NCIS:LA 極秘潜入捜査班 NCIS: Los Angeles シーズン2 http://www.tv-tokyo.co.jp/ncis_la/

Oct. 5, 2010
第4話 略奪 Special Delivery

脚本／Gil Grant 監督／Tony Wharmby
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ビバリーヒルズの宝石店・ロデオコレクション。
警備員のデュレルとマーヴィンは監視カメラで不審者が居ない
かモールを監視する中、不審者が駐車場に走っていくのを発見。
現場にいたフランクにその事を告げ駐車場を調べさせる。
すると女性の悲鳴が聞こえ近づくと、男性が残忍にも首を
切られ手首を切り落とされているのを発見する。

NCIS:LAのケンジー、サム、カレンはヘティの誕生日について
話し合っていた。ヘティは誕生日のパーティーやプレゼントを
嫌っている為に、どうすれば良いのか困っていた。服をプレゼ
ントすべきなのか、それとも宝石ならば親しい関係だという事
を最も示せるのではないか・・・。ディークスがやってくると
何の話をしているのかと自分もまぜてくれとばかりにやって
くる。ヘティの誕生日の件の事を語ると、ヘティは本気で
誕生日をいやがっているのかどうか分からないのだという。
カレンが一番ヘティの事を理解しているのではないかとサムは
語るが、この件はよく分からないという。

そんな中、突然号令の口笛が鳴り響く。
いつものエリックではなく、新人のネル・ジョーンズが鳴らした
ものだと分かる。エリックの役割を奪ったのか?とするが、
ヘティは情報分析官に何故か厳しいので、ネルはそれに耐えら
れるのかという。

今回の事件は、ペンドルトン基地に所属するトーマス・ポータ
ー伍長がロデオコレクションの駐車場で遺体として発見された
という事件だった。基地から遠いことや、手首が切り取られて
殺害されており、手首が見つからないのだという。しかし遺体
を見ると腕時計、車の鍵、サイフなどは一切盗まれていない
為に強盗とは考えづらかった。
ポーターはペンドルトン基地の中でもG2オフィスと呼ばれる
管理部門に勤務していて、入館するにも認証確認の必要な重要
書類・案件を扱っている部署だと分かり職員でも入れない場所
だという。ヴァンス局長から、今回の事件には情報漏洩もある
かもしれないので入念に調べるよう言われているとのこと。
ビバリーヒルズ警察から捜査権を受け取っているという。

エリックは駐車場の防犯カメラの映像を受け取っているとして
みんなの前で流す。映像を見る限り誰かと争っているような
形跡が有るが、詳しくは確認が取れなかった。ネルは、犯人が
機密情報を得るためにポーターの指紋認証が必要だったのでは
ないかと告げる。
ポーターの過去を調べると、4年前にオレンジ郡から入隊し、
数週間前にイラクから帰国したばかりだという。前歴などは
一切ないとのこと。彼の上官の話では、ジェームズ・ウィンス
トン一等兵と何か確執が有ったとし、アンドリュー・ピーター
ソン伍長とは親友の関係に有ったという。ピーターソンは基地の
整備係をしているとのこと。
ディークスとケンジーは警察から検死結果を調べて欲しいこと
を告げる。

ネルはヘティに対して、ヘティはお茶が好きなんでしょ?と
問うとどんな問題が起きてもお茶を飲めば水に流してくれる
のかと告げる。その大胆な発言に一同凍り付く。

サムとカレンは基地に行くと、ウィンストンから話を聞く。
ラハブラ高校でアメフトのクォーターバックをしていたという
彼。トーマスは良い奴だった事を告げ、彼には2千ドルを貸して
いたが確執だとしていたのは、その金を巡り、前回貸した時には
すぐに返してくれたが、今回はなかなか返してくれなかったので
少し言い合いになったのだという。話によるとトーマスは返却
のあてが有ると言っていたのだという。サムらは彼に事件の日
のアリバイを尋ねると兵舎にいた事を告げる。
サムはアメフトのボールを借りてポールに向けて投げようと
すると暴投してしまう。俺はレシーバーだったんだと言い訳
するのだった。

検死の結果、ポーターは頚動脈・頚静脈を切られて出血多量で
亡くなっている事が分かる。切断に使われた凶器は18cmから
30cmの鋭利な刃物だとされているという。ケンジーは戦闘用ナイフ
なのか?と問うと、何もナイフに限定されたものではなく、
寿司職人で使う包丁だってあり得るのだというディークス。
ディークスはその発言に凍り付いているケンジーに説明しよう
とするが・・・

ピーターソン伍長から話を聞く。
トーマスと俺はサッカーが好きだったので、すぐに意気投合した
のだという。アメリカではフットボールというとどうしても
サッカーの方はあまり目が向かないので、仲良くなったとの
ことだった。彼はマンチェスターユナイテッドファンで俺は
アーセナルファンだという。彼はとても良い奴で、彼の恋人
であるダイアン・ファーリーが気の毒だという。彼女はイージー
マートで働いているが、彼女のことを彼は大好きだったのに
何故か浮気を疑われていたようだという。

