Smash / スマッシュ
Smash

Creator: Theresa Rebeck

http://www.nbc.com/smash/





Mar. 5, 2013
第5話 読めない心 The Read-Through

脚本/Liz Tuccillo 監督/David Petrarca
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アイビーはミュージカル「危険な関係」のセシル役を射止める。
ジュリアは新しく「ボムシェル」プロジェクトに参加する
ことになったドラマターグのピーターと共にバークシャーの
彼の家で脚本を仕上げる。アイリーンは裁判に於いて罪には
問われなかったが、「ボムシェル」のプロデューサからは
下りるのが条件となる

「ボムシェル」はいよいよプロードウェイで上演出来るかどうか
脚本の完成度を精査する為の本読みの段階になる。
「ボムシェル」を引き継いだジェリーは本読みにアイリーン
立ち会わせることに難色を示す。ジェリーは言わないで良い
ことを裁判で証言した為に自ら引き起こした事態だとして
アイリーンに告げるが、彼女はジェリーに対して私を脇に追い
やり無力化して楽しんでいるのだと非難する。
アイリーンは秘書のリズに対してこれからニックに逢いにいく
として部屋から出て行く。

トムとデレクはいよいよ「ボムシェル」の公演がベラスコ劇場
で公演が決定しそうな事を受けて下見に来ていた。
トムはデレクに対して二幕に入る際に新しいナンバーを挿入する
予定だとし、"素敵な広報活動"というナンバーで飛行機から
マリリンが下りてくるシーンを描くという。そのアイディアを
トムは自ら歌いデレクに語る。

そんな中、遅れてジュリアとピーターがやってくる。
一幕のラストで新しい案が浮かんだので練り直した結果遅れた
とジュリアは語る。デレクはそんなジュリアに対して最高の
ものに仕上がったのかと問うと、完璧な脚本じゃないとジェリー
は手を引くことを語っているのだという。ジュリアはそれを
聞いて今一度脚本を見直す必要が有るカモ知れないとうろたえるが
ピーターは自分の直感を信じろと語り、自分が後ろから支えると
約束する。

アナとカレンは稽古する中、カレンはロニーの舞台の最後に
ジミーとキスして以降彼から連絡がないことに不満を示す。
アナはそんなカレンの姿を見てこっちから電話したらどうかと
語る。そんな中、デレクから電話が鳴る。カレンはいよいよ
「ボムシェル」の上演が決まったのかと問うが、本読み次第
ではまだどうなるか分からないという。しかし今日電話した
のは、演劇祭の運営委員に友人が居るが、その演劇祭で
「ヒット・リスト」をねじ込んでもらえたので試しに上映した
らどうかという。アナはそれを聞いてジミーに電話する良い口実
が出来たのではないかと告げる。

アイビーとステファニーは、「危険な関係」のレッスンをする
中で、プロデューサのティモシーはいよいよ映画スターの
テリー・フォールズが到着した事を語る。テリーはヴァルモン
子爵役だが、彼はコメディー映画の常連であり、ステファニー
はそんな彼がシリアスなミュージカルである「危険な関係」に
出るということは、ジム・キャリーが「リア王」を演じるよう
なものだと語る。ティモシーはスタッフたちの前でテリーの事を
紹介すると、テリーは遅刻したことを謝罪する中で台詞は
全て頭に入っているのですぐに溶け込めると語る。
しかしテリーは映画畑の人なので舞台袖・下手と言ってもどこ
の事なのか分からずしかもこのミュージカルにはそぐわない役
を演じる。

ジュリアはトムと会話する。
ピーターと一緒に生活する中でアイディアがどんどん生まれた
事を語る。今までの私たちは考えすぎていたことを告げる。
トムはピーターの事を未だに信用していなかったが、今日本読み
で彼が本物かどうか分かると告げる。
そんな中二人の前にロビン・ベイツの姿が有った。
トムとは意味深な関係だった為にトムはそそくさとその場から
逃げてしまう。ロビンはジュリアとの再会に喜ぶ中、ピーター
の件で彼からある事を聞かされる。彼は脚本家の敵であり、
レズリーロジャーを間違った方向に導き完全に失敗作にした
事があるのだという。更に彼はちゃっかり別の脚本を用意して
いて自分の脚本を提案していったのだという。とにかく彼は
レズリーにも背中から支えると語っていたが、寧ろ背中から
刺したのだと言われる。

