ウォーキング・デッド The Walking Dead (シーズン3) 監督・脚本・企画：フランク・ダラボン 原作・脚本：ロバート・カークマン http://tv.foxjapan.com/fox/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/1131

Feb. 10, 2013
第9話 死闘の果て The Suicide King

脚本／Evan T. Reilly
監督／Lesli Linka Glatter
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リックたちはミショーンの情報を頼りに、ウッドベリーの街で
グレンとマギーが囚われている事を知って助けに行くが、二人
を助けるまでは良かったが、その過程でオスカーを失い、
ダリルも総督たちによって捕まってしまう。総督は騒動の原因
はメルルとダリルの兄弟にあるとして、市民たちに対して、
彼らは裏切り者だと告げ、市民をたきつける。市民はふたりを
「殺せ」と叫ぶ。

アンドレアはダリルは私の仲間であってこんな事は辞めさせる
べきだと総督に告げるが、総督はゾンビ娘をミショーンに
よって殺された事を受けて、精神的ショックから混乱した状態
で市民たちの前で主張する。これは町民たちの意思であり
止められないという。
総督はメルルに対して、お前の忠誠心はココにあると言って
いた事を引き合いに出すと、それを証明しろという。兄弟で
戦ってもらい、勝者を生かすという。命を賭けて戦えと焚き告
げる。メルルはそれを受けてオレを見くびるなと告げると、
ダリルに対して殴り飛ばす。ダリルはメルルによって殴られつつ
も、兄に対して例え勝者になってもアイツが自由にすると思って
いるのかと問う。メルルはとりあえず現在はオレに合わせて
行動を取れと要求する。奴らを倒すのが先ずは先決だとして、
総督の民兵たちが連れてきたゾンビたちを退治しようとする。
アンドレアは止めようとする中、コロシアムには突然リック
らが放った催涙弾によって煙が充満し、銃声を鳴り響かせる
ことでそこに集まる市民たちをパニックに陥れる。その隙を
ついて、リックたちはメルルとダリルを救出するのだった。

メルルとダリルは外で待機していたマギー、リック、ミショー
ンらと引き合わせると、リックとミショーンは特にメルルに対し
敵意を向けて殺害しようとする。ダリルは兄を助けようとして
リックたちに向けて矢を構える中、リックはみんなに冷静になる
よう要求する。
メルルの話では、あの街を率いている総督は魅力的な男で、
ミショーンの連れだったアンドレアもイチコロにされていたのだ
という。リックはアンドレアの事をミショーンが知って居た
ことに驚く。メルルは二人は冬の間に寄り添って助け合っていた
のだと告げ、こいつは二人のゾンビの腕を切って率いていた
ヤツだという。

ハーシェルは刑務所内で、傷ついたアレンたちの傷の手当を
していた。赤ちゃんは一週間前に生まれたことを語ると、
まさか赤ちゃんが見られるとは思わなかったというサシャ。
赤ちゃんの母はどうしたのか?と問うと、明らかにそこにいた
ものたちは影を落としたことも有って他界していることを感じ
て余計なことを詮索したことに謝罪する。

タイリースはここまで来た経緯をダイアナやハーシェルたち
にも話す。最初は隣人の家に身を寄せていたこと。隣人は
週末に備えてイカれた男だとされていたが、彼のそんな行動に
よって助かったのだという。裏庭に地下壕を掘っていたので
しばらくはサシャと共に居たが壕を出て最初に逢ったのが
アレンとベンだという。確かギャクソンビルの辺りにいたとの
こと。我々は最大25人居たが、約7週間前にキャンプが襲われた
とし、仲間を失ったという。5人でここにたどり着いたが、
ここに来る直前にドナを失ったと語る。ハーシェルたちは手厚く
ドナを埋葬しようと語る。タイリースはまさか刑務所に押し入る
とは思わなかったと告げると、アクセルは囚人だった手前、
まさかこのオレも出所を拒んでいるなんてと皮肉るのだった。
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■刑務所組

新たに刑務所に逃げ込んできた4人のメンバー。
タイリース、サシャ、アレン、そしてベン。
前回は囚人の中でもアクセルの存在が恐かったけど、今回の
展開を見る限りは彼は意外と良い人みたいだ。