エリックとネルは防犯カメラの映像を調べる。
遺体発見の1時間前からの映像を見る。
被害者はグレーの日本車に乗っていて、2時25分に来ている
こと。エリックは色々と説明しようとする中、ネルが話の
腰を遮ることが気になりそれを指摘する。ネルは自分の欠点
を理解している事を告げ、私ってA型でおしゃべりであり、尊敬する
人の前では話をするのを制御出来なくなるのだという。
そんな中VTRには被害者が手錠付きのケースを持っていることを
知って、ケースの中身をねらっていたであろうことを突き止める。
サムはボルトカッターを使えばその程度の手錠はあっさりと
切れるのに何故わざわざ手を切り落としたのかと告げる。
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ビバリーヒルズのモール内にある宝石店・ロデオコレクション
の駐車場で海軍兵士・トーマス・ポーター伍長が何者かに
よって殺害される。遺体からは手首が切り取られており、
当初ポーター伍長は重要な情報を扱う部署の軍人だったことから、
指紋認証の必要なセキュリティを突破するために切り取られた
ものではないかとされるが、防犯カメラの映像から、被害者が手錠
付きでケースを所持していた事から、その中身を狙ったものだ
という事が分かる。しかしその手口の残忍さに強盗とは違う
何か根深さを感じていく。

お金というのは人を変えさせるというけど、これはまたその典型
だった。
正直アメリカ軍人同士で殺し合いをしている限りは、問題は
無いとは言わないけどまだ問題は単純な殺人で終わるものがあ
るのだけど、今回のドラマでは、イラク侵攻に際して、アメリカ
軍が犯した現地国立博物館から国宝級の宝を有る意味計画・略奪
されたことを示唆する流れで、正義とは何かというものを改めて
感じさせるというもの。
そしてアメリカ人ばかりでなく、その宝の価値を知る現地の人
たちも含めて、人間の愚かさというものを知らしめる為に、
プアビ女王のネックレスを引き合いに出して、紀元前の宝が
1922年に女王の墓が発見されるまで、皮肉にも地中で保管されて
いたものなのに、地上に出た途端に略奪戦が起きてしまうこと
を描いていく。

何故サムがイスラム教の処罰に関して詳しかったのかは謎だけ
ど、精通しているところが有ったお陰で、上手く完全犯罪を
防ぐことになった。
サムは今回のエピソードで自分は学生時代にアメフトに於ける
レシーバーだったこと告げ、花形であるクウォーターバックに
は負けるとしていたけど、陰の立て役者という意味で面白く
そんな過去が利用された。

宗教がらみの捜査に於いて、特にイスラム教に対するアメリカ
との対立はまた複雑な物があり、以前ほど中東人に対する
拒絶感は無いのだろうけど、一歩間違えばやはり信念に関わる
問題なので、難しいところなのだろう。

イラスム法を厳格に解釈すると罰として泥棒の手首は切るという
事になっているという。処罰の凄惨さの問題はあるにせよ、
イスラム法の価値観も間違っては居ない。

興味深いのはアメリカに於けるフットボールの価値観に対して
言及したところなのかも。

殺害されたポーター伍長と殺害した親友だとされるピーターソン伍長
はフットボールで繋がっていた。フットボールと言えばアメリカで
は圧倒的にアメフトの事を指すが、彼らは数少ないマイノリティで
有るサッカーのファンであること。アメリカ人は4年に一度のワール
ドカップにしか興味を示さないとしていたね。

そしてケンジーとディークスが最近ペアとして活躍。
恋人役としてケンジーとディークスが宝石店・アジズの元にいき
バグダッドの国立博物館に展示されていたというブレスレット
をつけておとり捜査をしていたけど、ディークスがケンジーの
腰に手を回した時のケンジーのハイヒールのかかとの使い方が
絶妙だった。ケンジーは僕の好みじゃないし・・・とボソボソ
っとつぶやくところがまたなんとも言えないし、彼女をスウィーティ
と呼ぶところに1945年じゃないんだからと指摘されていた。

また今回から情報分析官の新人としてネル・ジョーンズという
女性が入ってきた。とても可愛らしい彼女だけど、まるで
「警部補 矢部謙三」の主人公のように、発言しようとしている
ことを先に話そうとする癖があり、見た目と違ってかなり
癖のある性格のようだ。
見た目はなんとなく、「CSI:NY」のモンタナの田舎娘・リンジー
っぽい感じは有るんだけどね。
癖もののヘティに対してズケズケと物を語っていくところは
楽しみなところがあるのかも。

最後は誰もがヘティの誕生日を演出できなかったのに、彼女の
計算高い脳天気さが固定された価値観・人間関係というものを
打破するのに役に立った感じだった。