マンハッタンに恋をして 〜キャリーの日記〜
The Carrie Diaries

原作: キャンディス・ブシュネル Candace Bushnell





March 4, 2013
第9話 未知なる世界 The Great Unknown

監督/Janice Cooke 脚本/Amy Harris
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マンハッタンに職業研修に出ていたキャリーは弁護士事務所で
はなく、ラリッサに誘われたインタビュー誌の編集部で父親の
同意無しで働き始めてしまう。その仕事を終えた時の打ち上げ
でクラブにいたキャリーは父親・トムに見つかってしまい、
二度とマンハッタンへの立ち入りを禁じられる。
「心に決めた思いまではパパにも止められない。私の人生が
欲しい」と訴えるが・・・

キャリーは編集部で働く夢から目覚める。
夢の中ではまだ編集部で働いているが、現実では編集部での
仕事もマンハッタン行きも終わってしまった。この2週間は
嵐のようだというキャリー。
マンハッタンは失ったが、セバスチャンとの恋愛関係の復活は
せめてもの救いだった。

キャリーとセバスチャンは一緒に学校の廊下を歩きながら話を
していた。2月である現在、キャリーは寒いし、連休もない
月なので嫌いだという。次のチョコレートはイースターまで
もらう機会がないという。バレンタインデーに大きなチョコを
あげたろというセバスチャンだが一週間前には間食したという
キャリー。私はマショマロ入りのチョコが大好きなのだという。

そんな中通り過ぎるウエストからはキャリーとセバスチャンを
見て"キッドショー"と呼ばれる。二人の名前を掛け合わせた
名前でカップルネーム。自他共に認めるカップルとなったこと
に複雑だった。

マウスはみんなの前でルービックキューブを披露する。
6面体全てを揃えることは難しいのだとし、自慢げにそれを
みんなに見せていた。するとトーマス・ウエストという運動部
の黒人がやってくると、ロッカーから荷物を取るので退いて
くれという。マウスはルービックキューブを得意げに披露する
が、俺は運動部の掛け持ちで3つの運動部に入っているので
そんなものは知らないという。そんな彼はマウスからルービッ
クキューブを受け取ると一瞬のうちに揃えてしまう。ビギナーズ
ラックだと言うが、マウスはただものではないと感じ競争心
を燃やす。

ウォルトはマギーと別れてドナと付き合っていた。
ウォルトの部屋でドナにマッサージする彼。あなた程良い男
と付き合ったことがないというドナだが、ウォルトはこれまでに
マギーとしか付き合ったことがないので、比較対象が少ない
という。ドナはウォルトといると素のままの自分で居られる
とすると、ウォルトはドナに化粧が薄い方がキレイだと語る。
映画「ターミネーター」を二人で見る。意外な程マッチした
関係だった。

トムは週末にラケットボールの試合を控えていた為にハーラン
と練習しようとしていたが、隣に来たエアロビの先生である
ミスティーから声を掛けられ、そのまんま彼女のオフィスに
誘われる。楽しめば良いと言われ生真面目なトムとしては戸惑う
が・・・

セバスチャンとキャリーはいつものダイナーで一緒にポテト
を食べながら四方山話をしていた。セバスチャンは好きな
だけポテトを食べて良いとして奢るという。しかしセバスチャ
ンはそろそろ時間だとし、門限を破れば君のパパに殺されるとい
う。認められる為にも行儀良くしたいと。

キャリーはマウスと逢うと途端に涙する。
ハウスはキャリーが涙する理由が分からず、セバスチャンと
別れたのか、浮気されたのか、ドナに意地悪されたのかと問う。
するとセバスチャンは自分のコート(カップルネーム入り)を私
に着せてくれるし、マシュマロ入りチョコをくれるし、ダイナー
では好きなだけポテトを奢ってくれるのだという。それの何が
問題なのかというマウスに彼のコトガ好きでしょうがないのだ
という。その思いが今度は失うことへの怖さに繋がって居る
事を語る。恋に落ちるというけど、崖から落ちそうな状況だと
いう。ワイリーコヨーテだって崖から落ちても必ず生き返るわ
と語るとし、素直に喜べばいいと言われる。考えすぎだと
言われるとキャリーもそれを認める。マウスは自分なんて
ルービックキューブで負けたのだという。今度はキャリーが
マウスにそれが何の問題なのかと尋ねると、ウエストは特別な
知能を持っているということで、ホントは頭の良い人のか
もしれないという。誰がライバルなのか分かっていないとダメ
だとし、ライバルを知っておくことが大事だという。
今のセバスチャンの気持ちは分かるが、キャリーは母親を失った
ことの経験から、どうしても失うことへの抵抗感が強いこと
を語る。その失意に耐えきれなかったらどうなるのか。
私の心がそれ程強くなかったらどうすれば良いのか。恋愛が
恐くて仕方が無いと語る。彼は思ったことを素直に話せば
私のことをウザいと思うはずで、彼は私のような複雑な女は
嫌いだろうと語る。ハウスは頑張るしかないとするが・・・
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キャリーはファッション誌で働いていることを父親に知られ
外出禁止こそ出なかったものの、マンハッタン行きを固く禁じ
られ自分の夢への道が閉ざされる。唯一の救いはセバスチャン
との関係が発展して自他共に認める恋人関係になったことだ
った。しかしキャリーは幸せになることでの反動の怖さに
悩まされていく。

