ワンス・アポン・ア・タイム Once Upon A Time http://www9.nhk.or.jp/kaigai/once/

Feb. 12, 2012
第12話 臆病者の愛 Skin Deep

監督／Milan Cheylov 脚本／Jane Espenson
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--- 昔 ---
モーリス卿は王国を襲ってくる鬼と対峙していた。しかし人間
ではない敵故に戦況は不利で、鬼は人には倒せないという。
モーリス卿の娘・ベルとその婚約者のガストン卿も心配して
戦況を見守る中、手助けしてくれるという男がなかなか来ない
ことに苛立ちを覚える。すると突然城に男・ルンペルシュティ
ルツキン(以後・ルンペル)が現れる。俺に「助けて欲しい」と
する便りを出してきたのだろう?とし、助ける変わりに条件を
出すという。モーリス卿は金ならば幾らでも支払うとするが
ルンペルは欲しいのは金ではなく、あの子だとして、ベルを
指さす。俺が欲しいのは愛ではなく俺の世話をする人物だと
語りその子でないと取引はしないと告げる。モーリス卿は冗談
じゃないとして激怒するが、ベルは自分の運命は自分で決める
として、家族や友達を守ってくれるのであれば永遠について
いく事を語る。ガストン卿はこんな野獣といくなと引き留める
が、もう決めたことだと告げる。ルンペルは契約は締結した
事を告げ、戦争の勝利を祝う。

--- 現在 ---
ゲーム・オブ・ソーンズ/薔薇のとげという花屋を営むモー・
フレンチ。彼はバレンタインデーを前にして配達の仕事を
しているが、そんな彼の前に返済期日が過ぎているとして
ゴールドが金を回収に来る。金が返済できないのであれば
車を回収していくという彼。そんな横暴なことをしてみんな
黙って居ないとするが・・・。そんなやりとりをレジーナは
目にしていた。レジーナはゴールドの前に現れると、あなた
とは話をしたいと思っていた事を告げ、今すぐ話したいという。
懺悔でもしたいのかとするとが、ゴールドはどっちにしても
今は忙しいとして立ち去る。

ルビーの店。
メアリーとデビッドは相変わらずランチを取っている中で、
エマがやってくる。エマはヘンリーの学校での様子をエマに
報告し相変わらず元気にやっているという。エマはレジーナ
からヘンリーに接近することを禁止されていたのである。
毎日6時間もヘンリーと顔を合わせている事を告げるメアリー
は、レジーナだっていつまでも逢うなとは言わない筈だと
慰める。運命の人にはきっと会える筈だという。
そんな中出産したばかりのアシュリーがやってくると、学校は
新生児を預かってくれないのかと問う。赤ちゃんは最高だけど
毎日の生活に追われて大変だという。夫のショーンもダブル
シフトで仕事ばかりしているという。バレンタインデーにも
仕事だとすると、店員のルビーはみんなのテーブルにやってきて
今夜は女性たちだけで出かけないかと告げる。
そんな中、エマの元に電話が入り仕事だとして店から出て行く。

ゴールドは帰宅すると自宅のドアが開いていることに気が付く。
銃を手にして室内を探して回る中、エマもゴールドの家にやって
くる。ご近所からドアが開いていると通報が有ったとのことだ
った。私は嫌われているから・・とゴールドは呟く。

--- 昔 ---
ベルはルンペルによって城に連れて行かれると牢屋のような地下室
に入れられる。そして普段は給仕と掃除などをいるよう命じられる。
更に金を紡ぐ藁も用意するよう告げ、さらってくる子供の皮も
ハグのだと告げる。それを聞いてベルは持ってきた紅茶のカップ
を思わず落としてしまう。ルンペルは冗談だとするが、カップは
微妙に欠けてしまう。

--- 現在 ---
ゴールドは空き巣事件に対して返って良かったと告げ、何を盗まれ
たのか分かっているという。エマにはもう引き取ってもらって
結構だとするが、空き巣事件は刑事事件であり、引き下がれない
事を告げ、知っていることを話すよう告げる。話さない場合は
公務執行妨害だと。恐らく空き巣に入った人物はモー・フレンチ
という花屋だと告げ、私に金を借りているが返済方法でいざこざ
が有った事を語る。エマはすぐに彼の行方を捜すというが、
ゴールドは見つかれば良いが・・・と呟く。
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ゴールドは花屋に貸していた金の返済を求めるがそれが無理だと
分かると仕事に使用している配達の車を差し押さえる。
するとゴールドが居ない間に部屋には泥棒が侵入して何か
を盗んでいく事を知る。エマも通報を受けて捜査に乗り出して
行くが・・・

8話に続いてルンペル二度目の主役的エピソード。
ルンペルとレジーナの二大巨匠の対決って感じで、この二人、
協力関係にあるかと思ったのに、意外と異なる存在としての二つ
の勢力があることが描かれた感じ。

ますますルンペルの姿が、ロード・オブ・ザ・リングの
スメアゴルのゴラム化しているな。ゴラムはホビットだったけど
目玉がギョロっとしていて、小ずるいことを企んでいるのだけど
少しずつ憎めないヤツとして愛着が沸いていく辺りの展開は
そんな感じを助長させる。

今回のベースは「美女と野獣」だった。
もちろん野獣がルンペルだけど、本当の王子はバラに変えられて
しまい、ルンペル自身が野獣として存在するというアレンジメント
の仕方で、まるでグリム童話の如く、オチがまた現実には厳しいもの
が待ち受けているところが何とも言えなかった。
過去の世界に於いてベルは父親の非道な仕打ちで自殺してしまった
とするけど、現在に於いて、娘が精神病棟に収監されている原因には
父・モーが虐待するというような過去が存在するのだろうか。

ドラマとして興味深いのは名前を求めていることだろうか。
踏み絵じゃないけど、基本的に現代と過去を行き来する中で
誰が過去の記憶を持ち遭わせているのかに於いては、名前を覚えて
いるかどうかが一つのポイントとなっているようで興味深いし、
今回レジーナ以外にルンペルもまた過去からの記憶を持ち合わせて
いることが発覚したことで現代の世界に於いても二人の争いが
続いていきそう。

8話の中ではルンペルは子供を失い、そしてルンペルが魔力を
持つに至る流れが描かれたけど、今回はその魔力を手放し力を
失う変わりに普通の人間に戻れるとする方法論が示された。

今回はどんな呪文さえも破ることの出来るのが愛だとすることで
やたらと愛に対する台詞が飛び交った感じ。

「愛するって幾重にも包まれた相手の謎を解き明かすこと」(byメアリー)
「愛とは繊細な炎で一度消えると二度と付かない」(byゴールド)
「愛のこもったキスはどんな呪いも打ち破る」(by悪い女王)
「今まで出会う運命の二人だったら道は開けるだろうと信じていたが
こういう道ならば考え直した方が良い」(byメアリー)

ルンペルが元々羊毛で糸を紡いでいたけど、魔力を得てからも
藁で金を紡いでいるようだ。金を作ると言えばミダス王のネタと
かぶるところが有るような設定だね。

ルンペルとレジーナがどこまで互いに現代の世界に於いて力を持って
いるのか分からないけど、一筋縄ではいかない感じ。

あんたには貸しがあるしパストラミが有るけど半分いる?
としてエマが牢獄に入れられたゴールドに話かける辺りが笑えた
かも。「サンドイッチで済ますつもりはない」。そりゃそうだみたい
な。

それにしてもゴールドは欠けた紅茶カップを大切に取っているなんて
物に執着する人の典型的心理状態に陥っている感じがする。
そして彼に対する憎め無さというところにも繋がっていくのだろうね。