カレンとアナは、ジミーとカイルの元にいくと二週間後の
演劇祭で「ヒット・リスト」のお試し上演をすることが決定
した事を報告する。耳で聞くと本の出来が分かるというので
これから本読みをしないかと告げる。カイルは突然の申し出
に戸惑うがジミーやカレンたちは是非カイルの脚本を見たい
として、演劇祭もお試しなので一幕だけで良いのだとし、
参加するよう告げる。そんな中ジミーの部屋にはジェーンという
女性が泊まっているのを目にする。それを知ったカレンは
電話してこない理由が分かったと共にショックを受ける。
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「ボムシェル」本読みの段階へ

いよいよ本格的にブロードウェイで上演に値する脚本かどうか
を精査する意味で脚本の本読みが行われることになる。
アイリーンはその本読みに参加したい事を告げるが、ジェリーが
法律を盾にそれを許さない中で、最終的には意見の割れたスタッフ
たちのまとめ役としてはアイリーンが必要だという存在感へと
結びつけていく。

きな臭いドラマターグ・ピーター

人は感情に左右される生き物であり、その感情を操作したり揺さぶ
ったりするというのは意外とたやすいものなのだろう。
それだからこそ信頼関係は大切なものとして存在している。
トムとジュリアの間に割って入ってきたピーターの存在。
トムが心配しているのは、ピーター自身というよりも、彼によって
影響を及ぼされたジュリアが彼女本来の視点というものを失って
いくところに有るようだ。

「ボムシェル」をどのような視点で描くのか

トムとジェリー、ジュリアとピーターが互いに「ボムシェル」を
描く上でどのような視点でマリリンを表現するのかで対立点
が描かれた。前回ジュリアはピーターの大学の演技クラスでの
経験を通して、どのような視点で描くべきなのかについて散々
描かれてきたのに、ここに来てまたトムが振り出しに戻るような
演出を主張する。マリリン自身から見た視線と、マリリンを眺める
彼女と恋人関係にあったものからの視線を通してマリリン像を
築いていくのとどちらが良いのか。

トムが描いた「ボムシェル」

今回ようやくボムシェル公演の公算が立った際に、劇場でトム
はデレクに自分の脚本のプランを描いた。
その中でのカレンはとても胸の開いた黄色のドレスを着ていて
こぼれ落ちそんな感じが艶っぽさを描いていた。

カレンとジミーの関係

二人は恋人関係になるのかと思ったけど、カレンだけの片思いで
終わってしまうのか。「ヒット・リスト」の本読みの際にジミーと
二人だけの空間に居た際にカレンのジミーに対する視線がミュージ
カルとして表現されていたけど、とても切ないものだった。
しかしジミーには別の女性も居るようで完全に遊び人モードの彼が
居る様子。デレクと言いジミーと言いジュリアと言い、アーティスト
は色んな経験が必要とばかりに次々と異性・パートナーを変える
というのは、ちょっと感情移入がしずらいかも。

「ボムシェル」の脚本をすり替えたもの

マーゴットというジェリーの関係者が届いた脚本を見て感動した
事をジュリアに語っていた。恋多き女優として今でもご健在のエリ
ザベス・テーラーとマリリンの関係というものを巡り、脚本から
削除した筈なのに届いている草稿にはこのシーンが含まれていた。
ピーターの仕業なのかと思わせたが実際には、「直感を信じろ!」
というピーターの意見が正しく、トムが送った草稿がジェリー
に評価を得ていたようだ。
しかしこれまでボストン公演でのシナリオを変更しようとして
頑張って来たワケで、今まで苦悩してきたのは何だったのか?と
いう感じにも思える。

アイビーの流れも健在

アイビーはセシル役として「危険な関係」に出演するのが決まる。
演技合わせの際に、映画俳優のテリー・フォールズという男性が
このミュージカルに子爵として参加することになる。
以前の「ボムシェル」でのマリリン争いに於けるユマ・サーマン役
の女優と同じく、ミュージカル界に映画畑の人が入ってくること
での違和感が表現されていた。
アイビーがテリーのことを演技の中で「貴方の存在は嘲笑と悪ふざ
けだけで、悪魔だ!」と表現する辺りが笑えたけど、その場が凍り
付いたことをテリー自身は、アイビーの演技力だと勘違いしている
ところも笑える。ただ映画俳優らしく、薬漬けになっている
というテリーの姿を見ると、ちょっと気の毒になるね。

「ヒット・リスト」はどうなる?

