パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット
(Person of Interest、アメリカCBS)

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Apr. 5, 2012
第19話 父と子 Flesh and Blood

脚本/Amanda Segel
監督/Stephen Semel
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母が殺されなかったらどんな人になっていたのか・・・

カーターは息子のテイラーを学校に送る中で、息子が何か問題
を抱えているであろう事を察する。理由を尋ねると、金持ちの
生徒が奨学金のことで絡んでくるヤツがいるのだという。
しかしテイラーは母には首を突っ込んで欲しくない事を語り
これは自分で処理すべき問題だという。

一方カーターの元に特捜部ラブランカから電話が鳴る。
カーターは彼女ら特捜部にイライアスの監視を頼んでいたが、
そんな彼女からイライアスの投資会社の口座情報に動きが有った
のだという。先日口座を調べた時には400万ドル以上入っていた
口座が今朝見たら引き下ろされていたのだという。一体どこに
投資されたものなのか。

リースはフィンチの元を尋ねる。
今日は随分遅くにやってきたね〜というフィンチにヨガのクラス
に通っていたんだというリース。今朝は5人の番号が出ている事
を告げ、忙しくなる事を告げる。ニューヨークを根城にして
いる5大ファミリーのドンたちの番号がマシンによって割り出さ
れたのだという。カプレリ、ザンブラーノ、グリフォーニ、
バシーレ、ジャンニ・モレッティJr.の5名。モレッティは父親
が服役した際に跡を引き継いだのだという。突然抗争を起こす
というのも変な話であり、誰かがショバを荒らしてトップに
立とうとしているのではないかという。五大ファミリーを倒して
トップの座に付こうとしているヤツは限られている事を告げ、
明らかにイライアスだろうと語る。リースはフィンチに対して
くずがくずを消そうとしているのならば放っておけば良いのでは
ないかと告げるが、フィンチはCIAならば道徳的に縛られず行動
していたと思うが、現在は崇高な次元で対処したい事を告げる。
市民が抗争に巻き込まれて被害者をうむかも知れない事を告げる
と、リースも仕方なくこの件を捜査することになる。

五大ファミリーは月に一度、ブルックリンにあるクラブに集まる
事が分かっており、カメラや携帯の持ち込みなどすべて禁止され
ているセキュリティの厳しい場所だという。フィンチとも有ろう
人物がお手上げなのかと問うと、見くびってもらっては困るとし
て、フィンチはクラブでは最近新しい警報装置を設置したが、
それを利用すれば、スピーカーを寧ろ逆に利用して集音器として
利用出来るのだという。配線を上手くいじると、内部の会話が
聞こえるような工作を行うフィンチ。

そこではモレッティJr.が他の5人に対してこのままイライアスの
件を見過ごそうとしているのかと問う。アイツによって父は
殺害されたであろう事を告げ、ファミリー全体として対処すべき
問題なのではないかという。しかしマフィアの中でもその一人、
ザンブラーノは、お前たちは異母兄弟だろうとして、イライアス
とは和解して仲良くすれば良いと語る。イライアスは金を稼ぐ
ことの出来るプレイヤーだといると、モレッティJr.はヤツによって
縄張りを荒らされているのに組もうとしているなんてあり得ない
と告げる。しかしザンブラーノはこれはあくまでビジネスだと
告げる。
それを盗聴していたリースたちは、イライアスが彼らと取引する
ハズはなく全滅させようとしている事を悟り、なんとかカーター
に知らせなければならないが、どう伝えれば良いのか。
フィンチはひたすら謝るしかないのではないかと告げる。

イライアスの金の流れを巡ってラブランカと捜査しているカーター。
金の流れを調べれば誰が不正を犯して彼に協力しているのか
分かるとはするが、令状を取るだけでも一ヶ月近くかかりそう
なので非現実的だという。しかしこれだけの金を引き出して、
一体何を買おうとしているのか。カーターは彼は物には執着せず
人を買う傾向にあるのだという。警察官や政治家などを買っている
とし、相当大量に買っているであろう事を告げる。

イライアスは監禁している父モレッティSr.に食事を届ける。
父は息子に何故私を生かしておくのかと問うと、あんたにショー
を見せたいのだという。あんたでは出来なかった事を見せたいの
だという。ファミリーを統括して争いもなく効率的に市場を掌握
すること。誰のためにそんな事をするのかとすると、オレは元々
分かち合いの精神がないのだとし、母がいればまた違ったかも
知れない事を語る。

ファスコはHRシモンズに呼び出されると、市内を引っかき回
しているスーツの男の情報をほしがっている事を告げる。
スーツを着て常に膝を銃で狙う男だとし、FBIが現在特別捜査
チームを作って彼を追っているが、その前に接触したいことを
語る。イライアスに頼まれたのだとすると、HRは利益最優先で
動く組織だと言われる。
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今回マシンがはじき出したのはなんと5人の番号だった。
それら5人はアメリカ・ニューヨークを牛耳るマフィア
の五大ファミリーのドンたちであり、そんな人物を狙っている
ものはイライアスくらいしか居ないだろうとして、リースたちは
何とかその計画を阻止しようとすると平行してNYPDもイライアス
の動きを監視している事が分かる。カーターと接触してなんとか
この事実を伝えたいと考えるが・・・

