ワンス・アポン・ア・タイム
Once Upon A Time

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Jan. 8, 2012
第8話 追い詰められた心 Desperate Souls

監督/Michael Waxman 脚本/Jane Espenson
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グレアム保安官は昔の記憶を取り戻しかけたところで、レジーナ
の逆鱗に触れ、そして彼女によって心臓を握りつぶされ殺害
される

--- 昔 ---
ルンペルシュティルツキン(以後、ルンペル)の住む村に、領主
からの使いの騎士たちがやってくる。国では14歳になると
戦士として戦場に駆られるのである。ベルファイアは父で
羊毛業を営むルンペルシュティルツキンの元に駆けつけると、
モイレインが連れて行かれるという。ホーダーは領主様の命だ
と告げ、鬼との戦いは現在劣勢なので、戦士として戦に関わる様
告げ、年齢制限がまたいっそう低年齢化した事を告げる。邪魔をする

ものが居れば"闇の王"がたてつく物を倒すのだとして、モイレ
インが連れて行かれそうになるのを止めようとした両親は
闇の王の魔力によって苦しめられる。ベルファイアは父に対して
自分も後3日で14歳になる事を告げる。

--- 現在 ---
エマはゴールドの店に呼び出されると尋ねていく。
店内では羊毛が水を弾くために利用されるラノリンという防水
薬の臭いが充満していた。エマは一体何の用で私を呼び出した
のかと問うと、グレアム保安官が亡くなったことに対して直接
お悔やみを言いたかったのだという。亡くなってから二週間が
経過しているが、エマはグレアムの変わりに保安官代理を二週間
勤めたので保安官になる資格が生まれたのだとゴールドから言
われる。またグレアムは私のアパートに住んでいたので、
彼の遺品が残されている事を告げ、エマに形見をあげようと
思ったのだという。エマは要らないというと、それならば町長に
渡すことになるのだと言われる。ゴールドは彼女に無線機など
子供と二人で遊べるので持っていったらどうかと告げる。一緒に
居られる時間は貴重だとし、子供は気づく時には失っているもの
だという。

エマはヘンリーの元に行くとトランシーバーを彼に手渡す。
これはコブラ作戦に使えるものではないかというエマだが、
ヘンリーは落ち込んでいた。エマは息子に対して最近私の事を
避けていないかと尋ねると、暫くコブラ作戦は中止しようと
言われる。呪いのことを甘く見ていた結果グレアムは亡くなった
のだとし、呪いには近づかない方が良いという。
グレアムは良い人だから殺されたのであり、エマもまた良い人
なので危険だという。良い人はルールを破れないので負けるが
悪い人はそんなルールを無視するから常に勝てるのだとし、
ママ(レジーナ)には近づかない方が良いと語る。

エマは保安官事務所に戻ると、保安官のバッヂを付けようとする
がそこにレジーナが現れ、そのバッヂは貴方の物ではないと言
われる。しかしエマは二週間保安官代理をすれば私に権利が
有るのだと言われた事を告げるが、それは町長が別の候補者を
挙げないという条件が有ってのことだという。レジーナは
新しい保安官としてシドニー・グラスにすることに決めたのだ
という。シドニーはストーリーブルック・デイリーミラー紙
編集長だった。エマはそんな人物を保安官に据えるというのは
自分の思い通りにする事が出来るからだとして、街が良くなって
いる事実に我慢が出来なくなっているからだとレジーナを非難
する。グレアムが亡くなったというのに街が良くなっていると
いうのか?と問うレジーナ。エマはグレアムが私に保安官の座を
託したのだとし、この事務所をあんたの支配から解放する為の
行動だとするが、レジーナは町長の権限でエマを首にすると良い
出すのだった。

エマはメアリーの家に戻ると大音量で音楽を聴きながらトースタ
ーを壊してストレス解消する。そこにメアリーが帰ってくると
エマはレジーナによって首にされたことを告げ、仕事に戻りたい
事を告げる。すると突然メアリーの家にゴールドが現れ、
二人で話したいという。ゴールドは町長がしたことを聞いたと
告げ、不当なことだという。エマは戦いようがない事を告げ、
相手は町長という権限を持つ人物だと語る。しかしゴールドは
同じ目的を持つ者同士が二人いればかなり心強いとし、同じ敵
を持つ物は強くなれるのだという。ゴールドはエマの支援者に
なるという。街の条例をよく読めば、意外と町長には権限は
見た目ほどには強くないことが分かるのだと告げる。
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呪いから解けて記憶を取り戻しつつ有ったグレアム保安官は
レジーナの逆鱗に触れて殺害される。エマはそんな彼から
保安官としての役割を任されるが、レジーナは町長としての
権限によってエマを解雇しようとする。そんなエマの元に
骨董品の店を経営しているゴールドが声を掛け、街の条例に
ついてレジーナのしている事への不備を指摘して共闘を持ち
かけるが・・・