カイルの脚本が意外にも駄作だったとする辺りが切ない。
そしてカイルもその現実を知ることになる。
ミュージカル好きでも脚本を描くこととは別問題。
きな臭いドラマターグのピーターでさえ、他人の脚本を手直しする
ことにかけては力を発揮するけど、自らシナリオを興すという意味
ではかなりのがっかりな人の様だしね。
カイルに比べてジミーは才能を発揮。
飲んだくれて女遊びが激しく人生卑屈に生きている人物程才能
があり、カイルのように真面目な人ほど面白味のない作品しか
作れないというのが切ない。カレンは誰もが努力する必要が有り
徐々に手直ししていくことで脚本がよくなることを説いていた
けどね。

トム役のSean Hayes

「ふたりは友達? ウィル&グレイス」で4人の主人公の中の一人、
ジャック・マクファーランド役を演じた。このドラマの中でも
イマイチな俳優役を演じていたし、ドラマの中でよく引用され
「三バカ大将」のリメイク作品、映画「新・三バカ大将 ザ・
ムービー」でラリー役として出演している。

■使用された曲

・Katharine McPheeのSome Boys (Smash Cast Version)
・Katharine McPhee with Christian BorleのPublic Relations (Smash
Cast Version)
・Katharine McPheeのCaught In The Storm (Smash Cast Version)

ジュリア・ヒューストン (Debra Messing) 作詞家
デレク・ウィリス (Jack Davenport) 女たらしで有名な演出家
カレン・カートライト (Katharine McPhee) ウェイトレス、女優
トム・レヴィット (Christian Borle) 作曲家、ゲイ、デレク嫌い
アイヴィー・リン (Megan Hilty) 女優を目指す
アイリーン・ランド (Anjelica Huston) プロデューサー
サム・スティックランド (Leslie Odom Jr.)
フランク・ヒューストン (Brian d'Arcy James) ジュリアの夫
エリス・ボイド (Jaime Cepero) トムのアシスタント
レオ・ヒューストン (Emory Cohen) 息子

ジェリー・ランド (Michael Cristofer) アイリーンの夫
ジョシュ (Joshua Bergasse) デレクのスタッフ
デーブ (Tim Wright) ダンサーの振り付け師
サム・ストリックランド (Leslie Odom Jr.) アイビーの旧友
ジョシュ (Joshua Bergasse) スタッフの一人
リンダ (Ann Harada) スタッフの一人
スー (Jenny Laroche) ダンサー、アイビーの友達
デニス (Phillip Spaeth) ダンサー、アイビーの友達
ボビー (Wesley Taylor) ダンサー、アイビーの友達
ジェシカ (Savannah Wise) ダンサー、アイビーの友達
スコット (Scott Burkhardt) メガネのスタッフ、アイリーン秘書
シンシア (Condola Rashad) "シン"、エリスの彼女
ニック・フェルダー (Thorsten Kaye) バーテンダー、7ドルでマティーニ

ジミー・コリンズ (Jeremy Jordan) バーの店員、歌、ピアノ、生意気
アナ・バーガス (Krysta Rodriguez) カレンのルームメイト
カイル・ビショップ (Andy Mientus) バーの店員、ジミーと歌う
ヴェロニカ・ムーア (Jennifer Hudson) "ロニー"、ミュージカル主役
リズ (Ching Valdes-Aran) アイリーンの秘書

ピーター・ギルマン (Daniel Sunjata) ドラマターグ
テリー・フォールズ (Sean Hayes) 映画俳優、「危険な関係」出演、ヴァルモン子爵役
ティモシー (Jason Kravits) 「危険な関係」プロデューサー
ティファニー (Veanne Cox) 「危険な関係」女優、メルトイユ役
マーゴット (Nikki Blonsky) ジェリーの秘書。「ボムシェル」絶賛
本人出演 (Jon Robin Baitz) トムの彼氏?脚本家
ジェーン (Sara King) ジミーの彼女
--- (Kelly McAndrew) Actor
--- (Christy Pusz) Actor
--- (Kathy Fitzgerald) Actor
--- (Bobby Lamont) Actor
--- (Natalie Paul) Actor
--- (Frankie J. Alvarez) Actor

ダンサー
(Brandon Rubendall)(Christopher Vo)(Ericka Hunter)
(Jenny Laroche)(Joe Aaron Reid)(Katie Weber)(Keith Kuhl)
(Kristine Covillo)(Alexandra Hulme)(Manuel Herrera)
(Marty Lawson)(Meredith Miles)(Michael McArthur)
(Nina Lafarga)(Reed Kelly)(Ryan Rankine)(Samantha Zack)
(Tyrone Jackson)(Elisabeth Montanaro)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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