そしてタイリースたちがここにまで至る説明を聞く限りでは
彼らも一見すると害は無いような感じだけど
ハーシェルに対してここに居させてくれるよう交渉するも
決断権を持っているのがリックだということで彼らの帰宅待ち。

ドナの遺体を埋葬する際、アレンが突然今の状況であれば、
この土地を奪うことは可能だとして、女子供を殺して占拠しよう
と提案する。リックらが帰宅すれば追い出されることは必至で
追い出されれば死ぬ事は目に見えている。
ドラマとしては良く出来ていたのは、女子供・老人が寧ろ犯罪や
人間の良心に対する抑止力として働いていた点で、生きるために
すべきことを優先しようとするがあまり人間として尊厳を失い
かねないところを上手くセーブさせた事かも。

戻ってきたリックたちがなかなかタイリースたちの件で話そうと
しないことに関してやきもきさせる展開だった。
最後になってリックは彼らを追い出す決断をし、ハーシェルは
その意見に反対をする。しかしリックの中に徐々に現れ始めた
PTSD的妄想感が前回のシェーンに続いて今回はローリーが目の前に
現れるところなど、実に難儀なところだけど、ダリルやオスカー
を失った今となっては、男性たち戦闘要員の存在はかなり貴重だとは
思うのだけどね。
あっさり手放しても良いのか、例え追い出したとしても、いつか
戻って来て今度は容赦なく住居を奪っていくのかも知れない。

ハーシェルたちはリックらを受け入れて来たのだし、アクセル
やオスカーという囚人だってリックは受け入れてきたにも関わらず
ここに来て、彼らを追い出すというのもちょっと違和感は有るの
かも知れない。囚人のトーマスとアンドリューの件が未だに
引っかかっている様子。

アクセルとオスカーの関係、そしてキャロルとダリルの関係、
そして二人との決別も切ない流れだった。
ダリルは兄に服従することが頭の中にすり込まれているのだとし、
過去DVに有っていたキャロルもエドとの関係に言及していた。

そしてリックの壊れっぷりが総督と形は違えど似たような状況に
なっているところが不気味だね。
ASS KICKER(じゃじゃ馬)・ジュディスの存在がリックの心を
癒してくれると良いんだけどね。

■ウッドベリーの街

メルルとグレンが対決させられることになり、絶体絶命の中、
その戦いを見て違和感を唱えたアンドレアはもちろんのこと、
意外と世間知らずのミルトンがキーマンとして存在していくのか
も知れない。
リックたちは一度は脱出してグレンを安全な場所に待避させた後、
今度はダリルを助けるために再び街に戻り、催涙弾を使って
敵を攪乱させる間になんとか助けることが出来た。
あの銃撃戦の中でも6名しか被害者を出さなかったというのが
驚きの展開だったけどね。

メルルをグレンらの元に連れて行くと、当然ながら彼を仲間に
加えるべきかどうかの葛藤が有る。一度恨み・恨まれの展開が
発生するとなかなか相手を信頼することは難しいようだ。
この辺はまさに今の日本と近隣諸国の関係にも通じるところが
有るな。
そして更には正体不明のミショーンに対しても、連れて行くべき
かどうかの葛藤が有る。
結果としてメルルを受け入れないのであれば、ダリルも付いて
いかないとすることになり、その選択に迫られ、結局リスクを
犯すことは出来ず、ダリルとの別れ。一番悲しむのはキャロル
だろうね。
ただグレンが主張するようにダリルを取り戻しに行ったハズなのに
結局無駄骨に終わった上に総督を殺害しなかったという辺りに
リックのリーダーとしての資質が問われることになって行きそうだ。
今までならばそれが出来ていたのに、やはり亡霊の存在は大きい
のだろうか?

そして街では久しく感じていなかった恐怖心が人々の心の中に
植え付けられて、不信感へと繋がっていく。
リーダーが必要なときに肝心の総督はゾンビに噛まれたリチャード
たちを非情な態度で殺害し、そして家の中に引きこもり状態。
上手いことアンドレアが街人たちを説得して新たなリーダー性を
発揮して行くも、やはり男たちは恐怖の対象である刑務所組の
排除へと流れは向かっていくのだろうね。

しかし目にガラスが深く刺さった総督はよく生きていられるな。


・Jo StaffordのIt Could Happen to You
・Jo StaffordのLong Ago (and Far Away)
・The Walking Dead Main Title