によると、通報者は隣の安宿
に泊まっていた客だという。午後11時頃に放火の通報が有った
こと。通報のすぐ直前に放火が行われたのだろうとのこと。
しかし今回は殺人が絡んでいるとのことだった。被害者は黒こげ
で拳闘姿勢になっているとし、火災で亡くなる際には筋肉の収縮
関係でこういう形になるのだという。出火点からすると5点。
燃焼促進剤が使用されていて、匂いからするとガソリンじゃない
かと推察する。4件目と同じような事件だった。
牧師の話では10時半に教会は閉めていること。その際、教会内
には誰もいなかったという。
3件目の放火の際に防犯カメラには2人の男性の姿が写っている
こと。更に一件目の時には黒いSUVが走り去るのを目撃されており、
目撃情報からその車はフロントフェンダーが凹み、項部にはバンパー
ステッカーが貼られていたというもの。

ニーナはアニタの元にいくと聞き込みでは何の情報も得られなか
ったと報告する。放火に関して教会への共通点がないかを
調べろと指示する。

2月7日(火)・新バプテスト教会
牧師に話を聞くと、今や宗教は攻撃の的だという。クリスマスや
同姓愛、学校での祈りの禁止など。裁判所からは十戒も消えた
という。教会の焼き討ちも必然だろうという。夕べの教会のこと
を尋ねると、キリスト教学園とのバスケの試合が有ったので9時半
頃まで教会に人が集まりその後に帰宅した事。

ロジャース検視医は、焼死体の左手から部分指紋が見つかった
事を告げ、被害者は公立校に通うチャールズ・ナッシュ教師
という。頭蓋骨には鈍器で殴られたとする骨折跡が有り、気道
には煤煙のなく、血液からは一酸化炭素中毒の兆候がないこと
から火災の時には既に死亡していたようだと語る。彼は相手チーム
のバスケのコーチでウェストサイドのキリスト教学園で生物教師
をしているという。10時頃にはまだ帰り支度をしていたとのこと
だった。イーストビレッジで女性と同棲していることが分かる。

2月7日(火)・チャールズ・ナッシュのアパート
アパートにいくと同姓していた女性・クリスティンから話を聞く。
犯人と争っていたみたいだが何か事情を知らないかと尋ねる。
しかし職場で問題が有ったということを聞いた事がないとし、
彼のような人が殺害されるなんてあり得ないことだと語る。仕事
にとても熱心な人だったとのことだった。

そんな中、一件目の事件現場で目撃されていた車が発見された
との連絡が入る。
ニーナとエドは確認にいくと、ドムジャムから陸運局に照会した
エミリー・ウォード(44歳)の所有の車で、ポーキプシー
住んでいるという。しかしステッカーにはデスメタルのシールが
貼られていたことから、中年女性が運転していたとは思えなかった。
車からはガソリンの匂いがして、放火していた線が強くなる。

2月7日(火)・マクタナーの酒場
エミリーの息子・ジェイソン・ウォードトッドが酒場にいた
為に彼らから事情を聞く。車は一ヶ月前に盗まれたもので、
父親に怒られるので届けは出せなかったのだという。しかし先週
駐禁でカードで支払いをしていることが分かり、放火現場からも
タイヤ痕が一致していることから、この車が犯行に使われ、
彼らが犯人だろうと推察する。

二人を取り調べ室に連れて行くとそれぞれに話を聞く。
アニタはトッドを取り調べる中、殺人事件が起きた事を告げる
とトッドは思わず"あの家火"は俺たちの仕業ではないという。
それを聞いてそれならば残り4つの火災はあなたたちの仕業なのか
と問う。一件目は誰が行ったのかと問うと、ジェイソンだと
告げる。共犯なのかとするとそれを認める。ジェイソンによると
薬で酔っていてノリで放火してしまったら、予想以上に爽快だった
事を告げ、その後も4件の放火に関与したが、5件目は違うと否定
する。

被害者が勤務していた校長から話を聞くと、人徳のある良い教師
だったという。ここは無宗教のキリスト教学園でありどんな生徒
でも受け入れているのだという。大したもめ事が起きたことは
ないとのこと。ジェイソン・リースとはどんな人物なのかと尋ねる
と2年生のメアリー・リースの父だと語る。彼は事件前にナッシュ
に対して4件の電話をしている事を告げる。

リースに逢うと、娘の赤点についてナッシュと話をしていたのだと
いう。彼の赤点のせいで奨学金が不意になりそうだったので話合い
をしただけだという。特別な単位を取れば赤点を免れると言われた
のだと語る。彼の私生活のことを調べた方が良いと告げ、噂
では酒や女関係に問題が有ったのだと語る。

2月8日(水)・ストリップクラブ・Bare Hugs
2月8日(水)・ジェイコブ・リースのアパート
2月13日(月)・ライカーズ島の拘置所
2月17日(金)・高位裁判所・申し立て審理
3月2日(木)・高位裁判所・適格尋問

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教会への放火事件が5件続く中、これまでの4件では建物が焼けた
だけだったが、5件目に於いては建物内に男性の遺体が発見され
たことで事件の意味合いは放火だけでなく殺人も加わってくる。
部分指紋から被害者は公立高校の生物学教師のチャールズ・ナッ
シュで、鈍器損傷されていたことから、殺された後に教会に火が
つけられたことが分かる。

