パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット
(Person of Interest、アメリカCBS)

http://www.ntv.co.jp/personofinterest/?n_sclbtn=t




 

May 3, 2012
第21話 運命の日 Many Happy Returns

脚本/Erik Mountain、Jonathan Nolan
監督/Fred Toye
--------------------------------------------------------
一人じゃないと教えてくれる相手に出会えた時、人を変われる。
より良い人になれる。だがその人を奪われたとしたら人はどう
変わるのか

2011年
髭を生やしたリースはバスに乗っていると様子を心配した
少年に声を掛けられる。リースはそんな少年に仕事を辞めて
来たんだと語る。そのシャツには血が付着していた。

2012年
リースは先にフィンチのオフィスに来ていた。フィンチはこんな
に早く来るとは珍しいとするが、今日はやってもらう事は無い
というフィンチ。今日は特別に休暇を与えるというフィンチは
リースに対して知らないと思ったのかと告げ、彼に誕生日の
プレゼントを渡す。小箱を手渡すとおめでとうと語る。
今日は好きなことをすると良いと告げる。
リースが立ち去った後、フィンチはパソコンでマシンが割り出した
番号の女性・カレン・ガーナーについて調べていた。

リースは休暇をもらった為に、チャイナタウンへと足を運ぶ。
そこでハンという初老の男と会う。今日は仕事はないのかと
問われると、休みである事を告げるリースは誕生日のプレゼント
をもらったのだとして中を開ける。すると中から鍵が出てくる。
しかし一体何の鍵なのかリースにも見当が付かなかった。

一方カーター刑事の元に、FBI特別捜査官のドネリーがやってくる。
カーターは謎の男について何か情報が有ったのかと問うと、
壊滅した密輸組織について調べていた事を告げ、そのリーダーだ
った男はCIAと精通していて、起訴は免れたことが有ったのだと
いう。謎の男はその一員だと告げる。鑑識から密輸組織の構成員
たちの複数のメンバーの焼死体が車から発見された事を告げ、
そこには指紋、血痕やDNAが検出されたが、恐らくその中の一人
は謎の男のものだという。2011年にニューヨーク州ウエストチェ
スター郡・ニューロシェルで起きた未解決事件とも一致する
もので、当時不動産ディベロッパーだったピーター・アーント
が大金を投資家からの金を焦げ付かせて事故に遭ったが、その車
から発見されたDNAと一致するのだという。ニューロシェルに
行けば謎の男に近づける筈だというもの。カーターにも一緒に
捜査に行かないかと告げ、元々はカーターが謎の男を捜査したこと
がきっかけとなってFBIも彼を追うことになったのだと告げる。

カーターはフィンチに電話すると今、リースの件で不味いことに
なっている事を告げる。するとフィンチもカーターに連絡したい
事が有るとして、スポーツバーで逢うことにする。

カーターはフィンチに逢うとニューロシェルの事件について知って
いるかと問う。事件現場でジョンのDNAがFBI捜査官によって
見つかっているのだという。フィンチはカーターにドネリーと
一緒に行動して不都合な証拠が有れば先に見つけてくれという。
私に捜査を妨害しろというのかと問うが、フィンチは君次第で
ある事を語る。フィンチの話は何なのかと問うが、フィンチは
カーターの仕事が終わったら話すと告げる。
カーターは先にバーを出て行くと、そのバーでウェイトレスとして
働いていたのは、なんとマシンが番号を割り出したカレンだった。

2011年2月
リースは中国で仲間から処分されるのを回避しつつ、元恋人の
ジェシカの元を尋ねる。ジェシカが勤めていた病院を訪ねると、
交通事故で二ヶ月前に亡くなったということを聞く。「待つと
言っていたのに・・・」。そう呟くとリースは放心状態のまま
病院を出て行く。車椅子で通院していたフィンチとぶつかりそう
になるリース。

2012年
フィンチはカレンの事をファスコに尾行してもらう。
カレンは身分詐称と不渡り小切手の発行でデトロイト当局から
令状が出ている事を告げるファスコ。カレンは偽名で三ヶ月前から
使っている名前だという。彼女はクレジットカードを使わず
仕事以外は外には一歩も出ない人物なのだという。恐らく夫の
DVから逃げて出てきた女性だという。ファスコはリースは居ない
のかと問うと別件で出払っているのでこの件は二人で解決しよう
と語る。
--------------------------------------------------------

リースの誕生日。フィンチはマシンが割り出した数字は無い
と言われ特別休暇をもらえることになる。フィンチからは
何かの鍵をもらうがその意味は分からず暇をもてあます中、
フィンチはファスコやカーターと連絡を取り合い、マシンが
割り出した相手・カレン・ガーナーをマークしていくことに
なる。

いよいよシーズン1も終盤。
色々と謎は多いドラマだし解明されていない複数が鬼のように
有るドラマなので、どの問題から片付けていくのかという
段取りが気になるところ。
そして今回は新たに発生するマシンの割り出した番号を保護
する流れを通して、僅か一年前に起きたリースの元恋人
ジェシカの死の真相と、そしてフィンチがリースに初めて
目をつけたとする重要なシーンを描いていくもの。