いよいよルンペルシュティルツキンの過去が描かれた。
彼は元々は単なる村人であり、戦争・徴兵から逃げ出した
人物であること。そしてそのせいで妻から逃げられ、そして
徴兵によって息子さえも失おうとしているという立場の
人間だった。

人の心の弱さは容易に悪への道へと転げさせるし、
魂を失ってでも自分の大切なものを守ろうとする姿は、心が
どんなに強くても同じだろうし、 あのルンペルシュティルツキンと
いえども変わらないものが有ったというところは少し意外な一面
なのかも知れない。

過去の世界に於いて絶対的な力を持つ「闇の王」の秘密を
知ったものたちがその支配権を持つ事によって現状から
の脱却を図ろうとするも新たな苦しみというものもまた
生まれてくるというところなのだろうけど、今のルンペル
シュティルツキンがあまり苦しんでいるようには見えない
ところが有る。彼自身、その負の力を誰かに託して魂を
眠らせたいと思わないのは一体何故なのだろうか。


現代のエピソードと過去のエピソードを重ねる作業がとても
上手く出来ていて、過去のルンペルシュティルツキンと現代
のエマを比較して描くのは面白いシナリオだし、、その
違いというものを上手く描いた感じだった。

ルンペルシュティルツキンの前にも「闇の王」を支配するもの
が居て、魔法の短刀を手にするものたちは、その力を手に出来る
という事も有って、ルンペルシュティルツキンもその力を
手にしていく。元々短刀に刻まれていた名前は"ゾソ"だった。
この"名前"が重要であることは元々のグリム童話でも重要なファクター
として存在しているけど、ルンペルシュティルツキンが以前の
エピソードの中で、白雪姫の子供の"名前"が必要なことは、
今後の重要なファクターとして存在していくであろうことは明らか。

プライドとは何か、子供にとってはヒーローとは何か。
街の人たちが求めているものとは何なのかなど興味深いもの
が有るのだろうし、本当の敵は誰なのかという点では
興味深いものが存在している。
町の人もおぼろげに理解している様だけど、レジーナ自身も
ルンペルシュティルツキンによる力を利用している訳だし
表面的にはレジーナが悪と見せかけてルンペルシュティルツキン
が元凶だというところなのかな。

歴史は繰り返されるとばかりに、短刀の名前が変化していく
ところなど、ファンタジードラマとか呪い系のドラマでは
ありがちなものが有ったけど、昔読んだ「ロードス島戦記」
の灰色の魔女カーラのような感じ。

結局の所真実こそ力なりなのかな。

アーチーが選挙戦に於いて司会者をしていたけど、
グラスvsスワンの候補者の討論会に於いて「ガラスの白鳥」だと
する辺りこのドラマの陰鬱とする自由なき世界で精一杯の自由を
感じたけど、この寒いトークを見ても"名前"自体もおとぎ話に
面白くちなんでいるところがあるんだね。

・Kool Thing

メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ウソをついている人を見抜ける、ヘンリー母
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、ストーリーブルックの町長
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、昏睡状態の患者
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
アーチー・ホッパー (Raphael Sbarge) ジミニー・クリケット(コオロギ)、カウンセラー
グラハム (Jamie Dornan) 保安官
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、不気味な町の名士。質屋
マルコ (Tony Amendola) ゼペット爺、町の修理屋。アーチーと仲が良し
リロイ (Lee Arenberg) グランピー (ドワーフ)、病院のスタッフ
ライアン (Warren Christie) 犯罪者
グラニー (Beverley Elliott) 赤ずきんの祖母、ホテルと食堂を経営。孫のルビー
ルビー (Meghan Ory) 赤ずきん、食堂でウエイトレス
ハッピー (Mike Coleman)
--- (Jakob Davies) ピノキオ、ゼペットの息子

キャスリン・ノーラン (Anastasia Griffith) アビゲイル姫
ホエール (David Anders) 医師、メアリーが好き

シドニー・グラス (Giancarlo Esposito) Magic Mirror 新聞社・編集長
--- (Brad Dourif) Old Beggar
グラニー (Beverley Elliott) 祖母
ホーダー (Ty Olsson) 領主の命で村に来る騎士
ベルファイア (Dylan Schmid) ルンペルの息子
Miss.ジンジャー (Patti Allan)
--- (Kate Bateman) Mother
モイレイン (Conner Dwelly) 村の娘
--- (Mark Gash) Father
--- (David-Paul Grove) Doc
--- (C. Ernst Harth) Burly Man
Mr.クラーク (Gabe Khouth)
--- (Jason Gale) Voter

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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