なんだか完全に映画「ゴッドファーザー」よろしくという感じの
内容でしたね。この映画に於けるイライアス的配役としては
アル・パチーノ演じる三男坊のマイケル・コルレオーネだった
けど、インテリでマフィアとは関係のないところで生活して
いた彼が次第にその渦に巻き込まれて、結果的に五大ファミリー
の壊滅・旧態形式のマフィアの形を打ち破っていくところに
有ったよなぁ。

リースの能力の凄さは誰もが認めるところだけど、流石にマフィア
とか組織犯罪というものに対して多勢に無勢って感じで、
リースの安否が気になると同時にやはり少々無理があるんじゃない
かと思うところも有る。
ただイライアス自身が抱える本当に信頼の置ける部下が少ない
(金を払って雇ったり弱みを握って従わせる以外の繋がり)為に、
有る意味では助かったという感じだった。イライアスにとっては絆とか
ファミリーという言葉を憎むだけの過去が存在しており、今回
1981年、1991年とフラッシュバックされるウチに、裏切った父親
という以上に、そうした旧態形式の組織自体の壊滅を目指すことで、
有る意味リースと似たようなことをしているというシンクロする
部分がとても上手く出来ていて、また不思議な感覚を植え付ける
内容だったと思う。

現代のマフィアの形も効率化の波を受けて、殺しにも何でも外注
で済ますというところに有る意味盲点が有るというところでしょう
か。

リースを狙うものの存在が徐々に多くなっているところも、ドラマ
では一筋縄ではいかないところ。
以前、幼児誘拐に関してイライアスから協力を求めるシーンが
演出されたけど、今回はなんと子供を助けるためにHRに協力を求めた。
HR存在をリースたちも把握していたんだねというサプライズ感
も吹き飛ばすくらいのイライアスの存在感が合ったけど、それ以上
に存在感を出すリースもまた凄い。

リースとかスキルの有る人って、アクションにあんまりブレがない
というか最小の動きで相手を倒してしまうというところが有るね。
この辺、ターミネーター・リースと化しているところも有るのだ
けど、銃弾をよけようとせずに無謀にも敵に突っ込んでいくところ
とかリースの凄さを感じさせると同時にやはりいつかは殺されて
しまうのではないかという不安感にも繋がっている。

そしてなんと言っても今回は、カーター刑事との和解を劇的なもの
としたところでしょうね。
絶対に子供を助けるとして約束したリースの事を信じて待つ姿。
そして実際に実行するリースも凄いけど、この恩義以上に彼に
信頼感を寄せるものは無いという感じで、これでカーターも
全面的にリースを信頼出来るところが有るんじゃないかな。

更にファスコ刑事の善悪を問うシーンもまた印象的だった。
ここのところ、このドラマでは時々見られるシーンでは有るのだ
けどファスコ刑事はかなりドラマの中でもキーパーソンとして
存在している部分も多く、この人の行動・決断いかんではリース
たちの生存の可否に繋がっているんだよなぁ。

それにしてもイライアス、若い頃と容姿が変わりすぎ。


■検索用キーワード

・ナッシュ・エルビン HRのシモンズの家族を監視
・4歳の時に母(マーリーン・イライアス)と死に別れたイライアス
・母の記憶 香水 シャリマー 黒い髪 優しい目 大量の血
・マーベリー高校 テイラーが通う高校
・悪魔と取引するしかない 15分署 シモンズ
・バシーレを保護するカーター しかし発砲され亡くなる
・ザンブラーノは生徒にヘロインを売っている
・グリフォーニは誰彼かまわず銃を売っている
・JR.は麻薬と若い女性の売買をしている

ジョン・リース(Jim Caviezel) 元兵士、恋人ジェシカを失う
ハロルド・フィンチ(Michael Emerson) 犯罪防止システム開発者
ジョス・カーター(Taraji P. Henson)刑事
ライオネル・ファスコ(Kevin Chapman) 腐れ刑事、情報屋

ネイサン・イングラム (Brett Cullen) フィンチの元仲間
ウィル・イングラム (Michael Stahl-David) ネイサンの息子、元医師
カール・イライアス (Enrico Colantoni) 携帯電話の相手
パトリック・シモンズ (Robert John Burke) 捜査官、違法
ジャンニ・モレッティ (Mark Margolis) マフィアのドン、カールの実父
パトリック・シモンズ (Robert John Burke) HRの一人

ザンブラーノ (Vincent Curatola) マフィアの一人、イライアスと手を
ジャンニ・モレッティJr. (Paul Schulze) 息子、イライアスと腹違い
カパレッリ (Tony Darrow) マフィアの一人
ラブランカ (Lola Glaudini) NYPD・特捜部
--- (David Valcin) Scarface / イライアス付きの殺し屋
バジーレ (Arthur J. Nascarella) マフィアの一人
22歳の頃のイライアス (John Magaro)
テイラー・カーター (Kwoade Cross) カーターの息子
12歳の頃のイライアス (River Alexander)
グロリア (Stephanie DiMaggio) カールの育ての親、美容師
--- (Joe Maruzzo) Soldier
--- (Mark Morettini) Soldier
24歳の頃のジュニア (Anthony Giordano)
--- (Ansel Brasseur) Officer
グリフォーニ (Ed Setrakian) マフィアの一人
--- (Bryan Scott Johnson) C.O.

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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