フィンチが今回リースの誕生日という名目で、カレンの事件
に関わらせないというのも、実際にリースの元彼女のジェシカ
が夫から受けていたとする暴力と借金の問題が有った様で、
リースが彼女の為に身を引いたことが結果的に負の結末へと
結びつけてしまうところがまた切ない話だった。あなたが待っ
ていてくれと言えばジェシカは待つつもりだったのに、その
言葉を掛けられなかったことへの自分自身に対する後悔と、
自分を裏切った国家権力であるCIAに対する憎しみ、そして
何よりもジェシカを死に至らしめた家庭内暴力に対する怒り
はどの犯罪よりも、リース自身の心を痛めて、復讐心を煽る
ところに繋がっている。

リースだけがその怒りに震えているのではなく、フィンチも
また2011年当時に何度も検出されている数字に対して、解決
出来なかった事への無力さ・無念さというものを同時に感じた
ところだろうね。フィンチが持っていた資料を見ると、リース
自身もマシンが割り出した数字の一人になっていそうな感じ
にも見えたけど、まぁいずれにしてもいつもリースはデスパ
レートなところで動いているので仕方有るまい。

やはりなんと言ってもリースが理性を保つことが出来るのか
どうかが今回のポイントとして描かれた。
連邦保安官事務所に殴り込みにいくという猟奇さ加減は、
リースが表舞台に引きずり出されるようなリスクのある行動
だったし(防犯カメラとかフィンチが操作していて写らない
ようにしているのか?)、カーターはリースがトランクに押し
込めて容疑者を連れているところを知りつつも見逃さねば
ならないほど、リースの中に有る鬼気的気配が有ったのだと
思う。この状況で信じろと言われても信じられるものでは
ないと思うけど、例えピーターは殺害してもブラッドを
殺害せずに居られたのは、仲間の存在が大きいのだと思う。

冒頭から自分の事を理解してくれる人の存在をナレーション
ベースで語っていたけど、フィンチにしてもファスコにしても
カーターにしても今ではリースの中の理性的役割を十分に
果たせるだけの存在になっていると思う。

ネタ的には相変わらずファスコがあっさりと素人に尾行を
気づかれてまかれてしまうところかも。フィンチは電話を
通して息を切らしているという事は逃げられたのねみたいな
感じだったけど、まぁお約束というところも有るのだろう。

カーターにしてみれば一番知りたがっていたリースの正体と
いうものに初めて知った時、どのように感じたのか。
ただカーターが一度軍にリースの事を照会したという事は
FBIやCIAもそれを監視している可能性も有るので実に危険な
行動かも。
カーターが懐にしまったジェシカとリースの写真。
どんなタイミングで彼に渡すのかも楽しみだね。

そして最後にフィンチがプレゼントしたであろう大きな部屋。
防犯的には最悪な気がするのだけど、リースが懇親にしている
盲目のオジサン見守れる位置に居られるというのはリース
にとってはありがたいことなのかな。

これだけ広いオフィスを見ると、シーズン1のニキータ
居たオフィスを思い出すな。

ジョン・リース(Jim Caviezel) 元兵士、恋人ジェシカを失う
ハロルド・フィンチ(Michael Emerson) 犯罪防止システム開発者
ジョス・カーター(Taraji P. Henson)刑事
ライオネル・ファスコ(Kevin Chapman) 腐れ刑事、情報屋

ネイサン・イングラム (Brett Cullen) フィンチの元仲間
ウィル・イングラム (Michael Stahl-David) ネイサンの息子、元医師
カール・イライアス (Enrico Colantoni) 携帯電話の相手
パトリック・シモンズ (Robert John Burke) 捜査官、違法
ジャンニ・モレッティ (Mark Margolis) マフィアのドン、カールの実父
パトリック・シモンズ (Robert John Burke) HRの一人

サラ・ジェニングス (Dagmara Dominczyk) ブラッドの妻/カレン・ガーナー
ブラッド・ジェニングス (Jeremy Davidson) 連邦保安官
シャロン (Judith Ivey) ジェシカの母
ジェシカ・アーント (Susan Misner) 元リースの彼女
ピーター・アーント (Jonno Roberts) 不動産投資ディペロッパー、ジェシカの夫
ニコラス・ドネリー (Brennan Brown) FBI捜査官
--- (Fred Applegate) Medical Examiner
マリアンヌ・ニコラス (Kelly Coffield Park) 刑事
Mr.ハン (Randall Duk Kim) リースの知人
--- (Samira Wiley) Triage Nurse
--- (Roe Hartrampf) Bartender
--- (Phil McGlaston) MTA Cop
--- (Akshay Kapoor) Clerk
--- (Juan Carlos Infante) Ticketing Agent
--- (Charlie Plummer) Kid
--- (Rachel Moss) Troubled Teen
カーラ・スタントン (Annie Parisse) リースの元相棒

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

inserted by FC2 system