キリスト教の信仰者の少ない日本にしては、なかなか進化論に
対する論争は分かりづらいものがある。

創世記を教典にする宗教に於いては、進化論ではなく創世記
に書かれている様に、「創造主なる神」によって天地万物の全てが
創造されたという主張が有り、進化論が間違いであるとして、
その教えを拒む傾向にあるようだ。

私が宗教の違いを初めて感じたのは、小学の時の修学旅行に於いて
京都や奈良に行った際に、座禅をしない生徒たちがいたことを
目にした時くらいかな。

幼少期はキリスト教系の幼稚園に通っていたので日曜学校にも
行っていたけど、正直当時はそれが何なのかよく分からずに通って
いた。結局小学に上がって以降は教会はほど遠いものになっている
し。

ただ現代の日本に於いては、外国人が日本で暮らすことも多くなって
きており、その価値感の違いが論争に発展するという事は新たな
問題として浮上していく可能性はあるなと思う。

アメリカに於いて教会の存在自体が軽視されている現状が有る
のが意外と驚かされる。
牧師が語っていたように、宗教が世間から排除されつつあると
言っていたけど、この世の中に於いては寧ろ何かを信奉とすること
で精神の均衡を図る人というのは多いと思う。ただ同じキリスト教
と言っても今の世の中、現代に合うように教典を解釈したりして
分化は進んでいるのかも知れないけどね。
アメリカのドラマの中では、ムスリムが放火されたら、それこそ
大問題とされることが描かれる一方で、自分の宗教を否定され
ることへの爆発的憤り感というのは計り知れないものがあるのか
らね。

ただ凄いのは、別の価値感を押しつけられたからと言っても
人を殺害したり、更には信仰している教会を燃やすことへの
抵抗感はなかったのかという点かも。

事件番号は61509、第二級殺人、第三級放火事件が問われたもの。

裁判自体がともかくその争点が異常な感じだった。
マッコイが判事に対して本気なのか!?と驚いていたけど、まさに
ここで論じるべきものなのかという感じにも思える。世論では
「検事が神に挑戦」だとして、寧ろ被告を擁護しているのではない
かとする感じにも思えたし、修正第1条に於いては「裁判所が信教の
正当性を決めることは禁じる」との事を引き合いに出しては、裁判
を強引に進めた気がするね。

正当化抗弁という言葉もこのシーズンに入って二度目だったか。
第三者を助けようとして起きたものなのでこれは殺人ではない
とする無茶な論理。精神的虐待とでも言いたいのだろうか。
それならば自分の行動が娘にとってはそれに該当しないのかどうか。

「全能の神の存在を信じている。ロトの妻は神により塩の村に変えら
れた。」
「御子を信じるものは永遠の命を持つ。だが御子に従わぬ者は
命にあずかることはなく神の怒りが留まる」(ヨハネの福音書)

私は背教者だが火あぶりにならない理由を教えてくれというマッコイ
は被告の論理の非一貫性を唱え、統合失調症や呪術指向を唱え、
世の中にいる何百万の無神論者に対して何故罰が与えられない
みたいな皮肉を語っていた。

妻が亡くなったことで、聖書にのめり込んだとされる男性によって
引き起こされた事件で、生物学の教師の意固地な態度というのも
また凄いことだなと思う。娼婦が出てきたり、麻薬の問題など
色々と皮肉が盛り込まれていたけど、結果としては、進化論に対する
論争はダミーであり、娘が教師と寝ていることへの親心から来た
犯行だったとも言える。

「虐げられた死者に正義を」イザヤ書だと、マッコイ談。


エド・グリーン (Jesse L. Martin) NY市警
ニーナ・キャサディ (Milena Govich) 27分署に着任
アニータ・ヴァン・ビューレン (S. Epatha Merkerson) NY市警・警部補
ジャック・マッコイ (Sam Waterston) 地方検事補
コニー・ルビローサ (Alana De La Garza) 地方検事補
アーサー・ブランチ (Fred Dalton Thompson) 地方検事
--- (Steven Zirnkilton) Narrator (voice) (archive footage)
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視医

ジェイコブ・リース (Jeffrey Donovan) 父親、妻を白血病で失う
メアリー・リース (Sarah Ramos) ジェイコブの娘、クラミジア
ローラ・グローバー (Denise Dowse) 判事
ウッズ (Jeffrey Joseph) Fire Marshal
ローン (Howard W. Overshown) 弁護士
ダニエル・メルニック (Tovah Feldshuh) ジェイコブの弁護士、
ロン・ヒル (Dion Graham) 校長
ルーク・ソーントン (Eric Morris) 進路指導員、メアリーと寝る
アルバート・ブライス (James Lorenzo) 判事
クリスティン・サウンダース (Flora Diaz) ナッシュの彼女
クラウディア・マーフィー (Anastasia Barzee) "真の教育を考える会"
アリソン・デイル (La Tanya Hall) ストリップクラブ
ピーター・シーア (John Scherer) 牧師
ポール (Kevin Draine) 娘・ケイティと話したいと電話
ジェイソン・ウォード (Adam Huskey) エミリーの息子、放火犯
トッド・バートン (Dan Amboyer) ジェイソンの友達
シャーレット (John Pieza) Asst. M.E.
--- (Brett Friedmann) Uniform
--- (Liam Joynt) Arraignment Clerk
--- (Jonah Triebwasser) Defense Attorney


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