LAW&ORDER:クリミナル・インテント
Law & Order: Criminal Intent シーズン3





January 4, 2004
第12話 欲望の渦 Unrequited

脚本/Rene Balcer、Stephanie Sengupta
監督/Jean de Segonzac
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ロミオとジュリエットの演劇の練習をする。
ロミオ役の男性はジュリエット役の女優が祖母ほどの年齢の
人だった為にキスシーンは出来ないと拒む。演技スタジオの
ローレンスはそれでも演技しろと要求するが、それでもいざ
そのシーンになると思わずためらう男優。しかし女優のマリ
オン
は自ら強引にキスしていく。

そんな中、刑事たちはジェームズ・アルバート・ホイットニー
(1922〜2003年)の棺桶を調べる。
検視官のロジャースは毒物の検査が必要である事を告げる。

マリオンは女優として"男を食い物にする女性顔"での撮影をする
中、イベントプロデューサーのハービーは、マリオンが主催
するチャリティイベントの招待客リストを手渡す。マリオンに
対してなんとか司会進行役にマーティ・チャップマンを抑える
ことが出来たと告げると、マリオンは招待者リストに目を
通す。すると有名人ばかりが並んでいることに驚き、ハービー
の手腕を褒める。

"ニューヨーク基金寄付の集い"のチャリティパーティーが
開かれる。ハービーは司会者にマーティを呼ぶのに3万5千ドル
かかっていることに対して、彼のマネージメント会社のスタン
はハービーを呼んで小切手を要求していく。
司会者のマーティから基金を設立したマリオンの紹介がある
とマリオンは手を振ってみんなに答える。
そんな中マリオンの元に執事をしているダニエルがやってくる
と警察が来ている事を告げる。ご主人の件で、殺人の疑いが
あるそうだということだった。

ゴーレンとエイムズはマリオンに遭う。
夫の死因は肺気腫だとするが、司法解剖の結果毒物が検出され
た事を語るエイムズ。何の権限で解剖したのかと問うと、
無記名の告発状が届いたのだという。マリオンは今夜は素敵な
夜なのだから明日にして欲しいという。ゴーレンはご主人が
亡くなった日に来ていた人物を訪ねると、使用人と看護師と
見舞客たちだという。普段は血圧降下剤を飲み、酸素吸入を
していたとのことだった。タンクから鼻にチューブを入れて
いたという。マリオンはチャリティパーティーに戻ろうとする
と何の毒で殺されたのか気にならないのかと問う。普通は
尋ねるものだとし、エイムズは有機リン酸化合物で殺害された
と語る。リストの事ならばダニエルから聞いてくれと告げる。

12月4日(木)・検視局。
ロジャースはゴーレンが酸素吸入器のタンクを触れていること
を知る。どうやって毒を入れたのか。殺害に使用されたのは
市販の殺虫剤だということが分かっており、ワセリンに混ぜら
れていただろうことを推察。チューブの先に塗っておけばゆっ
くりと吸入させ殺すことが出来るのではないかと。コネク
ターの内側に塗れば知らずに吸うことになり、就寝中に亡くなれば
自然死だと思うはずだという。

当時ジェームズを看護していたケリーから話を聞く。
毒なんて絶対に不可能だという。ゴーレンは通常は酸素タンク
はレンタル会社から借りてその会社が空のタンクを回収するの
ではないかと問う。しかしケリー本人が返却しているのは
不自然だというと、ご主人の指示で行っていたのだという。
回収費が節約出来るからだとし、ご主人はかなりケチな人だ
ったという。ゴーレンはそれを聞いて夫人とは正反対の性格だ
と語る。死ぬ前までマリオンは高齢者用施設を徘徊する合唱団
に入って居たという。しかし時々夫の目を盗んで出かけていた
とのこと。隠れた趣味があるようだが果たしてなんなのか。
基金の共同設立者はローレンス・ブラッドリーとなっている
ことを知るが、マリオンはこれまでにチャリティのような
ものに参加していた形跡は一切無かった。

12月5日(金)・ブラッドリー・スタジオ
ローレンスから話を聞く。彼女のような人が何故在籍している
のかと問う。彼女の演技力を認めて入れたのだという。
しかし60才代から入会する女優は少ないのではないかと問う。
エイムズは女優ならば25才が限界ではないのかと問うと、
オーディションで彼女のの中から情熱と才能を見たのだという。
ゴーレンは室内にリンカーンセンター賞の資料が多数あること
に気が付く。生徒が授賞したのか?と問うが、今までにこの
スタジオからそれを排出したことはないという。ゴーレンはチャ
リティで選考委員に好印象を与えて功労賞を狙っているのでは
ないかと問うと、マリオンの影響力を使って顔が売れると考え
たのではないかと告げる。くだらない考えだとして一蹴される。