人は未知のものに不安になるというのは人間の本能のようなもの
で、それがテーマとして扱われるというのは、少しありがち
なものが有るのかな。
将来に対する漠然とした不安感というのは誰にでもあるけれ
ど、親を失った事に対するブラッドショー家の子供たちの中
にある不安感は、人との関係に於いても普通の人とは違う
感覚として存在しているであろう事が描かれた。

まだ付き合って間もない状況なのに、先の事を考えすぎると
いうのもあれだけど、キャリーの持つ繊細さや感受性の豊かさ
がライターとしてのスキルとして繋がっている部分もあるので
その辺は仕方がないのかな。才能と同時に存在する闇の一面
ってことでなかなか人は完璧にはいかない。

完璧ではないという面では、今回はマウスと絡むことになる
ウエストの境遇は相当なものがあった。シングルマザーに育て
られていること。そのお陰であらゆるいみで期待感を背負わ
されていること。ウエストはそんな負の部分だったり、
黒人、片親といったマイノリティの持つ一面を逆に上手く
付き合っている人物で、アジア系の持つマイノリティさとは
似たような形で存在しているところも有って、二人の存在と
対決というのは今後共に興味深いものとして存在していく
のかも。ありがちだけど対決シーンに於ける修行シーンは
映画「ロッキー」を踏襲し、生卵を飲むというシーンを
再現した。ルービックキューブとか懐かしいものがあるね。

気になるのはなんと言っても一度外れてしまった人生のレール
をどのように修正していくのかということ。
キャリーがマンハッタンで働くことをどのようにして父親が
認めていくのか、そう容易なものではないことが想像された
けど、意外とあっさり今回のエピソードでまたインタビュー誌
で働くことを許される流れを作った。

ラリッサとトムを上手い事会話させるシチュエーションを
作った事。ラリッサは自分の事を"新人類"だと語っていたけど、
日本でも確かそう呼ばれている世代が有ったよね。
昔のドラマを見ても若者たちが大人に反抗する際、"俺たち
新人類っすから"と語るシーンを何度も見た事が有る。
ファミコンのゲームでも新人類という名作シューティング
ゲームがあるけど、何故長州力さんとコラボレートした形に
なっているのだろうか。
ラリッサから子供の夢について語られたことで、口のうまさ
や説得力の高さというのは流石は出版業界関係者だけど、
トムだって弁護士だからもう少し理論的に返答しても良かった
のかも。

ドリットの行動はいつも危なっかしいものがある。
その危なっかしさも心に闇を抱えているからなのか、風貌
からくる雰囲気的なものなのか、得体の知れないものを
持っているからなのかとにかく、つかみ所の無いキャラクター
だ。課題として「自分に纏わる歴史の日」と証するレポート
課題が出て、ドリットが何をしようとしているのか。
セバスチャンがドリットの心を上手い事読んで、彼女が
1978年10月12日の新聞資料を集めていることを通して、
彼はシド・ヴィシラスとナンシーの事件のことを突き止めて
いく。マンハッタンにあるチェルシーホテルには二人の有名
人が亡くなったということで、セックスピストルズのファン
にとってはチェルシーホテルが巡礼の地として存在しており
そこに行こうとしていただろう事を掴んでいく。

ドナの気持ちをウャルトが受け止めたように、ドリットの
扱いはキャリーよりもセバスチャンの方が上手かったようだ。
初めてキャリーとドリックが聖地チェルシーホテルで
紳士になって互いの心情を語り合ったことで、これまでの
ドリットの奇異な行動にも合点がいく状態が描かれたのでは
なかろうかと。

どうでも良いけど、チェルシーホテルに飾られている絵。
なんたが日本語で文字が書いている気がするのだけど気のせい
かな。
なんて書いて有るのかよく分からなかったけど、
「太陽の日本」とも読めるし「大腸のしっぽ」と書かれている
ようにも見える(笑)

マギーが一切出てこなかったのが残念。
マギーは結構好きなキャラクターなので幸せに成って
欲しいですね。


■使用されている曲

・Edge of Seventeen by Stevie Nicks
・I Never Needed You by The Partisans
・Eye of the Tiger by Survivor
・Brass In Pocket by Pretenders
・No Time by The Partisans

■検索用キーワード




キャリー・ブラッドショウ (AnnaSophia Robb) 17歳、女子高生
セバスチャン・キッド (Austin Butler) キャリーの彼
マギー・ランダース (Katie Findlay) キャリーの友達、ウォルトと恋愛
ウォルト・レイノルズ (Brendan Dooling) キャリーの友達
ドリット・ブラッドショウ (Stefania Owen) キャリーの妹
ドナ・ラドンナ (Chloe Bridges) ライバル
ラリッサ・ラフリン (Freema Agyeman) ファッション誌
トム・ブラッドショウ (Matt Letscher) キャリーの父
ジル・チェン (Ellen Wong) "マウス"、キャリーの親友

ハーラン・シルバー (Scott Cohen) 弁護士、トムの友人

--- (Waris Ahluwalia) The Sikh /シーク教、インタビュー誌の中東人
トーマス・ウエスト (RJ Brown) 運動部、成績優秀
ミスティ (Jeanine Bartel) エアロビの先生
Mrs.ダッシェル (Allison Briner) マウスが成績の整理をする
--- (Stephen Sapienza) Core Interview Staff



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