マリオンはハービーとハービーの母・エスターと食事をする。
チャリティパーティーにはハービーのお陰でマーティが来てくれ
たことを告げ、とても優秀で立派な息子さんだと語る。
そんな中マリオンの元にダニエルから電話が鳴る。
マリオンは告発状の件に関しては、誰が送ったのか見当は付いて
いると語る。

12月9日(火)・エスター・グルーエンウォルドの家
12月11日(木)・バイスロイリムジン
12月16日(火)・罪状認否
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警察に届けられた告発状には富豪のジェームズが亡くなった
真相についてのことだった。
死因は肺気腫によるものではなく毒殺されたものだとして書かれ
ていたので、検察・警察も捜査に乗り出し遺体から有機リン酸
化合物が検出されたのを知る。それを夫人に話すがまるで
意に介さないような対応を見せたことによって、ホイットニー家
の事情を探っていくことになる。

2話ほどお休みしていたエイムズがいよいよ本格復帰。
最初の登場したシーンに於いて、エイムズはゴーレンと共に
マリオンに夫の件を話に行ったけど、ゴーレンの話を遮るように
してエイムズが全ての事情を話してしまうという辺りが面白かった。
エイムズも久しぶりに外回りの仕事が出来て嬉しかったのだろう
か。ゴーレンも普段はあまり感情を露わにしないけど、エイムズ
が復帰して嬉しそうな姿が有った。ダンス音楽が会場から流れて
くると踊る姿も有ったしね。
今回のエピソードの容疑者の事情を考慮すると、ゴーレンにとって
の母親像は案外エイムズに象徴されるものがあるのかなって
感じで、彼女に認められる為、そして守る為にゴーレンは働いている
という印象も感じるところだった。

私生活があまり明かされることがなく、特にエイムズのことに
言及されることは珍しくて謎めいている部分も有るけど、
妊娠中にチャリティパーティーに出席し、テリーという男性と
デートしていたことが判明する。そもそもエイムズを妊娠させた
旦那とは誰なんだろうか。


正直病床に伏せていた夫を殺す必要なんて有ったのか?って感じ
がしたのだけど、殺したのは夫人ではなく、近づいて来たハービー
だったということでそれもある程度は納得出来たかな。

事件の真相はそれぞれに求めるものの為に欲望を露わにした
エピソードだった。各々それをかなえるだけの要素は持っている
が、その方法は持ち得ない。
顔が広く持つ者、資金力が有る者、そして力を持つ物。
それをつなぎ止める仲介役が殺人コンダクターの様な形になり、
自らの望むものの為に動いていくというもの。

母親の愛を求めるからこそ、マリオンのような人物に肩入れした
部分も有るのだろうし、マリオンは年甲斐もなく幼少期に見た
夢を叶えようとしている。ショウビズ界で顔を売り名声を
得たいとする人物とコラボレートして、金持ちのワガママを叶える
が為に2件の殺人が起きてしまった。
有名人は金次第でやってくるという通り、実に悲しい生き物
だね。シナトラのチケットがポイントとなったエピソードだけど、
シナトラと言えば生前はマフィアとの繋がりが深く、大統領と
の親交も深かったので、それをベースにしたところも有るの
かも。ハービーのオフィスに飾られていた写真もアルゴア、
クリントン、ライザ・ミネリ、知事、市長だった。

ゴーレンが薬に詳しかったり、チック症と呼ばれる病気に詳しい
辺りもいつも通りかな。

金の流れを追うという基本的捜査が実を結んだ感じでした。


ロバート・ゴーレン (Vincent D'Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
--- (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)

G.リン・ビショップ (Samantha Buck) 捜査官

ハービー・グルーエンウォルド (Casey Siemaszko) イベントプロデューサー
エスター・グルエンウォルド (Rebecca Schull) ハービーの母
ローレンス・ブラッドリー (Gerry Becker) 演技スタジオ、賞が欲しい
ダニエル (Joel Fabiani) マリオンの執事
--- (Freddie Roman) Tie Shop Owner
ニック・ウィーバー (Sal Richards) 高利貸し
マリオン・ホイットニー (Claire Bloom) 自称女優
ジョージ・サリナス (Michael Oberlander) 弁護士
スタン・ニューマン (Stewart Steinberg) ウエイストマネージメント
デリア・カーター (Gloria Sauve) デイケアサービス職員
ネッド・ブレイク (James Rutledge)
ケリー・フィンレイ (Susan Barrett) 看護師
ジェラード・オキーフ (Richard Easley)
ディロン (Dylan Spiers)
ヘフラー (Melinda Tanner) 判事
ジーニー・セバルド (Gwendolyn Bucci)
ウィンスロー (Ridley Parson)
シルヴィオ (John Pieza)
Mrs.ペリー (Debbie Lee Jones)
--- (Paul D'Elia) Stage Manager
--- (Pete Macnamara) Ass't Medical Examiner


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